カード学園サヴァイヴ ~カードで全てが決まるゲーム世界の学園で狂人で軍人のゲーム廃人は天使のために最強になる~   作:哀原正十

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第25話 G組 VS E組 1 ―キララとコスモ―

「キャハハ☆ キャハハ☆ もろに食らった! バーカバーカ! こんな単純な手に引っかかりやがって!」

 

 ぴょん、と結構な高さの木から飛び降りたキララと、ついでに青髪のギリ美少女がG組に混ざる。キララはE組に向かう途中、

 

「一旦。私は別行動に移る。その間さとしが指揮を執ってE組と戦って。大丈夫。さとしなら勝てる。信じてる」

 

 そう言い残して別行動に移った。そしてE組から目立たない位置にいる数人にそれとなく行動を誘導するように言い残して、逃走で絶対に通る地点に罠――特定魔法を反射増幅させる魔法――を仕掛けて、青髪の少女の光学迷彩魔法で木の上に隠れていた。そして両組が訪れたタイミングでステルス・モードのカード魔法で姿を隠し、E組のリーダーが通りがかったタイミングで悪性反転魔薬水(バッドトリップ・ウォーター)電絶神経毒(ビリビリ)を放った。それは反射増幅し2倍以上の効果となってE組を襲った。

 

 G組に混ざりながら、キララはほくそ笑む。

 

(この魔法、電気を流すわけじゃないけど機人には効くんだよねぇ……。機人の電子神経は繊細だから、神経麻痺が致命傷になる。まさしく、命を犯す。お、一人死んだ。やったやった……)

 

 キララの視線の先、地面にぶっ倒れる真面目そうな顔つきの機人の瞳から光が失われると同時、SDからブザーが鳴った。気絶、死亡でSDのHPゲージは0になる。他にも何人か、気絶ないし死亡したものが見受けられる。ほくほく顔のキララにさとしが話しかける。

 

「お、お前、自分は別行動するから隊は預ける、俺なら勝てるって言ってたのに、何でここに……!」

 

「だから別行動してたんだよ」

 

「あ、そうか。すまねぇ。俺なら勝てるって言ってくれたのに、勝てなかった。無様な敗走を重ねちまった……! 糞ッ! 本気で、戦ったのによ……!」

 

「うんうん。それがいいんだよ。その本気が必要だったの。だから騙された」

 

「え?」

 

「機人ってあれで人の心の機微に敏感だからさ。敵を騙すにはまず味方からかなって。さとしの純度100%のバカ発言を疑いもせず、罠を仕掛けた地点まで下がってくれたね。うんうん。キララちゃん天才」

 

「は? 意味分かんねぇぞ。ちゃんと分かるように説明しろ」

 

「要するにあんたを利用して罠をかけたの。魔法を増幅反射する魔法を地面にしかけて、あとはそこを通った瞬間頭上からビリビリをどっかーん。地面で跳ね返って効果が2倍。敵を一網打尽。そういうこと。逃走するなら絶対この地点は通らざるを得ないからね。待ち伏せてた。その子の光学迷彩魔法で隠れて」

 

「あたしって、なんかキララちゃんの便利屋みたいよね……水と光の2重属性って、結構レアで強力なんだけど」

 

「優秀だから重宝してるの。回復魔法も使えるしあんた何気に凄いよね……っと、まだ攻撃はしないでね。煙が霧散しちゃうから」

 

 攻撃を行おうとしたG組の生徒をキララが制止する。煙の中から次々とHPブザーが鳴る。気絶するとHPゲージは0となる。脳まで麻痺した結果、意識を奪われた生徒たちのものだ。キララは悪い笑みを浮かべる。

 

「ふふ。イチコロイチコロ……煙が霧散してきたね。もういいよ。攻撃して」

 

 キララの命令でG組の生徒たちが水煙の中に魔法を撃ちこむ。悲鳴が上がる。HPのブザー音も。そして水煙が晴れた時には。

 

「うぅ、いてぇ……」

「体が、動かねぇ……!」

「……? 体内、深部、損、傷……? で、電子神経、切断……!?」

 

 E組の先頭付近にいた生徒たちの殆どは先頭不能に陥っていた。そしてコスモも、

 

「被害、甚大、これは、中々……」

 

 口しか動かせない状況だった。体中の神経が麻痺して地面に倒れている。G組の生徒の一人が突撃する。

 

「よっしゃぁ! このままぶっ殺して――」

「待って! まだ早い!」

 

 キララがG組の生徒を制止するももう遅い。G組の生徒がハンマー型のADを魔法を詠唱しながら振りかぶる。コスモが詠唱する。

 

「リペア・モード」

 

 キュイン!

 

 コスモの体内から一瞬青い光が迸った。

 

 ガシ。

 

「え?」

 

「リペア・モード」

 

 さらに青い光。コスモが素手で受け止めたADを引っ掴んで片手で振り回す。

 

「う、うわぁああああああああああああああ!」

 

「リペア・モード」

 

 3回目の詠唱ののち、もうビリビリの影響が全くうかがえない動きでコスモは立ち上がり野球の投球フォームのように振りかぶって、G組の生徒を投げ飛ばした。G組の生徒の一部が吹っ飛んだ。ブザーが鳴る。コスモは満足げに頷く。

 

「ストライク――2重の意味で」

「な、なんだあいつ! 一瞬で蘇ったぞ!」

「しかも、魔法を使ってないのになんだあのパワー! さとし以上だ!」

「ぐっ!?」

 

 戸惑い、あるいは傷つくG組の生徒たちにキララが解説する。

 

「リペア・モードは機人専用の自分専用回復魔法だよ。MPはそれなりに消費するけど効果は強烈。値段もそこそこする。配られた、そしてこの短期間で稼げるポイントを考えると、あまりカードは揃えてなさそうかな。フュージョン・マジックは使ってこないかも。その分、少量の強力なカード魔法で攻めてくると思う。そのつもりでいて」

 

「す、すげぇ! 一瞬でそこまで! さとしとは大違いだぜ!」

 

「ぐっ!」

 

「ま、ほぼ天之くんの受け売りだけどね。なんか妙に詳しかったな。ま、分かったところで、厄介なのは変わりないけど」

 

「そ、そういえば俺、前あいつがコスモに抱き着かれているところ見た! おっぱいに、顔埋めてた!」

 

 ざわ……。

 

「情報源は分かったな。いつか絶対殺してやる」

 

「ああ、いつか必ず。糞、なんで、あいつばっか……!」

 

「き、キララん。お、おで……」

 

「黙れ」

 

「分かった、黙る」

 

 キララが怒気を込めて物分良彦を黙らせる。コスモがG組の方へ歩いてくる。コキン、コキンと肩を鳴らす。

 

「ポットがやられましたか。だが奴は四天王最弱……っと、また変な電波が。しかし、ふむ。G組で一番厄介なのはどうやらあなたみたいですね。まずはあなたを潰しましょうか。ポットの敵討ち――む?」

 

 コスモの眼がくわっと見開かれた。

 

「星の入った瞳、水色の髪、可愛い容姿、大きめの胸、キャ、キャラが被っています……! それに、狙ったように対的となる符合魔法。これはもう、意図的としか思えません……!」

 

「はぁ?」

 

「決めました」

 

 コスモはビシィッ!とキララを指さし、瞳に炎を燃やす。

 

「コスモはコスモのオリジナリティを唯一のものとするためにあなたを倒します。コスモこそが上位互換なのだと分からせてやります。かかってくるです、パチモン、フェイカー、モッコス」

 

「……よく分かんないけどなんかすっげー侮辱された気分。スクラップにしてやるから覚悟しときなよこのポンコツロボット」

 

「まだ三太夫先輩みたくなる訳には行きません。リボルバーもサブマシンガンも使えませんが、コスモにはこのデストロイアームがあります。あなたを倒してコスモがオンリーワンになります!」

 

「キャー怖―い! ……ってキャラももう限界かな。あんたたち、私の指示にちゃんと従ってね。逆らったら天之くんにあとで言いつけるから」

 

「なぁ、キララってやっぱり天之のこと」

 

「言うな。悲しくなる。そして逆らえない俺が悔しい……!」

 

 キララが加わったG組とポットを失ったE組の戦いが始まった。

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