カード学園サヴァイヴ ~カードで全てが決まるゲーム世界の学園で狂人で軍人のゲーム廃人は天使のために最強になる~   作:哀原正十

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第18話 A組 VS C組 ―開戦―

 A組とC組のスタート地点たる山頂。両点の中央には戦闘フィールドとして意図的に設けられた森林の中にぽっかりと切り開けた平らで広大な陸地がある。イベント開始と同時、互いに互いを真っすぐ目指した両組は図り合わせたようにほぼ同じペースで行軍し、丁度その戦闘フィールドでぶつかった。

 

 50メートルの距離で対峙する両組の先頭に立つリーダー――旧知の中でもある炎条司と光ヶ崎リュートは険悪を挟んで視線をぶつかり合わせていた。

 

「……炎条司。久しぶりだな。お前と戦うのは」

「ふん。リュートか。初戦がお前で気が楽だよ。何せ、お前は俺に一度も勝ったことがないからな」

「今日で終わりだ。黒星を数える日々は。そして僕はお前から奪う。初めての白星をな!」

「無理だ。諦めろ。お前の頭上に広がるのはいつだって同じ空」

 

 炎条司がその異様な長さの剣身を持つ赤い剣型ADの先端で頭上を指して、サングラスを指で押し上げる。

 

「雲一つない、一点の曇り()なき暗黒星雲だけだ。白い星など見えるはずもないだろ」

「君は一つ勘違いしてる」

「なんだと!」

 

 司がその表情に怒気を滲ませる。リュートはあくまで冷静に告げる。

 

「星は見るものではない。この剣で産み出すものだ。そして最後は僕自身が白い星になる。だから――」

 

 光ヶ崎リュートは、スタンダードな剣型の白と金色の己のAD――星紡剣(スターソード)ステラを司に向けて、秋の夜風のように涼やかな瞳で宣言した。

 

「僕が勝つ」

 

「……ふん」

 

 司は吐き捨てるように、しかし面白そうに、言った。

 

「少しはマシになったみたいだな。その自信。少なくともハリボテではないらしい。何があった?」

 

「僕は勝たなきゃいけないんだ。天之玄咲に。僕のライバルに。だから今までの自分を殺して、一から自分を叩き上げた。強くなったよ。この1週間で、凄くな」

「……ライバル、か。ふ、ふふ……」

「ああ。彼が僕のライバルだ」

「はぁっ!」

 

 炎条司がその手に握る異様に細長い剣身が目を引く剣型AD――炎剣伝承(レヴァンテイルス)ファイ・ロードで前方の地面を切りつけた。弧円が深々と刻まれ、砂塵が舞った。その砂塵を突き抜け切っ先が瞠目する光ヶ崎リュートを向く。風に霧散した砂塵の向こうから現れた炎条司が怒気に濁った瞳で宣言する。

 

「殺す。そのつもりでやる。そろそろやろうか。もう待ちきれそうにない」

「なるほど。ずっと戦いたくてうずうずしていたのか。確かに前口上が長くなり過ぎた。そろそろ開戦と行こうか」

「……ねぇリュート。前から思ってたけど、あなたって結構天然よね」

「え?」

 

 リュートが隣にいるサブリーダー神楽坂アカネを振り向く。アカネはため息をついて首を振ってから、花弁を模したパーツが先端の水晶部を囲っている赤白ピンクが色鮮やかに織り込まれた杖型のAD――桜光魔杖(フィオリトゥーラ)Oi(ウィ) Lu ()Gishu(ギーシュ)をギュッと握り締めた。

 

「いえ。戦う前に言うことじゃないか。確かに前口上が長すぎるわね。やりましょうリュート。特訓の成果を見せるときよ!」

 

「ああ!」

 

「ユキ。ガッツ君。あなたたちがこの組の柱よ。なるべくリュートが敵のリーダーと1対1で戦えるようにサポートしつつ、敵のサブリーダーの神鐘マルタの撃破を狙うのよ!」

 

「う、うん! リュート君の、ためだもんね!」

「ああ! やってやろうぜ!」

 

 アカネ程ではないが胸が大きい淡い水色の髪の美少女水野ユキ、スポーティーな茶色のショートカットに健康的な筋肉を纏った、しかしどこか3枚目感が抜けない顔立ちの、ゲームでは大空ライト君の親友だった大岩ガッツが強く頷いて同意を示す。C組の他の面々も、その表情で、仕草で、やる気を示してくれる。リュートの胸に熱いものがこみ上げる。

 

「……みんな、ありがとう。さぁ、行くぞ! 炎条司! 今日こそお前に勝つ!」

 

「ほざけ! お前は一生俺には勝てないんだよ! 今日という今日こそは分からせてやる! 徹底的にな!」

 

 A組とC組がぶつかる。魔力光が迸る。ADがぶつかり合う。激烈な戦闘音が広大な戦闘フィールドを超えて他クラスまで響き渡る。

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