小鳥遊ホシノの先輩   作:燐檎あめ

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前話投稿時にブルア廻戦って感想をいただきました。
確かに作者も書いてて思ったし、タグ追加すべきか?って思いかけました。呪術廻戦要素はそんなに多くないからまだ追加しないけど

今回はちゃんと銃撃戦してるよ……ほんとだよ?


裏切りの演技②

 "さぁ、第二ラウンドといこうじゃないか" その言葉とともに、ホシノはリンに向けて駆けて行き───こちらに向かってくるホシノを見るやいなや、リンは獰猛な笑みを浮かべ同じように駆けて行く

 

 まるで殺し合いを楽しんでいるかのように──抱く罪悪感を隠すように、笑いながら

 

 もう間もなく間合いに入るという段階で、能力を使用。互いの位置が入れ替わり──即座に反転、同時に拳を繰り出す。

 

 キヴォトス最高の神秘を持つホシノの拳と、瞬間的な出力はキヴォトス最上位勢に匹敵するリンの拳が正面からぶつかり合い───周囲の廃ビルの古びた窓ガラスがひび割れるほどの衝撃が伝播する

 

 そのまま少し競り合うが、徐々にリンが圧され始める

 

 瞬間的な出力であれば並び立つ、もしくは少し上回ることはできるが、継続的に高出力を維持できるホシノ相手だと競り合いにはほぼ勝てない。

 

 圧し始めたことで好機と見るや、ホシノは更に距離を詰めゼロ距離射撃を食らわせようとするが、その前にリンが競り合っていた拳を離し、伸ばされていたホシノの腕を掴んで引っ張ることでバランスを崩させる

 

 しかしホシノは、引っ張られた勢いを利用してリンの背後に回りつつ、掴まれた手を振りほどきながら銃床で殴りつけ──ここでまた、柏手の音が響く

 

 今回は互いの位置が入れ替わるのではなく、リンだけが離れた所へ

 

 リンは足元の瓦礫を拾い上げそのまま流れるような動きでホシノに向けて投石──その速度は亜音速へと達する

 

(──早いけどそれだけですね。仮に何かと入れ替えたとしても躱すのに支障はありません)

 

 即座にそう判断し、走り出す──その時、ふと違和感を覚える。

 

(──いや、こんな単発の攻撃じゃたとえ何かと入れ替えたとしても躱されることなんでわかりきってる筈。アイツ(先輩)は戦闘時にそんな非合理なことは今までしたことが無い、だったらなんで──ッ!)

 

 そこまで思考したところで、ホシノの第六感が最大音量で警鐘を鳴らす

 

 こちらを見据えるリンは不敵に笑っている。全ての動きがスローモーションに見えるほどに感覚が引き延ばされ───柏手の音が鳴り響き、自身に向けて投げられた瓦礫と入れ替わったものに目を見開く。

 

「────ッ!?」

 

 手のひらサイズの瓦礫が──()()()()()()()()()瓦礫の山(廃ビルの壁)へと入れ替わった

 

 

……………

 

 

 何かと入れ替えるであろうことは予想していた。しかし、まさかこれほどの質量があるものと入れ替えることができるだなんて──あまりの衝撃に思考が停止しかけるが、すぐに持ち直す。

 

 空気抵抗と質量が増加した事により多少こちらに向かってくる速度は下がっているが、元々が亜音速で飛んできていたため誤差でしかない。

 

(──左右に避けている様な暇はない……なら今すべきことは!)

 

 ───ぶっ壊して正面突破!!

 

 そう即決したホシノは銃を構え──全弾撃ち尽くす勢いで引き金を引く

 

 亀裂は走っていくが、かなり分厚いためかまだ壊れない

 

 そして瓦礫の山が目前まで迫り、あわや衝突するかと思われた時──

 

 

「せぇのッ!!」

 

 

 ──拳を全力で叩きつけ打ち砕いた。

 

 拳を突き出した勢いのままリンに向けて駆けて行こうとし──既に先程まで立っていた場所から居なくなっていることに気付く

 

(──一体どこに……ガッ!!」

 

 リンの居場所を探そうとしたその時、ホシノ目掛け銃弾が飛来し──着弾

 

 貫通するようなことは無いが、かなりの量の神秘が込められていたようで、強い衝撃がホシノを襲う。倒れ伏しそうになるのを気合いで持ち堪え、銃弾が飛来した方へ目をやると──ビルの屋上で、スナイパーライフルを構えるリンの姿が目に映った。

 

 

………………

 

 

(──今の一撃で決めるつもりだったんだけどな……、分かってはいたけど硬すぎるだろ)

 

 リンは今、味方であった時のホシノがどれだけ頼もしかったのか、敵対するとどれだけ厄介なのかを痛感していた。

 

 ホシノにはリンのような特殊な能力はない。しかし、キヴォトス最高の神秘を持つが故の高火力・高耐久──シンプルであるが故の崩し難さに『こんな形で知りたくはなかったな』と、複雑な感情を抱きながら苦笑いを浮かべる。

 

 少しの間感傷に浸るが、意識を切り替え──その手に持つスナイパーライフルに目を向ける。

 

(それにしても……、市街地戦になるから使えるかもって思って黒服に用意してもらったけど、思った以上に俺の能力と噛み合ってんな、今みたいに居場所がバレても──)

 

  パァン!

 

(──こうして移動する事で直ぐに相手の視線から外れれる)

 

 

………………

 

 

(消えた……、随分と厄介な戦い方に切り替えてきましたね……)

 

 ホシノは今、急に銃撃戦に切り替わったことに対して歯噛みしていた。先ほどまでのような近接戦闘であれば、柏手を打つ暇もない程の連撃を浴びせたり、腕をつかんで抑え込んだりなど──可能かどうかは別として──能力を使わせないようにする方法はいくつかある。

 

 しかし遠距離での戦闘となると、どうしても攻撃が当たるまでにタイムラグがあるためその間に跳ばれてしまう。狙撃等であれば意識の隙間をついて当てることもできるかもしれないが、自身の銃は射程の短い散弾銃であるため、それもできない。

 

 そんなことを考えている間も、四方八方から銃弾が飛んでくる。常に動きを止めないようにすることで──まだリンが使い熟していないこともあり──なんとか直撃だけは避けることはできているが、それでも少しずつダメージが蓄積していく。

 

 今まで使ったことが無い狙撃銃を持っているのを見る限り、用意したのは黒服だろうという結論に至る。そうなると、このまま躱し続けて弾切れを狙うというのも現実的ではない。

 

(このまま続けていたら、そのうち狙撃にも慣れてきそうですし、どうにかして接近戦に持ち込まないとジリ貧ですね──そのためには、このまま狙撃し続けても無駄だと思わせないと)

 

 

「はぁ……」

 

 動きを止め、一息つくと目を伏せる──周囲の音、気温、空気の流れ、すべてを感じ取り、逃さないように全神経を研ぎ澄ます。次の攻撃を確実に迎え撃つために

 

 

(止まった?諦め──いや、あいつがこの程度で折れるはずがない。……何か考えがあるんだろ?見せてみろ、ホシノ)

 

 そう思考するとリンは、次の一撃で決めるつもりで神秘を弾に籠め──その引き金を引いた

 

 

………………

 

 

 ──ホシノに向けて銃弾が迫る

 

 

 

「…………」

 

 

 

 ──ホシノは、まだ動かない

 

 

 

「…………」

 

 

 

 ──風切り音が、ホシノの耳に響く

 

 

 

(────今ッ!)

 

 

 

 ホシノは目を見開き──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ハハッ、マジかよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──自身めがけて迫りくる銃弾を、()()()()()()()()()()()()()()()




「裏切りの演技」については今回で終わらせるつもりだったんですが、長くなりそうだったのでちょっと短いけどいったんここで区切ります、もうちっとだけ続くんじゃ。


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当キヴォトスの先生は ※あくまでも参考程度です。必ずしも結果通りになるとは限りません。また、オネエ、姉御の場合はイオリの足は舐めません

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