ゲヘナに戻った私は車を降りて部室に向かう。銃をかき集めてバックに入れる。
幸いなことにヒナは穴から出ていない。もう茶番は終わり。迷走したけど、本格的にキヴォトスを潰すことにした。
「やあやあリンネちゃん。何をしようと――」
ホシノの顔面を殴って逃げる。いつかのお返しだ。先生と便利屋が穴を見ている隙にバイクを回収。
アビドスの使われていないビルを拠点に活動する。つまり、責任の全てをアビドスになすりつけられる。
バイクを走らせてアビドスに向かう。私は今、どんな顔をしているのかな。
「着いた着いたっと」
「先生に雷の槍送って、キヴォトスを混乱状態にしよう」
キヴォトスをかき乱す。私の目的であり、通過点。新たな脅威となるための最も効率の良い方法。先生を傷つければキヴォトス全土が敵になる。
機嫌よく鼻歌を歌いながら準備する。レールガン、セット。待つこと一分。充電完了の表示が出る。
装置の電源を切り、ゲヘナに置いた小型カメラから様子を伺う。ホシノと先生、便利屋も一緒になってヒナを救い出している。
「お人好しの集まりだなー」
今日の予定は終了。さあ、キヴォトス崩壊の幕開けだ!
♢♢♢
先生は仕事に手を付けていなかったことを思い出し、缶詰状態になっていた。しばらくはコンビニの弁当やエナジードリンク、カップラーメンといった食事になる。
自分の健康より生徒の方を取る先生だが、正直怒られる気しかしない。
「先生、ちゃんと健康管理はしなきゃダメですよ!」
「そうです。アロナ先輩のようにイチゴミルクを飲み過ぎてはいけません」
「プ、プラナちゃん! それはまあ、うらやましいですけど……」
「プラナジョークです。アロナ先輩」
アロナとプラナの絶妙な掛け合いが心を和ませる。先生は時計を確認し、昼食を取り出す。
"今日はカップラーメンの気分だ。"
お湯を注ごうと立ち上がる。
一瞬、ピリッと静電気が走る感覚を覚えて窓を見る。
シャーレの窓ガラスが割れ、脇腹から血が噴き出す。建物が振動したと思うと、大爆発を起こした。
この日、シャーレは一瞬の内に崩れ去った。
そして始まるのはキヴォトスの混乱。リンネの思い描いた最悪のシナリオが幕を開けた。
♢♢♢
シャーレが崩れ落ちる様子を見ている人がいた。
いや、人と呼べるかは怪しい。スーツを着ているが、見える部分はほぼ黒い。
言うなれば、黒服。
「これは、笑えませんね」
先生の損失はゲマトリアにとっても問題。黒服は踵を返し、独自に行動を開始した。
ついに、リンネがキヴォトス崩壊の一手を打ちました。彼女は止まらず突っ走ります。
先生は腕がなくなったり足がちぎれたりしても前に進みそうだからね。
体はよくても、心は大丈夫かな?