カード学園サヴァイヴ ~カードで全てが決まるゲーム世界の学園で狂人で軍人のゲーム廃人は天使のために最強になる~   作:哀原正十

313 / 337
第8話 ジャッジメント・サンダー

 それは神名木イツキがラズワルド・イェーガーを筆頭とする一部のF組の面々とコウモリ型の王魔種と激闘を繰り広げている時のことだった。

 

「いやぁあああ! ラズワルドくぅうううん!」

 

「マジか! ラズワルドの野郎が殺された! 首の骨が折れてるぞ!」

 

「糞ッ! 今のF組ナンバーワンのラズワルドでさえやられるのか! どうすりゃ、いいんだよ……!」

 

 威勢よく戦っていたラズワルド・イェーガーがコウモリ型の王魔種――カラミティ・バットの尾の一振るいで首を叩き折られ即死した。F組の面々から悲鳴が上がる。さらに死者は増える。そしてイツキもまた、木を背にしてカラミティ・バットに追い詰められていた。

 

「うぅ、ここまで、なの……」

 

「GYAHAHAHA!」

 

 醜悪な鳴き声を発しながらカラミティ・バットが嘲弄するようにバッサバッサと翼をひらめかせながら近づいてくる。イツキは神に祈らない。

 

 その代わりに、

 

(助けてください)

 

 最も敬愛する人物に無意識に祈った。

 

(カミナ様……!)

 

 

「ジャッジメント・サンダー」

 

 

 その時、イツキは聞こえるはずのない声を確かに聞いた。そして、次の瞬間。

 

「GA!? GAAAAAAAAAAA!」

 

 何処からか放たれた雷の矢がカラミティ・バットに着弾し、激しく嘶かせた。さらに、もう一撃。

 

「GAAAAAAAAAAAAAA! GA.GA……GA 」

 

 追撃の一矢は致命傷となった。

 

 カラミティ・バットが倒れる。全身を消し炭へと転化されて。イツキは慌てて周囲を見回した。確かに聞こえた声の主を探して。

 

「カミナ様! カミナ様! どこに――」

 

 声を大きくするイツキの肩をF組の生徒の一人がポンと叩く。  

 

「おいイツキ。正気になれ。カミナは学園牢にぶち込まれ、あの糞婆から折檻を……。だから、ここにはいねぇよ。大体あいつは雷魔法は使えねぇよ」

 

「あ……そう、ですよね、」

 

 イツキはカミナがいるはずのない当然に気づいて意気消沈する。しかし、丸焼きにされたカラミティ・バット――まるでサンダージョーの魔法のような劇的な威力――の前で、遠い目をして空を見る。

 

「でも、確かに声が聞こえたような……」

 

 

 

  

「いい仕上がりじゃないかい。これがあの神の雷の力、の断片かい。極秘裏に連れてきてよかったよ。今後が楽しみだねぇ」

 

「恐縮です。僕にはやらなきゃいけないことがありますから、強くなりますよ。もっと」

 

 ラグナロク・ペンションの前。マギサと並んだもう1人――プラチナ色の長髪をした恐ろしい程の美貌の青年が、強い意志を込めた瞳でマキサの声に頷いた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。