カード学園サヴァイヴ ~カードで全てが決まるゲーム世界の学園で狂人で軍人のゲーム廃人は天使のために最強になる~   作:哀原正十

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序盤はテンポが悪いので今回は2話投稿。


第4話 ダンジョン・サバイヴァーズ2

「私がダンジョン・サバイヴァーズの部長の黒沢真央。こっちが副部長の灰丸心亜。よろしくねー」

 

「よろしくお願いしますね」

 

 先輩二人に声かけられ玄咲、そしてその隣のシャルナも頭を下げる。後頭部の裏側で玄咲は素早く思考する。

 

(黒沢真央。サブヒロイン。ヒロインには一歩劣るがそれでも美少女。水野ユキクラス。大空ライト君の頼れる先輩だ。戦力的には正直大空ライト君とどっこいどっこい。だがダンジョンの中ではダンジョン適正Sの効果により大空ライト君を凌駕しヒロインクラスの活躍をする。ダンジョン攻略特化キャラ。主に大空ライト君のレベルが足りない序盤でのダンジョン中層攻略に利用するお助けポジション的キャラ。終盤になるにつれてメインキャラの成長に置いて行かれる所もまさにお助けキャラだ。だが、明確な利用価値があるだけ優遇されている方。大岩ガッツなんて穴埋めで仕方なくパーティーに入れるだけのキャラだからな。あいつを入れるならさとしを入れた方がマシだ。いや、俺は何を考えている。思考が暴走してるな。ゲームじゃなくて現実を見よう。現実の、真央先輩を)

 

 玄咲は顔を上げる。そして真央を見た。

 

 可愛いと思った。

 

(……可愛いなぁ)

 

 真央は好奇心旺盛な少女といった風体の美少女だ。黒髪に覆われた凛々しい丸顔はいつも活力に満ちている。そのネコ科の動物のようにくりくりした瞳はいつも輝いている。その体はスレンダーだ。しかし胸はそこそこある。細身との落差もありしっかり制服を内から丸く盛り上げている。服と体の落差で実体以上に大きく見える。とても魅力的だった。

 

 玄咲がポーカーフェイスのまま真央に見惚れていると、真央が玄咲に視線を合わせて尋ねる。コミュ力が高いものの視線の合わせ方だ。

 

「しかし、自分で言うのも何だけどよく入部したねー。ダンジョン・ハンターズとの違いちゃんと説明したのに。言っとくけどダンジョン・ハンターズの方がずっと大きいよ」

 

「俺は部長がいいんだ。部長に教わりたい」

 

「っ!」

 

 真央は照れて鼻をさすって目を逸らした。

 

「……あんがと。嬉しい。そんなに、私がいいんだ?」

 

「はい。この学校で一番ダンジョン探索に長じているのはあなただ。俺たちが師事する相手はあなた以外にいない」

 

「……うん! OKOK! いい子だね! あはは! 目つき悪い癖に案外素直でいい奴じゃんかー!」

 

 バンバン、と真央が玄咲の背中を叩く。玄咲が嬉しそうにする。シャルナもまた玄咲の背中を叩いた。玄咲はせき込んだ。

 

「げほっげほっ!」

 

「あっごめんやりすぎちゃった」

 

「いや、いいよ。シャルのことだ。わざとじゃないんだろ」

 

「うん」

 

「……なるほど。そういう関係かー。うん。面白いね」

 

 真央は一度頷いた後、テーブルの空いた席を叩いて2人に言った。

 

「2人ともテーブルに座りなよ。もう少しだけ新入生待つからその間雑談しようよ」

 

 

 

 

「うわ……」

 

 最初に入ってきたG組の生徒がUターンして引き返した。

 

「ひ、ひぃいいいいいいいいいいいいい!」

 

 次に入ってきたD組の生徒が悲鳴を上げて逃げていった。クラス対抗ストラテジーウォーで殺した気がするが、いかんせんモブ顔の男子生徒なので玄咲にはよく思い出せなかった。

 

「うっ! と、突然頬が……!」

 

 次に入ってきたB組の生徒が負け犬の顔で頬を抑えてUターンした。玄咲よりもシャルナを見ての言葉だった。

 

「え? ダンジョン・ハンターズじゃない? なんだ劣化版かよ」  

「あ、この人ダンジョン・ハンターズと揉め事を起こしたっていうあの……はは、失礼しました……」

 

 次に入ってきた名前も顔も知らぬ2人組の生徒が真央から勘違いを正されてバックした。

 

 

 その後も似たような感じだった。

 

 

 

 

 

「よし! ダンジョンに行こうか! 新入生! カモン!」

 

 入部受付を切り上げた真央が親指で自分を指さして明るくそう言った。メンタルが強かった。

 

 

 

 

 

「あの、すいません。俺たちのせいで人を遠ざけてしまって」

 

 ダンジョンへの道中、玄咲は真央に謝る。真央はカラカラと笑った。

 

「いいよいいよー。私たちにも原因はあるし、あの中にピンとくる子はいなかったからねー。どうせ取らなかったから気にしないで―」

 

「そ、そうですか……」

 

 真央の言葉は玄咲の精神的負荷を和らげた。優しさに感じ入りながら玄咲は尋ねる。

 

「ところで、なぜ俺たちを気に入ったんですか?」

 

 ゲームでも真央は大空ライト君を人目見るなり気に入って採用した。だが、玄咲は大空ライト君とは別物だ。だからこそ疑問が湧いた。尋ねずにいられなかった。

 

「直観」

 

 1ミリの逡巡もない快刀乱麻の返答だった。

 

「私、勘を頼りに生きてるんだー。外れたりもするけどさー、種族特性のせいかな? そういう生き方しかできないんだよねー。ま、それだけ。深い理由なんてないよ。私が君たちを気に入った。それだけさ」

 

 真央らしいと玄咲は思った。

 

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