砂遊び、泳ぎの練習と続け様に遊んでいた先生たちは、いい時間になってきたことだしお昼も兼ねて海の家に行こうと提案をする。……が
「ごめんね〜、先生。私たち、お昼持ってきててさ〜」
「……?そうなの?」
「その……借金はなくなりましたが、以前からの節約癖が消えなくて……」
「まぁ、私たちは此処でお昼食べてるから、先生たちも海の家で食べた後はこっちに戻ってくればいいんじゃない?」
「うーん……そうだね、それじゃあ一旦別行動で!」
"また後でねー!"と手を振る先生達を見送り、リン達アビドス組も昼食を食べ始めるのだった。
──数十分後
「あのー……お昼ご飯、まだ残ってたりしますか……?」
「何があったの……?」
◇◇◇◇◇
「次はスイカ割りですね!……リンさんはお昼いっぱい食べてましたけど、大丈夫なんでしょうか……?」
「何も問題はない、ちゃんとスイカ用の腹は残してる」
「うそ、あれで……?」
リンの食いっぷりに補習授業部*1と正実の面々は戦慄していたが、気持ちを切り替えスイカ割りに望むことに。……アズサとマシロはスイカ割りに銃を持ち出していたが、食べ物を粗末にする事を許さないリンの気迫を前にして、大人しく銃をしまっていた。
……スイカ割りは良いのかって?……ちゃんとブルーシートを敷いて、割った後にちゃんと食べれば良いらしい。
「すごい気迫でしたね……まるで不良を相手にしてる時のツルギ先輩みたいでした……」プルプル
「リンの食べ物を無駄にする相手への容赦の無さを忘れてた……」プルプル
ぷるぷると産まれたての子鹿のように震える二人を置いて、スイカ割りの準備を進めていく。……程なくして気を取り直した二人も参加し、準備を終えると、スイカ割りを始めるのだった。
「左ですね♡」
「ん、右」
「後ろじゃない?」
「え、えーっと……前、でしょうか?」
「ひぃん!みんな言ってることがバラバラでどっちに進んでいいか分かんないよ〜!リンくん、ホシノちゃーん……!」
「「上」」
「上!?!?」
※この後美味しく頂きました。……もちろん、スイカをですよ?
◇◇◇◇◇
「次はビーチバレーですね!……食後なのでちょっと動けるか不安ですが、楽しみましょう!」
「では、先程と同じようにグループ分けしましょうか」
彼女たちは順番にくじを引いてペアを決めていく。
1.先生, マシロ
「先に謝っておくねマシロちゃん、私は役に立たない!」
「大丈夫です、私がフォローするので」
2.ツルギ, シロコ
「……よろしく」
「……!……普通に喋れたんだ」
3.ユメ, コハル
「よろしくね、コハルちゃん!」
「よ、よろしく……お願い、します」
4.ハナコ, アヤネ
「よろしくお願いしますね、アヤネさん♡」
「はい、よろしくお願いします。……ただ、その……」
5.アズサ, ヒフミ
「頑張りましょう、アズサちゃん!」
「うん、やるからには勝つ」
6.ホシノ, リン
「頼んだぞ、ホシノ」
「うへへ……任せてください、先輩」
7.ノノミ, セリカ
「ねぇ、あそこのペア無法すぎない?」
「あはは……私たちは楽しむことに集中しましょうか、セリカちゃん」
勝負の結果?リン&ホシノのペアが勝ったに決まってるじゃないですか。*2
ツルギ&シロコペアもいい所までは行ったんですけどね、即席ペアでこの二人のコンビネーションに勝てるほど甘くは無いよ、うん。
◇◇◇◇◇
時間も過ぎ、陽の沈む夕暮れ時。……後十数分もすれば完全に陽は落ち夜になるだろう。
「最後は花火ですね。……あっという間でした」
「それだけ楽しかったって事だよ」
程なくして花火を買いに行っていたメンバーが帰ってくると、遂に最後のミッションを完遂する時が来た。
「みんな、花火は持ったね?……それじゃあ、ちょっとした花火大会、始めよっか」
先生の合図で、皆が手に持った花火に一斉に火をつける。ぱちぱちと弾ける火花は夜闇に彩りを齎し、明るく照らし出す。
「ん、フィンガーフレアボムズ」
「なっ……一気に五本も……!?」
「危ないから辞めようね?シロコちゃんもだよ?」
「………ん」
……一部あまり良くない遊び方をしている所もあったが、概ね普通に花火を楽しんでいる。
「さて、それじゃあそろそろ打ち上げ花火でもするか」
「そんなものまで買ってたの!?」
「おう、やるからには徹底的に、楽しむなら全力で楽しむべきだからな。……という訳で、
リンの指さした先には、日中散々ちょっかいをかけてきた不良たちの姿があった。
なお、偶然と彼は言っているが当然そんな事はない。不良たちが懲りずにちょっかいを掛けようとしていたところを見つけたリンが前もって〆ておき、花火の打ち上げ係をするように脅h……失礼、任命した次第である。
……彼は身内判定をした者には甘いが、身内を害そうとする相手には容赦しないのだ。
当然不良たちはぶつくさて文句を垂れるのだが……
「くそ、何で私たちが……」
「おーい、準備できたかー?」
「ハイ!出来ました!」
……悲しいかな、彼女らの牙はリンを筆頭としたアビドス勢やツルギの手によって折られてしまっていた。
「そうか、それじゃあ早速頼んだぞ。……終わった後にはちゃんとバイト代出してやるからな」
「……バイト代出るんだ」
「それなら、まぁ……良いか」
彼女たちは言われるがままに準備を進めていく。……素人故に手間取りはしたが、どうやら準備を終えたようだ。
「準備出来ましたー!」
「よーし!それじゃあ……撃ち方始めェ!」
「それ合図違くない?」
◇
──夏の夜空に、大輪の花が咲き誇る。
「わぁ……!綺麗ですね、アズサちゃん!」
「うん。……」
「……?どうしたのよ、アズサ。何かあった?」
空を見上げて黙り込んでしまったアズサを気遣うようにコハルが話しかけると……アズサはぽつりと呟きを洩らす。
「……みんなには、私がトリニティに転校してくる前にいた場所に着いて話したことがあったと思う」
「……アリウス分校、ですよね」
「うん。……そこは、みんな生きる為に自分以外の誰かを傷付けるのが当たり前みたいな場所だったんだ。……そこでは、火薬は誰かを傷つけるための武器でしかなかった」
「……でも、違った。同じ火薬でも、使い方次第でこんなにも綺麗な花を咲かせることが出来るんだって……人の心を温かくすることが出来るんだっていうことを、私は今日知ることが出来た」
打ち上げられる花火から視線を外したアズサは、ヒフミ、ハナコ、コハル……トリニティに転校してきて初めて出来た友達へと向かって、笑みを浮かべながら
「ありがとう、私と友達になってくれて」
──感謝の思いを伝える。
「アズサちゃん……」
「……別にお礼を言われるようなことじゃないわよ」
「そうですねぇ……私達は、お礼を言われたくてアズサちゃんとお友達になった訳じゃありませんから」
「そうです!私達はただ、アズサちゃんとお友達になりたいからなったんです!」
「……そっか」
ヒフミたちの思いが、アズサの心にぽかぽかとした温もりを宿す。……皆と、出会えてよかった。
「ヒフミ、ハナコ、コハル……また一緒に、私と一緒に海に遊びに来てくれるか?」
「「「
◇◇◇◇◇
そして、時は過ぎ──
「時は来た、これより作戦を開始する」
トリニティとゲヘナが一堂に会するその裏で、底知れぬ闇が蠢き
「必ず止めてみせる」
家族を……嘗ての仲間を大人の悪意から救い出す為、少女は立ち塞がる事を決意する。
「──見つけた」
……その、裏で
「そのヘイロー……まさか、お前は──ッ」
有り得ざるイレギュラーが、動き出す
「我が名はビナー。……嘗ての我が神体を損壊せしめた其方に問う」
「──其方の名は、なんと言う」
「赤飛リン!我と今一度たt──」
「──お前は後!!!」
「…………」
↓おまけ↓
リン「モグモグ」
ヒフミ「そんなに食べて大丈夫なんですか……?」
リン「……?……ゴクン」
リン「問題ない、ちゃんと動くから太らないし」
ツルギ&マシロ((
※次話以降のお話について※
エデン条約編第三章について、書き溜めていた話の一部展開を修正します。
その為、投稿が遅れる場合があります。