小鳥遊ホシノの先輩   作:燐檎あめ

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初めての戦闘描写です。うまく書けてるといいんですが


ビナー戦①

 ──アツィルトの光の照射を終えたビナーは、その場に佇んでいた

 

≪──────────≫

 

  敵性反応─────消失

 

  周辺に他の反応──無し

 

  機体への損傷───軽微

 

 その他にも、自身に課せられた使命を果たすのに影響がないことを確認すると、ビナーはその場を去ろうとする

 

 ──その時

 

≪─────────?≫

 

 ──突如として、一つの反応が現れたことを察知した

 

  先ほどまでは何もなかった、何もいなかったはず

  いったい何が起こった?どこから現れた?

 

 不可解な現象を巻き起こした存在を己が視界(モニター)に捉えるため、反応があった方を確認する。そこには──

 

 

 こちらを射殺さんばかりの目で睨みつける、一人の男がいた

 

 

………………

 

 

 ──時は少し遡り

 

「はぁ……」

(──ギリギリ、間に合ったか…)

 

 リンは、廃墟となった市街地の物陰に隠れていた。

 ──その腕に、気を失ったユメを抱えて

 

 間一髪だった。

 自身の能力は、柏手を打つことで一定以上の神秘の込められたものであれば、生物、無機物問わず位置を入れ替えることができる。しかし、砂漠という周囲に何もない環境では使用することができなかった。そのため、距離を無視する力を持っていながらも使用できない歯がゆさを堪えながら走り続けていた。

 

 そして駆け付けたときには、ユメに向かってレーザー(アツィルトの光)が放たれていた。

 咄嗟に普段使用しており、自身の神秘が染みついた銃とユメを入れ替えることで、何とかユメを救い出すことに成功していた。

 ──銃一つで大切な幼馴染を救うことができたのだ、安いものだろう。

 

(ユメとホシノに貰った銃だったんだけどなぁ……、どうやって二人に謝ろうかなぁ──)

 

 ……訂正、少し気にしているようだった。

 ……まぁ、怒りで我を忘れそうだから、意図的に思考を別のことに割くことで冷静さを保とうとしているだけなのだが。

 

 そんなことを考えながらも、ユメの怪我の状態を確認する。

 

(──全体的に擦り傷、切り傷とかの軽傷が多いな。……打撲痕とかもあるが、骨折とかの重傷はないな。……良かった、命に別状がなくて)

 

 気を失ったのは、苛烈な攻撃を凌ぎ続けたことによる疲労が原因だろう。──あぁ、本当に、間に合って良かった。

 

 ………

 

 ──ユメの無事を確認した後、次の行動に移る。

 それは、ビナーの情報を少しでも集めること。

 

(──本当は、今すぐにでもユメを病院に連れていきたい。だけど、この機を逃したら、次襲われたときに今度はなすすべなくやられるかもしれない)

 ──もしそうなったら、今度こそ誰かが死んでしまうかも……それだけは、認めることはできない

 

 故に今は、情報を集める必要がある。しかし、ユメをそのまま放置して置きたくはない。どうするべきかと少し悩んだのち、リンは──

 

「黒服、いるんだろ」

 

 ──黒服に頼むことにした

 

「……えぇ、いますよ」

 

 リンが言葉を発してから数秒後、黒服が突如としてその場に現れる。

 

「ユメを遠くへ、安全な場所に連れて行ってほしい」

「……それは願望ですか?──それとも、契約ですか?」

「契約だ。……対価は、そうだな──」

 

 そう言って、リンは未だ砂漠に佇んでいるビナーを見据え──まるで初めから決めていたかのように

 

 ──あのデカブツから剥ぎ取った外殻でどうだ?

 

 そう告げた

 

「……ふむ、私としては、可能であるのであれば構いませんが……。出来るのですか?リンさんの神秘の総量は一般生徒よりは多いですが、アレの装甲を超えられるほどではないでしょう?」

「問題ない。……というか、お前ならもう知ってんだろ」

「…何をでしょうか?」

 

 とぼけた様子で黒服が言う。そんな様子を見て軽く舌打ちをしながら

 

「──確かに神秘の総量はそう多くない。それこそ、うちの後輩とは比べ物にもならん。──だけど、瞬間的な出力ならアイツの外殻を砕くくらいの火力は出せる」

「……クックック、ではそれで構いませんよ。──ただし、もし不可能だった場合はこちらから指定した条件を飲んでいただきます」

「あぁ、それでいい」

 

 そう言うとリンは、柏手を打とうとし──ふと、思い出したように手を止める

 

「……どうされました?」

「ひとつ、言い忘れてたことがあってな──」

 

 もしユメに変な真似してみろ、その時は──

 

「──えぇ、もちろんそのようなことをするつもりはありません。折角リンさんと契約を結べるんです、貴方の不興を買うようなことは致しませんよ」

「……そうか、ならいい」

 

 リンは一言そう言ってから、再び能力を使用し──ビナーの元へと跳んだ

 

「……クックック、リンさん。冷静さを保つなら最後まで保たないとダメですよ」

 

 黒服は見ていた。リンがビナーの元へ跳ぶ瞬間、抑えきれぬ怒りにより顔が歪む様を

 

 

………………

 

 

 ──そして、冒頭へと戻る

 

 なんだコイツは、……神秘の総量はそれほどでもない。それこそ、先ほどまで対峙していたものとそう変わらない

 であれば、取るに足らない存在のはずだ。──しかし、得体のしれない何かを感じる

 

 新たな神となる自身にとっては全くもって脅威とはならないはずの存在、それに対して感じるこれは──恐怖?

 

≪────────!!≫

 

 自身の抱いた疑問を理解した瞬間、ビナーはその事実に対して怒りを覚える──そのような感情はないはずなのにも関わらず。

 そしてビナーは、新たに現れた外敵を滅するため、たった一人の男──リンに向け、十発ものミサイルを打ち出した。

 

 ………

 

 自身に向かってくるミサイルを視認したリンは──そのすべてに神秘が込められていることを確認し、普段の彼からは考えられないような獰猛な笑みを浮かべる

 

「──ハハッ、そんなもん、効く分けねぇだろうがッ!!」

 

 そう言って、リンは都合五回、柏手を打ち鳴らした──その瞬間

 

≪────────!?≫

 

 リンに向けて放たれたミサイルがすべて反転、ビナーに向かっていき──着弾。衝撃がビナーを襲う

 

 ──何が、起こった……?

 

 何故外敵に向けて放ったミサイルが、すべて自身に向いている?何故自身が攻撃を受けている?

 

 何故?何故?何故何故何故何故何故何故何故何故何故──

 

 ──尽きぬ疑問、湧き上がる不快感。自身を覆っていた爆煙が晴れ、怒りのままに外敵に視線を向けるが

 

 ……いない?一体何処に……

 

 外敵の居場所を突き止めようと、探知を始めようとする。その時

 

  カァン──

 

 自身の機体に何かがぶつかった音がする

 

 ≪─────────?≫

 

 ……石?

 

 なんでこんなものが、爆発により巻き上がったものがぶつかっただけか?と判断するビナー。そして改めて見失った外敵を探そうとした時──

 

 ──待て、何故たかが石ごときに反応した?

 

 そんな疑問を抱いた直後

 

  パァン!

 

 再び柏手の音が鳴り響き、自身の直上に反応が現れたことを察知する──目障りな羽虫を振り落とそうと身を捩るが、リンはビナーの外殻を両手でつかんで離れない。

 

 ビナーから決して離れぬよう両手で外殻をがっしりと掴んだリンは、逆立ちの要領で自身の体を持ち上げ──右膝に、ありったけの量の神秘を込め始める。

 

 ビナーは突如として発生した、今も尚上昇し続ける神秘の出力量に己が身の危険を感じ取り、より一層暴れるが結果は変わらない。

 

(よくもユメをあんな目に合わせてくれやがったなァ、デカブツ。……本当はテメェをこの場でぶっ壊してやりたいが、今の俺じゃ力不足だ。だから今は、この一発で勘弁してやる──万全の準備を整えて、次は必ず殺す)

 

 十数秒ほどそのような攻防が続き──そしてリンは、十分にビナーの外殻を砕き得る量の神秘が込められたと判断。全身のバネを使い──

 

 

「オオォッラアアアァァァアアァアッ!!!!!」

 

 

 ビナーの外殻に向けて、右膝を叩き込んだ──その瞬間

 

 

 ──()()()()が、迸った




本当は今話で書き切ろうと思ったのですが、長くなりそうなのでここまで。次話は最後の現象を見た黒服の反応から始まります。


投稿し始めて二週間、早くもお気に入り登録してくださった方が300人を超えました!何なら現段階ですでに320人になってます!
さらに前話ではいつもより多くの方に感想もいただけました!

時折日間ランキングに乗ることもあり、感謝の念に絶えません、ありがとうございます、これからも応援よろしくお願いします!

当キヴォトスの先生は ※あくまでも参考程度です。必ずしも結果通りになるとは限りません。また、オネエ、姉御の場合はイオリの足は舐めません

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