カード学園サヴァイヴ ~カードで全てが決まるゲーム世界の学園で狂人で軍人のゲーム廃人は天使のために最強になる~ 作:哀原正十
ざわ、ざわ。
登校する玄咲たちを見る生徒たちがざわついている。何事かと訝しみながら2人はG組の教室に入った。するとキララが2人に話しかけてくる。
「ねぇねぇ天之くん。C組の光ヶ崎リュートとダンジョンアタックするって本当?」
「キララ。なぜ知っている」
「A組の炎条司くんが言いふらしてたよ。彼もダンジョン・ハンターズ側で光ヶ崎くんと組んでダンジョンアタックに出るって」
「えっ」
「知らなかったんだ」
「初耳だ」
ゲームでは相手はモブキャラだった。さらにキララから話を聞いていると
「天之」
狂夜が話しかけてきた。
「狂夜くん」
「もしメンバーに困っているなら力を貸してやっても」
「いや、既にメンバーは集まっているから必要ない。それに君のスタイルはダンジョン探索とも集団戦とも相性が悪いからな。クゥとコスモが今回は適任だろう」
「……そうか」
狂夜は背を翻しこころなし俯きながらとぼとぼと自分の席に戻った。入れ替わりでさとしが玄咲に声をかける。
「級長! 是非俺をメンバーに! 役に立つぜ!」
「君は純粋に戦力的にいらない」
ガーン、とありありと書いた顔でさとしはとぼとぼと席に戻った。キララがため息をつく。
「あの2人天之くんのこと好きだねー……」
「……あの2人とこれだけ友好関係を築けるとは思わなかったな。最初に徹底的に戦ったのが良かったんだろう」
「2人とも結構単純だもんねー」
「キララとも戦ったな」
「え? あ、うん」
「そういえばキララはなんで俺と戦ったんだ? 理由を教えてくれ」
「……大した理由じゃないよ。天之くんが変な勘違いさせたから、その意趣返しにちょっとカードバトルでやりこめてやろうって思ったの。それだけ」
「変な勘違い?」
玄咲の本気の疑問にキララはため息をついた。
「……気づかなくていいよ。永遠に。それよりも」
クマの入った瞳が弧を描く。キララはいつものように可愛らしい笑みで玄咲に告げた。
「ダンジョンアタック頑張ってね。応援してる」
再びダンジョン・ハンターズ
「凄い! 2人ともびんびんにくるにゃ! これは、逸材……! 完璧な仕事だよ1年生!」
「え、ええ。驚きましたね。2人とも特待生じゃないですか……」
翌日。玄咲が連れてきたコスモとクゥを見た真央と心亜の第1声がそれだった。やや得意げな表情をしている玄咲を見てコスモとクゥが後ろから突っ込む。
「ねぇ、ゲンサック。あなたがこのパーティーに入った理由ってやっぱこの人だよね?」
「誤解だ」
「天之玄咲は女好き。知っていましたが、何でしょう。コスモの胸にちくりと過るこのエモーショナルは……」
「誤解だ」
「1年生……やっぱりあなた真央を狙って」
「誤解です」
「……正直悪い気はしにゃいよ。でも、うん。やっぱりそうだったんだ……」
「誤解です」
「玄咲、私は、分かってるから」
「シャル……!」
「デレデレしてるのと、入部理由には、因果関係は少ししかないって」
「……」
シャルナは確かに玄咲のことをよく分かっていた。だから玄咲は何も言い返せなかった。気まずい空気が流れかけるも、真央がパチンと手を叩いて明るい声と表情で話を流した。
「じゃ、早速ダンジョン行こうか! 2人の実力を見せてもらうよ!」