小鳥遊ホシノの先輩   作:燐檎あめ

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大まかなストーリーの流れだけ考えて、細かいところはその場のノリと勢いで書いていってるせいか、気付くと最初予定してた展開とところどころ変わってたりするんですよね。

……今回もそう。気づいたら登場人物たちが勝手にしゃべってました。まぁ大筋は変わってないからどうとでもなるんですけどね


神名十文字

 ──利息返済日翌日

 

「おはようございます」

 

 ……

 

「……あ、そう言えば今日はユメ先輩もリン先輩もいませんでしたね」

 

 先日、壊れた窓ガラスをリン先輩と一緒に直していた時、利息分の支払いをお願いしていたユメ先輩が私たちのところに来るなり、「明日出かけてくるね!」って言ってたんですよね。その後リン先輩も思い出したように、「明日人にあってくる」って言ってましたし

 

 ……今日は、私一人だけですか

 

「──静か、ですね……」

 

 

……………

 

 

 学校を休んだリンは今、ある人物に呼ばれ、全面ガラス張りの建物のとある一室に訪れていた。

 

「クックック、こうして直接お会いするのはお久しぶりですね、リンさん」

「……急に呼び出して、いったい何の用だ?」

 

 そこは、一つの机といくつかの書類しかない殺風景な部屋であり、備え付けられた椅子にリンを呼んだ人物──黒服が机の上で手を組み、座っていた

 

「……また契約への勧誘だってんなら帰るぞ」

「…それもよいのですが、今日は違います。──アビドスの砂漠に落ちていた例のモノについて、教えて差し上げようと思いまして」

「──ッ」

 

 ──例のモノ、それは、アビドスの砂漠に落ちていた白い金属塊のような見た目をしたもの。しかし厳密にはただの金属ではなく、それにはナノマシンが含まれており、付けた傷が自動的に修復されていく謎の物体

 

 これまで、時折黒服から電話がかかってくるたびに、時には自身から連絡を行う度に聞き出そうとしたにもかかわらず一切話そうとしなかったもの。……それを今更、いったいなぜ?

 

「……一体、どういう風の吹き回しだ?今まで散々訊ねても話そうとしなかったくせに」

「…私としてはそうでもないのですが、リンさんからの信用が薄い私が説明しても、あまりにも荒唐無稽すぎて信じてもらえないと思ったので。──それに」

 

 と、黒服はもったいぶったように数秒の間を置いてから

 

 

「──直接見ていただいた方が、信じていただけるかと思いまして」

 

 

 そう言って、リンに対して双眼鏡を手渡してきた

 

「……………は?」

 

 ──直接?

 まるでその言い方は、例の白い金属塊のような何かをもたらした存在が実在しているかのような物言いで。──混乱しながらも手渡された双眼鏡を、黒服が指さす方へと向け、覗き込んだ。

 

 そして、目にしたのは

 

「──なん、だ……アレは…?」

 

 ──はるか遠くにあるにも関わらず、その長大さが感じ取れるほどの、()()()()()()()()()()()()だった

 

 理解不能な存在を目撃したかのようなリンの様子を見た黒服は、淡々と、しかし丁寧に語り始める。かの存在が如何なものであるのかを──

 

 

…………

 

 

「──遠い昔。キヴォトスの端、誰も足を踏み入れない旧都心のとある廃墟で、奇妙な研究が進められていました」

 

「神を研究し、その存在を証明できれば、その構造を分析し、再現できるだろう。すなわちこれは、新たなる神を作り出す方法である……。誰もがあざ笑う滑稽な仮説でしたが、そんな理論に興味を示した者たちがいたのです」

 

「『ゲマトリア』と呼ばれる者たちがその研究を支援し、莫大な資金と時間が費やされ──そして、神の存在を証明するための超人工知能が作られたのです」

 

「神という存在に関する情報を収集、分析、研究し、それを証明する人工知能(AI)……、対・絶対者自立型分析システムは、そうして稼働し始めたのです」

 

「──月日の流れとともに、都市は破壊され、研究所も水の底に沈みました」

 

「そのような研究が行われていたという事実すら忘れ去られるほどの時間が過ぎたにも関わらず、このAIは、己の任務を遂行し続けました」

 

「そしてついに、AIの宣言が、廃墟に声高らかに鳴り響いたのです」

 

 ──「Q.E.D」と

 

 

…………

 

 

「これは証明され、分析され、再現された新たなる神の到来です」

 

 そう言いながら、黒服は感情の高ぶりを抑えられない様子で両手を広げながら語る

 

「『音にならない聖なる十の言葉』と己を称する新たな神、その名は──」

 

 

 ──神名十文字(デカグラマトン)──

 

 

「──デカグラ、マトン……」

 

 ……なんだそれは、そんなものが今までずっと、アビドスの砂漠にいたっていうのか?……あれをどうにかしないと、たとえ借金を返済できたとしても──

 

「──リンさん」

「あなたたちがこれから先、アビドスで生活していく上で、かの存在を放置しておくことは不可能です」

 

 ──それでもあなたは、諦めることなく、アビドスに留まり続けることができますか?

 

 黒服からそのような、嘲りと、挑発が混ざったような言葉を投げかけられ

 

「──当たり前だろうがッ!!!」

 

 反射的に、そう言葉を発していた

 

「諦める?ふざけんじゃねぇ、何が新たなる神の到来だ…!俺の、俺たちの大好きなアビドスで好き勝手しやがってッ…!!」

 

「……では、どうするのですか?今のアビドスで戦えるのは、貴方たち三人しかいません。ミレニアムの生徒と同盟を結んでいるようですが、未だ殆ど解明が進んでいない状態では、言ってしまっては何ですが戦力外でしょう」

 

 そんな黒服の言葉を聞き、少し冷静になる。……確かにあれだけのサイズであり、仮にも神を名乗るような存在をまともな準備も無しに倒せるとは思えない。なら、今できることは……

 

 

「──黒服」

 

 ()()()

 

 

 ──かの存在に詳しいであろう黒服と契約を結び、次に備えること

 

「……クックック、その言葉をお待ちしておりました。では「だけど、結ぶのは前お前が提案してきた奴隷契約まがいのものじゃない」……ふむ」

 

「お前、前に『自分は神秘の観察者であり、探究者であり、研究者である』っていってたよな?」

「──だったらあのデカブツも、お前にとっては喉から手が出るほどに欲しい研究対象ってことだよなぁ?」

 

「……えぇ、リンさんのおっしゃる通りです。ですがそれが、契約内容にどのような関係があるのでしょうか?」

 

 ……とぼけているのか、それとも単に察しが悪いだけなのか。そんな様子の黒服を真正面から見据え

 

「──()()()()()()といこうぜ、黒服」

 

 頬を吊り上げながら、そう言葉を発した

 

 

…………

 

 

「──ふむ、ビジネス契約ですか。そう言うということは、何かお互いに納得できるだけの具体的な案があるということですよね?」

 

 そう言いながら、こちらを品定めするかのような目で見てくる──実際には目のようなものがあるだけなので、"そんな雰囲気がする"といった感じなのだが

 

「……あぁ、案としては──ッ」

 

 契約内容について話をしようとした時、どこかずっと遠く──かの存在がいた方角から、爆発音のようなものが聞こえてきた

 

「……如何なさいました?リンさん」

 

 黒服がそう訊ねてくるが、返事を返すことができない。……何故か、嫌な予感がする。背筋に流れる冷たい汗に気付かないふりをしつつ、先ほど受け取っていた双眼鏡を再度覗き込む

 

「……なんだ?何かを狙っている…?」

 

 再び観測したかの存在は、何かに対して攻撃を加えている様子だった。

 その攻撃先に視線を向けると──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──ユメッ!!」

 

 ──自身にとって唯一の、大切な幼馴染が狙われている光景が、目に映った




投稿時間のアンケートへの回答、ありがとうございます。論じるまでもないほどに「これまで通り、書け次第投稿」への投票が多かったため、これまで通りの感じでやっていこうと思います。

新規のアンケートを追加しました。今回はあくまでも参考程度なので、必ずしも結果の通りになるとは限らないです。

当キヴォトスの先生は ※あくまでも参考程度です。必ずしも結果通りになるとは限りません。また、オネエ、姉御の場合はイオリの足は舐めません

  • オネエ
  • 姉御
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