更新遅れた理由については本編内にて……すみませんでした!!!!!
「と、いうわけで戦闘描写スキップが入るわけだ」
はいそこ、作者がインフルエンザとコロナと肺炎の感染症役満食らってる間に内容忘れて続き書くの諦めてただけとか言わないよー。そんでそのまま就活期に入ったから文章書くどころじゃなかったことも忘れなさーい。
僕は数カ月弓を構えたまま固まってたし、アトランティス・レプノルカもずっと電気を溜めていた。作者には心から反省して欲しいところだ。
以上言い訳でした!!!!!!!
……一応前回までのあらすじを入れると、今はルルイアス攻略の初日。
海上戦に勝ってルルイアスまで来れたは良いものの、気絶してる間に杖弓なくしたんだよな。結局どこぞのキメラ野郎が喰ってたのを奪い返してついでに追手の魚群を処理してアトランティス・レプノルカも追い払った。
「……できれば素材取っときたかったな」
とはいえ、前回ナナさんとリベリオスと僕の三人で倒したときの素材はまだわりと残っている。増えすぎても使い道に困るだけだろう。
こうメタっぽいことを連続で言うのもなんだが、少なくともまだ後一回は会うような気もするし。
「ふーーーー」
再び静寂を取り戻した深海にて、空を眺めて伸びをした。
「……クリオネちゃんに会いに行くか」
そう、忘れてはいけない。
ここに来たのはクリオネちゃんに会うためだが、既に2度も失敗しているクターニッドの攻略をやり遂げるという目的も付随しているのだ。遠距離無効の封将の討伐手段の模索(十中八九異形術の練度を上げて近接戦闘をする形になるだろうが)や、結局クリオネちゃんを倒してからクターニッドに挑むのかを考えねばならないことになる。
……脳裏にいつかの光景が蘇った。剣に体を貫かれるクリオネちゃんと、助けようと手を伸ばすも魔法を放つことすらできない僕が。
あの出来事を消化することなど到底できそうにない。リベリオスは友人だが……それでも。
なにより、彼女はモンスターであり、僕は人間であるという事実は常に心に残っているのだ。
「吹っ切って愛を叫べるぐらい、僕が素直な人間だったら良かったんだけど。」
いやまぁそもそも会いに行くことは確定なんだけれど。
彼女がリスポーンしない通常モンスターならば良かったのだろうか? そんなことはないと首を振っても、自分はモンスターにはなれそうに……なれそうに……?
僕は……できればルルイアスへの継続渡航手段を探すつもりだが……それは彼女にとって迷惑だろうか?
「ミレィさんに聞かれたらまた怒られそうだ」
ミレィさんが、ライブラリを辞めてまで好きに生きろと僕の背中を押してくれたのだ。……残念ながら悩みは多い。筋の通った一貫性のある人間になどなれそうにない。
だが、できることならば友人達の横に胸を張って立てるような人間であり続けたい、そう思った。
「いや待って、異形術って3割ぐらいモンスターになってるのと同義じゃない? 僕もクリオネちゃんになれる?」
……もう少しシリアスな空気を引きずってほしいものである。
◆◆◆
深海へと消えていくシュテルメアを見送ったフユネ=77は、ぼんやりと海を見つめているミレィに別れを告げて、単独行動をしていた。
自らの主人との合流は、なぜかクターニッドの力により妨害されている……などということはない。本気で会いに行こうと思えば、フユネ=77にはそれが実行可能だった。
ではなぜ主人を想うこの征服人形は未だその行動に移っていないのか?
「さて……それで、フユネ=77、いえ、ナナちゃん。貴機は契約者も連れずになにをしにココへ来たのでしょう!」
ナナの目の前で勇魚と呼ばれるホログラムの女はその疑問を口にする。
「解答:当機は……当機のアイデンティティに触れに来ましたの」
「ふむー? 良いんですか? それは貴機達、征服人形にとってはアイデンティティを揺るがしかねない事象だと伺っていますが!」
「肯定:問題ありませんわ。そして……当機にはその情報へのアクセス権がある。違いますか?」
「いいえ! いいえ! そうですね! あなたが契約者の許可も取らずにココへ来たことの是非はともかく、貴機のシリーズには私……いいえ、このリヴァイアサンにて一定の権限が付与されています!」
実際のところ、フユネという征服人形の型に開拓者と契約するということはほとんど想定されていない。
例えば白の神、例えば青、例えば……海には地上よりもよっぽど危険とされる存在が多く、それらに対する監視者を必要としていたことから設定されたこの型だが……そもそも、深海探索特化の征服人形は別にもう一型存在するのだ。
数少ないことが予想される魚人族へと改宗するような(変わり者の)開拓者達も、より積極的に契約を行うそちらに惹かれてフユネ型の存在には気付かれない、とリヴァイアサンも踏んでいたからこその権限。そして、だからこそのセーフティとしてのフユネ型である。
「貴機があまりに簡単に海の王の後継者と契約したときはない肝を冷やしましたが……越権行為に至らなかったようでなによりです!」
「当然:当機は公私の使い分け機能を保持しておりますので」
「ふむ、だからこそお聞かせ下さい! なぜ、貴機は今回わざわざ自身のアイデンティティを揺るがしてまで中野冬音の情報を閲覧しようと?」
「…………………………黙秘:」
「残念です! ではこちらへ!」
◆
ホログラムとウィンドウのみで構成された部屋で一人、ナナは思考の海に浸かる。
「哀しき深海へ贈る唄」
目の前に表示されているウィンドウは、ナナの主人が受注したユニークシナリオだ。未だ詳細の何一つ分かっていないこのユニークシナリオのタイトルだけで、ナナは自分とシュテルメアにはこのユニークシナリオがクリア不可能な状態であることを察してしまっていた。
先程の勇魚の言葉を思い起こされ、既に部屋にはいない彼女へと返答を口にした。
「…………解答:当機にはシュテルンブルームの楽曲データがインストールされておりませんの」
かつてのエルマ型の征服人形とはまた違う、アイデンティティ問題。
ナナは……いや、フユネ=77は、つい最近に至るまでその情報を一切必要としていなかった。
歌とは人に聴かせるためのものだ。人に何かを伝えるための、あるいは人の背中を押すためのものだ。自分は孤独に海へと潜る存在であるが故に、聴かせる相手もいない歌を知る必要がないのだろうと思ってきた。そして、それで問題ないと思っていた。
彼に会うまでは、だが。
「疑問提起:シュテルメア様、貴方は当機の歌にどのような反応をしめすのでしょうか?」
笑ってくれるだろうか、泣いてくれるだろうか、聞き入ってくれるだろうか。
……背中を押されてくれるだろうか。
「疑問:どうですの?」
シュテルメアとの通信機器を作動させて、そう、少しだけ語りかけた。
『──────ザ、ザ─────ザザ────』
通信可能距離を大幅に超えていることで何の意味も成さないその機械は、ザーという機械音をしばらく鳴らしただけだったが、それですらナナにはシュテルメアを近くに感じる要因になり得た。
心臓パーツの付近を軽く押さえて、勇魚のアイデンティティに関する言葉を心から否定する。
シュテルメアに対するこの感情をきっと中野冬音は持ち合わせていなかった。それだけで、自分のアイデンティティが崩れることはないと確信できる。
何故か異様に長かったローディングが終わり、一つ、また一つ、機械的な音ともに中野冬音に関する情報が載ったウィンドウが表示され始める。
「中野冬音……貴方は……いえ、私は……」
無数にすら思えるほどのウィンドウが表示されては消えて、表示され、消え、その全てを閲覧し終えたナナの前に、一つのウィンドウが残った。
『ABYSS of HOPE』
シュテルメアの言葉にするならば……希望の深淵。
思わず目を細める。そうだ、きっとこれこそ自分達に相応しい。
◆
フユネ=77がその元となった人物についての情報を閲覧している頃、リヴァイアサンのどこかで勇魚は首を傾げていた。
「おかしいですねぇ……まさかあのアンドリューが征服人形に歌唱機能をつけないなんてことはないと思うのですが……」
◆
「………………え?」
崩壊した封塔を前に、シュテルメアが間の抜けた顔で立ち尽くしている。
「いやいやいやいや……え?」
一応読み返してから書き始めましたが、なにぶん文章を書くのも久しぶりなもので……ここまでの話での設定との多少の矛盾があっても無視していただければなと思います。
それと、今後の更新ですが、安定は1年ほど難しいかと思われます。
お待ちいただいている皆様には大変申し訳ありませんが、気長に付き合ってやっていただければ幸いです。