カード学園サヴァイヴ ~カードで全てが決まるゲーム世界の学園で狂人で軍人のゲーム廃人は天使のために最強になる~   作:哀原正十

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第6話 裁きの雷と悪夢の蜃気楼

「ゾディアック・サンダー」

 

 

 

 

 

 

 

 

(――え?)

 

 まるで神が天から雷の槍を投じたような極大のギザギザした稲妻が悪夢の蜃気楼を突き破り、カミナに向かってくる。カミナは動けない。サンダージョーの神意を前にして、動けない。

 

(なんで、ジョーさん、僕を、裁きに――)

(――もう、いいんですよカミナ君)

 

(あ、ジョーさんの、声。ジョ、ジョーさんが、僕を、迎えに――!)

 

 確かに感じる。サンダージョーを。会いに来てくれた。歓喜し、サンダージョーの熱に神経を全集中するカミナの耳に――。

 

(僕たちは間違え過ぎました。罪を償う時です)

「え?」

(待ってます。あちらで)

「や、やめて! ジョーさん! あ、ああ……!」

 

 間近にまで迫ったサンダージョーの化身たるゾディアック・サンダー。サンダージョーの裁きの証。カミナは恐怖のあまり絶叫した。

 

「やだぁあああああああああああああああああああああああああああああああ! ジョーさァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん僕を裁かないでえええええええええええええええええええええええええええええ!」

 

 サンダージョーの神意と化した折檻の究極刑たる裁きの雷が地に突き立ち、カミナを、F組を、飲み込み、そしてそれだけでは収まらない地面を伝って円周上に放電した雷の余波が近くの木陰で成り行きを見守っていたF組教師ダズモズ・ブルータスまでもを飲み込んだ――。

 

 

 

 

 

 

 

 悪夢の蜃気楼(エンドレス・ナイトメア)。細菌魔法。大量の微細な魔粒子で構成され、相手の体内に侵入し、精神崩壊球の痛みを与えて生かし続ける魔法だ。魔法効果が切れるまで死ぬこともできずただただ痛みを味わい続ける、邪悪な用途でしか使いようがない禁止カードとなるべくして生まれてきたようなカード魔法。CMAのゲーム終盤に登場する魔法。その威力はランク9のカードに匹敵する。シュヴァルツ・ブリンガーにインサートされているカードと同じく、こんな序盤に出てきていいカードではない。あまりにも強大かつ異様で醜悪なカード魔法の姿にシャルナが声を震わせる。

 

「なに、あれ」

「禁止カードの中でも特に邪悪とされるカードさ。細菌のような魔力が体内に侵入し、生きたまま死をも超える痛みを与え続けるランク9に匹敵するカードだ。少し攻撃スピードに欠けるがな」

「こ、怖……」

「大丈夫。安心しろ。カードのランクこそ同等。だが、同ランクのカードでも格というものがある。あのカードはランク9の中でも最底辺。そして今から俺が撃つカードはランク9の中でも最上位。どころか威力だけならランク10のカードにも匹敵する。その価値の高さから値段すらつけられない、まさに実質的なランク10カードさ。シンプル過ぎる攻撃魔法で、応用が効かないってのがランクを下げてる原因かな」

「そんなに、凄いカードだったんだ」

「あいつの切り札だからな。当たり前だろ――っと、そろそろ撃つか。F組も集まってきたしな」

「うん。私も――」

 

 シャルナがシュヴァルツ・ブリンガーの引き金に指を添える。驚く玄咲に、

 

「一緒に引く。罪も、何もかも、分かち合お」

「……」

 

 玄咲は少し躊躇ってから、それでも愛おしさから笑って言った。

 

「ありがとう。それじゃ。一緒に撃とうか」

「うん――いつも一緒」

 

 2人は、一緒に引き金を引く。

 そして、声を揃えて、詠唱した。

 

 

「「ゾディアック・サンダー」」

 

 

 裁きの雷(ゾディアック・サンダー)悪夢の蜃気楼(エンドレス・ナイトメア)を撃ち払い2人の視界を極大の魔力光で埋め尽くした。

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