動きが変わった。便利屋が乗る車は私の後方ではなく、右側を走っている。
先生の指揮か。この先のルートを検索。左に行こう。
流石にバイクは吹き飛ばして欲しくない。爆弾やトラップに警戒しつつ、スピードは緩めない。ルート通りに行けば崖を飛び越えるが……。
「崖はヤバいってこれ!」
慌ててルート変更。追いかけられても上等! 右に行こう。
車が速度を上げて迫る。うざったい。牽制しようにも手ぶらの状態でなにかができるわけもない。
誰かが撃った銃弾が肌を掠めた。
(どうしよ……)
逃げるだけで手も足も出せないのは歯がゆい。クソッ、私の考えが甘くなかったら思い通りに進んでいたのに。
油断していたら、前を見ていなかった。急ブレーキをかけて止まる。大量の爆弾がある洞窟。その中に入る所だった。
「こんな爆弾、誰が置いたのかな」
私は逆に気味が悪くなった。追われているので一刻も早く状況を打開したいが、これは流石にまずいな。
協力しないといけないか。そう思い振り返ると、ハルカが銃を構えていた。
いつの間に。いや、今は考えるよりも――
「死んでください」
「ちょっ」
放たれた銃弾は私をすり抜けて爆弾に…………当たらなかった。身を挺したのが功を奏した、かも。
「っ、たた。ここ、爆弾だらけだよ」
「なんですって!?」
白目をむいて驚くアル。まあ当然か。車から降りて作戦会議を始める。
あれ、私は入れないのかな。様子を見守っていると、先生が一歩前に出る。
"リンネ、教えてくれてありがとう。"
頭を撫でられる。少し違和感。こんなことする人だった? 撫でてもらったという人も一定数いると思うけど。
「いいから。解除できる人はいないの?」
そう聞いても誰も手を挙げない。結局は爆破専門か。軽いため息をつく。
「あ、あの」
ハルカが恐る恐る手を挙げた。
「これ、一つでも止まれば大丈夫なんじゃ」
「どういうこと?」
「奥の方に繋がってるように見えたので、もしかしたらと……」
なるほど。連鎖式ならそういう考えもありか。爆弾に近づき、スイッチを押す。
赤い光が消えた。確認のため手で触ってみるが、何も起こらない。解除に成功した。まあ、こんな簡単に成功すると思ってなかったけど。
「よかったねアルちゃん」
「はあ~。びっくりした~」
「驚きすぎ」
さて、問題はこの洞窟だ。誰がやったかという目星も大体ついてるが、どこに繋がるかわからない。
「これ人口の洞窟だけど、入る?」
私の問いにムツキが答える。
「入る入るー! だって面白そうじゃん」
「え、入るの!? 明かり持ってきてないのに!」
"これが明かりの代わりになるかな……?"
タブレットの光なら役目は十分果たせる。
先頭に先生、私、便利屋という順番。電車ごっこのように一列になって探検を開始した。