カード学園サヴァイヴ ~カードで全てが決まるゲーム世界の学園で狂人で軍人のゲーム廃人は天使のために最強になる~ 作:哀原正十
「カードの製法について知りたい? いいですよ」
魔符士科の生徒に知識を教えてくれる先生カール・ドラッケン。CARDRAC――CARDをDを起点に鏡対象にした語句に適当にカタカナを当て振って少し捻った、カード開発科の教師らしい名前。カード開発科に常駐しており、話しかけると魔符士科の生徒向けの講義を行ってくれる。項目は複数に分かれており、ゲームでは選択した項目について解説する方式で講義を行ってくれた。
現実でもその方針は然程変わらないらしい。
玄咲とシャルナは現在、カード開発科の魔符士科生徒応対用の講義室にて、カール・ドラッケンから個人講義を受けていた。議題は玄咲たちが尋ねたカードの製法。カール・ドラッケンは金髪巨乳白衣眼鏡で優しそうな風貌のとても属性値の高い教師だ。属性値とは萌え属性値の略だ。玄咲にとって重要な指標。ホワイトボードにマジックペンで【カードの製法】と見出しを書き終えたカールが振り向き尋ねる。
「カードの製法についてはどれくらいご存じですか?」
「殆ど何も」
抜本的な所から知識の裏合わせを行いたいのでそう答える。
「私も」
「では基本的な所から順にお話しますね。まずは基本的な製法について。ゴホン」
カールは咳払いした。胸が揺れる。白衣越しにも。カールがホワイド・ボードに要点を箇条書きしていく。
「カードは大まかに分かれてベースとなる生地を作る工程と魔法陣を刻む2つの工程に分かれます。前者から説明しましょう」
カキカキ。
・カードの生地は主に魔界由来の素材で作られる。
・魔物、植物、鉱物、何でも素材になる。
・魔力伝導率、魔力耐久性、魔力属性など様々な長所を持つ素材を組み合わせて魔法に合わせたカードを作る。
・強い魔法程上等な素材が必要になる。またその製造難易度も上がる。
「大体こんな感じですね。ちなみにこれADにも結構当て嵌まります。何か質問はありますか?」
「エレメンタル・カードは、どうなってるんですか?」
シャルナの質問。カールは困ったような笑顔を浮かべた。
「エレメンタル・カードはまだ人類には未知未踏の分野であり解析が進んでいないんです。人類の作るカードとは似て非なるものであり、精霊も不思議とエレメンタル・カードについては口を閉ざすので、精霊が不思議な力で作るとしか言いようがないのが現状です。ごめんなさいね」
「あ、はい。ありがとうございます」
「そっちの彼は質問は?」
「最強のカードってなんですか」
小学生みたいな質問だ。
「えっ――と。それも私には何とも。ごめんなさい……」
カールは申し訳なさそうな表情をした。玄咲も何だか申し訳ない気分になった。
「えっと、他に質問は――ないようですね。では、次は後者の魔法陣を刻む工程について」
カキカキ
・魔法陣を開発する。
・魔法ペンで刻む。魔法ペンは装填したカートリッジから超高出力魔力波を先端から照射する装置。熱戦に近い。それで型に物質化した魔力を刻む。この出力に耐えられる丈夫な生地がいる。
「大体こんな感じです。ちなみに魔法ペンは小型から大型まであります。機械に製造を任せるやり方が安定ですが、職人技の筆圧でしか生み出せないカードもあり、一長一短です」
「なるほど、なー」
「何か質問は――あっ」
リーンゴーン、リーンゴーン。
チャイムが鳴る。カールは2人に頭を下げて、教室を退出する準備を始める。
「ごめんなさい。私これからカード開発の実習授業があるのでこれで失礼します」
2人はカードについて少し詳しくなった。その後2人は同校舎内の魔工学科のグルグル工房に向かい――。
「メリークリスマス! ケーキ用意したよ!」
「気づけばもうクリスマスか。早いものだ」
「そうだね! クリスマスだね! ラーメン鍋は、あったまるね!」
「何もかもおかしい気がするのはコスモだけでしょうか……? コスモはてっきり正月かと思って餅を用意してきたのですが……」
せっかくのクリスマスなので4人で夕食を取った。コスモの用意した餅はラーメン鍋に突っ込んで一緒に食べた。その後はミカンの乗った鏡餅のような形状のホールケーキを4人で食べた。コスモはしきりに首を捻っていたが最後には笑っていた。玄咲がクロウとパチンコに行く正月前の、幸せなクリスマスの一時だった。