小鳥遊ホシノの先輩   作:燐檎あめ

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新作二次の宣伝を後書きに載せてます。
良かったら読んでみてくださいね|´-`)チラッ


鏡(※ハッキングツール)は十分危険なものな気がする

 G.Bibleを手に入れ無事帰還したゲーム開発部は、ミレニアムが誇るホワイト(?)ハッカー集団"ヴェリタス"へとパスワードの解読を依頼。数日後に結果が出たとの連絡を受けたモモイたちは、足早に部室へと向かっていった。

 

 扉を開けた先には四名の人物が各自目の前に置かれた機材を操作しており、うち一人である白髪の少女"小鈎ハレ"がゲーム開発部の来訪に気が付き手を止めた。

 

 

 

「ようこそ。依頼されたデータについて、結果が出たよ」

 

「い、いよいよ……!」

 

「ドキドキ……!」

 

「知っての通り私達"ヴェリタス"は、キヴォトス最高のハッカー集団だと自負してる。システムやデータの復旧については、それこそ数え切れないほど解決してきた。……そのうえで、単刀直入に言うね」

 

 

 

 "ごくり……"と、ゲーム開発部の少女たちは息を呑む。ついにここまで来た、ようやく念願の、ゲーム開発における聖書とも言えるG.Bibleが手に入ると期待感が高まっていく。

 

 対するハレは淡々と、ただ事実だけを述べる。

 

 

 

「モモイ、あなたのゲームのセーブデータを復活させるのは無理」

 

「うわぁぁぁぁん!もうダメだあああああっ!!」

 

「いやそっちじゃないでしょ!?G.Bibleのパスワードの解除はどうしたのさ!?」

 

 

 

 廃墟でゲームのセーブデータを失ったときと同様に……もしくはその時以上に嘆き悲しみ慟哭する双子の姉、そしてハレへとツッコミを入れながら問い質すミドリ。そんな彼女の疑問に答えたヴェリタスの三年生"音瀬コタマ"曰く、パスワードの解析は現在一年の"小塗マキ"が行っているとのことであった。

 

 

 

「あ、おはようミド!来てくれたん、だ………モモはどうして泣いてるの?」

 

「ゔぅ~、私のセーブデータが、涙と汗の結晶がぁ……っ!」

 

「気にしないで大丈夫、それより、G.Bibleはどうだった?」

 

「ちゃんと分析できたよ。あれはかの伝説のゲーム開発者が作った神ゲーマニュアル──"G.Bible"で間違いないね」

 

 

 

 曰く、ファイルの作成日時や最後に転送された日時、ファイル形式から考えても確実に"そう"だと断言出来るとの事。

 

 作業者についても噂の伝説のゲーム開発者のIPと一致しており……彼女たちの手にしたG.Bibleが本物であること、さらに言うならばデータをコピーしたものではなく開発者本人が作成した"オリジナル"で間違いないとの事であった。

 

 

 

「……まぁ、まだパスワードの解析は出来てないんだけどね」

 

「えぇっ!?じゃあ結局見られないってことじゃん!ガッカリだよ!」

 

「うっ…だ、だってあたしはあくまでクラッカーであって、ホワイトハッカーじゃないし………で、でも方法が無いわけじゃないよ!」

 

 

 

 マキは語る──"ファイルのパスワードを直接解析するのはほぼ不可能。ただし、セキュリティファイルを取り除いて丸ごとコピーをすると言う手段であれば可能かもしれない"……と。

 

 その為には、"Optimus Mirror System"……通称"鏡"と呼ばれるツールが必要らしいのだが……

 

 

 

「つい最近、"不法な用途の機器の所持は禁止!"ってユウカに言われて生徒会に押収されちゃったんだよね……他にも併せていろんなものを持ってかれちゃったし」

 

「その"鏡"って、そんなに危険なものなの?」

 

「そんなことは無いよ。ただ暗号化されたシステムを開くために最適化された……世界に一つだけしか無い、私達の部長が直々に制作したハッキングツールってだけ」

 

((それは十分危険なものなんじゃ……?))

 

 

 

 兎にも角にも、G.Bibleのパスワードを解くためには"鏡"がなければどうしようもない。ヴェリタスもまた、部長である"明星ヒマリ"に怒られないためにも"鏡"を取り戻さなければならないということで両者の利害が一致。

 

 ──"鏡"を筆頭とした機材をセミナーから取り戻すための同盟が今ここに結ばれた瞬間であった。

 

 

 

「ただ、ちょっとだけ問題もあるんだよね」

 

「……問題?」

 

「うん、"鏡"は生徒会の差押品保管所に置かれてるんだけど、そこを守ってるのが実は……メイド部、何だよね」

 

「……え?メイド部って、もしかして……」

 

「ああ、C&Cのことだよね?ミレニアムの武力集団、メイド服で優雅に相手を掃除しちゃうことで有名なあの……あの……?」

 

「………うん、諦めよう!ゲーム開発部、回れ右!前進ッ!!」

 

「待って待って待って!諦めちゃ駄目だよモモ!G.Bibleがほしいんでしょ!?」

 

「そりゃ欲しいよ!廃部だってしたくない!……でも、メイド部と戦ってミドリやアリス、ユズが傷つくほうがもっと嫌だ!」

 

 

 

 大切な仲間と過ごす場所を守るために、大切な仲間が"掃除"させられてしまうなんて事になったら本末転倒だとモモイは声を荒げながら講義する。

 

 

 

「気持ちは理解できますが、落ち着いてください。私達の目的はあくまでも"鏡"を取り戻すことであって、"メイド部を倒す"ことではないんですから」

 

「そうだよモモ!それに、決してチャンスが無いってわけでも……ううん、むしろ今が一番の狙い目なの!」

 

「……え、それってどういう……?」

 

 

 

 C&Cが守っているというのに、何故今が狙い目なのか……そんな、ゲーム開発部の抱いたごく自然な疑問に対して、ヴェリタスの少女たちは答える。

 

 

 

「メイド部部長、コールサイン・00(ダブルオー)──"美甘ネル"。最高戦力である彼女は今、ミレニアムの外郭に個人的な用事があるとかで学校にはいない」

 

「だからといって簡単にいくかって言われればそんなことは無いけど、それでも彼女と対峙することがない分"鏡"を取り返せる可能性は十分にある」

 

 

 

 正面戦闘を避けて、"鏡"だけを奪って逃げる……それなら確かにできなくは無いかもしれないが、危険であることには変わりない。

 

 ゲーム開発部の存続や作戦実行に対する危険度、成功確率などを天秤にかけながら悩むモモイ。……そんな彼女に向かって、妹であるミドリは告げる。

 

 

 

 ──"やってみよう"と

 

 

 

「えぇっ!?でもネル先輩がいないからって、相手はあのメイド部だよ!?それに今回は、カオナシの手も借りられないし……!」

 

「分かってる。……でもやっぱり、たとえ危険だとしても……このままゲーム開発部の部室をなくすわけにはいかない」

 

 

 

 ボロボロで、狭いし、たまに雨漏りもするような部室だけれど……それでも今はもう、自分たちがただゲームをするだけの場所じゃない。

 

 

 

「──みんなで一緒にいるための、大切な場所だから」

 

 

 

 アリスのために、ユズのために……私たち、全員のために──"守りたい"

 

 例えどれだけ危険だったとしても、もし仮にメイド部と対峙する事になったとしても……少しでも可能性があるならやってみたいと、ミドリは語る。

 

 

 

「ミドリの言うとおりです。……私たちなら、きっとできます」

 

「アリスは計45個のRPGをやって……勇者たちが魔王を倒すために必要な、一番強力な力を知りました」

 

「一番強力な力……レベルアップ?装備の強化?」

 

「盗聴ですか?」

 

「EMPショックとか!?」

 

「ち、違います……」

 

 

 

 レベルアップはまだしも盗聴やEMPショックは一体どこから出てきたのか……困り顔で否定したアリスは気を取り直すと、自身が学んだ最も大切なものを伝える。

 

 

 

「アリスが学んだもの、それは──"共に旅をする仲間"の存在です」

 

「例えどれだけ困難な道程だったとしても、仲間とともであれば乗り越えることが可能であると、アリスは信じています」

 

「……そうだね……よし、やろう!生徒会に潜入して、"鏡"を取り戻す!」

 

 

 

 方針は決まった、ならば次は"鏡"を奪取するための計画を考えねばならないと、モモイはなにかいい案は無いかとハレに問う。

 

 対する彼女は既に脳裏に作戦は思い描いていたようであり、実行するには準備及び仲間が必要だと言う。

 

 

 

「ただ、私たちはそこまで親しい仲って訳でもないから……協力を取り付けるのは、先生にお願いしようかな」

 

「任せて」

 

「ありがとう、先生。……本当はカオナシさんにも協力してもらえれば良かったんだけど……」

 

「あ、そういえばさっきモモたちが"カオナシさんの手は借りられない"って言ってたね、なにかあるのかな?」

 

「詳しくは知らないんだけど、今日はミレニアムの外郭に用事があるって連絡が……あれ?」

 

 

 

 実際に言葉に出してみて、ふと違和感を覚える。……そういえば先程も、同じような用事があると言って学外に赴いているものがいたような……?

 

 

 

「……ネル先輩もミレニアムの外郭に行ってるって言ってたよね?」

 

「うん、言ったね」

 

「カオナシもミレニアムの外郭に行ってる……もしかして二人の個人的な用事って……ッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──"逢引き(デ、デート)ッ!?"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 ──ミレニアム外郭某所

 

 

 

「「っくし!」」

 

「……あぁクソ、誰か噂でもしてんのか?」

 

「……俺達二人が同時になんてそんなことあるか?」

 

「あー……あたしたちはどっちもミレニアムじゃそれなりに名は通ってるからな、どっちが強いとか話してるやつでもいたんじゃねえの?」

 

「お前に関してはそれなりどころの話じゃないと思うけど……だとしたら随分とタイミング悪く噂話をされたな。……見事にバレちまった」

 

 

 

 自然体で銃を構えながら会話する二人の視線の先には──無数のロボット。ミレニアムどころかキヴォトス全土で見かけたことのない、該当する規格の存在しない()()()()()彿()()()()()()()()()()()()()の群れは侵入者へと敵意を向ける。

 

 

 

「バレちまったもんは仕方ねぇ。どっちにしろ最低でも一機は持ち帰る必要はあるんだからな、遅かれ早かれ戦うことにはなってただろ」

 

「……それもそうか。……どうせならどっちが多く倒せるか競うか?」

 

「お、良いじゃん。じゃあ負けたほうが飯奢りってことで」

 

(……もし負けたら柴関ラーメン布教しよ。……負けるつもりなんて更々無いけど)

 

 

 

 ロボットを見据えながら二人は──赤飛リン、美甘ネルの両名は獰猛に笑みを浮かべ、殲滅せんと自身の獲物を構え駆け出した。




※前書きにも書いてましたが、新作の宣伝です。こちらも感想など頂ければ嬉しいです。

【題名】ホタルノヒカリ
【原作】崩壊:スターレイル
【URL】https://syosetu.org/novel/365307/

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  • いるけど、活動報告とかでいいかな?
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