小鳥遊ホシノの先輩   作:燐檎あめ

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お久しぶりです。
前回の番外編投稿以降、うまく文章をまとめることができず投稿が滞ってしまいました。
悩んだ結果、番外編は一度投稿を中止し、当初の予定通り1月からは本編の投稿を行っていくことにします。
……如何な理由があったとはいえ、誕生日回を書けなかったのは悔しすぎるのでそのうち不意に投稿するかもしれないです。遅すぎたら来年用に書いて取っておきます。



それでは引き続き、『小鳥遊ホシノの先輩』をよろしくお願いいたします。

※同日にアビドス編後の設定集も投稿しています。オリ主の容姿情報なども載せていますので、もし良ければご覧下さい。


2章:時計じかけの花のパヴァーヌ編
ミレニアムへ


 ある日、対策委員会の部室にて──

 

 

 

「あとちょっとのはず……!」

 

 

 

 入学以前の記憶がなく、また入学してからも借金返済に追われ今までゲームという物に触れたことのなかったシロコは、リンが持ち込んだとある王道RPGゲームを遊んでいた。

 

 因みに他の面々は買い出しに出かけたり、バイトしたり、集めたジャンク品から戦闘時の支援機器を作成したり等……借金から開放されたことで余裕の生まれた時間を各々好きなように過ごしていた。

 

 

 

「……ようやく倒せた。……苦節80年*1、ここまで長かった」

 

「おつかれ、初めてのゲームはどうだった?」

 

「ん、楽しかった」

 

「ならよかった。………あ、そういえば今の敵h"プルルルル"……っと、電話か」

 

 

 

 仕事用の携帯を手に取り相手を確認すると、目に映るは"先生"の二文字。彼は後輩に一言断りを入れると応答する。

 

 

 

『おつかれさま。……早速で申し訳ないんだけどさ、今からミレニアムに来れる?』

 

「ミレニアムに?……何かの依頼か?」

 

『うん、実はゲーム開発部の子達からの依頼を受け取ってね。初めはユウカちゃんに案内を頼もうかと思ったんだけど……』

 

「……"出来るだけ内密に、特にユウカには"とか書いてあった感じか」

 

『おぉ、まさか言い当てられるなんてね。……そういう訳で、ミレニアムで便利屋として活動してたリンくんに案内してもらおうかな〜って思ったんだけど……ダメかな?』

 

「いや、別に構わない」

 

『ありがとう、それじゃあ案内よろしくね』

 

「了解。シロコ、そういう訳で俺は今からミレニアムに………あっ」

 

 

 

 通話を終えて振り返った視線の先で、画面いっぱいに映る──"GAMEOVER"の文字

 

 

 

「……変身するなんて聞いてない」

 

「うん、まぁ……頑張れ」

 

「ん、レベルを上げて殴る」

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

「ここがミレニアムかぁ、なんというか……凄いね?」

 

「分かるぞその気持ち。俺も始めて来た時はアビドスとあまりにも違いすぎて圧倒された覚えが……っ?」

 

 

 

 ゲーム開発部の部室に向けて談笑しながら広い敷地内を進んでいく二人の頭上に、ほんの僅かに影が射す。どうやら気づいているのは自分だけのようで、リンが視線を上へとずらすと……案の定、こちらに向けて何かが落ちてくるのが見えた。

 

 放物線の描き方からして"誰かが窓から放り投げたのだろう"とアタリをつけた彼は、このままでは先生の頭上に直撃すると判断──先生の腕を掴んで軌道線上から退避させる。

 

 

 

「っと、どうしたのリンk"ガシャンッ"──わひゃっ!?」

 

「悪いな先生。なにかが落ちてきてるのに気づいたんだが、説明してる時間がなくてな」

 

「そっか……ありがとう、助かったよ」

 

 

 

 礼もそこそこに、二人は落ちてきたものへと目を向けると──そこには、見るも無惨な姿となったゲーム機が一台。身体の頑丈なキヴォトスの住人ならまだしも、先生の場合は当たりどころが悪ければ怪我どころではすまなかった可能性もあった。

 

 ……ゲーム機、そして開かれている窓の位置に心当たりのある彼が顔を上げたそのタイミングで、ふたりの生徒が窓から顔を覗かせる。

 

 

 

「プライステーションは無事!?……ひぃっ!?」

 

「何その反応!もしかして壊れちゃ……うげぇ!?」

 

 

 

 背格好顔立ち全てが瓜二つの二人は、先生たち……厳密には、隣に立つ"便利屋カオナシ"としての格好をしたリンの姿を目にすると、途端に慌てふためき始めた。

 

 

 

「……知り合い?」

 

「……まぁ、そうだな。……というか、あいつらがシャーレに対して依頼を出した──」

 

 

 ──"ゲーム開発部だ"

 

 

 リンの言葉を聞き、先生は再び視線を窓から顔を覗かせる双子と思わしき生徒たちへと移す。

 

 

 

「って、プライステーションぶっ壊れてるじゃん!?」

 

「そんな……!!」

 

「「……終わった」」

 

 

 

 驚愕から一転し、今度は顔面蒼白となって絶望のあまり空を見上げる二人に対して先生は───"賑やかな子たちだねぇ"と、のほほんとした様子で暖かい目を向けるのであった。

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 項垂れる双子(リンから聞いた)に案内を頼むのは無理そうだと悟った先生は、当初の予定通りリンの案内の元ゲーム開発部の部室へと辿り着き、"コンコンコン"と扉をノックする。

 

 途端にドタドタと慌ただしくなる室内。……やれ"片付けなきゃ"だの"冷酷算術太もも大魔王が来た"だのと聞こえて来ること3分34秒……ゆっくりと扉が開かれる。

 

 

 

「ど、どどどっどうしたのさユウカ……ってあれ?ユウカじゃない…?」

 

「あれ?……もしかして、シャーレの先生ですか?」

 

 

 

 問い掛けに対して先生が頷くと、双子の表情がみるみるうちに明るくなっていった。

 

 

 

「やった!噂の先生が味方になってくれるなんて、これは勝ったもどうぜぇぇぇえッ!?」

 

 

 

 ……かと思えば、隣に立つカオナシ(リン)の姿を目にし驚き飛び上がった。

 

 いや本当にリンは彼女たちにいったい何をしたのだろうか……そんな疑問を込めた視線に気づいた彼は彼女らとの関係性を伝える。

 

 

 

「端的に言うなら……問題を起こしたこいつらをセミナーの依頼を受けて捕まえた事があるんだ」

 

「問題……?」

 

「あぁ、まぁそうは言ってもそう大きなことをしでかしたりしてるわけじゃないし、ゲヘナの問題児共と比べれば可愛いもんだが……いやその話は別にいいか」

 

 

 

 "それよりも大事なことがあるんだろう?"と双子──ゲーム開発部シナリオライターの"モモイ"及び、その妹のイラストレーター"ミドリ"に促すと、彼女たちはハッと本来の目的を思い出す。

 

 

 

「そうだった!こんなことに時間を割いている場合じゃなかった!」

 

「「──プライステーションを修理しにいかなきゃ!!」」

 

「「「いやそっちじゃない(でしょ)」」」

 

「「「「……ん?」」」」

 

 

 

 四人しかいないはずのこの場において、存在しないはずの五人目の声が聞こえてきたことに対して脳裏に疑問符を浮かべながら、四人が部室の外へと目を向けると……そこにはミレニアム生徒会セミナー会計──早瀬ユウカが立っていた。

 

 

 

「お久しぶりです先生、それとカオナシさんも。……はぁ、まさかこんな形で会うなんて」

 

 

 

 彼女は頭を抑え、呆れたと言いたげな様子を隠すことなく大きなため息を吐く。

 

 

 

「本当に諦めが悪いわね、モモイ。──廃部を食い止めるために、わざわざ"シャーレ"まで巻き込むなんて。……けど、そんなことをしても無意味よ」

 

 

 

 ユウカは語る。例えシャーレであっても、ましてや連邦生徒会長が戻ってきたのだとしても……部活の運営については概ね、各学校の生徒会に委ねられている。

 

 故に──ゲーム開発部の廃部は決定事項であり、これはもう誰にも覆すことができないのだと。

 

 ……しかし、モモイも言われっぱなしではない。

 

 

 

「ユウカ、言ってたでしょ。"部員が規定人数に達する"か、"ミレニアムの部活として見合う成果を出せれば"……」

 

「……それができれば良し、もしできなかったら廃部、部費はもちろん部室も没収する。私、そこまでちゃんと言ったわよね?」

 

「あなた達は部員数も足りない上に、部活としての成果を証明できるようなものもないままもう何ヶ月も経ってるんだから……廃部になっても、何も異議はないはずだけど?」

 

「異議あり!すごくあり!私達だって全力で部活動をしてる!」

 

 

 

 モモイは声を大にして反論するが……それが却って、ユウカの逆鱗に触れた。

 

 

 

「全力で活動してる……?笑わせないで!」

 

「校内に変な建物を建てたと思ったら、まるでカジノみたいに装飾してギャンブル大会を始めるし、レトロゲームを探すとか言いながら古代史研究会を襲撃するし……」

 

 

 

 確かに全力ではあるのかもしれない、しかしそれは明らかに部活動としては間違った行動であった。また、ミレニアムにおいては"結果がすべて"であり……そう考えると、今もなお部活が存続しているのは情状酌量に情状酌量を重ね続けた結果なのかもしれない。

 

 ゲーム開発部にも結果というものがないわけではない。……しかしそれは、決して褒められたものではなかった。

 

 

 ──テイルズ・サガ・クロニクル

 

 

 端的に言うなれば──ダントツで"絶望的"なRPG。それもシナリオの内容ではなくゲームのとしての完成度、"今年のクソゲーランキング1位"というあまりにも不名誉な称号のみが、ゲーム開発部の"結果"であった。

 

 

 

「あまりこういうことは言いたくはないのだけれど……あなた達のような部活がこのまま活動していても、かえって学校の名誉を傷つけるだけよ」

 

「それに、その分の部費を他に回せば、きちんと意義のある活動をしている生徒のためにもなる」

 

「……だから、もし自分たちの活動にも意義があるのだと主張したいのなら……証明してみせなさい」

 

 

 

 証明──それはつまり、きちんとした功績を……"今年のクソゲーランキング1位"という不名誉なものではない、胸を張って自慢できるような"結果"を示せとユウカは告げる。

 

 

 

「……わかった」

 

「……ふぅん?諦めて部室を明け渡す気に「違う!」」

 

 

 

 モモイは覚悟を秘めた表情を見せながら告げる──"ユウカの言う通り、結果で示す"と

 

 

 

「──ミレニアムプライス」

 

「!?」

 

「ミレニアム中の部活が各々の成果物を競い合う、ミレニアムでも最大級のコンテスト!そこで"TSC2"……"テイルズ・サガ・クロニクル2"を出して受賞する!それなら文句は言えないでしょ!?」

 

 

 

 モモイの宣言に、この場にいる先生を除いた全員が目を丸くする。……それもそのはず、彼女の言葉は"運動部がインターハイを目指す"どころの話ではなく、言うなれば"高校球児がいきなりメジャーリーグを目指す"と言っているようなもの。

 

 

 

「本気?」

 

「当然!私たちの大切な居場所を守る為ならやってみせる!」

 

「──モモチューブの配信で見た、アビドスの人たちと同じように!絶対に諦めたりなんてしないから!」

 

「「……!」」

 

 

 

 しかし……否、だからこそ──その言葉は、ユウカの心を揺り動かすに値する。

 

 

 

「……分かった、じゃあそこまでは待ちましょう」

 

「今日からミレニアムプライスまで二週間……この短い間でどんな結果を出せるのか、楽しみにしてるわ」

 

「「ほんと!?」」

 

「えぇ。ただし……カオナシさんの前でアビドスを引き合いに出したんだもの、不甲斐ない結果に終わったら問答無用で廃部にするからそのつもりでいなさい」

 

「……ふぅ、まさか先生の前でこんな、可愛くないところを見せてしまう事になるなんて。……ただ、これも生徒会の仕事なので」

 

「次はもっと違った、落ち着いた状況でお会いしましょうね、先生。……それではまた」

 

 

 

 彼女は軽く頭を下げると踵を返し、ゲーム開発部の部室を後にする。……その直前で、ふと思い出したかのような仕草でリンへと振り返ると──

 

 

 

「カオナシさん、お疲れ様でした。それと──おめでとうございます」

 

 

 

 ……と、ふんわりと笑みを浮かべた後、立ち去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……どういうこと?解雇されたの?」

 

「いや解雇も何も別にセミナー所属じゃないからな?」

*1
8時間

オリ主の容姿情報

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  • いるけど、活動報告とかでいいかな?
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