小鳥遊ホシノの先輩   作:燐檎あめ

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前話を投稿してからの伸びがすさまじいことになってて驚愕しております


病院にて

「────あれ、ここは…?」

 

 目を覚ましたホシノの目の前には見慣れない天井が、あたりからは消毒液の匂いがする

 

(ここは……病院?……私、何でこんなところに……?)

 

 目を覚ましたばかりで上手く働かない頭を回転させ、目を覚ます前に何があったかを思い出そうとする。

 

(そうだ、私は──)

 

 そして、思い出す

 

 

 ───怪我をしたユメ先輩の姿

 

 

 ───ユメ先輩を傷つけた、裏切ったアイツと殺し合ったこと

 

 

 ───左肩から先が無くなったアイツが立ち去る姿

 

 

 ───アイツに毒を盛られ気を失ったこと

 

 

 その全てを思い出し

 

「──ユメ先輩ッ!!──っつぅ……」

 

 ユメの無事を確認しようと思い切り起き上がり──全身に痛みが走るが、その痛みを無視してユメの事を探し始める。

 

 病室には、自身の眠っていたベッドとは別に、もう一つ。誰かがいた痕跡はあるが、今は誰もいない。室内を軽く見渡すが、他にこれと言っためぼしい物は見つからない。

 

(一体どこに、まさか───)

 

 ───ユメ先輩もいなくなってしまったんじゃ

 

 そんな考えが脳裏をよぎる。抱いてしまった不安感を押し隠し、ユメの事を探し出す為、壁を支えにして立ち上がり病室から出ていこうとする。

 

 そしてもう間もなく扉にたどり着くというところで──ガラガラ…と 、扉が開く音が室内に響き渡った。そこには───

 

「ユメ……せん、ぱい……?」

 

 病院服に身を包んだ、ユメの姿が

 

「ホシノちゃん!良かった、目を覚まs「ユメ先輩ッ!!」─きゃっ、ど、どうしたの……?ホシノちゃん?」

 

 ユメの姿を視認すると共に、抱き締める──ユメがその場に居ることを、生きていることを確かめるように、強く、強く……

 

(この温もり、この感覚……、本物だ、本物のユメ先輩だ──あぁ……)

 

「ユメ先輩、無事でよかったです……」

 

 

………………

 

 

 それからしばらくして──

 

「すみません、ユメ先輩。お恥ずかしいところをお見せしました……」

「うぅん、気にしないで!ホシノちゃんが私の事大切に思ってくれてるってことがわかって嬉しかったし!」

 

 ──だから恥ずかしいんですけど

 ユメ先輩の無事を確認できたことで、感極まってしまい抱きついてしまった。この短い間に色々あったから仕方ない、何ら恥ずかしいことでは無い、だから早く忘れてくれと願ったがしかし、こちらをニマニマと微笑ましいものを見るかのような目で見つめてくるユメ先輩を見て『あ、無理ですね』と悟り、せめて話題を変えれないかと話を逸らす

 

 

「……ユメ先輩、怪我とかはもう大丈夫なんですか?」

「うん、擦り傷や打撲とかだけだったみたいで、既にもう退院しても大丈夫ってお医者さんは言ってたよ」

「そうですか……良かったです」

 

「ホシノちゃんは何ともない?三日も目を覚まさなかったし、私としてはホシノちゃんの事のが心配だよ」

「なるほど、三日も眠ってたんですか。通りで全身が痛むわけですね」

 

 ……ん?三日?

 

「え、私そんなに寝てたんですか?」

「うん、私と違って結構重傷だったし、なんか変な薬?も盛られてたらしくて。目を覚ましたら隣のベッドに包帯でぐるぐる巻きになったホシノちゃんがいて、心臓止まっちゃうかと思ったよ~」

 

(そっか、あれからもう三日も……)

 

 ホシノちゃんが起きてくれてよかった~、なんて、ホッとしたような表情で一息つくユメ先輩を横目に見ながらそんなことを考えていると

 

  グゥ~……

 

「……あ」

「あはは……三日も眠ってたもんね……あ、そうだ!さっき買ってきたお菓子一緒に食べよ、ホシノちゃん!」

 

 ユメ先輩に気を使われてしまいました、恥ずかしい……穴があったら入りたいです……

 

 

 

 

 その後、二人でユメ先輩が買ってきたお菓子を食べていると

 

「それにしても、リンくんはどこに行ったんだろうね?私が起きてからも一度も来てないし……」

 

 薄情だな~、もし来たら何か奢ってもらおっかな~、なんてユメ先輩が呑気に言っているのが聞こえてきて──

 

 

「──来ないですよ、あの人は」

 

 

 ──無意識のうちに、気付けばそんな言葉を口にしていた。

 

「……え?どういうこと…?ホシノちゃんは何か知ってるの?──もしかしてリンくんにも何かあったの!?」

 

 ユメ先輩の、裏切ったアイツ(リン先輩)を心配するような様を目にして、私は少しばかりの苛立ちを覚えながら告げる──あの日、何があったのかを

 

 

………………

 

 

「────うそ、だよね…?リンくんが裏切ったなんて、そんなっ……!」

「だって私たち、三人でずっと一緒にって……子供のころからずっと、アビドスのために頑張ろうって、約束してたのにっ……」

 

 事実を受け入れられないような表情を浮かべるユメ先輩を見て、一瞬話すべきではなかったかという考えが脳裏を過ぎる

 

「……受け入れがたい気持ちはわかります。私だって、黒服と一緒にいるところを見てなければ……というか、ユメ先輩も気づいてましたよね?アイツにボロボロにされて──」

 

 自分でも理解しているはずのユメ先輩に対し、そう同意を求めようとすると

 

 

 

「────え?」

 

「私、リンくんに何もされてないよ……?」

 

 

 

「…………はい?」

 

 先ほどまでの絶望した表情とは一転、困惑に満ちた表情を浮かべるユメ先輩の姿が、そこにはあった

 

 

 

「──どういうことですか?ユメ先輩はアイツに傷つけられたんじゃないんですか?」

 

 ──その筈だ、だってアイツは、黒服と一緒にいて……

 

「ううん、さっき言ったようにリンくんには何もされてないよ……私はね──」

 

 そして、ユメ先輩は語り始める、自身の怪我の原因を

 

 

 ──あの日の前日に、カイザーローンの銀行員からとある噂を聞いたこと

 

 

 ──その噂を確かめに、あの廃墟になった市街地のそばの砂漠に行ったこと

 

 

 ──そこで、巨大な白い蛇のような機械に、殺されかけたこと

 

 

「そんな、ことが……」

 

 話の内容があまりにも荒唐無稽すぎて、冗談でも言っているのかと思ってしまう。……しかし、語るユメ先輩の表情は、これまでにない程に真剣で──否が応にも、話の内容が真実であるとわかってしまった。

 

「冗談でも、夢でもないんですよね……?」

「うん、私だって、実際に自分が被害にあってなかったら信じられないような内容だけど……あれは、間違いなく現実に起きたことだよ」

 

 

 ────間違いなく、私はあの場で、あの白い蛇に殺されかけたの

 

 

「…………」

 

 アビドスの砂漠に、そんな存在がいたことに──これまで気付かず、のうのうと生きてきたという事実に戦慄を覚える

 

(──たとえ借金を返済できたとしても、そんな奴が存在するんじゃ……)

 

 あまりにも色んなことが一気に起こりすぎて、頭の中がグチャグチャになってくる。──そんな中で、ふとした疑問が浮かび上がってきた

 

「あの、ユメ先輩……ユメ先輩はどうして生きてるんですか?……あっ、誤解しないでくださいね?ユメ先輩が生きてたのが嫌だとかそういうわけじゃなくて……!」

「大丈夫、分かってるよ~。……なんで生きてたか、だよね?えっとねぇ──」

 

 ───じつは、私もわからないの

 

「……え?わからないんですか?」

「うん、あの時は私も"ここで死んじゃうんだ"って思ってたし……そのあと、すぐに気を失っちゃったから」

 

「あ、でも確かあの時、気を失う直前に──」

 

 ──なにか、……『パァン』って、手を叩いた時のような音が聞こえた気がしたような……

 

「手を、叩いたような……?それって……」

「……多分、リンくんが助けてくれたんだと思う」

 

 ──アイツが……あの人が、ユメ先輩を助けた?

 

(──いや、もし仮にそうだったとしても、黒服と一緒にいたアイツが裏切り者であることには変わりはありません…………そうでないと、私はただ……)

 

 始めは、リンが裏切っていないと信じたがっていたホシノは──気付けば、リンが裏切り者であってほしいと望むようになっていた。

 

 ……そうでなければ、自身の犯した罪に押しつぶされてしまいそうだったから。

 

 そんなホシノを尻目に、ユメは──

 

 

「ホシノちゃんの事を信じて無いわけじゃないけど──やっぱり私、リンくんのことを信じたい。信じて、見つけて、本当に私達のことを裏切ったのか自分の目で確かめたい」

 

「……もし本当に裏切ってたなら、その時は私が幼馴染として、責任をもってどうにかするよ」

 

「それに、もし裏切ってなかったとしても、どうしてホシノちゃんを傷つけたのか問い詰めないといけないからね!」

 

 

 ──先ほどまでの絶望、困惑した表情から一転し、覚悟に満ちた目をしてそう告げる

 

 

「よし、暗い話は終わり!ホシノちゃんもまだ怪我が治ってないんだし、ゆっくり休まないとね!……そうだ、もしよかったら一緒に寝る?なんて「……いいですよ」──ダメに決まって……え、いいの?」

 

「はい、隙間あけてあげるんで、早くしてください」

 

 そう言うと、『失礼しまーす』といいながら、ユメ先輩がベッドの中に入ってきて、お互い向かい合った状態で寝転がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ユメ先輩」

 

 

 「なぁに?ホシノちゃん」

 

 

 「ユメ先輩は、どこにも行かないでくださいね?」

 

 

 「うん、どこにも行かないよ。……ホシノちゃんも、私を一人にしないでね」

 

 

 「はい、約束です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────それから一年後、私たちはすべての真実を知ることになる




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……え?何があったんですか?嬉しさと困惑が混在して宇宙猫状態になってしまいましたわ。

読んでくださり、ありがとうございます。これからも応援よろしくお願いします!






──これにて、全ての準備が整いました

当キヴォトスの先生は ※あくまでも参考程度です。必ずしも結果通りになるとは限りません。また、オネエ、姉御の場合はイオリの足は舐めません

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