カード学園サヴァイヴ ~カードで全てが決まるゲーム世界の学園で狂人で軍人のゲーム廃人は天使のために最強になる~   作:哀原正十

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第3話 水中祠

 そこは浜辺の端。生徒の姿も消える程の。そこに辿り着いた玄咲はシュヴァルツ・ブリンガーの銃口をシャルナに向けた。

 

「え?」

 

「エアリス・マテリア」

 

 シュヴァルツ・ブリンガーの銃口が光る。そして、シャルナの体が薄い白色の光に包まれた。

 

「これって……?」

 

「この魔法を使うと水中でも呼吸が出来るんだ。効果は確認してる。さて、俺も、エアリス・マテリア」

 

 今度はシュヴァルツ・ブリンガーの銃口を自分に向けて詠唱する玄咲。玄咲の体も薄い白色の光に包まれた。準備は完了とばかりに顔をようやく上げた玄咲は海に視線を向ける。

 

「さて、海に入ろうか、シャルナ。大丈夫。目的地はすぐだ」

 

「う、うん。ちょっと、緊張……」

 

「大丈夫。シャルナの運動神経ならすぐに慣れる。いや、やっぱり手を繋いで入ろうか」

 

 そう言って玄咲はシャルナに手を差し伸べた。視線は海に向けたまま。シャルナは一瞬キョトン、とした後、嬉しそうに頷いて玄咲の手を取った。

 

「うん!」

 

 ギュッ!

 

「! よし、行くぞ」

 

「行こうか、玄咲」

 

 そして2人は手を繋いで海に入水した。

 

 

 

 

 

 

 海の中は真珠を散りばめたような煌めきに満ちていた。

 少なくとも手を繋いで泳ぐ2人にはそう感じられた。

 会話はない。

 喋ろうとするとゴボゴボと気泡が出るばかり。

 呼吸はできるようになるが、会話ができるようになるほど水中呼吸の魔法は万能ではないからだ。

 それでも思う所は伝わる。

 綺麗だ。

 無言の内に2人は想いを共有していた。

 

 しばし泳いだころ。 

 玄咲がある1点を指差す。

 そこには水中に沈む祠のような岩があった。

 ただし入口はない。

 ただの岩物だ。

 その祠のような岩に、シャルナの手を引きながら玄咲は接近していく。

 そして、目の前に降り立った瞬間。

 

 シュパァッ。

 と光を発して。

 目の前の祠に入り口が現れた。

 シャルナが目を剥く。

 水中呼吸の魔法を使っているので目を開いていても平気だ。

 玄咲が手を引き祠の中に入っていく。

 シャルナも続けて祠の中に入っていく。

 やがて、幻想の入り口は光を失い、また元の岩壁へと戻っていった。

 

 

 

「なに、ここ」

 超常現象に相まみえたばかりのシャルナは玄咲の袖を引いて尋ねた。

「祠だよ。神が眠る、いや、引き籠る……?」

 玄咲は首を捻りながら答えた。

 疑問符が言葉と表情に宿っている。

 

 目の前に広がるのは暗澹とした洞窟。

 不思議と光源はないのに薄明るい。

 その洞窟を玄咲はシャルナと前に進む。

 

 すぐに、行き止まりに達した。

 突き当たったのは祠。

 そして。

 

「カー、ド?」

 

 そこに祭られている一枚のカードだった。

 

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