カード学園サヴァイヴ ~カードで全てが決まるゲーム世界の学園で狂人で軍人のゲーム廃人は天使のために最強になる~ 作:哀原正十
――そして、試験当日。
白い朝日が昇る。
「……朝か」
うすらぼけた視界の中で白い朝日をやや遠くに感じながら玄咲は眼を覚ました。睡眠の質も時間も上々。上出来のコンデション。すぐに意識は覚醒した。起きてすぐ、時刻を確認する。壁掛け時計の時刻は、
「6時か。試験は9時から19時。そろそろ起きてメンタルセットを整えておいた方がいいだろう。えっと、ルディラ先輩は……」
ベッドは空間を開けて2つ置かれている。片方にはルディラ。起き上がり、その寝姿を確認した玄咲は、
「ッ!? あ、あああああっ……!」
――日差しの中で寝息を立てるルディラの姿に一撃でノックアウトされ、ベッドに尻もちをついた。
ツンと尖った、怜悧なまでの美貌。今、その険は綺麗に拭い去られている。顔のパーツの特徴はそのままにまるで童女のような柔らかさを纏っている。美人なのに、可愛いのに、童女のように、動物のように、無邪気で柔らかな寝顔。
「くー、くー……」
そんな表情で、口を僅かに開け、可愛らしい寝息を立てている。ギャップに完全にやられる。さらにそのポーズと言ったら、丸めた体を横たえ、布団を抱きしめ、まるで好きなものに全力で甘えているかのような、そんなポーズ。
それに加えて。
「……ッ! ……ッッッ!」
へそが、めくれて見えている。
淡い水色のパジャマの上着の裾が僅かに捲れてしまっている。玄咲にはそのとてもデリケートな部位が刹那性器にも匹敵する卑猥な部位に見えた。「ハァ、ハァ」慌てて目を背ける。そこにあるのは、よく見ると少し涎の垂れた唇。駄目だった。全身が凶器だった。少し俯瞰にして遠めに見てみる。
刹那、風が、白いカーテンを攫った。
「――」
――白いベールを頭上にはためかせ、天から降り注ぐ光を浴び、まるで雲に横たわっているかのように安らいだ表情で、まるで地上に産み落とされたかのようなポーズで、綿の糸のように和かな雰囲気を纏って、無邪気な寝姿を晒すルディラが、その身上に花嫁が冠纏うドレスのような白きベールをはためかせて天上の光の祝福を受けるルディラの姿が――。
「天、使――」
刹那、本物の天使に見えた。光の幻想が生み出す瞬間のマジック。しかし、そう感じてしまったことは本当で、そのルディラの美貌に見惚れていると、やや裾が長めのカーテンがルディラの顔を掠めて、
「んっ――」
ルディラが艶めかしく糸を引くような艶のある声を上げる。心臓の跳ねる音がする。ルディラがさらに、身じろぎをする。そしてその銀色の眼が少しずつ開き、そして覚醒して――。
「……クロ? え、なんで、あっ!」
ルディラが慌てる。起き上がりかけ、体勢を崩し、そのままベッドから転げ落ちて、
ドテン!
「……」
「……そういえば、試験でしたね。クロ」
後頭部から転げ落ち、逆上がりしかけのような体制で足を投げ出しでこを曝け出し上着の裾が捲れたへそをも曝け出した上級生の威厳の欠片もない見事にひっくり返った体勢でルディラは玄咲に無表情のまま挨拶した。
「おはようございます。このことは誰にも言ってはいけませんよ」
その頬は流石に少し赤い。