元々この小説を書いていたスマホが壊れたため、プロットやら設定集やら2話分の書き溜めやらが全て消えて……まぁ……その……はい。萎えてました。
更新再開です。
※元々の予定とのズレ、主人公のセリフのブレなどが目立つ可能性がありますが、ある程度までは目をつぶっていただけると幸いです。
「いよっっっっしゃぁい!!!!!!」
やっっっっったぜ!!!!!
ユニークシナリオだ!!!!!!計画……通り!!!!!多分!!!
「長かった……ッ!!! ほんっっっとーに!!!!」
待ち望んでいたユニークシナリオ開始のアナウンスに、拳を振り上げてガッツポーズ。
苦節一ヶ月と少し。いや短いな。
ほんとうに、ほんとうに、未発見のユニークシナリオなんて実際にあるのかよとか疑っていたけれど……やはり僕の考察は当たっていたらしい。
「何かに特化すること、この世界に本気になること。この2つを満たす人間の前に未発見のユニークシナリオは現れる……はず。」
まぁ……この「この世界に本気になる」という部分は僕にとってこの方式がやりやすいというだけで、ロールプレイが上手いとかでも良いっぽい感じがするけれど。
何かに特化する云々の方は簡単だ。この世界はできることが多い。あまりにも多い。その中で剣での戦闘に特化してもいいし、鍛冶に特化してもいい。たしか農民なんてJOBもあったはず。
プレイヤー人口が多い剣士や鍛冶師、魔術師なんかが人海戦術で該当するユニークシナリオを見つけたというだけで、農民にはありませーんなんてことをこの世界はしないだろうって話である。
僕の場合は「海中での戦闘」に特化したわけだ。
これは余談だけれど、魔術師のユニークシナリオで一番有名なのは「実現杖ザ・デザイアー」に関するモノだと魔術師について調べているうちに聞いた。有名なプレイヤーの一人がクリアしたときには既に誰かによって持ち出されていたとかなんとか……持ち出されていた理由もユニークシナリオなのか、それともどこかのプレイヤーが獲得して秘匿しているのか……ま、僕にはもう関係ない話だけれども。
「この世界で一番強くなる必要はないからね。最悪クターニッドを倒せなくても問題ないといえばないわけで」
ユニークシナリオを開始するかを確認するためのウィンドウを出しっぱなしにしたまま、やっと冷めてきた脳みそを動かして「次」へと思考を照らし始める。
「ここで僕がするべきことは、本当にこのシナリオに挑むことなのかって話だ」
現在、少なくともシャンフロwikiに海に関するユニークシナリオはクターニッドに連なるものしか載っていないのは確認済み。
つまり、この「偽りの神へ、ただ純粋な敬意を」というシナリオは確実に未発見のものな訳で。
「ライブラリにユニークシナリオの導入として売っぱらうのもアリだ」
前も言及したけれど、僕にとってユニークシナリオの報酬なんて大した価値を持っていない。
「実現杖デ・ザイアー」同様、必要のあるなしで言えば……まぁ必要ない。
目閉じて、開く。…………。
『────ユニークシナリオ「偽りの神へ、ただ純粋な敬意を」が受注されました。』
『「朽ちた海の盃」を手に入れた』
「…………え?」
UIを操作するために伸ばした手の甲に、ゆっくりと朽ちた盃の絵が浮かび上がる。
手に入れた……手に入れた……???
一応所持アイテム欄を確認するも、「朽ちた海の盃」とやらは見つからず、もちろん近くに落ちていたりもしない。
称号欄もステータス欄もなにもなし。
えぇ……このタトゥーみたいなやつだけを頼りにしろってことだよな……?
「疑問点だけ増えたが……?」
ただ、やることは明確になった。
このタトゥーについて何か知っている人がこの街に絶対にいるはず。聞き込みを……あーいや、街の図書館で調べるのが先か? あ~〜〜〜〜〜〜〜〜………
「うん。うん」
もういいよな? いいな? いいか。よーし。
「考えるの飽きたしレベル上げでもしよう。ここゲームだし」
まー、最悪どうしても行き詰まったらライブラリに協力頼めばなんとかなるだろうし。
そうして思考を纏めた僕は起き上がって、リスポーンしてから一歩も出ていなかった布団を出る。
いつも通りボートを回収するところからだな……だいぶ遠くまで行ったが、まだ方角はある程度覚えている。
「最近毎回死に戻りで帰ってる気がする……」
そう呟きながら部屋の鍵を宿屋に返し、次は「海の化身」に遭遇しないことを祈りながら海辺へと歩き始めた。
◆◆◆
場面変わりましてコチラ海上。ボートは回収完了。釣り中です。
この作品始まってから釣りと探索してないんじゃないかーってね。
現在の釣果は鮭4匹と亀1匹。レベルも上がった。
結構効率良くレベル上げをできているつもりだが……そもそもソロと野良パーティー、どっちがレベル上げやすいんだろうか。
「よいしょぉっと」
あ、打った魔法なんかは省略する。前とだいたい一緒だし。
さて、話を戻すが、今までは海での戦闘を中心にすることで、レベル上げ、ユニークシナリオ探し、海での戦闘に慣れる、という3つの目的を同時に追っていた。
実際だいたいどれもうまく行った訳だが、ユニークシナリオを発見した今、もっと効率的なレベル上げを追い求めるべきではないか?と言う、話だ。
「お、ラッキー」
亀。1日に二匹は割とめちゃくちゃ運が良い。上振れである。
ドブン、と海に潜り、片手間で思考を続けながらも引き打ち戦法を開始。
『もうすぐ90レベルだし……最初のカンストまで陸でレベル上げしたほうが……良かったり?』
とはいえ、とはいえである。
今更陸で戦闘……無理じゃないか?という問題がどうしても残る。 あと味方との連携の方も自信はない。
陸で反射的に移動用の威力半減【ウォーター・ジェット】打って転けるだけ〜、みたいな、恥ずかしい思いして終わるんじゃないか?という……ね!???!?
『【詠唱短縮】【ウォーター・ジェット】』
亀ことお馴染みワンダーシータートル君が射出された水に顔を顰めて動きを鈍らせた。
『やっとコイツも神経尖らせずに勝てるようになってきたな……【雷轟の矢】』
ステータスの上昇により、以前より少し火力の上がった【雷轟の矢】に、亀の体力が目に見えて減る。
あーっと、なんの話だっけ。そうそう。陸に出るか迷ってるって話だ。悩みが完全に古生物のそれなんだけど……。僕は……両生類以前の魚類だった……?
『亀って何類だ……?』
まさか、まさかね。ははは。コイツより昔の種に属されるなんてそんなそんな。まっさかー。
『はいトドメ。【ライトニング】』
ササッとドロップアイテムを回収し、再び船上へ。
やはり釣りは良い。
毎回思うけれど、考え事に最適だ。現実だとこうは行かないんだろうけれども。
決めなければ行けないことは2つ。
・ライブラリに交渉を持ちかけるタイミング。
・レベル上げの手段。
これである。
正直なところ……あっ、すみませんね。ちょっと餌つけますね。はいできた。せーのっと。
うむ。正直なところ、さっさとライブラリに相談に行ったほうが早いだろうというのが僕の考えだ。
クリオネちゃんへの愛……じゃなかった、クターニッドに挑みたいという想いで誰かに負ける気はしないが、それはそれとしてクターニッドの情報は大して持っていない。
要するに、今の海中戦に慣れきった状態で、ボス戦は特殊フィールドが出るから地上戦です!とか、特殊アイテムがあるので移動速度は解決します!とか、言われた瞬間、僕の海中戦のノウハウは意味がなくなるのだ。
それは好ましくないから、こんなところで油売ってないでとっととライブラリに行けという話ではある。あるのだが……。
「行きたくない……そもそもクリオネちゃん会うためってだけなら強さなんていらないし……」
ちなみに行きたくない理由はシンプルにめんどくさいからである。
下調べが得意なせいで余計な情報ばかり持っている僕は、ライブラリのトップがめちゃくちゃ頭が良く食えないタイプのご老人だと言うことも、話し出すと止まらない人達の集まりだと言うことも知っているのだ。
正直……そう、正直、営業みたいな仕事っぽいことから逃げたい。めちゃくちゃ嫌だ。働きたくない。
「うーーーーーむ」
彼はこの後、2時間に渡って釣りをしながら悶々と悩むことになる。
(亀は爬虫類なので魚類両生類より現代に近い)