先日は通信障害があって大変でしたね。
暇なときはハーメルンで小説書いたり、他作者様の小説を読み漁っている自分としては死活問題でした。
……おや?曇らせの波動が近づいてきているような……
それでは本編へどうぞ~
便利屋68と協力体制を結んだ翌日、対策委員会の部室に挨拶と共に入室してきた先生へとカオナシは近づき、耳打ちする。
『先生、少し話があるんだが……』
「ん?いいけど……二人きりの方がいい?」
『……そうだな』
カオナシの返答に先生は一つ頷くと、"みんな、来て早々ごめんだけど、ちょっとカオナシとシャーレの業務について話をしてくるね"と告げ、二人は部室を後にする。
◇◇◇◇◇
『──って訳だから、頼むぞ先生』
「待って待って待って待って??急に"って訳だから"って言われてもなんの事かさっぱりだよ!?」
『……はぁ、仕方ないから一から説明してやる』
「あ、うん、ありが──私悪くないよね!?」
"すごく解せないんだけど!"と叫ぶ先生を無視して、カオナシは昨日便利屋68と結んだ協定、及び今後の作戦について語り始めた。
──数刻後
「まさか、そんな事が」
昨日柴関ラーメンで会った少女たちがアビドス襲撃の依頼を受けた便利屋であった事、そんな彼女達は依頼主を裏切りこちら側についたが、当初の予定通り襲撃は行う事、そして──依頼主の正体について
カオナシから齎された情報は、アビドスに降りかかる問題を解決へと導く手を一気に数手先へと進めるほど有用なものであり、最初こそ驚きの余り固まってしまった先生もまた、即座に今後の方針を定めていく。
『先生、この事はあいつらには──』
「わかってる、教えちゃったら多分本気が出せない可能性もあるからね。そうなったら依頼主にも手を抜いてるってバレちゃって、そこから不信感を抱かれるかもしれないし……この事は私とカオナシだけの秘密にしておこっか」
"心苦しいけど、敵を騙すにはまず味方からって言うからね"と苦笑する。
『話が早くて助かるよ、先生』
「ふふっ、このくらいどうってことないよ。……証拠を集めるって言うなら、やっぱり前にアヤネちゃんが集めてくれた戦車とかの部品についても調べた方が良いよね?」
『そうだな、こういった事の手がかりを探すなら……ブラックマーケットだな』
「ブラックマーケット……?」
カオナシは、疑問符を浮かべる先生に対して"それについてはまた今度話す"と答えた後、対策委員会の部室へと踵を返す。
『さぁ、そろそろ皆のとこに戻るぞ』
"これ以上待たせると悪いからな"──そう言って歩みを進めようとしたカオナシを、先生は"待って!"と引き留めた。
『……どうした?まだ聞きたいことでもあるのか?』
カオナシはそう訊ねるが、先生は何かを迷うように言い淀む。やがて痺れを切らしたカオナシは、一度止めた歩みを再び進めようとし──
「前にみんなが言ってた、"匿名で物資を送ってくれる人"って、カオナシの事だよね?」
──先生の言葉に、足を止めた。
『……』
「……その反応、やっぱりそうなんだね?」
カオナシは先生の方へと振り向く。……仮面を付けているため表情は見えない……が、困惑しているような雰囲気であった。
『……もし、"そうだ"って言ったらどうするんだ?』
「んー、別にどうこうしようだなんて考えてないよ?ただ──」
"なんで皆に秘密にしてるのかなって"──その言葉は、先生の口から発せられることは無かった。
「ねぇ……」
──今の話、本当?
突如として背後から聞こえて来た第三者の声を耳にしたカオナシは、勢いよく振り向く。
視線を向けた先には──自身を見つめるユメの姿があった。
◇◇◇◇◇
『……何時から、そこに?』
「……来たのはついさっきだよ」
どうやらユメは、いつまで経っても戻ってこない先生とカオナシに皆が痺れを切らしてしまったため、代表して呼びに来たとのこと。
カオナシは、便利屋68への依頼や、アビドス襲撃の黒幕については聞かれていなかった事に内心でホッと息を着く。
『そうだったのか。……今丁度、先生との話にキリがついたところなんだ』
"さぁ、戻ろうか"とカオナシは促すが、当然そのままスルーしてもらう事など出来はしない。
行く手を遮るユメの姿を目にしたカオナシは、仮面の下で苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。
他の誰かならばまだ知られてもいい。……しかし、借金の返済が黒服のやらかしによって一部成されているとはいえ、未だ自身の裏切りが演技であったとバレているかどうかが判明していない現状……否、仮にバレていたのだとしても、少なくとも今はまだ、アビドスの生徒──特に、ユメとホシノにだけは、正体を知られる訳にはいかなかった。
……カオナシがこの場をどう切り抜けるか悩んでいる間に、気付けばユメは目の前に近づいてきていた。
◇
(──物資が送られてくるようになったのは、リンくんが居なくなってから大体一年たった頃。……消されていて読み取りにくかったけど、あの日記に書かれていた
「ねぇ、カオナシさん。貴方はもしかして──」
◇
ユメの指先が、カオナシの仮面へと迫る。……万が一のために、立体映像投射装置で下にも仮面を投射しているとはいえ、直接触れられようものなら自身の正体に気付かれかねない。
(どうする、どうする、どうする……!?)
……いや、本当はわかっているのだ。バレたくないのであればここで手を払えば……否、そもそもアビドスから離れればいい──しかし、カオナシにはそれができなかった。
振り払おうと、距離を置こうとするたび──あの日のホシノが、こちらへと手を伸ばすホシノの姿が脳裏を過ぎり、カオナシを躊躇わせる。
しかし、いくらカオナシが葛藤していようと、ユメは待ってくれはしない。彼女の手はもう、カオナシの仮面へと残り数センチというところまで近づいていた。
そして、ユメの手が仮面に触れる──
『──先生!校舎より南15km地点付近で、大規模な兵力を確認しました!』
──直前、先生の所持する通信端末に、アヤネから緊急事態を告げる連絡が入る。突如として聞こえてきたその声にユメの動きが止まり、その一瞬のスキを見計らってカオナシはユメの手をそっと下に下ろさせる。
「ぁ……」
『──っ』
あと少しというところまで迫っていた手が離されていく。……小さく悲し気な声を漏らすユメに、カオナシは罪悪感にかられ、感情が揺れ動きそうになるのを下唇を噛んで耐えながら先生へと向き直る。
『……先生』
「うん、急いで準備しようか。……アヤネちゃん、他の皆にも戦闘の準備をして校庭に集まるように伝えて」
指示を受けたアヤネが、"わかりました!"と返事をしたのを確認した先生は、通信を切る。
「そういうわけだから、早速校庭に向かおう。……ユメちゃんも、みんなのところに行って武装の準備をお願いね」
先生の言葉を受けたユメは、少しの間沈んだ表情を浮かべていたが──自身の両頬を叩いて意識を切り替えると"了解!"と言って、対策委員会の部室へと駆けて行った。
先生とカオナシは彼女の背を目線で追い続け……ユメの姿が見えなくなったことを確認し、ホッと息を吐いた。
「……ごめんね、カオナシ。ちょっと迂闊だった」
『いや……そもそも、全部俺が隠しているのが悪いんだ。……口外しなければそれでいい』
"後、今後はアビドス内で俺のことを詮索するのは出来れば控えてほしい"──そう言い残すと、カオナシは逃げるように、早足で校庭へと向かっていった。
◇◇◇◇◇
カオナシは否定こそしなかったものの、結局は彼の口からはっきりと聞き出すことはできなかった。
……依頼も関係なしに、カオナシが何故ここまでアビドスに関わろうとするのか。自身の問いには否定を返さなかったのにも関わらず、ユメを含む対策委員会の皆に対しては何故頑なに自身の正体を隠そうとするのか。
(──まだ知り合ってから日が浅いとはいえ、私はカオナシのことについて知らないことばっかりだ……)
「……また今度、仕事でシャーレの部室に戻るときにカオナシのことを聞いてみようかな」
"それとも、ユウカちゃんとかに聞いてみた方がいいかな?"──そんなことを考えながら、先生もまた、皆の待つであろう校庭へと歩みを進めた。
次回は便利屋68と、対策委員会の交戦ですね~
今回ユメ先輩は出てきたけど、未だホシノちゃんは出てこず……ホシノちゃん成分が足りない。
でも次話では必ず出て来ますので、お楽しみに
当キヴォトスの先生は ※あくまでも参考程度です。必ずしも結果通りになるとは限りません。また、オネエ、姉御の場合はイオリの足は舐めません
-
男
-
女
-
オネエ
-
姉御