ただ、ようやくミレニアム編完結までの構想がほぼ纏まり、かつこの話を除いて二話ほど書き溜めが出来ましたので、投稿を再開します。
……ほぼなのは、書いてる上で変わることがよくあるからです(´ω`)
撃って、壊して時間を稼ぎ、助っ人としてやって来た明星ヒマリがハッキングによりAMASの機能を停止するまでの時間を稼ぎ続ける。……延々と、同じ事を繰り返す。
戦い始めてから一体どれだけの時が経っただろうか。……辺りにはもう数え切れないほどに大量の、壊れ、機能を停止させたAMASが積み上げられていた。
「はぁ……はぁ……!」
「これ、何時になったら終わるの……!?」
「分からない……けど、こんなところで諦めれない……!」
「……っ!中右腕の振り下ろし、来る……!」
疲労困憊になりながらも、ゲーム開発部は
◇◇◇◇◇
時間は遡り、戦闘が再開して少しした頃。……数の多いAMASの相手だけでも大変だったところに追い打ちをかけるように本格参戦してきた真アバンギャルド君とか言う奇怪な見た目のロボットに、先生たちは苦戦を強いられていた。
ズガァン!!!
「……硬いな」
現状、この場にいる中で最大火力を持つカリンのライフルによる一撃を受けても尚、多少揺らぐくらいで耐えきってしまう。……ビナーの装甲を解析して作り出したと言うだけある。……あまりにも、硬い。
これがアバンギャルド君単体であるならば、突破口を見出すこともできたのだろうが……ヒマリの協力で着実に減っているとはいえ、それでも尚数千を超える数を誇るAMASを相手取りながらというのは、流石にきついものがあった。
……もとより連戦に次ぐ連戦で、疲労が溜まっていたというのもある。
そういった様々な要因が積み重なり、彼女たちは苦戦を強いられていた。
「……?」
──ローテーションを組みながらアバンギャルド君の足止めを行っていたその時、丁度番が来ていたゲーム開発部のうちの一人、部長である花岡ユズが何かに気がついた。
彼女は少し悩んだ後、覚悟を決めた目をしながら──アバンギャルド君に向けて真っ直ぐに駆け出す。
「「
普段の彼女からは考えられない奇行……否、最早愚行と言っても過言では無い突飛な行動に、モモイとミドリは揃って声を荒らげる。……双子の声は当然先生たちの耳にも届き、そちらを見れば今にもユズに向けて腕を振り下ろさんとしているアバンギャルド君の姿が目に映る。
皆が皆、AMASの対処に追われていた最中の出来事であるが故に、援護は間に合わない。それでも何とかしなければと一歩踏み出そうとした、その時……彼女たちは、驚くべき光景を目にする事となる。
「──ッ」
──花岡ユズ、紙一重の回避と共に──アバンギャルド君の顔面へ向けて
「「ええぇええっ!?!?」」
躱す動作にぎこちなさはあった。……しかし、普段の彼女からは全く持って想像の出来ない大胆な行動からは、彼女が相手の動きを確りと読み切っていたことも理解でき……そうして確かな一撃を叩き込んだ事に、この場で彼女のことを最もよく知っている双子は驚愕に目を見開いた。
「な、何今の動き!?」
「凄いよユズ!今のどーやってやったの!?」
褒められたユズはあわあわと顔を赤らめ慌てふためきながらも……顔面付近を爆炎で覆われ動きを止めているアバンギャルド君を見ながら、自身が気づいたアバンギャルド君の法則性についてを語る。
「……あのロボット、沢山ある腕にそれぞれ違う武器を持ってて、一見すると手数が多く見えるけど……距離や立ち位置によって攻撃パターンが決まってるみたい」
「だから、立ち位置を調整すれば相手がどんな攻撃をしてくるか……相手にどんな攻撃をさせるか、ある程度は誘導できる……と、思う」
「……NPCを相手にしているようなものだから、法則さえ分かれば躱すくらいなら……その、単発なら、何とか」
言葉尻が小さくなりながらも告げられたその言葉は、先生たちに何度目かも分からない衝撃を与える。……硬く、手数も多いが故に厄介だと思っていた相手、その手札をひとつ制することが出来るだけでも戦局は大きく変わる。
未だ終わりの見えぬ戦いながらも、それでもこの場で最も厄介な相手の……少なくとも、動きだけでも制限を掛けることが出来るのであれば──
「ユズちゃん。……それと、モモイちゃんとミドリちゃん」
生徒に負担を敷いてしまうことを悔やみながらも、先生は決断する。……今はただ、信じる事しか出来ないが故に
「……ロボットの足止め、お願いできる?」
と、問われたゲーム開発部の少女たちは、少し驚いた様子を見せたものの……直ぐさま笑みを浮かべ、また、覚悟の決まった目を見せ、頷いた。
「まっかせてよ!先生!」
「アリスちゃんを助けるためにも……頑張ります!」
「や、やってみます……!」
◇◇◇◇◇
そんなこんなでかれこれ十数分、ゲーム開発部の少女たちは部長であるユズの指示の元──適宜先生からの指揮も受けながら──多少の手傷は負いながらも未だ直撃を受けることなく、アバンギャルド君の足止めを行っているのであった。
時間にしてみればそう長くは無い。しかし彼女らの足止めの効果は確かな効果を発揮しており……丁度ヒマリによるハッキングが完了したのだろう。視界の端ではガシャガシャと音を立てながら、数百ものAMASが機能を停止し地に落ちていた。
「「やああッ!!」」
──同タイミングで放たれた双子の銃撃は、何度も何度も繰り返し同じ箇所に撃ち込み続けたことで金属疲労を引き起こさせ……遂に、強固な装甲を持つアバンギャルド君の機腕のひとつを破壊して見せた。
「「「
皆の表情に笑みが浮かぶ。……時間はまだ掛かるかもしれないが、それでも着実に終わりは近づいてきている。このまま行けばアリスを連れ戻すことだって出来るかもしれない……否、絶対に連れ戻すんだ!と、希望の光が胸に灯──
──油断
「「「──っ!」」」
不意に訪れた衝撃に、小柄な体躯の彼女たちは宙を舞う。戦闘慣れしていない彼女らは咄嗟に受身を取ることが出来ずに地面に投げ出された痛みに顔を顰めながらも、下手人へと目を向ける。
見ればそこには、先程までとはうって変わって、規則性も何も無く矢鱈滅多ら武器を振り回し引き金を引くアバンギャルド君の姿があった。
「なに急に!?暴走!?」
「……違う、対処されないように、敢えて法則性を捨てたんだと思う」
相手の動き出しを見れば、ある程度は何をしようとして来るかは分かる……が、彼女たちはC&Cのような戦闘集団ではない。先程までは相手の挙動の法則性を理解した上で、攻撃を誘導するように戦っていたが故に何とか直撃を避け、戦いの体を成すことが出来ていたが……
……ゲームと違って動かすのは自身の身体である以上、誘導が出来なくなれば先程までのように容易に躱すことはできない。
一転して窮地に立たされた彼女たちではあるが……その表情に絶望の色はない。
そもそも此度の戦闘は初めから窮地の連続であったのだ。……それでも尚立ち向かい続けた彼女達の心は、意思は──この程度の逆境で諦める程、弱くは無かった。
立ち上がり、銃を構える。乱射するアバンギャルド君を真っ直ぐに見据えながら、大切な
ドゴォオオオオンッ!!!!
──と、空気を揺らす程の轟音が響き渡った。
ゲーム開発部の少女たちは……否、この場にいる全ての人間は反射的に音の出処──
先の轟音が何によるものかは不明だが、衝撃により損傷したのだろう。天井の一部がひび割れ、そこから僅かに光が差していた。
"ネルが勝利し、駆け付けてくれたのか"、"トキがネルを打ち破りここに来たのか"、それとも──"そのどちらでもない、第三者か"
そんな事を考えている間も、何度も、何度も何度も何度も……轟音は響き、激しく空気を、大地を揺るがす。
……目の前の敵を無視している暇なんてないはずなのに、音の出処から目が離せない。
軈て一際大きな音と共に天井は崩落し……降り注ぐ瓦礫は、AMASの一部を巻き込み押し潰した。
◇◇◇◇◇
──穴の空いた天井から差す光は、一つの人影を照らし出す。
「……どうやら、第1段階はクリアしたようですね」
「そうだね。……この場を切り抜けられなきゃダメなことには変わり無いけど、それでも」
まだ気を抜ける段階ではない。
それでも、救援に駆けつけた二人は無事に
「……うそ」
「あれって、まさか……!」
味方か、新手か、即座に見極める為に目を細めながらもじっと見つめていた少女たちと先生は、ほぼ同時に大きく目を見開く。
映し出されたシルエットは、彼女達にとって見覚えのあるものであった。……見間違えるはずのないものであった。
遠目故にハッキリとした背丈は分からないが……隣にある、
モモイは、ミドリは、ユズは……この場に集いし彼女達は、口を揃えて少女の名を叫ぶ。
「「「──
名を呼ばれた人影。その正体は、囚われていたはずの、先生たちが連れ戻そうとしていた少女──
「お待たせしました!アリス、パーティーに合流します!」
ゲーム開発部所属──"天童アリス"、参戦
次回は来週投稿予定です。
感想や評価、お待ちしてます。
作者は割と単純という事が発覚しました。
楽しく読んでもらえてることが分かると、モチベが上がります()