カード学園サヴァイヴ ~カードで全てが決まるゲーム世界の学園で狂人で軍人のゲーム廃人は天使のために最強になる~   作:哀原正十

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 欠番にしようか迷った話。なかなか酷い出来の話です。なので本日は2話投稿。


第7話 スペースノイド

 スペースノイド。

 

 超化学力を持つ宇宙人種の魔物。その最大の特徴は人に似て非力ながら科学技術という強力な外付けの力を持ち戦うこと。そして高い知能を持ち合わせること。魔物種の中でもトップクラスの変わり種と呼ばれている。

 

 だが、その強さは本物であり、魔物の中でも上位に位置する戦力を誇る魔物種だ。特にUFOと呼ばれる空を飛ぶ浮遊物体を用いた移動や攻撃は厄介とされる。戦う際には空中攻撃を持つ魔符士が複数人必須とされる。

 

 そして、その領分に置いて光ヶ崎リュートを超える魔符士は学年をまたいでも中々いなかった。

 

 

 

煌・三紡人馬星(リオ・サジタリウス)

 

 リュートが宙に剣を向けて詠唱する。無数の星型の光弾がUFOの群れを蹂躙し、容易く墜落させる。回避の難しい絨毯爆撃型の攻撃であることも、UFOの群れの撃墜に貢献していた。クゥなどはあくまで直線型の攻撃を主とする魔符士であるため、群体相手が苦手という不得手があった。その点、リュートは点の威力では劣るものの、それを補ってあまりある範囲攻撃の連続使用が可能であるため、スペースノイド相手の相性で言えばクゥを大きく凌駕していた。リュートが詠唱を重ねる。

 

「フュージョン・マジック――煌・三紡人馬星(リオ・サジタリウス)

 

 UFOの群れを再び星型の光弾の流星群が蹂躙する。かつて玄咲と戦った時よりもカードのランク、本人のレベル共に上がっている。今のリュートと当時の玄咲が戦えば勝敗は覆っていたかもしれない。それ程の制圧力を今のリュートは身に着けていた。

 

 リュートを危機と見たスペースノイドの一部が配下のUMAを放つ。UMAとはスペースノイドが家畜として洗脳手術を施した強力な魔物だ。チュパカブラと呼ばれる小鬼のようなUMAがリュートに向かって飛び掛かる。しかし、リュートは慌てず。

 

「フュージョン・マジック――煌・三紡金牛星(リオ・タウルス)

 

 単体攻撃用の魔法で容易く迎撃する。光を纏った剣が振り抜かれ、UMAに直撃すると、けたたましい爆発が巻き起こり、UMAは粉微塵になって死んだ。さらに3匹。今度は、近くで戦っていたケビンが対応した。

 

「オメガ・ハンマー!」

 

 振り上げ、降り下ろし、横薙ぎ。3連続で的確に相手の頭部を潰し、UMAを寄せ付けない。リュートが礼を言う。

 

「ありがとうございます」

 

「礼はいい。戦いに集中するんだ」

 

「はい。フュージョン・マジック――煌・三紡人馬星(リオ・サジタリウス)

 

 リュートは安定した戦いを見せ続ける。この戦場の中心にいるのは間違いなくまだ1年の光ヶ崎リュートだった。

 

 

 

 

 

 その頃、スペースノイド達の上層部はUFOの中でこんな会話を交わしていた。

 

「ピギュるる(どういうことだ。敵の戦力がおかしいぞ)」

「ピキュ、ピ、きゅるる(仕方ない。事実は事実。これからどうするかを考えよう)」

「ピ、ピキュきゅきゅ(敵の戦力の中心はあの金髪の男たちだ。奴らを潰すぞ)」

「ピギュるるる!(あれを投下だ! 我々が作ったあの最高傑作ならあいつらなどけちょんけちょんだ)」

「ぴぎゅ(投下するか)」

「ぴぎゅぴー(しよか)」

 

 そして最強の敵がUFOより降り立つ。

 

 

 

 

「……嘘だろ」

 

 降り立ったそれを見て誰かが唸った。それはラグナロク学園の生徒で学園迷宮ヴィズラビリンスについて少しでも調べたものならば、知っていて当然の魔物だった。ある生徒がまた震える指でそれを指差す。

 

「……神造種。嘘だろ。スペースノイドとどんな繋がりがあるんだよ……」

「やべぇぞあいつは! 気をつけろ! 強敵だ! 3年が前に出て戦えー! フュージョン・マジックで一気に沈めるんだ!」

「はい! フュージョン・マジック――」

 

 機械と人のハイブリッドのような奇妙な見た目の巨人。今は沈黙しているその眼光が殺到する魔法の群れを見て光って唸り出した。そして――。

 

 ズガガガガガガガァアーン!

 

 脅威を正しく脅威と認識したラグナロク学園の生徒たちの魔法をその身に一身に受けた。明確なダメージ。

 

 だが、倒すには至らない。

 

 絶望が起動する。

 

 

 

 

 

 

「うぅ……」

 

「痛ぇ、痛ぇよぉ……」

 

 ラグナロク学園の生徒たちはズタボロになりながら戦っていた。最初のフュージョン・マジックの命中は確かに神造種にダメージを与えた。それでいて尚、神造種は強かった。何度も敗戦を覚悟し、そして死者も発生し、ギリギリの戦いが続いた。

 そして今なお健在。

 

 だが、弱っている。

 

 あと一手、有効打が打てれば勝てるかもしれない。

 

 ケビンがリュートのケツを叩く。戦いの中での無意識での昂揚が、男らしい行動を自然に取らせた。さらに告げる。

 

「リュート君。あれを打て。私が護衛をする」

 

「分かりました」

 

 リュートは即答した。自分でもそれしかないと思っていたからだ。2人で神造種へと駆ける。まるで巨大ロボットのような神造種の攻撃をケビンはハンマー型のADで上手くいなす。だが、それも限界が訪れ、

 

「がっ」

 

 あと一歩の所で頭を拳の一奮いで消し飛ばされ死亡した。リュートは心の中で瞑目し、ケビンへの攻撃によって出来た隙に全力で接近し、そしてとうとう射程距離に納めた。

 

「フュージョン・マジック――」

 

 己の最大火力の射程距離に。

 

真・五光極星刃(トゥルース・クインテット・ニルヴァーナ)

 

 光剣が神造種の胸元に打ち付けられる。光が爆ぜる。放射状に解き放たれた光の奔流はしばらく続いた。

 

 

 

「ハァ、ハァ、やった、ぞ……」

 

 倒れ伏すリュートは状態が消し飛んだ神造種の姿を見て、土の上で拳を握った。リュート達はスペースノイドに勝利した。

 

 

 

 

 その頃、スペースノイドの上層部達は、

 

 

 

「……ぴぎゅるるりん(撤退だ。この星の生物は危険すぎる)」

「ぴぎゅっ(賛成)」

「ぴぎゅぴぎゅ(俺も俺も)」

 

 この星自体からの撤退を決めた。僅かに残ったUFOの群れが天高く昇り、そしてそのまま星の彼方に消えて行った。

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