カード学園サヴァイヴ ~カードで全てが決まるゲーム世界の学園で狂人で軍人のゲーム廃人は天使のために最強になる~   作:哀原正十

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※予告と本編は異なる場合がございます。


第5章予告編
第5章予告 学園迷宮ウィズラビリンス ―ダンジョン&モンスターズ―編 


「ダークネス・エッジ!」

 

 ランク5・闇属性・短剣魔法・ラグナロク学園販売価格16万P。シャルナの放った黒刺の斬撃が白い骨の化け物――スカスカ・スケルトン。CMAの序盤に登場するモンスター。上位種はスケスケ・スケルトン――の頭骨に直撃する。粉砕。スカスカ・スケルトンの全身の骨がまるで見えない繋がりを立たれたかのように一斉に地に落ちた。カラカラン。

 

「スカスカァー!」

 

 カラカラした足音を立てて別のスカスカ・スケルトンが近寄ってくる。そちらには既に玄咲が向かっている。振りかぶった白いコミカルな骨の棍棒を軽くよけ、顔に銃口を突きつける。引き金を引き、詠唱。

 

「ダークネス・ショットガン」

 

「カスガッ!」

 

 ランク5・闇属性・銃魔法・ラグナロク学園販売価格18万P。黒い閃光の花束が頭蓋骨にオールイン。スカスカ・スケルトンは一撃死した。その背後の3体のスカスカ・スケルトンも一発で。過剰火力。シャルナがぱたぱたと玄咲に駆け寄る。

 

「やったね玄咲! 楽勝だ!」

 

「ああ。新カードの試運転も兼ねて潜ったが、流石に第一フロア【ラグナ・ホール】の敵は相手にならないな。これからはランク1の魔法で魔力を節約しながら進もう」

 

「そだね。1~10階層だっけ?」

 

「ああ。10階層ごとにボスが配置され、そいつを倒して先に進むとダンジョンの様相がガラリと変わる。第1フロアは洞窟。第二フロアは原生林だよ。10層ごとにワープゲートがあるが、一度自力で辿り着かないとワープできないんだ。異界たるダンジョンの不思議だな」

 

「私、ダンジョン潜るのって、初めてだけど、楽しいね! もっともっとモンスターを殺したい!」

 

「そうだな。お、キャンキャンドッグだ。ダーク・バレット」

 

「キャン!」

 

「……」

 

「どうした」

 

「いや、なんでもない。弱肉強食、だもんね……」

 

「ああ。キャンキャンドッグは美味しいらしいな。ラグマでもきゃんきゃんおにぎりとかきゃんきゃんスナックとか売ってるし。無限に湧くから食材に丁度いいんだよ。そうだ、今から解体して魔法の火で焼いて食ってみようか?」

 

「い、いや。いい……」

 

「だが、ダンジョンの奥に潜るなら魔物食は必須だぞ」

 

「……なら、仕方ないね。食うよ」

 

「ああ。じゃあカードに保存しておこうか。えっと、あった。ダンジョン・カード」

 

 玄咲は腸をぶちまけたキャンキャンドッグの死体に近づいてカードをかざし呪文を詠唱した。

 

「インベントリ!」

 

 カードに渦光となってキャンキャンドッグの死体が吸い込まれる。シャルナが感嘆の息を吐いた。

 

「何度見ても、凄いね」

 

「ダンジョン内は魔力に満ちた特殊空間なんだ。外の世界の100倍の魔力で満ちている。だからこそ使えるカード魔法の一つだな。出るときはダンジョン1階のラグナロク・ギルドに一旦中身を全部ぶちまけることになるが、まぁダンジョン内部で使う分には問題ない」

 

「ほえー……ダンジョンって不思議だねー……」

 

「……そうだな」

 

 玄咲はシャルナは一応ラグナロク学園の生徒なのになんでこんなにものを知らないんだろうと思った。お陰で玄咲は解説の機会に暇がない。

 

(まぁそこも可愛いというシャルの長所だよな。可愛いなぁ。シャルはいつ見ても無限に可愛いなぁ……)

 

「今日の昼はきゃんきゃん+ラーメンだね。なんかきゃんきゃんってひらがなで呼びたくなるよね」

 

「ああ。何故かきゃんきゃんの方がしっくりくる。そういえば一時期俺がちょっと手を出したゲームに同名のキャラクターが出てきたなぁ」

 

「どんなゲーム?」

 

「えっ。……剣と魔法で戦うゲームだよ」

 

「なんだ。普通のファンタジーか。美少女ゲームかと思った!」

 

「はは、そんな訳ないだろ……」

 

「うん! そんな訳ないよね!」

 

 シャルナの無邪気な言葉が玄咲の心を切りつけた。玄咲のHP(ハート・ポイント)に10のダメージ。玄咲は咳払いをして話を仕切り直した。

 

「……そ、それはそれとして昼はきゃんきゃんラーメンだな。……もしその機会があったらだ、クゥの前でキャンキャンドッグは殺すなよ」

 

「なんで?」

 

「切れるから」

 

「あ、うん。そろそろ、先進もうか」

 

「ああ、そうだな」

 

 2人はさらにダンジョン探索を続ける。時々他の生徒(リュートとアカネ)と遭遇したり、宝箱(ランク3のゴミカード)を見つけたり、下層への階段を下ったり、モンスター(ゴリゴリゴリラ等)を瞬殺しながら、先へと進む。そして、今日のダンジョン探索の終わりが近づいてきたころシャルナが玄咲に確認する。

 

「次の退学試験は、上級生と組んで魔物退治、だよね?」

 

「ああ。5月の今の時期しかできない試験だ。絶対ある。今のうちにこの学園迷宮ウィズラビリンスで徹底的に魔物との戦闘に慣れておくんだ。そして試験を()()()()()で生き残るぞ」

 

「うん! 絶対! あ、見えてきたね」

 

「ああ」

 

 前方にボス部屋の証たる巨大な扉。この先に第1フロアのボス【キングス・コング】が待っている。多人数で挑むが常道の強敵。だが2人には――玄咲には問題にならなかった。

 

「じゃ、頼むね」

 

「ああ。これを使うのも久しぶりだな。武装解放――ディアボロス・ブレイカー」

 

 玄咲は実に1か月ぶりとなるバエルと並ぶ切り札を顕現した。以前では全く感じられなかったすさまじい威圧感が銃から吹き上がる。さらに続けてカードを挿府する。挿府するのはもちろんもう一つの切り札。シャルナが笑顔で問いかける。

 

「いいよね、玄咲!」

 

「ああ! 久しぶりに暴れさせようか!」

 

「うん!」

 

 シャルナが扉を開ける。凄まじい咆哮が解き放たれる。そして玄咲もまた、この世界において未来永劫変わることないであろう己の最大の切り札を逃げ場なきボス部屋に陣取る巨大ボス猿へと解き放った。

 

 

「召喚――悪魔神バエル!」

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