久しぶりのウタハ登場。機械系はとりあえずエンジニア部かゲマトリアに任せておけばいいかという感じ、ありますよね。
※二作目を執筆開始しました。リンクは後書きに貼っておきます。
──柴関ラーメンから帰宅したカオナシは、エンジニア部部長のウタハに呼ばれてミレニアムに訪れていた。
『来たぞウタ、ハ…えぇ……』
扉を開けた際に目に映った光景に、カオナシは呆れかえる。──爆発でもしたのか辺り一帯には様々な部品が飛び散り、部室内のところどころ焦げついていた。
そんな部室内に、部員全員が一様に煤にまみれて倒れており──ウタハは某キボウ◯ハナーな団長のように左の人差し指を前に向け、道を指し示すかのように倒れ伏している。
また、ヒビキは"ヤ○チャしやがって……"と言わんばかりに小さなクレーターの中に倒れ、コトリは荒巻スカ◯チノフを想起させる"スヤァ…"という擬音が聞こえてきそうなほど穏やかな表情を浮かべていた。
足の踏み場もない程に散乱した室内を物をかき分け道を作りながら進んでいき、そんなこんなでカオナシは何とかウタハの元にたどり着いた。
『おーい、起きろウタハー』
「………う、うぅ」
倒れ伏したウタハの肩を揺すり、反応が返ってきたことで"うん、とりあえず死んではないからヨシ!"と、判断するカオナシ。
「カ、カオナシさん……」
『ほら、さっさと起きて片付け──』
「──止まるんじゃないぞ……」
『……は?何言って……おい待て寝るなウタハァ!』
◇◇◇◇◇
「──ふぅ、すまないね」
再び寝ようとしたウタハを叩き起こしたカオナシは、部室内の片づけを行った後、適当な椅子を持ってきて座り込みながら話をしていた。
なおヒビキとコトリについては、片付けが終わった後は寮へと戻って行った。というより"既に三徹している"と聞いたカオナシが、セミナーのユウカとノアに頼んで無理やり連れて行かせた。
『まったくだ。……で?例のモノは』
「もちろん、できているとも」
ウタハは机の引き出しからあるものを取り出し、カオナシに渡す──それは、一つの腕時計であった。
受け取ったそれを
『おぉ、ちゃんと投射されてるな』
するとカオナシの左腕──その義手は立体映像に包まれ、生身の腕が現れる。手を握りしめたり腕を振ったりしても、その動作に合わせて映像が動くことを確認する。
「どうだい?使い心地は」
『……あぁ、いい感じだ』
「それは良かった。……にしてもリンさんも難儀なものだね、そこまでして隠すくらいならいっそ話してしまえばいいのに」
『まだ色々と準備が必要なんだよ……あと、名前を出すなっていつも言ってるだろ』
「別にいいだろう?ここには私たちしかいないわけだし──もちろん盗聴の心配もいらないさ。セキュリティ対策は万全だし、たとえヴェリタスであってもそう易々と突破はできないよ」
"突破できるであろう「全知」や会長については、既にあなたの正体を知っているしね"──そう言って肩をすくめるウタハを見やり、カオナシは"はぁ……"とため息をついた。
◇◇◇◇◇
その後も、とある発明品に関する依頼や検証のスケジュールなどについて話していると、不意にカオナシの携帯が音を立てる。確認してみると電話をかけてきた相手はユメであり、一言ウタハに断りを入れてから電話にでる。
『もしもs『カオナシさん!セリカちゃんが、セリカちゃんがっ……!』──落ち着け、いったい何があった?』
電話越しに話すユメはかなり慌てた様子で、なにかただ事ではない事態が起こっていると感じ取ったカオナシは、素早く正確に事情を把握するために落ち着くように言う。宥められたユメは、こちらに聞こえてくるほど大きく深呼吸をしたのち、何があったのかを伝える。
『──セリカちゃんが、居なくなっちゃったの』
『今は先生が調べてくれているんだけど……っもしかしたら誰かに攫われちゃったんじゃないかって……!』
『お願いカオナシさんっ!力を貸して!私もう、これ以上誰かが居なくなるのは嫌なのっ……!』
最初は落ち着いていたユメであったが、話しているうちに次第に焦りの感情が隠しきれなくなってしまっていた。そんなユメの涙まじりの声を聴き、カオナシはその手に持った携帯を強く握りしめる。
『ユメ、今すぐそっちに向かう。……安心しろ、便利屋『カオナシ』の矜持に賭けてセリカは必ず救い出す』
"それに、先生もいるからな。何も心配することはないさ"と、なるべくユメの不安を取り除くように、優しくカオナシは語りかける。
『……もし俺がそっちにつく前に先生の調査が終わったなら連絡をくれ、直接現場に向かうから』
『うん……私たちの方でも色々と準備をしておくね。……早く来てね、カオナシさん』
◇◇◇◇◇
ユメとの通話を終えたカオナシは、即座にアビドスに向かうためにエンジニア部の部室から飛び出そうとし──"まぁ待ちたまえ"と、ウタハに止められる。
「今から走って向かう気かい?流石にそれは無謀が過ぎるよ。……丁度いいものがある、ついてきてくれたまえ」
そう言ってウタハはラボの一つへと向かっていく。今すぐに駆けだしたい衝動を抑え、カオナシは後に続く──ウタハは決して、このような場面で無駄なことはしないと知っているから。
ウタハに続き、ラボに足を踏み入れたカオナシの目に映ったのは──一台のバイクであった。
「まだ試作段階のものだが……少なくとも陸地であれば、どれだけ足場が悪くても問題なく走行できる。──荒れ地や、砂漠であってもね」
"本来であればここに水上走行機能と飛行機能を付けたかったんだが、先に武装を追加していたら生憎と予算不足になってしまったんだ"と、肩をすくめながらウタハは言う。
「──これをカオナシさんに貸し出そう。……あぁ、金額とかは気にしなくていいとも、あくまでも試作品だからね。後で使用感とかをフィードバックしてくれればそれでいいさ」
『……ありがとうウタハ、恩に着る』
一言お礼を言うと同時に、カオナシは譲り受けたバイクにまたがり──
「──ちゃんと後輩を救い出してあげたまえよ、リンさん」
聞こえてきたウタハの言葉に、右手を挙げて了承の意を示したカオナシはすぐさまエンジンをふかし、アビドスに向かっていった。
◇◇◇◇◇
ミレニアム学区を超え、アビドス郊外の砂漠を突き進む──その時、カオナシの携帯に一本の電話がかかってくる。
例のごとくバイクにも備わっていたBluetoothを利用し、通話をつなげる。
『カオナシ、簡潔に伝えるね。──セリカちゃんの反応が最後にあったのは、砂漠化が進んでいる市街地の端の方』
『──連れ去った相手は、カタカタヘルメット団だよ』
送られてきたマップをバイクに備え付けられた小型のモニターに表示するカオナシは、先生のその言葉を聞き──"そうか"と一言呟く。
『カオナシはそのまままっすぐに現場に向かって、私たちも現在進行形で最後に反応があった地点に向かってるから』
『了解』
通信を終えたカオナシはハンドルを切りルートを変更、まっすぐに反応があった地点に向けてバイクを走らせる。
──砂漠化が進むアビドスのことを見限ることなく入学してくれた優しい
5月は、1515名もの方々にお気に入り登録していただくことができました。また日間ランキングで11位になったりと、初投稿時には予想だにしていなかったことばかりで、驚きの連続でした。
当小説を読んでくださっている皆様方、本当にありがとうございます。
※前書きにも書いていますが、新しい小説の投稿を始めました。
イブキちゃんメインのまったりほのぼの系のお話です、もしよろしければお読みください。
『イブキちゃんと狐のおじいちゃん』
https://syosetu.org/novel/345788/
当キヴォトスの先生は ※あくまでも参考程度です。必ずしも結果通りになるとは限りません。また、オネエ、姉御の場合はイオリの足は舐めません
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