カード学園サヴァイヴ ~カードで全てが決まるゲーム世界の学園で狂人で軍人のゲーム廃人は天使のために最強になる~   作:哀原正十

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第3話 魔符士の定義

 カッ、カッ!

 

 教室にチョークの音が響く。

 

【魔符士とは】

 

 黒板上部の見出しの下に解説文が刻まれていく。

 

「人類の中に一定割合で存在する魔力の質、総量ともに明らかに非魔符士より優れた存在。それが魔符士だ。一番の違いは魔符士が運用する前提で作られたスペル・カードを十全に使いこなせること。同じADを使っても威力に雲泥の差が出る。魔符士と非魔符士の魔力とカード適正には別種と言えるほどの埋めがたい差があるんだ。だからこそ、その強大な力は守るために使うべし、という意味合いを込めて、そういう強力な魔力を持って生まれた存在を守護者(ガーディアン)とかけたカーディアンという名称で呼ぶんだ。魔符士は社会的に色々役目を課されがちだな。光ヶ崎家も生業としている魔物と戦うハンターとか、人魔物問わぬ賞金首狩りとか、カードバトルを専門職とするカードバトラーとかな。ラグナロク学園は最後のカードバトラーの育成に特化しつつも、殺し殺される感覚なども含めた総合力を鍛えるためにハンターとしての教育も行っている。その内授業でもやるぞ。魔物退治。まぁ、危険が大きいから新入生にやらせるのはもう少しレベルが上がってからになるが――」

 

 グルグルの依頼から3日経ち、授業中。クロウの授業を聞きながら玄咲は思う。

 

(……ヒロト・オライキリでさえ、非魔符士に比べたら、次元の違う強者なんだよな。信じがたいことだけど。あいつでさえ田舎に帰ればちょっとした強者だ。……なんか、もうあいつのことがもう懐かしいな。たった3週間前のことなのに、まるで半年前の出来事のように思える。それだけ濃密な日々だったってことかな)

 

「危険、新入生、レベル……」

 

 カキカキ。

 

(……シャル、相変わらずメモする所がちょくちょくずれてる……)

 

 シャルナは今日も教室で唯一真面目にメモを取っている。一人だけ異なるオーラを放っている。まるで本物の天使の子であるかのように真面目な姿だ。

 

「魔符士には様々な役目が課される。その性質上、中々平穏な人生を送れないのが魔符士だ。だからこそ魂成期に苦難を含めた様々な経験を積みしっかり魂格を上げることが重要であり――」

 

「魔符士、苦難、重要……」

 

(そんな所も含めてシャルは可愛いなぁ……)

 

 シャルナの向こう側。窓超しの快晴の大空には今日も太陽が光り輝いている。

 

 

 

 

 

 

 リーンゴーン、リーンゴーン。

 

「っと、チャイムか。これで今日の授業は終わり。しっかり復習するように」

 

 授業を終えたクロウがそのままHRに入り、終わり際に告げた。

 

「そういえば、毎年恒例の1学年全員参加のイベントの詳細がようやく決まりそうだ。いつもならとっくに詳細を発表している頃合い何だが、今年は初っ端からイレギュラー尽くしで、しかも学園長が強情なこともあって教員会議が長引いてな。でも、ようやく決まりそうだ。今日中にSDで通知があるだろう。通知があったら教室に集合してくれ」

 

「ねぇ、イベントって、なんだろね」

 

「俺にも分からない。イレギュラー尽くしってのが不安を煽る」

 

「あ、そっか。そだね」

 

 シャルナとそんな会話を交わしている内にクロウは教材を机の上でトントンとまとめてHRを打ち切った。

 

「それでは今日の座学は終わり。解散」

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