カード学園サヴァイヴ ~カードで全てが決まるゲーム世界の学園で狂人で軍人のゲーム廃人は天使のために最強になる~ 作:哀原正十
5月5日
この学園牢に入獄してから2週間が経った。
毎日の刑務作業により魔符士としての腕は錆び付いた気はしない。
むしろ、心を改めて働いたことによりレベルが上がり以前より調子がいいくらいだ。
ここでは数多くの学生が(浪人生も多い)出所の日を夢見て刑務作業に従事している。
僕もその中の一人だ。
出所したらまず真っ先にイツキに会いに行きたいな。
彼女は僕の大事な人だから。
5月13日
今日は食堂で少しトラブルがあった。
上級生に絡まれたから咄嗟に相手をノシてしまったのだ。
幸い相手から絡まれたことから暴力は不問になったがこういう暴力的な所は少しずつ矯正していかないとな
反省1。僕は真人間になってここを出るんだから。
しかし、本当によく絡まれる。そして視線を感じる。やはり僕がサンダージョーの縁者だからだろうか?
5月15日
今日は看守から襲われかけた。
学園牢は恐ろしい所だ。
半殺しにして迎え撃ってやったが、これは流石に正当防衛だろう。
僕の担当の看守が男から女に変わった。
見守優菜という名前の優しい女の人だ。
これで待遇が少しは改善するといいのだが……。
注1. 学園牢はやはり恐ろしい場所である。
5月19日
日記をつけ始めてから2週間が経った。
文章を書くということは思いのほか難しい。
自分の想いを十全に表現できているとは言い難い。
それでも日記を書く他今の自分の痕跡を残す手段はない。
だから拙くともこの日記をこの世に残しておきたい。
いつか誰かにこの日々の記憶が届くと信じて。
糞婆は相変わらず糞婆だが看守の見守さんは優しい。糞婆が……おっと。いけないいけない。つい本音が。助けられたのは間違いない。うん。それは間違いない。間違いないんだ……。
5月20日
昨日の続き。
今思い返しても聖書に洗脳されていた頃の自分は正気ではなかった。
その洗脳を手段はアレだったが解いてくれた学園長には感謝している。
そしてその切っ掛けをくれた天之玄咲にも。
……。
僕は少し人が良すぎるのではないだろうか。
いや、でも、お陰でジョーさんに再会できたし、うーん……。
複雑な気持ちだけど、ま、感謝しとくか。牢獄の中で感情を拗らせると逃げ場がないし……。
5月29日
出所じゃないけど牢屋から出る機会がやってきた!
やった!
学園長がこっそり僕を今度の魔獣退治試験に連れていってくれるらしい。
それだけ僕に期待をかけてくれているのだろう。
答えられるように頑張らなければ。
幸い牢獄の中でもADの強化やカードの売買は行えた。
カードバトルも行えた。
どうやら牢屋と言ってもあくまでも生徒を鍛えるための施設として作られているらしく、そこら辺の作り込みは流石にラグナロク学園と言った感じだった。
まぁ、闇レートの賭け試合とかカードを賭けたアンティバトルが横行しているのは表の施設と異なる点ではあったけども。
ともかく、明日からしばしの間学園牢の外に出れる。それだけでも気分が軽い。楽しみだ。魔獣退治試験に随行させるっていうのがちょっと気になるけど、僕は僕に出来ることを全力でやるだけだ。
まだ学園の皆には会えないけど、待っててねイツキ。刑期満了までもうすぐ。もうすぐ、君に会えるから。
どうか魔獣退治試験を無事に乗り切って欲しい。これは単なる僕の祈り。今は祈る事しかできない。だから、祈っておく。君の無事を。
神ではなく、
「神ではなく、そうだな……」
そしてカミナは日記帳に今日最後の一行を刻んだ。
神ではなく、今僕たちを活かしてくれている、全ての縁に。