小鳥遊ホシノの先輩   作:燐檎あめ

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ホシノちゃんの口調は原作通りで行こうと思います。

……まぁ、あるタイミングで過去おじ口調が出てくることになるとは思いますが



ヘルメット団強襲作戦①

 ヘルメット団からの襲撃に対抗するため、ユメとホシノは案を出す。

 

 ──『やられる前にやってしまおう』と

 

「ヘルメット団の基地を襲撃、ですか?」

 

「うん。……きっとヘルメット団は、数日もしたらまた襲撃してくるだろうし。……ここんとこずっとそういうサイクルが続いてるからね~」

 

 "ホントにもう、やんなっちゃうよねぇ"と肩を竦めながらホシノは言う。

 

「ホシノちゃんの言う通り、このままじゃ本来やるべき事もまともに出来ないからね」

 

「──だから今!撃退された直後っていう一番消耗してるときに、こっちから襲っちゃおうって思ったの!」

 

「……えっ?今からですか!?」

 

 

 ホシノの言葉を引き継ぐように作戦の意図を説明したユメに対し、作戦について理解は出来るが、流石に急すぎではないかと思ったアヤネは疑問をぶつける。それに対してホシノがさらに説明しようとするが──その前にカオナシが口を開く。

 

 

『……なるほど、二人が言っていたように奴らは今が一番消耗しているタイミングだし、逆にこっちには先生が居るから補給については気にする必要は無い───なんなら、今までで一番物資が潤沢かもしれないしな。実に合理的でいい作戦だと思うぞ』

 

「あちゃー、先に言われちゃったかぁ……カオナシの言う通り、先生がいるからねぇ、今がベストタイミングってわけだよ~」

 

「ん、納得。ヘルメット団の前哨基地はここから30kmくらいだし、今から出発しよっか」

 

「いいと思います。あちらも、まさか今から反撃されるだなんて夢にも思っていないでしょうし♪」

 

「そうね、散々好き勝手してくれたお返しをしてやらないと気が済まないわ!」

 

「私もいいとは思うのですが……先生はいかがでしょうか?」

 

 これまで散々襲撃された鬱憤が溜まっていた彼女たちも、作戦について意欲的であった。しかし、そんな中でもアヤネは先生の意思も聞かずに勝手に決めるのはダメだと思い、確認する。

 

「もちろん、私も協力するよ!……ほんとは生徒同士で争ってほしくはないけど、流石においたがすぎるから」

 

 

「──それに、誰かの大切なものを奪おうとする娘たちには、お灸をすえないとね」

 

 アヤネの言葉に同意した先生は、普段ののほほんとした頼りない感じが鳴りを潜め、すべてを射抜くような鋭い表情を浮かべていた。

 

 そんな先生の雰囲気に、気付けば対策委員会のメンバーは呑まれかけてしまっていた。

 

 

「……うへぇ、先生ってそんな顔もできるんだね~。おじさんと同じ、"のんび~り"とした人だと思ってたよ~」

 

「──あはは…。確かに普段はそうかもしれないけど、私だってやるときはやるよ!」

 

 

 ──ホシノちゃんもそうでしょ?

 

 

 先ほどまでの険しい雰囲気を潜め、普段通りの空気を醸し出しながらもホシノを見据えて先生は言うが、それに対してホシノは少しの間を置いてから──"いやぁ、流石に買いかぶりすぎだよ~"と、誤魔化した。

 

「あ、そういえば……カオナシはどうするのー?先生からの依頼を受けているとはいえ、カオナシ自体はアビドスと無『俺も参加する』──関係だし、態々危険なことに首を突っ込まないでも……って、かなり食い気味だねぇ」

 

 あまりにも食い気味に参加表明をするカオナシに、流石のホシノも苦笑いを浮かべる。

 

 カオナシは半ばユメに無理やり連れてこられたようなものだと、部室に来るまでの道中に聞いていたホシノは訊ねる──何故協力してくれるのか、と

 

『──何故、か……別に深い理由は無い』

 

『単に奴らのことが気に食わないだけだ。……それに、ここまで聞かされてそのまま帰るなんて出来ると思うのか?』

 

 なんてことの無いように話すカオナシ。しかし、ホシノは感じとっていた。

 

 ──その言葉の裏には、途方もない怒りの感情が隠れていることに

 

 ……理由は分からない。カオナシが言うように、ただ本当にヘルメット団のことが気に入らないだけなのかもしれない。……だが、もしかすると──

 

 

(…いや、そんな筈ないよね……)

 

 

 ──そんな風に一瞬抱きかけた想像を振り払う。………それは、自身にとってただの都合のいい妄想でしかない、もと

 

 その後ホシノは、先程まで抱いていた感情をひた隠し、他の誰にも悟られないようにしながらも、未だ気になっていた事を確認する。

 

「……でも、カオナシは便利屋なんでしょ?さっきまでの話を聞いていたなら、あとから請求されてもお金を払うことなんて出来ないよー?…それとも、私たちの──」

 

 

『──それ以上言うな』

 

 

 カオナシは、静かに怒りを露わにした。ホシノとしては、警戒するが故に発そうとした言葉なのだろうが──かつての後輩の口から、自身を蔑ろにするような言葉を聞くことだけは、我慢ならなかった。

 

「………」

『………』

 

「……いやぁ、ごめんね〜。善意で協力しようとしてくれる相手に対して、流石に今のおじさんの言葉は失礼だったね」

 

 "いやぁ、ごめんごめん"と、ホシノは謝った。

 

『……別に謝る必要は無い、あんたは先輩として、後輩を守る為に警戒していただけだろ。……それに俺はこんな格好だしな、正直警戒されるのも仕方ないとは思ってる』

 

 仮面で隠れているため分かりずらいが、苦笑いを浮かべたような雰囲気を出すカオナシのことをホシノはじっと見据える。

 

 ──警戒することは辞めない。……しかし、カオナシから一切の悪意を感じ取れないホシノは、少しだけカオナシのことを信じてみることにした。

 

 

………………

 

 

 ──ホシノは、不思議な懐かしさを感じていた。初めて目にしたその時から、部室に向かう道中の会話──そして、ホシノ自身にはそのようなつもりは無かったとはいえ、先程の自身を蔑ろにしようとするような発言をたしなめる静かな怒り

 

 ──その全てに、ホシノはいなくなってしまった先輩を幻視し、泣いてしまいそうになる──しかし、先輩の腕を奪ってしまった自身にはそんな資格はないと戒め、我慢する。

 

(──それにしても、本当に……)

 

「……似てるなぁ」

 

『…何か言ったか?』

 

「…ううん、何も言ってないよー?……はっ、もしかして幻聴でも聞こえちゃった?カオナシはおじいちゃんだもんね〜」

 

『おい年寄り扱いすんな、あんたの先輩も巻き込むぞ』

 

「……えっ、私も!?…えっと、じゃあ私は先生を巻き込むね!」

 

「うそ、こっちまで飛び火した……!?…っていうか、私とユメちゃんはどちらかと言えばおばあちゃんじゃ……いやまだ全然若いけどね!まだピチピチの二十代だし!!」「私もまだ十代だよ!」

 

 ──気付けば、先程までの険悪な雰囲気は霧散していた。

 

 ホシノはそんな年長組の様子を見て笑みを浮かべる──半ば無意識のうちに漏らしてしまった言葉が聞かれていなかったことに対する安堵の感情を隠しながら。

 

「──あぁもう!先輩たちも、先生もカオナシさんも話が逸れすぎ!ヘルメット団の前哨基地に攻め入るって話はどうなったのよ!」

 

 そんな風にわちゃわちゃとしていたら、ついにセリカに怒られてしまった。ノノミやシロコなどの好戦的なメンツも、今か今かと言わんばかりの様子を見せていた。

 

「ごめんねー、カオナシも参加してくれるってわかったし、それじゃあ改めて──散々好き勝手してくれたヘルメット団に、目に物見せてやろっか」

 

 その言葉と共に、その場に居る全ての人物がその身に闘気を滾らせ、部室から出ていく──向かう先はヘルメット団の前哨基地。

 

 

 ──今この時を持って、ヘルメット団壊滅のカウントダウンが始まった。




登場人物が増えれば増えるほど、話す人物がなるべく偏らないように気をつけなければいけないので少し大変ですね。

お気に入り登録してくださった方が、1500名を超えました!ありがとうございます!

それと最近、ここすき一覧を確認してみたら、思っていたより入っててびっくりしました。
……因みに一番人数が多かったのは、プルプル黒服と支払い済みポンコツ黒服でした笑

当キヴォトスの先生は ※あくまでも参考程度です。必ずしも結果通りになるとは限りません。また、オネエ、姉御の場合はイオリの足は舐めません

  • オネエ
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