反転生徒はキヴォトスをかき乱す   作:オルソル

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リンネの逃走劇 その2

 動きが変わった。便利屋が乗る車は私の後方ではなく、右側を走っている。

 先生の指揮か。この先のルートを検索。左に行こう。

 

 流石にバイクは吹き飛ばして欲しくない。爆弾やトラップに警戒しつつ、スピードは緩めない。ルート通りに行けば崖を飛び越えるが……。

 

「崖はヤバいってこれ!」

 

 慌ててルート変更。追いかけられても上等! 右に行こう。

 車が速度を上げて迫る。うざったい。牽制しようにも手ぶらの状態でなにかができるわけもない。

 誰かが撃った銃弾が肌を掠めた。

 

(どうしよ……)

 

 逃げるだけで手も足も出せないのは歯がゆい。クソッ、私の考えが甘くなかったら思い通りに進んでいたのに。

 油断していたら、前を見ていなかった。急ブレーキをかけて止まる。大量の爆弾がある洞窟。その中に入る所だった。

 

「こんな爆弾、誰が置いたのかな」

 

 私は逆に気味が悪くなった。追われているので一刻も早く状況を打開したいが、これは流石にまずいな。

 協力しないといけないか。そう思い振り返ると、ハルカが銃を構えていた。

 

 いつの間に。いや、今は考えるよりも――

 

「死んでください」

「ちょっ」

 

 放たれた銃弾は私をすり抜けて爆弾に…………当たらなかった。身を挺したのが功を奏した、かも。

 

「っ、たた。ここ、爆弾だらけだよ」

「なんですって!?」

 

 白目をむいて驚くアル。まあ当然か。車から降りて作戦会議を始める。

 あれ、私は入れないのかな。様子を見守っていると、先生が一歩前に出る。

 

"リンネ、教えてくれてありがとう。"

 

 頭を撫でられる。少し違和感。こんなことする人だった? 撫でてもらったという人も一定数いると思うけど。

 

「いいから。解除できる人はいないの?」

 

 そう聞いても誰も手を挙げない。結局は爆破専門か。軽いため息をつく。

 

「あ、あの」

 

 ハルカが恐る恐る手を挙げた。

 

「これ、一つでも止まれば大丈夫なんじゃ」

「どういうこと?」

「奥の方に繋がってるように見えたので、もしかしたらと……」

 

 なるほど。連鎖式ならそういう考えもありか。爆弾に近づき、スイッチを押す。

 赤い光が消えた。確認のため手で触ってみるが、何も起こらない。解除に成功した。まあ、こんな簡単に成功すると思ってなかったけど。

 

「よかったねアルちゃん」

「はあ~。びっくりした~」

「驚きすぎ」

 

 さて、問題はこの洞窟だ。誰がやったかという目星も大体ついてるが、どこに繋がるかわからない。

 

「これ人口の洞窟だけど、入る?」

 

 私の問いにムツキが答える。

 

「入る入るー! だって面白そうじゃん」

「え、入るの!? 明かり持ってきてないのに!」

 

"これが明かりの代わりになるかな……?"

 

 タブレットの光なら役目は十分果たせる。

 先頭に先生、私、便利屋という順番。電車ごっこのように一列になって探検を開始した。

 

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