小鳥遊ホシノの先輩   作:燐檎あめ

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いやはや、まさかリオセイア両名とも実装されるとは思いませんでしたね、制服ネルアスナカリンもとっても良き……。アカネトキは来年か……(悲しみ)。

周年グッズも色々とありますし、いったい何人の諭吉を生贄に捧げることになるのやら。とりあえず作者は「夢が残した足跡」は必ず購入すると決めているので、3.5諭吉が捧げられることは確定しておりますね|´-`)チラッ


それでは本編へどうぞ〜


光の剣はロマンの塊

 アリスを迎え入れた翌日、ゲーム開発部は武器の調達のためにエンジニア部の部室を訪れていた。

 

 

 

「なるほど、事情はだいたい把握できたよ。新しい仲間により良い武器をプレゼントしたい……そういうことであれば、エンジニア部に来たのは素晴らしい選択だね」

 

「そっちの方に、私達がこれまで作ってきた試作品が色々と置いてある。殆どのものはカオナシさんにテストしてもらって安全性も確認済みだからね、そこにあるものであればどれを持っていっても構わないよ」

 

「やった!ありがとうウタハ先輩!」

 

「例には及ばないさ。……ヒビキ、彼女たちを手伝ってあげてくれないか?」

 

「了解。……一年生のヒビキだよ。ここには色々あるからね、良さそうなものを見繕ってあげるよ」

 

 

 

 モモイたちは礼を言うと、自分たちと同じ一年生の猫塚ヒビキの案内のもと武器を見繕っていく。……Bluetooth機能やスモモ機能*1、果てはNFC機能という明らかに武器に必要のないものが盛りだくさんの拳銃が初手に来てしまったために早くも不安を覚えてしまう。……が、残念(?)なことにアリスはそもそも話を聞いていなかった。

 

 

 

「あれ?アリスちゃん?アリスちゃーん?」

 

「アリスならあっちにいるぞ」

 

「あ、ホントだ」

 

 

 

 というのも彼女は、少し離れた場所であるものをじーっと、興味深そうに見つめていたからなのだが。

 

 アリスが見つめていたもの……それは銃というにはあまりにも大きすぎる代物。大きく、分厚く、重く……それでいてエンジニア部のマイスターとしてのこだわりを感じ取れるそれはまさしく──鉄塊と呼ぶに相応しかった。

 

 

 

「これは……?」

 

「ふっふっふ……お客さん、お目が高いですね」

 

「え、えっと……?」

 

「おっと、自己紹介がまだでしたね!説明が必要なら、いつでもどこでも答えをご提供!エンジニア部のマイスター、コトリです!」

 

 

 

 自慢げにアリスへと話しかける彼女の名は"豊見コトリ"。彼女もまた、エンジニア部の誇るマイスターの一人である。

 

 そんな彼女とミドリは知り合いのようであり、"久しぶり"と親しげな様子で挨拶をしたのち"これは何か"と疑問を口にする。

 

 

 

「いい質問ですね、ミドリ。これはエンジニア部の下半期の予算、そのうちの約70%近くをかけて作られた──」

 

 

 ──"宇宙戦艦搭載用レールガン"

 

 

「です!!」

 

「「おお……!」」

 

 

 

 "宇宙戦艦"──ゲームやアニメなどでしか耳にしないような、夢と希望、そして浪漫に満ちた素晴らしい言葉。……勿論そういった物が出てくるゲームも履修済みなモモイたちは、思わず感心の声を上げる。

 

 

 

「素晴らしい反応をありがとうございます!……話を戻しますとエンジニア部は今、ヘリコプターや汎用作業ロボットに続いて、宇宙戦艦の開発を目標としているのです!」

 

「このレールガンは、その初めの一歩です。大気圏外での戦闘を目的として開発された実弾兵器!これはミレニアム史上、明らかに類を見ない初の試みです!」

 

「かっこいい……聞いただけでワクワクしてくる!」

 

「流石ミレニアムのエンジニア部!今回は上手くいってるんだよね!?」

 

 

 

 双子からの期待の込められた視線……アリスも何処かそわそわと気になっている様子でコトリを見ており、否が応でも場の期待感が高まっていく。

 

 

 

「ふっふっふっ、もちろんです!……と言いたいところだったのですがちょっと今は中断してまして……」

 

「えええっ!?何で!期待したのに!」

 

 

 

 高まっていた期待感が一気に急降下する……しかし、ゲーム開発部の期待に応えられないのも仕方の無いことであった。

 

 何せレールガンを作成するだけで下半期の予算の約70%もかかったのだ、もし宇宙戦艦そのものを作るとなったら、この何千倍もの予算がかかることやら。

 

 ……悲しいかな、どれだけ技術力を持っていても資金がなければどうすることも出来ないのが、技術者としてのサガというものなのだ。

 

 

 

「いやそんなの計画段階で分かることじゃん!どうして完成まで持って行っちゃったのさ!?」

 

「ふっ……愚問だね、モモイ。決まっているじゃないか、ビーム砲は──」

 

「「「「ロマン」」」」

 

「だからね」

 

「ビーム砲の魅力が分からないなんて、全くこれだからモモイは」

 

「まだ早かったみたいだね」

 

「仕方ない、モモイはまだお子ちゃまだからな」

 

「バカだ!頭が良いのにバカの集団がいる!………んん???」

 

 

 

 1、2、3……4人?なんかひとり多くない?それに、いま後ろから声が聞こえてきたような……と、双子が振り返るとそこには、昨日共に廃墟に行ったカオナシが立っていた。

 

 

 

「「カオナシ(さん)!?」」

 

「いつからそこに!?」

 

「アリスの武器を見繕い始めたところからずっといたけどな」

 

「思ったより最初からいた……!」

 

「…………まぁ俺のことは置いておいて、レールガンの名前を発表してやったらどうだ?アリスがさっきからずっとそわそわしてるぞ」

 

「もちろんさ、至高の武器とは名前があってこそ輝くものだからね。……ヒビキ、コトリ」

 

「承ったよ、部長。……エンジニア部の情熱が注ぎ込まれた、この武器の正式名称は──」

 

 

 

 ──光の剣:スーパーノヴァ!

 

 

 

「ひ、光の剣……!?」

 

 

 

 "光の剣:スーパーノヴァ"──まるでRPGゲームの主人公が最後に手に入れる勇者の剣のような、無駄に壮大な名前がつけられていることに呆れる双子とは対象的に……アリスはこれ以上ないほどにキラキラと目を輝かせる。

 

 "わぁ、うわぁ……!"と無邪気な子供のように感嘆の声を漏らし、誰の目から見ても明らかなほど目の前の武器に夢中になっている彼女はレールガンを指差しながら──

 

 

 

「──これ、欲しいです!」

 

 

 

 ……と、自身の要望を伝えるのであった。

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

「……え?」

 

 

 

 部の野心作であり、自分達でも会心の出来だとは自負しているエンジニア部の彼女たちであっても……まさか"欲しい"と言われるとは思っておらず、つい疑問符を浮かべながら問い返してしまう。

 

 

 

「偉大なる鋼鉄の職人よ、あの龍の息吹が欲しいのだ」

 

「うーん、そう言ってくれるのは嬉しいのだけど……」

 

「申し訳ないのですが、それはちょっと出来ないご相談です!」

 

 

 

 先程まで好きなものを持って行っていいと言っていたはずの彼女たちから告げられたのは拒絶の言葉。装着可能レベルが足りないのだろうか?……それとも金か、やっぱり金なのか!?……と叫き立てるゲーム開発部。

 

 確かに製作における予算という意味ではあながち間違ってはいないのだが……実はそれ以上に、より現実的な問題があった。

 

 ここでひとつ思い出して欲しいのが──目の前のレールガンは元々、"宇宙戦艦用の武装"だということ。

 

 基本重量だけで140kg以上、更に光学照準器とバッテリーを足した上で砲撃を行った際の瞬間的な反動は200kgを超える光の剣は……まぁ端的に言うのであれば、個人の火器として扱うにはあまりにも大きくて重すぎるのだ。

 

 

 

「これをカッコいいと言ってくれただけで、私たちは嬉しいよ、ありがとう。持って行けるのならば、本当にあげたいところなのだけど……」

 

「……!……汝、その言葉に一点の曇りもないと誓えるか?」

 

「ん?この子、また喋り方が……」

 

「……多感な年頃だし、最近やったゲームに影響受けて話し方がそっち方面に寄ってるだけだと思うぞ」

 

「高校一年生を多感な年頃と言うには些か無理があるような気もするが……いや、私たちが言えたことでもないか」

 

「それで君は、あれを持ち上げるつもりでいる……という事で合っているかい?」

 

「はい!」

 

 

 

 ウタハの問い掛けに、アリスは大きく頷いた。彼女はそのままレールガンへと近付くと、持ち上げるために手を伸ばす。

 

 

 

「この武器を抜く者……この地の覇者になるであろう!」

 

 

 

 がっしりと、決して手放さぬようにと掴んだ彼女は持ち上げようと力を込める。その意気やよし、だけど無理はしないほうがいいと諭すエンジニア部一年とは対象的に、アリスは必ず装備してみせると全身全霊で更に力を入れ──

 

 

 

「……まさか」

 

「えぇぇっ!?」

 

 

 

 ……ついに、基礎重量140kgもある光の剣を持ち上げた(引き抜いた)。まさか持ち上げることができるとは思っておらず放心してしまう彼女たちを置いて、アリスは何かを探すように持ち上げたレールガンを見渡していく。

 

 "これがBボタンでしょうか?"と首を傾げながら指を伸ばす彼女の姿に嫌な予感を覚えたときには……すべてが遅かった。

 

 

 

「光よ!!!」

 

 ──ドガァァァアンッ!!!

 

「うああああっ!?私達の部室の天井がーッ!?!?」

 

 

 

 見るも無惨に消し飛ばされた天井、嘆き悲しむエンジニア部とは対象的に……大きく広がった穴から覗く太陽は眩く輝き、空は青く澄んでいた。

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 無事に持ち上げることに成功したアリスは、"光の剣:スーパーノヴァ"を手に入れた!

 

 

 

「……って言ってあげたいところだけど、そう簡単にいってしまっては面白くないだろう?」

 

「え、ウタハ先輩、なにいってるの……?」

 

「そう怖がる必要はないよ。所謂お約束……"その武器を本当に持っていきたいのなら、私達を倒してからにしてもらおうか"ってやつさ」

 

 

 

 "そちらの方が、手に入れたときの感動はひとしおというものだろう?"と、茶目っ気混じりで告げながら同部の後輩たちに、以前処分要請をうけたドローンとロボットを全機起動するように指示を出す。

 

 あれよあれよという間に準備は進んでいき……モモイたちが気を取り直した頃には既に、無数のドローンが彼女達の視線の先で今か今かと待ち構えていた。

 

 

 

「…………ほあっ?」

 

「気を確かに持ってお姉ちゃん!現実逃避したくなる気持ちは分かるけど!」

 

「敵性反応多数!戦闘、開始します!」

 

 

 

 武器を構え、アリスたちはエンジニア部一年組の操作するロボット達を相手に戦闘を開始。初めは戸惑っていたものの、気持ちを切り替えると双子がサポートしつつアリスの高火力の一撃で持って次々にロボットを打ち倒していく。

 

 ……その応酬を観察し、戦闘データを取りながら考察をするウタハ。

 

 

 

(……最低でも1トン以上とされる握力、発射時にもブレない安定した体幹。強度はもちろん、肌全体に傷すら見当たらない綺麗な肉体……いや、機体)

 

(つまり最初から厳しい環境での活動を想定し、ナノマシンによって"自己修復"する事を前提とした体のつくりはある種……リンさんや会長達が協力して打破したビナーの装甲に類似しているとも言える。目的は、きっと──)

 

「戦闘の為だろうな」

 

「……!」

 

 

 

 ウタハの隣に立つ彼は、静かにゲーム開発部のことを……アリスの事を見据えていた。……先程までは確かに存在していた筈の情というものが一切介在しない、ただただ冷静に、冷徹に対象のことを見極めようとする者の目を向けながら。

 

 

 

「……まさか、リンさんの方から言われるとはね」

 

「そこまで辿り着いてるなら誤魔化すのは無理だろ?……それに、お前は割と口を滑らせやすいけど、こういう事については絶対に無闇矢鱈と口外しないって知ってるからな」

 

「……そうかい、その信頼は有難く受けとっておくこととするよ」

 

 

 

 彼女は再びゲーム開発部の方へと意識を向けると、データの取得を再開する。その後は恙無く戦闘は進んで行き……アリスは無事に、光の剣を手にしたのであった。

 

 

 

「ぱんぱかぱーん!アリスは"光の剣:スーパーノヴァ"を手に入れました!」

*1
所謂交通系IC




……ストライカーセイアちゃんって何なんですかね?てっきりスペシャルだと思ってたんですが。あまりにも衝撃的すぎて脳が焼かれてしまいましたよ私は……その結果、エデン条約の脳内プロットがとんでもない事になってしまいました。

……何なら脳内どころかメモとしてプロットの書き出しもしちゃってます。どーすんのこれ( 'ω')

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