カード学園サヴァイヴ ~カードで全てが決まるゲーム世界の学園で狂人で軍人のゲーム廃人は天使のために最強になる~   作:哀原正十

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第48話 夢幻牢メリー

「……な」

 

 ――光が晴れた後、山頂。

 

 夜闇の海のような静寂の中でリュートが唇を戦慄かせて呟いた。

 

「なん、だと……!」

 

 ――リュートの目の前に以前天之玄咲の姿。そして。

 

 場に似つかわしくない、しかし状況を考えたら間違いなくリュートの五光極星刃(クインテット・ニルヴァーナ)を防いだのであろう、メルヘンな服装に身を包み天之玄咲と共にピンク色の結界に覆われた絶世な美少女精霊の姿があった――。

 

 

 

 

(――最後、ちょっと予想が外れたな。まぁ、四煌聖龍星(ドラゴ・インパクト)だろうが五光極星刃(クインテット・ニルヴァーナ)だろうが星龍王ステラだろうが関係ないか)

 

「むー。今日二度目の出勤なの。もっと惰眠を貪らせるの」

 

「ごめんメリー。でも、助かったよ。ありがとう」

 

 玄咲は今日2回目の召喚となるメリーに礼を言った。現在2人はピンク色の丸い結界の中にいる。平和で、快適な、一切の外敵から遮断された、お昼寝に最適な空間。メリーの力により、今この結界の中は一切の攻撃が届かない。睡眠に最適な空間を生み出す。ただそれだけのメリーの力により、世界から断絶されているから。

 

 今のメリーに触れることは精霊神ですらできない。悪魔神バエルが最強の攻撃カードだとすれば、夢幻牢メリーは最強の防御カードだった。

 

「今度お昼寝に付き合うの。絶対なの。付き合ってくれないともう力貸してあげないの。約束なの」

 

「……いくらでも付き合うよ。君がいなければこのイベント、負けていた。約束する。絶対にだ」

 

「うん……それでいいの……」

 

 枕を抱き締めて頷くパステルカラーの精霊。可愛い。流石人気投票2位なだけはあると思いながら、玄咲はゲームでのメリーに思いを馳せる。

 

(ゲームの対戦環境ではバエルを唯一防げるメリーとバエルの間でエスパーゲームが行われていたらしいな。使ったら終わりのバエルにEP消費1であらゆる攻撃を1ターン防ぐメリーをいかに相手の手をエスパーして当てるか。そんな歪な対戦環境が誕生していたらしい。ま、俺には一切縁のなかった話だけど。さて)

 

「――2枚目の、エレメンタル・カードだと……?」

 

「ああ。これが俺の切り札。悪いなリュート。結局また最後は精霊に頼ることになったが――」

 

 玄咲が結界の外へと歩み出る。メリーが玄咲が通る瞬間にそこだけ断絶を解いたのだ。そして攻撃の反動で一時的な魔力麻痺状態にあるリュートへとカードを入れ替えながら接近し、そしてシュヴァルツ・ブリンガーの銃口を向けた。

 

「俺の勝ちだ――ダーク・アサルト・バレット」

 

 戦場に、イベントの終了を決定づけるブザーの音が高らかに鳴り響いた。

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