カード学園サヴァイヴ ~カードで全てが決まるゲーム世界の学園で狂人で軍人のゲーム廃人は天使のために最強になる~ 作:哀原正十
「……僕の、勝ちだよ」
三日月を遮って頭上に立つ、SDの3%という数字を見せてくるアルルを見上げ、狂夜はふっと笑った。体が元に戻っていく。
「……ふ、ふふ。俺の負けか。抗魔力の差――俺の弱点で最後は競り負けたか。まぁいい。不思議と清々しい気分だ」
「僕も。人数差考えたら素直に喜べないけどね、それでも君との戦いは凄く熱くて、うん、清々しい気分」
「そうか……ぐっ!」
狂夜の体がぴきーんと引きつる。アルルが心配げに声をかける。
「ウェアウルフの副作用の筋肉痛? 大丈夫?」
「だ、大丈夫じゃない。死ぬほど、痛い。だから、使いたく、なかったん――だ」
バタ。
狂夜は気絶した。クールな外見のわりにちょこちょこ3枚目が混じる狂夜の無様な姿を見て、アルルはつい、可愛いと思ってしまい――。
「くす」
微笑んで、頭を撫でた。そして立ち上がり。
森の一角に、声をかけた。
「出てきなよ。シャルナちゃん」
「……」
シャルナが木陰から姿を現す。
「ホワイト・ハイヒール!」
クラスメイトから回復魔法を受けながら、アルルはシャルナに尋ねる。
「なんで加勢しなかったの?」
「絶対巻き添え、喰らうから。あと、あの人が切れる、から」
「ああ。なるほど。彼、味方も敵も関係ないってタイプだもんね」
「って、玄咲が、言ってたから」
「……」
アルルは少し引っ掛かりを覚えるも、言い回しの問題かと深くは突っ込まない。
「OK。理解。それで、今回復魔法受けてる僕を放置してる理由は?」
「……対等な条件でね、戦う」
「……優しいんだね。でも、甘いよ。僕なら今すぐ攻撃をしかける。どんな状況・手段を取ろうともね、プライドや罪悪感に駆られてもね、敗北だけは駄目なんだよ。それが戦いなんだ。敗北が許されない。そんな立場でずっと戦い続けてるママから教わったことだよ。余計なお世話かもしれないけど忠告。もっとシビアに判断した方がいい」
「……かもね。でも、私にも、考えがある」
「考え?」
シャルナは決意を込めた瞳でアルルを見る。
「レベルって、勝利の実感が大きいほど、上がりやすいでしょ?」
「うん。そうだね――そういうこと?」
「うん」
コクリ。
「万全のアルルちゃんを倒して、強くなる。未来のための糧にする。私は、強くならなくちゃ、いけないの」
絶対の意志を込めて、シャルナは言い切った。アルルが楽し気に笑う。
「――上等。覚悟決まってるね。強い眼だよ。シャルナちゃん、いいね。痺れる」
「ありがと」
「そろそろ始めようか。無駄口は好みじゃない。あとは殴り合う言葉だけあればいい」
回復魔法でHPを100まで戻したアルルがシャルナにマイクを向ける。シャルナはエンジェリック・ダガーを手の中で1回転させてから、アルルに向けた。
「うん。そうだね。やろうか」
「……最後に、今更だけどさ、シャルナちゃん。一人でやるつもり? 1対1でみたいなナイーブな遠慮私はしないけど」
「うん」
シャルナは気負わずフラットに言い切る。
「一人でも、勝つよ。流石に、B組全員、ってのはきついけどね」
シャルナがB組全員を見渡して、ADを握り締める。
「これだけ、削ってもらえば、あとは私一人で、やれる]
「――ふ、ふふ」
アルルは獰猛な笑みを浮かべて、ADを構える。
「OK! 叩き潰す! 君も、君の彼も、狂夜くんも、とことん僕を舐めてかかるよね! それだけはね! 正直、ずっと、ムカついてる! さぁ、本当に始めようか! みんな、戦闘準備!」
狂夜との戦いを経てノリにノったアルルと、激闘を経て覚悟の決まったB組が臨戦態勢を整える。全員、狂夜との戦いを経て、心身ともに一回り強くなっている。
「ブラック・フェザー」
シャルナもまた己の生命線たるカード魔法を発動する。飛行と超速戦闘を可能とする黒翼が背中から生える。
「フュージョン・マジック――」
そしてさらに、フュージョン・マジックを重ねがける。
「
エンジェリック・ダガーが白い闇を噴き上げる。黒翼が禍々しい形に変じていく。