カード学園サヴァイヴ ~カードで全てが決まるゲーム世界の学園で狂人で軍人のゲーム廃人は天使のために最強になる~   作:哀原正十

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第26話 G組 VS E組 2 ―モンスターー

 G組は苦戦を強いられていた。

 

 コスモの攻撃を受けたさとしが後ずさる。

 

「ぐぅうううう! 重てぇ。カミナの野郎より数段重てぇ!」

 

「さとしがいなかったら被害が倍になってるわね……良彦! 戦線押し戻して」

 

「了解。フュージョン・マジック――」

 

 物分良彦がカード型ADをコスモに向けて詠唱した。

 

万物流転(パラダイムシフト)!」

 

「ぐっ!?」

 

「流体の魔力壁!? 押し戻される……!」

 

 使用者の意思に応じて形状を変化させるしなる壁のような横広がりした魔力波が変化の勢いをも乗せてE組の面々の戦線を押し戻す。物分良彦が冷静に告げる。

 

「命令通り戦線は押し戻した。この隙に陣形を建て直して――」

 

「バーン――」

 

 声が、響く。そして、次に――。

 

「――ナックル!」

 

 破砕音。流体の魔力壁が力尽くで貫通される。物分良彦が動揺する。次の命令を求める。

 

「き、キララン。お、おれ、どうすれば――」

 

「振り返る暇があったら逃げて!」

 

「え? 逃げていいの? じゃあ――」

 

 指示待ち人間の物分良彦の欠点がもろに出る。コスモは機動力も決して鈍くはない。あっという間に距離を詰め。

 

「――スロウリィ、ですよ」

 

 ズガン!

 

 ――物分良彦が頭上の木の枝に腹でまたがり、血の雨を降らす。コスモの突き上げたデストロイアームに新たな血が染み込む。

 

「――あなたには中略して速さが足りない。さぁ、次は誰ですか?」

 

 コスモは未だ降り続く血の滴りを背景にG組の生徒の方へと歩き出す。G組の生徒がそれだけでどよめく。G組の生徒たちの平均戦闘能力は決して低くない。むしろE組よりも勝っている。

 

 だが、特待生が一人いる。

 

 それだけで、戦局が傾いてしまう。さらに、

 

「アイス・メガ・コフィン! くっ、全然効いてない!?」

 

「お前じゃ無理だ! あいつは俺の釘バットでも全然攻撃が通らねぇ! 攻撃はキララに任せて援護か雑魚狩りに徹しろ!」

 

 一人の青髪の少女がコスモに攻撃を当てるも効果はイマイチだ。氷の四角い大玉が魔法も使わず素手で受けられる。野球部のような見た目の男子生徒の忠告を受けて援護と雑魚狩りに徹することにする。さらに、

 

「リ、リーダーは僕が守る! 独塞聖権(ハイパーセルフバリア)! ぐわーーーーーー!」

 

 しるけんが、柔らかく攻撃を受け止めることに特化した魔法ごとコスモの拳に吹っ飛ばされるのを見ながら、キララは苦々し気に呟いた。

 

「……いや、本当反則でしょ。一人の魔符士の戦果じゃないっての……」

 

 ――G組は既に半数がリタイア。対するE組はまだ7割以上戦力が残っている。

 

 そして、G組の損壊の半分以上がコスモ一人によるものだった。コスモがガツンと腕を打ち合わせる。

 

「コスモ、最強です」

 

「な、なんだよあいつ。魔法一発でHPがぶっ飛んじまう。しかも、素のパワーが異常だ。木をへし折ったぞ」

 

「それにHPも異常だ。俺のフュージョン・マジックを直撃した時、あいつのSDがちらっと見えたんだ。10%も減ってなかった。異常だよ。あいつ、黒い肌になると、全然攻撃が効かねぇんだ」

 

「しかも、せっかく減らしたHPも、リペアモードで回復されちまう。そして魔力が尽きねぇ。自己再生持ちで、人間離れした魔力貯蔵量とか、まるでモンスターだぜ」

 

「――そうだ、それだよ。木をへし折るパワー、硬い肌、高い治癒力。そうだ、まさにだよ。ようやく言語化できた」

 

 G組の誰かが、言った。

 

「あいつ、まるでモンスターじゃねぇか……」

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