カード学園サヴァイヴ ~カードで全てが決まるゲーム世界の学園で狂人で軍人のゲーム廃人は天使のために最強になる~   作:哀原正十

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第2話 久しぶりのG組

「なんか、この教室入るのも、久しぶりに感じるね」

 

 いつものように1年G組の教室に入室しながらシャルナが不思議なことを言う。

 

「久しぶり?」

 

「体感。体感ね。ほら、玄咲と会うの、一日千秋の、思いだからさ」

 

「そ、そうか。」

 

「うん」

 

 シャルナ独自の感性はいつ触れてもドキドキする。玄咲がいつもの如く浮つきながらシャルナと自席に向かっていると横合いから声をかけられる。

 

「おはよう。天之」

 

 狂夜だった。

 

「え? ああ、おはよう……」

 

「……」

 

「……」

 

 沈黙。

 

「……それだけだ」

 

 狂夜は背を向けて自席に戻った。玄咲はシャルナに意識を戻して自席に

 

「あ、へへっ! 級長。おはようございや」

 

「おはよう」

 

 さとしの脇を通り抜けて向かう。そして着席すると、

 

「おはよー天之くん! 今日もいい天気だね!」

 

「っ! おはようキララ! 今日も素晴らしい一日になりそうだな!」

 

「……」

 

 キララとシャルナと3人で仲よく(なぜか互いに言葉を遮り合う機会が多かった)話していると、

 

 ガラ。

 

「おはようみんな。8時40分か。時間が遅いから早速HRを始めよう」

 

 相変わらずたまには遅刻してくるクロウの教壇につきざまの台詞でHRが始まった。長年の習慣は中々覆らないらしかった。

 

 

 

 

 

【HR】

 

「こんなもんでいいかな――っと、そういえば級長の仕事についてまだ説明していなかったな」

 

(あ、そういえば説明されてなかった)

 

 級長。クラス対抗ストラテジーウォーのリーダーがそのまま就くクラスのリーダー的役職。副級長はキララ。ゲームと差異はあるのか。玄咲はクロウの話を傾聴する。キララもしっかり傾聴している。

 

「といっても基本は何もしなくていい。時間を奪って成長を妨げては本末転倒だからな。たまに何か言いつけたときだけ意識してくれ」

 

(よかった。ゲームと変わらない。今まで通り特定のイベントや試験以外は自由に時間を使えそうだな)

 

 ゲーム通りの緩さに玄咲は安堵する。キララもそんなものかとどことなく安堵した顔をしている。

 

「それでは10分間の小休憩。その後授業に入る」

 

 そう言ってクロウは教壇からパチンコ雑誌を取り出し読み始める。ダンジョン関連の長めの次の授業に備えたエナジーチャージだ。

 

 

 

 

 

「ダンジョンの授業、面白かったね」

 

「初めて潜ったが想像以上にでかかったな……ギルドが」

 

「うん。今回はギルドに、一番驚かされた、かも」

 

「学年全員が利用するからな。そりゃ巨大にもなるよな。ゲームでは一画面だったのに……」

 

 授業後。

 

 昼休み。

 

 今日は教室でお弁当の最中。アルルからシャルナが調理を教わった結果、ラーメンからラーメンサラダに進化し、しっかり栄養素を補充できるようになったお弁当を2人机を並べてパクつきながら、ラグナロク学園にしてはいつもより長めの授業の振り返り。時計の針はもう2時だ。それだけ長かった。それだけ、重要な授業ということらしかった。クロウが授業が終わるや否や「真面目に働き過ぎた」と顔色を悪くして職員室に駆け込んだのも頷ける長さだった。これからパチンコ&スロットの雑誌【パチンカスパニック】を読んで精神を建て直すらしい。

 

「クロウ教官は【パチンカスパニック】という雑誌に連載している【アドリブ養分】という漫画が大好きなんだ。趣味打ちパチンカスが毎回人情に絆されて余計なアドリブを発揮して大負けする話だ。だがたまに大勝ちして負け分を一気に取り戻す。ヒューマンドラマとして完成されていて尚且つパチンカスあるあるが楽しめる漫画らしい」

 

「詳しいね?」

 

「え? ああ。ゲーム中にパチンコ店で話しかけると色々な会話が聞けるんだよ」

 

「そっか」

 

 シャルナは微笑んだ。玄咲は嘘はついていないと自分に言い聞かせた。

 

「ところでさ、玄咲」

 

「なんだ、シャル」

 

「お弁当食べたあと、どうする?」

 

「もちろんパーティーに入部だ。真央先輩に会いに……いや。指導鞭撻をお願いしに行こう」

 

 玄咲は迷いなく言い切った。シャルナの目に不安が泳いだ。

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