カード学園サヴァイヴ ~カードで全てが決まるゲーム世界の学園で狂人で軍人のゲーム廃人は天使のために最強になる~   作:哀原正十

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今日から毎日投稿に切り替えます。やはりそっちの方がいい気がする。


第9話 七王霊家って

「ごめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん! 有望な1年生集めてきてっ!」

 

 部室。

 

 真央は戻ってくるや否や机に頭を打ち付けて玄咲とシャルナに懇願した。心亜が叱責する。

 

「まずは巻き込んだことにごめんなさいでしょ」

 

「うぅ、ごめんなさいぃ……」

 

「いえ、それはいいのですが……リュートが出てくるのは想定外でした」

 

「彼ってそんな強いの?」

 

「光ヶ崎ですからね……」

 

「光ヶ崎……光ヶ崎!」

 

 真央が玄咲の言葉にガバっと身を起こした。

 

「光ヶ崎ってあの光ヶ崎!? 七王霊家じゃん! うわー、ビッグネームだー……」

 

「しかもあの光ヶ崎ですよ。七王霊家の中でも特別な家です。これは、驚きましたね……」

 

「……」

 

 シャルナが玄咲の袖を引いた。

 

「ねぇ玄咲。そういえば、今まで、流してきたけど、そもそも、七王霊家って、何?」

 

「ああ。そういえば説明したことなかったな。せっかくだからこの機会に説明するか」

 

「お願い」

 

 玄咲は密かな楽しみであるシャルナへの説明を開始した。

 

「七王霊家ってのはそれぞれの得意分野で国を支える巨大な貴族の家だ。雷丈、光ヶ崎、炎条、水姫、岩城、風魔、闇ヶ暮の七家からなる。王家から精霊王のカードを与えられていることが特徴だが、必ずしも戦闘を生業とする家ではない。例えば岩城は土木工事を得意とする家だし、水姫はインフラ全般。特に水道工事が得意。雷丈は電化製――オーバーテクノロジーなリード・デバイスを幾つも発明して国を大きく豊かにした発明の家だ。その全てに特許がかかってるから収入も莫大になって、後にプレイアズ王国を脅かすほどの財力とその金で蓄えた武力も得た訳だが。世界最高の天才の一人に数えられるサンダージョーを有したことも躍進の理由の1つだな。サンダージョーは本当天才で――」

 

「うん……」

 

(はっ!)

 

 玄咲はシャルナの顔色が優れないので話題転換した。

 

「もう潰れた雷丈家のことなんかどうでもいいか。特に炎条と光ヶ崎家は七王霊家の中でもバリバリの武闘派だ。炎条は対人戦や武器戦闘術の探求に、光ヶ崎は魔物と闘うハンター稼業に重きを置いているという違いはあるが、ぶっちゃけ重きを置いてるってだけで普通に両家とも対人戦もハンター稼業も行っている。その差は歴史を経るにつれて流派の違い程度にまで収束した。それだけに両家は仲が悪いとう訳でもないが張り合ってて、司とリュートのライバル関係も元を辿ればそこに行き着いて――」

 

「後輩くん。ちょっとストップ。か、語りが凄い……」

 

「はっ!」

 

 玄咲はまた自分がややオタクになっていたことに気がついた。玄咲にとってオタクと言う概念は幼少期にある犯罪者が有名になったこともありあまりいい印象がない。オタクに人権がない時代に玄咲は育った。馬鹿にされたこともある。玄咲は慌てて話を折って纏めることにした。話し切るという選択肢は譲らない。玄咲は基本オタク気質だ。

 

「そういう訳で炎条と光ヶ崎は七王霊家の中でも特に武力的には強力な家なんだ。その家の子でしかも天才だから司とリュートの注目度が凄い。っと、光ヶ崎の特別性も話しとかないと。光々崎家の祖先はプレイアズ王国を当時の女王とともに立ち上げた激動の王魔戦線時代を戦い抜いた英雄の一人だったんだ。七王霊家の最古参。王家と最も近しい名家。形だけの貴族ではなく、骨の髄まで高潔な尊き血。魔符士の誇りを守りずっと魔物から国を守ってきたハンター稼業の名家。国民全員から嫌われる雷丈家とは真逆の国民全員から慕われる国の盾であり矛。それが光ヶ崎家で、リュートの実家だ。で、そのリュートは前も言ったけど光ヶ崎家最高の天才と言われ大きな期待を背負っている有名人だ。最後駆け足になったけど説明はこんなもんでいいか? シャル」

 

「う、うん。なんか、あの人、ものすごいお坊ちゃん、なんだね……」

 

「ぶっちゃけ王家に次ぐ貴族だよ。俺もあまり実感なかったけどな」

 

「ちょっと天然気味なの、そのせいかな?」

 

「……かもしれない。で、リュートがその七王霊家の中でも別格な光ヶ崎家の子だと知ったから先輩たちは驚いているんだ。分かったか」

 

「うん。まるまるっと、分かった」

 

「……後輩くん、一度語り始めると凄いんだね」

 

「はい。見た目に反してオタク――あっ、ごめんなさい……」

 

「言われちゃったね、玄咲」

 

「……まぁ、間違ってはいないから」

 

 玄咲は生粋のCMAオタクだ。プライドさえ持ってる。だから、あまり気にすることはなく(少しは気にした)、オタク呼びはさらっと流した。

 

(……そういえば、真央先輩は知ってるかな)

 

「先輩」

 

「ん? にゃに?」

 

 玄咲は七王霊家という言葉からふと気になったことを尋ねてみた。

 

「先輩と同じ2学年にも確か七王霊家の生徒がいましたよね?」

 

「あー、水姫リサねー……。私、あいつ性格悪いから嫌い。実力も学年トップのルディラに比べたら大した事ないしさ」

 

「同感です」

 

「そ、そうですか……」

 

(やっぱ性格悪いんだ……。その内、他の七王霊家の生徒にも会うこともあるかな)

 

「しかし、光ヶ崎リュートかー……」

 

 玄咲からリュートの素性を効いた真央の顔が難しい顔をした。

 

「光ヶ崎なら絶対ダンジョン探索についても学んで来てるよねーー……ちょっと、ヤバいかも」

 

「そうですね……パーティメンバーもラグナロク学園最大派閥のダンジョン・ハンターズから選りすぐったメンバーが出てくるでしょうし。も、もしかしたら、負けちゃうかも。そしたら、統合……」

 

「う、うぅ……」

 

 真央と心亜が悲痛な顔をする。どことなく憐憫を誘う雰囲気にグッときた玄咲は立ち上がり拳を握って熱弁した。

 

「安心してください! 俺が1年生最強のメンバーを集めてリュートを倒します! 安心してください!」

 

「!」

 

 真央は立ち上がり玄咲にビシッと指を突きつけた。

 

「よく行った! それでこそ我が後輩! 絶対勝つにゃ! 天之玄咲! ダンジョン・サバイバーズの未来は君の肩にかかっている!」

 

「はい! 俺に任せてください! ところで――」

 

 玄咲は真央に不敵な笑みで告げた。

 

「この学校って、パーティーの掛け持ち可能でしたよね?」

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