前回から時間は飛びます
「シャーレの部室は目の前よ!」
「了解!最後まで気を引き締めて行こう!」
自分がなぜこんな所に居るのか。それが分からないほどに、先生は今の自分の状況を把握できていなかったが、生徒が困っているなら助けるのが自分の役目だと考えた先生は、状況の確認を後にし、一先ず、占拠されているシャーレのビルを奪還する事にした
そして、その場に居た、早瀬ユウカ、火宮チナツ、羽川ハスミ、守月スズミの4名と共に戦場へと足を運んでいた
数の不利はあったが、先生の指揮により、その不利は帳消しにされていたと言っていい。そのため大きな苦戦をすることはなく順調に目的地へと歩を進めていた
『今、この騒ぎを起こした生徒の正体が判明しました』
全員がリンからの通信に耳を傾ける。今回の騒ぎの主犯。ずっと気になっていたことである
『ワカモ。百鬼夜行連合学院で停学になった後、矯正局を脱獄した生徒です。似たような前科がいくつもある危険な人物なので、気をつけてください』
『そして、これは先程分かった情報なのですが……今回、ワカモが集めた者たちの中に、ある人物が居る事が分かりました』
「ある人物?」
『はい。その者の名前は……刃』
『!』
先生を除いた4人が目を見開く
「じん?」
『ええ。先生はご存知無いでしょうが、キヴォトスの生徒の間では有名な人物です』
「どうして?」
『強く、それでいて危険だからです』
リンから告げられた、簡潔な、それでいて分かりやすい言葉。さらに彼女は続ける
『ある時を境に、キヴォトスにおける実力者が襲撃されるという事件が起き始めました。そして、その多くがその者に敗北してしまった。もちろん、襲撃者を撃退できた者もいます。中には致命傷といえる程の傷を与えた者も。しかし、その次の日にはまた襲撃が起こるのです。そんな事が続いたある日、とうとうその人物の姿を特定しました。それが……』
「それが刃だったと」
「ええ。彼が襲った生徒に、大きな傷などはありませんでした。しかし、生徒を襲う人物であるというのも事実。目的が分からない以上、彼は危険です。……長くなりましたが、とにかく先生。お気を付けて」
「分かった。ありがとうね」
「刃ちゃん!あそこ行こ!あそこ!」
「どうかしましたか?刃さん?」
……懐かしい記憶だ
「ごめんなさい。……ーーーちゃんの事を、よろしくお願いします」
……忌々しい記憶だ
「刃さん?刃さん!?」
「ーーーか。……すまない。俺のせいだ」
「っ!お前が……」
「お前がーーーーの変わりに死ねば良かったんだ!」
忘れてはならない記憶だ。
「おいアンタ!」
自分へとかけられた声により目を開ける。……どうやら眠ってしまっていたらしい。声をかけてきた少女の方へ顔を向ける
「……何だ」
「大丈夫かよ。魘されてたけど」
「……気にするな。いつもの事だ」
「そうかぁ?あんま無理すんなよ」
そう言い残し、少女は立ち去って行く
「……俺も、そろそろ向かうとするか」
今回はどうなるのだろう。"あの女"が全てを託した大人。その者ならば
俺を殺す事ができるだろうか
先生は無力だから彼を殺せる訳ないんだよなぁ
彼が見た夢についてや、何故死を求める様になったかは後々