小鳥遊ホシノの先輩   作:燐檎あめ

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お久しぶりです、上手く内容を纏められない&別のことにモチベが持っていかれるのダブルパンチで投稿がこんなにも遅れてしまいました……待っていてくれた読者の皆様方には申し訳ないことをしましたm(_ _)m

執筆をしていたらどんどん文字数が伸びて、まだ書き上がりそうになかったので、一旦キリのいいところで区切って投稿する事にします。

それでは、本編へどうぞ|´-`)チラッ


天童アリスの正体

 ──アリスが暴走してから二日後(リンがリオから連絡を受けた一日後)、ミレニアムにある保健室のうちの一つ。

 

 そこには先の戦闘によって全身に傷を負い、頭部に包帯を巻いたモモイが今も尚、目を覚ますことなく眠っていた。

 

 ……ただ聞いたところによると、確りと回復には向かっているようであり、後数日もすれば目を覚ますだろうとのこと。

 

 その事を聞いた先生はホッと安堵の息を吐きながら……あの日起こった出来事を脳内で整理する。

 

 

 

(あの日、ヴェリタスのみんなが拾ってきたロボットにアリスちゃんが触れた途端、様子がおかしくなった)

 

(普段の青い瞳とは違う、赤い瞳。まるで人格が急に変わったような……いや、()()()()()()()()()感じがした)

 

 

 

 気になる点は他にもある。

 

 

 

(ミドリちゃんは、"アリスちゃんの雰囲気が変わったあの時、モモイちゃんが持っていたゲーム機が急に作動した"って言ってた。あのゲーム機は確か廃墟で……)

 

 

 

 ──"『Divi:Sion System』へ、ようこそお越しくださいました。お探しの項目を入力してください"

 

 

 

「廃墟……コンピューター……そして……Divi:Sion System……」

 

 

 

 アリスは何故暴走したのか、あの奇怪なロボットとアリスには一体どんな関係性があるのだろうか、何故急にモモイのゲーム機が起動したのか、廃墟にあった"Key"というフォルダとなにか関係があるのだろうか……

 

 何故、何故、何故、何故……いくつもの疑問が、先生の脳裏を埋め尽くしていく。

 

 

 

(あの後、モモイちゃんのゲーム機を確認してみたけど、電源すら入らなかった。……まるで、元からそうであったかのように)

 

 ──まるで、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 そうして何も答えが見つからないまま、思考だけが渦巻いていたその時……先生は、ある一つのことを思い出した。

 

 

 

(Divi:Sion System……そういえばあの時、リンくんは何か心当たりがあるような感じだった)

 

 

 

 思い出すのは、廃墟でのとある一幕。モニターに映し出された文字を目にした際の赤飛リンの反応であった。

 

 ……もしかしたら、彼なら何かを知っているかもしれない。少しでも現状を理解するための材料がほしい先生は、そんな藁にも縋るような思いでリンへと電話を掛け──

 

 

 

『ただいま電話に出ることが出来ません。御用の際は──』

 

 

 

 ……繋がらなかった。

 

 その後二、三度試すものの結果は変わらなかったため、先生は"何か取り込み中なのかな"と留守番電話を残してスマホをポケットに仕舞うと保健室を後にし、今度はゲーム開発部の部室へと向かう。

 

 ……部室の前には、不安そうな表情でうろうろするミドリとユズの姿。……アリスはどうやら、目を覚まして以降はずっと部室に閉じこもったままらしい。

 

 何度声をかけても出てくる気配はなく、こんな時にどうしたらいいのかもわからない……不安と不甲斐なさで涙を浮かべる二人に対して、先生は側に近寄るとしゃがみ込み、安心させるような優しい笑みを浮かべながら"大丈夫"と頭を撫でる。

 

 

 

「……先生?」

 

「…………!」

 

「大丈夫、ここは私に任せて」

 

 

 

 二人の不安が少し和らいだことを確認すると先生は立ち上がり、部室の扉へと近づき……"コンコンコン"と、ノックする。……当然ながら、返事は返ってこない。

 

 しかし先生は引くことなく、アリスに一言断りをいれると扉を開けて部室の中へと足を踏み入れるのであった。

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 カーテンを閉め切り、電気もついていない薄暗い室内で……アリスは一人、膝を抱えて蹲っていた。

 

 "アリス"……先生が名を呼ぶと、彼女はびくりと肩を震わせ、恐る恐る顔を上げる。

 

 

 

「せ、先生……」

 

「……ご飯も食べないで、ずっと篭ってるって聞いたよ。……みんな、アリスちゃんの事を心配してる」

 

 

 

 "だから、一緒に行こう?"……そう言って先生はアリスに向けて手を差し伸べるが……彼女は首を横に振り、拒絶する。

 

 ……アリスは、恐れていた。

 

 あの日何が起こったのか……アリスはロボットに触れて以降の記憶が全くない。……それでも一つだけ、確実に言えることがある。

 

 それは……アリスが、仲間(友達)であるはずのモモイを傷つけたのだという事。

 

 

 

「アリスは……アリスのせいで……モモイが、怪我をしました」

 

「……アリスが、モモイに怪我をさせました……ッ」

 

「アリスの、アリスのせいでモモイは血を流して、今もまだ目を覚ましませんッ!!」

 

「落ち着いてアリスちゃん!あれはアリスちゃんのせいじゃ「違います!!」……ッ!?」

 

「全部、アリスのせいなんです……っ!……モモイだけじゃありません、アリスのせいで……みんなが、傷ついてしまいました……!」

 

 

 

 アリスは涙を流しながら、頭を抱え蹲る。……もうどうすればいいのか、自分には分からないから。

 

 そうやって、これ以上誰かを傷つけてしまうことがないようにと……ミレニアムで過ごした日々により得た心を閉ざそうとするアリスに対して、先生が声をかけようとした……その時だった。

 

 

 

「そう、貴女が怪我をさせた。──それは、決して逃れられない真実よ」

 

 

 

 突如として部室に訪れた第三者の……()()()()()()()()を耳にした先生は、声の主の方へと振り返る。

 

 

 

「ああ、やはり……危惧していた通りになってしまったようね」

 

 

 

 視線の先には、アビドスでの決戦時に協力してくれた、赤飛リン(カオナシ)の同盟相手──調月リオが立っていた。

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

「久しぶりね、先生。まさかこのような形で再会することになるなんて……本当に残念だわ」

 

「久しぶりだね、リオ……"危惧していた"って、どういうこと?」

 

「……急かさなくても教えてあげるわ。私は、先生……そして彼女たちに──」

 

 

 

 ──アリスの真実を教える為に、来たのだから

 

 

 

「アリスちゃんの、真実……?」

 

「ええ、そうよ。……貴方たちは数日前の事件で、一つの考えに到達したのではなくて?」

 

 

 

 友人だと思っていた人物が見せた異なる姿と、同時に生じた破壊と混乱。……友人だと思っていた者の手により、自らの()が傷付けられた姿を見て──

 

 

 

 ──今まで友人だと思っていたものは、そうでは無いのかもしれない

 

 

 

「……そう、思ったのではないかしら?」

 

「……!!」

 

 

 

 アビドスで出会った時とは違う……冷淡な瞳が、先生とゲーム開発部を見据える。……冷徹な覚悟の秘められたその瞳に見つめられ、ミドリとユズは言葉に詰まってしまう。

 

 

 

「……アリスと一番初めに接触した貴方たちはもう知っているのでしょう?──彼女が、普通の生徒では無いことを」

 

 

 

 曰く──アリスは未知から侵略してくる"不可解な軍隊(Divi:sion)"の指揮官且つ、"名もなき神"を仰する無名の司祭が拝した"オーパーツ"であり、古の民が遺した遺産───"名も無き神々の王女"なのだと、リオは言う。

 

 仲間であるアリスを悪し様に言われたミドリは、先程までの萎縮した様子から一転……"勝手にアリスに変な設定を付与しないで!!"と、怒りを露わにして反論した。

 

 

 

「……ごめんなさい、私の配慮が足りてなかったわね」

 

 

 

 ……しかしリオには響いた様子もなく──そうして彼女は、アリスに対して決定的な一言を告げる。

 

 

 

「もっと理解しやすいように、貴方たちの好きな"ゲーム"にして例えましょう」

 

「つまり、アリス……貴女は──」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この世界を滅ぼすために生まれた、魔王なのよ




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