カード学園サヴァイヴ ~カードで全てが決まるゲーム世界の学園で狂人で軍人のゲーム廃人は天使のために最強になる~   作:哀原正十

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今話から4章。ようやく見せ場。今までの溜めを全て解放するカタルシスの章になります。今しばらくお付き合いくださいませ。


第4章 クラス対抗ストラテジーウォー ―本戦― 編
プロローグ 裁きの光


「クラス対抗ストラテジーウォー本戦、か……」

 

「とうとう来たわね」

 

「ああ。死闘になるだろう。……バエル、俺、大丈夫かな」

 

「きっと大丈夫よ。今までだって超えてきた。だから今回も上手くやれるわ」

 

 朝。日差しの中で窓の外に浮かぶバエルと話をする。一望するラグナロク学園の街並み。それが、2日前よりどこか色褪せて見える。威圧的に見える。遠くに見える。手の届かない場所に見える。まるで、自分に相応しくないものであるかのように。

 

 別世界の景色のように見える。

 

 玄咲はバエルに呟いた。

 

「……バエル。君は俺の味方だよな」

 

「当たり前でしょ。私はいつだってあなたの味方よ。どんなあなただって肯定してあげる。だから」

 

 バエルはラグナロク学園の街並みに背を翻し、その黒を纏ったおぞましいまでの美貌を玄咲に近づけ、赤い瞳で玄咲の瞳を覗き込んだ。

 

「あなたはあなたのままでいればいいの。私はその全てを肯定する。だから、自分を信じて。自分らしくある。きっとそれが、いつだって、あなたの未来を切り開く最善の手段。だから、思いっきりやってきなさい。それはきっと最善の結果に繋がるわ」

 

「……ありがとう」

 

 バエルの優しさが玄咲に勇気をくれる。白い光に晒され揺らいだ決意が固まる。玄咲は微笑みバエルに礼を言った。

 

「君は俺の最高の相棒だ。君がいてくれて本当に――っと」

 

 ピンポーン。

 

 チャイムが鳴る。いつもの時間。玄咲はバエルに申し訳なさげに微笑んだ。

 

「ごめん。もう行くよ」

 

「ええ。行ってらっしゃい。いい? 自分を曲げちゃ駄目よ。自分を――」

 

 ニコリ。

 

「自分を信じて」

 

「――ああ。分かってる。それじゃ――」

 

 送喚

 

 シュン。

 

 バエルが消える。でもその言葉は、想いは、胸に残った。だからもう大丈夫。きっと昔みたいにやれる。玄咲は窓を閉め、カーテンを閉め、ラグナロク学園の街並みを視界から閉ざして、背を背けた。目に広がるはいつもの景色。

 

 この世界に来てからたくさんの思い出を、本当に綺麗でキラキラした輝かしい思い出を、ベッドの隅辺りに重点的に積み重ねた、今の自分のいつもの部屋。前の部屋より狭いのに、前の部屋よりずっと広い部屋。

 

「……」

 

 いつもの部屋が、いつもより少しだけ眩しい。終わったあと自分が自分でいられるか。そんなことをつい考えてしまう。弱さ。そう断じて、感傷を切り捨てる。そして、部屋のドアを開けた。白い光が出迎えた。

 

「――行こっ! 玄咲っ!」

 

 いつも白く光り輝いている。シャルナが出迎える。大好きな最愛の天使で堕天使。

 

「――ああ。行こう。シャル」

 

 この子のためなら(悪魔)にだってなれる。改めて、そう思った。玄関のドアを抜けると、本物の白い光が浴びせかけられる。

 

 まるで裁きの光のようだと思ったのは、何かの間違いに違いなかった。

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