転移したら暗黒の破壊者に変身出来る様になった件 作:仮面大佐
目の回るような忙しさだったが、皆のおかげで、ひと段落する事ができた。
リムルは紫苑に尋ねる。
「で、俺の今日の予定は?」
「本日は、特に急ぎの予定はありません」
「おお!良いねぇ!」
「たまには、ゆっくりお休みください。」
「確かに……………休暇とか無かったからな。たまにはのんびり羽を伸ばすか」
「よ〜し!仕事の事なんかぜ〜んぶ忘れて、ダラダラするぞ〜!」
「ハハハハハ!どうぞ、気が済むまで」
そうして、俺とリムルは休む事にした。
まあ、俺はあくまで側近の立場なので、休みは無いが。
一応、何体かレプリケミーを作っておいた。
先日、アークから受け取ったDr.アークグラッジのカードも、レプリ版を作っておいたしな。
ちなみに、ファンタスティック属性やコズミック属性、レベルナンバー10に関しては、力が強い為、そこまで量産出来ていない。
その為、奥の手として運用する事を決めている。
魔王ゲルドクラスの敵が現れた時に使うと。
それに、リムルやシズさんの為のガッチャードライバーも作りたいが、一人でやるには限界がある。
技術者が欲しい所だな。
だが……………これまで、仕事がたくさんあったのに、急に休んで良いと言われると、妙に落ち着かないな。
俺も前の世界では、イラストレーターとして活動していたが、この世界でもイラストレーターとして活動しようかな。
そんな風に考えていると、リムルが入ってくる。
「なあ……………なんかない?」
「ん?」
どうやら、リムルも同じ考えに至ったそうだ。
その後、俺たちはゴブタと会い、話をする事に。
「………………で、結局、リムル様は仕事場に戻ったんすか?」
「何もしなくて良いって言われると、ソワソワしちゃってさ」
「確かに。これまで、仕事が多かったからな」
俺とリムルがそう言うと、ゴブタが口を開く。
「た〜っ!折角の休み、楽しまないとダメっす!」
「お………………おう」
「最近は、面白い店も増えたんすよ」
「へぇ」
「頼れる自分が案内するっす!」
こうして、ゴブタの案内の元、俺たちは暇を潰す事にした。
ゴブタを始めとするテンペストの住人達とも、仲良くなる事が出来ていて、今では仲間として受け入れられている。
ゴブイチの店に寄り、焼き串を食べる。
「へい、お待ち」
ゴブイチに金を払って、俺たちは焼き串を食べる。
ちなみに、俺とリムルは、フルーツの盛り合わせを持っている。
「どうっすか?この辺の屋台、美味いっすよね」
「んもう〜」
「美味いな」
「あっちには!土産物屋もあるっすよ。」
「へぇ……………」
「ここだけの話、早くお姉ちゃんの店とかも欲しいっすねえ」
「お〜お〜!」
いや、その店は、どうだろう……………。
紫苑にキレられて、終わりな気がするな。
というより、リムルには、シズさんという運命の人が居るんだから、あんまりそういう事はしない方が良いんじゃ……………。
すると、後ろからリグルの声が聞こえてくる。
「あいつ、どこ行った?」
「お……………?ハッ!?」
後ろを向くと、リグルと白老が誰かを探していた。
それで、ゴブタのこの反応。
どうやら、サボりの様だな。
すると、ゴブタが叫ぶ。
「やばい!リグル隊長と師匠っす!」
「おおお〜!?」
「おい待て!」
ゴブタが走り出したのを見て、俺とリムルも追いかける。
ちなみに、リムルは果物を落としたが、俺は落とさずに追いかける。
それで、ある建物の陰に隠れる。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……………」
「気のせいかのう?」
「上手く撒かれましたね」
「フ……………いやあ、休日を楽しむのも、一苦労っすね」
「……………いや」
「お前、さてはサボりだな?」
ゴブタがそう言う中、俺とリムルはそう突っ込む。
その後、俺はゴブタをリグルと白老の元に連れて行った。
そして、ゴブタは俺に対して『裏切り者ォォォォォッ!?』と叫びながら、リグルと白老に連行されて行った。
ていうか、サボってる奴が言うな。
一方、紅丸は、玄関の方で刀の手入れをしていた。
朱菜は、紅丸に話しかける。
「あら?お兄様、今日は控えの日なんですか?なら……………」
「いや。例え休日でも、心身の鍛錬と武具の手入れは欠かせない物だ。穏やかな日だからこそ、守りの剣は磨かれなければならない。リムル様や閻魔殿、お前や街の皆の為にな」
紅丸はそう言う。
すると、鹿おどしの音が響く。
(お兄様……………)
朱菜がそう思う中、紅丸は刀を納刀する。
朱菜は、紅丸の背中を摩り、頬を紅丸の背中にくっつける。
すると。
「でも……………!」
「おっ!?」
朱菜は紅丸を立たせて、外に出す。
「お掃除しますので、外でやってくださいね。」
「……………………」
朱菜はそう言いながら扉を閉めて、紅丸は呆気に取られる。
すると。
「あっぱれ!」
「ん?おお、アッパレブシドーか。」
そんな声が聞こえてきて、紅丸が振り返ると、そこにはアッパレブシドーの姿があった。
ケミーを放っているのだ。
自由に過ごしてほしいから。
「あっぱれ!」
「そうだな、俺も付き合うか。」
アッパレブシドーは、紅丸に付き合って欲しいと言い、紅丸もそれを了承する。
二人は、どこかへと向かう。
一方、俺たちは、ゲルドとギルドの元に向かっていた。
どうやら、ゲルドとギルドも、休みを貰ったそうだ。
「何だかんだ、俺たちも仕事中毒だったみたいでさ」
「ああ。ゲルドとギルドの事、言えないよな」
「リムル様と閻魔殿は、何事も楽しんでおられますから。う〜ん……………」
「うん?」
「俺たちは、ただ無心に働く事のみで……………」
「ゲルドの言う通りだな。いざ、休みを頂いても戸惑うだけでして……………。何も手につかず、街の皆から浮いてしまっている感じで……………」
「ん………………」
ゲルドとギルドがそう言う中、ゲルドとギルドの周囲には、ホブゴブリンの子供達が集まっていた。
「子供…………好きなのか?」
「いや……………ああ………………その……………」
リムルの質問に、ゲルドがどう答えようかと悩む中、ゲルドによじ登ろうとしていた子供が落ちる。
すると、ゲルドはキャッチする。
「うっ…………ああっ!」
「おっと。危ないぞ」
「アッハハ!アハハハハ…………!」
「好きと言うよりは……………俺とゲルドが座っていると、なぜかこうなるんですが……………」
「慕われてるな」
なるほどな。
まあ、隣もだけど。
「ゴリ〜」
「あははは!」
その隣には、ゴリラセンセイの姿があり、子供達と一緒に遊んでいた。
俺とリムルは、それを微笑ましく見ていた。
一方、蒼玉は、蒼華達と共に蒼影の指示を受けていた。
「いざという時、動けないのでは意味がない。休める時に、交代で休みを取る様に」
「ハッ!」
蒼影の指示を聞いて、蒼玉達は休む事に。
無論、交代で。
そんな中、蒼玉は蒼華に話しかける。
「はぁ………………」
「どうしたんだ?」
「蒼玉か。蒼影様は、ああ仰っているのに、蒼影様自身は、決して休まれない。このままでは、お体を壊しそうで……………」
「ああ……………蒼影様なら大丈夫です。ほら」
蒼華がそう言う中、銅金は後ろの方を指差す。
そこには、蒼影がもう一人いた。
分身を使って、休んでいたそうだ。
「交代で……………!?」
「みたいですね」
蒼華が驚く中、蒼玉はそう言う。
一方、俺たちは、執務室に向かっていた。
リムルが分身などをして、朱菜に気づかれるかどうかという感じのをやって、朱菜に気づかれた直後、ドアがノックされる。
「失礼します」
「おっ!リリナさん、珍しいね」
そう言って入ってきたのは、リリナ。
リムルがドワルゴンから帰ってくるまでの間にやって来た、ゴブリンの村のリーダーの一人であり、リグルドとは旧知の仲だそうだ。
「どうしたんですか?」
「季節柄、畑の準備の頃合いですが、如何しましょう?」
「おお」
「それだ!早速、明日の朝、皆を集めてくれ!」
「はい!それでは、皆に声を掛けますね。」
「頼む」
そう言って、リリナは執務室を後にする。
畑か………………。
そういうのも、アリかもな。
そう思う中、リムルは俺に話しかけてくる。
「閻魔」
「うん?」
「折角だし、シズさんも連れて行くか?」
「だな」
俺たちは、シズさんも連れて行く事にした。
畑作をやる理由は、人口増加に伴う、街の自給率向上の為だ。
ちなみに、シズさんは、作業をしやすい様にもんぺ姿になっていた。
「古来より、飯の美味い土地は、良い土地だと言う。うちもぜひそうありたい」
「という訳で、今日は皆も力を貸して欲しい」
「分かりました!」
俺たちがそう言うと、皆が返事を返す。
そして、話し出す。
「街で売ってる様な野菜も、俺たちで作れるのかなあ」
「お手伝い楽しそう!」
「いっちょ皆で頑張ろうぜ!」
「腹が減っては何とやらと言いますからな」
「子供達を、飢えさせたくはないですな。」
「確かに」
「そうだろ、そうだろ!アッハハハハ〜!」
皆がそう話して、リムルは笑う。
すると。
「分かります!美味しい物を、食べたいですよね!」
「よし!植え付け開始だ!」
「お〜!」
「あははは……………」
紫苑がそう言いながら鍋を持ってくるので、俺はそう叫ぶ。
それを聞いて、シズさんは苦笑する。
シズさんも、紫苑の料理は恐ろしく感じたそうで、曰く。
「………………料理を見て、命の危険を感じたのは、初めてかも」
との事だ。
シズさんは、戦時中の日本から来たという事もあり、食べれる物は食べれる時に食べておくという主義だが、流石に紫苑の料理は無理だそうだ。
俺たちが分担を決めてる中、ゴブタ達は。
「オイラ達もいっちょやるっす!」
ゴブタ達は、畑を耕し始める。
そんな中、ゴブトとゴブツが話し始める。
「だりーよなぁ……………」
「だよなぁ」
「は〜……………サボりてえ」
「おらは結構面白いだす」
「た〜!つまんねえ事言ってるし」
「お〜い、ゴブタ、聞いてんのか〜?」
ゴブトがそう言いながらゴブタに話しかけるが、ゴブタは横には居らず、木陰でサボっていた。
「って、あ〜!あいつ、やってるふりしてサボってやがる!」
「ゴブタ!何サボってんだよ!」
それを見たゴブトとゴブツは、ゴブタに近寄りながらそう言うが、ゴブタは口を開く。
「違うっすよ。瞑想の修行をしてたんすよ。」
「瞑想!」
「そうか!瞑想!」
そう言って、ゴブトとゴブツもサボる。
ゴブゾウが一人で畑を耕す中、黒兵衛がやって来る。
「お〜い!ゴブタ君!」
「うわっ……………黒兵衛さん!」
黒兵衛が声を掛けた事に驚いて、起き上がるゴブタ。
「リムル様と閻魔殿から頼まれていた物が出来ただよ」
「マジっすか!やったー!待ち侘びたっすよ!」
黒兵衛が言う物とは、以前、ガビルがやって来た際に、ゴブタがガビルを倒した事で、ご褒美として作らせたのだ。
「あん時のすっね!いやぁ死ぬかと思ったっすよ」
「フッ……………ゴブタ君。そいつは一振りで大地を砕き切り裂く…………オラの会心の業物だべ」
「す……………すげえっす!これさえあれば、まさに鬼に金棒………………金棒………………っす?」
ゴブタがそれの布を取ると、そこにあったのは、金棒ではなく、鍬だった。
「うおおおおおおお!」
ゴブタがその鍬を使って、畑を耕すと、凄い速度で耕されて行く。
「すげえぞ、ゴブタ!」
「硬い地面があっという間に!」
「耕されて、耕されて!」
「「まるで鍬が体の一部みてえだ!」」
ゴブトとゴブツはそれを見て、ゴブタを褒める。
だが、当のゴブタは。
「うぉぉぉん!自分には、これがお似合いって事っすかーーーっ!」
そんな風に泣いていた。
それを見ていた俺たちに、黒兵衛が話しかける。
「なんか、間違ってただか?」
「………………」
「渡すタイミングと、言い方を間違えたな……………」
「あははは……………」
まあ、大地を砕き切り裂くのは、間違ってないな。
蒼炎は、こうなる事を分かっていたのか、大爆笑していた。
一方、紫苑は、沢山の大豆を前にして、見ていた。
「何ですか?この豆。随分とたくさん蒔きますね」
「それは大豆」
「へぇ……………」
「上手くいけば、色んな物に加工できるよ」
「そうね。味噌や醤油、納豆とかも良い感じね!」
紫苑が首を傾げながらそう言うと、俺とリムルはそう言う。
そういえば、シズさんは戦時中の日本の出身だから、納豆は好きなのかもな。
ちなみに、俺は納豆が大好きだ。
だから、楽しみだ。
そんな中、紫苑は首を傾げる。
「なっとー?」
「ああ。納豆というのはな、保存が効いて、長く食べる事が出来るんだ」
「へぇ……………」
「あと、簡単に言えば、腐った豆!」
「腐った……………?」
俺は、紫苑に納豆がどういう物かを伝えた。
すると、紫苑が叫ぶ。
「リムル様は腐った物が好き…………!リムル様は腐った物が好き…………!」
「訂正する!発酵な、発酵!」
「今後のお食事にご期待下さい!腐った物を食卓一杯漁ってきますので!」
「やめろ紫苑!メモを取って、何を作る気だ!?紫苑!!」
リムルの叫びが響く。
言い方が悪かったな。
というより、言い方がかなり簡潔気味なんだよ。
俺とシズさんはそれを見て、苦笑していた。
その後、ガビル達に水田を案内していた。
稲を育ててもらう為だ。
「という訳で、ガビル達には、稲を植えてもらう」
「お〜!ありがたき幸せ!では、歓喜の歌を〜!」
「それは良い」
「湿地に生息しているお前達にはピッタリだろ?」
「はっ!ここなら如何なる戦いでも……………負けませんなあ!何なら、技のキレを
「それも良い」
というより、ここは水田だぞ。
ここで戦う訳じゃないからな。
俺は念の為に、釘を刺しておく。
「言っとくが、米の改良と栽培は割と本気で取り組んでるからな。浮かれたりしてると……………」
「何と失礼しました」
分かってくれたか。
俺たちとしても、たまには白米を食べたい。
「我ら一同。その気持ちに応えるべく……………神聖な舞を〜!」
ガビル達はそう言って、ざるをどこからともかく出してきて、踊りだす。
どじょう掬いじゃねぇか。
「あ、びっちゃばっちゃ!びっちゃばっちゃ!よいよいよいよい!」
「良いから早く始めてくれませんかねぇ」
「賑やかだね……………」
「ガビル達はこういう奴らだったよな……………」
そうだ、こういう奴らだった。
ダメだこりゃ。
何とか作業を始めたのを見て、俺たちは移動する。
すると、ゴブタが話しかけて来る。
「リムル様と閻魔殿だ!リムル様〜!閻魔殿〜!」
「おお、ゴブタ!」
「どこ行くんすか?」
「ああ。リリナさんに先に作ってもらってた春野菜の畑があるんだ。一緒に見にいくか?」
「行くっす!」
「よし、じゃあ頼む」
俺たちは、春野菜のエリアに向かう。
「「「おお〜!」」」
それを見て、俺たちは感嘆の声を出す。
「すげーっすね!もう出来てるじゃないっすか!」
「今日は賑やかで、何だか嬉しいですね」
「だろ?今年は畑も大きく作るんだ。皆、初めての奴も多いけど、面倒見てやってくれ」
「はい!私はこの街の農業担当ですから!任せて下さい!」
頼もしいな。
すると、ゴブタは案山子に気づく。
「あ?何で畑の真ん中に人形があるんすか?」
「案山子だよ。カラスよけの」
「でも、あまり効果が無いんですよ。折角の春野菜も、こんな有様です」
リリナはそう言って、一つの春キャベツを取り出す。
その春キャベツは、齧られていた。
「げ!俺の好きな春キャベツ!」
「齧られてるね………………」
「一応、ホークスターにも手伝ってもらってるんですが、なかなかに重労働でして…………」
「あいつら、頭良いんすよ!こんなチャチなんじゃダメっす!自分に任せて下さい!」
リムルとシズさんがそう言うと、リリナさんはそう言う。
そう、ホークスターも手伝ってくれているが、ホークスターだけでは大変だろうな。
ゴブタはそう言うと、作業を始める。
「おりゃあああ!出来た。どうっすか?この逞しい肉体。そして、精悍な顔立ち。これでもう安心すよ!ちょっと隠れて見てみましょう!」
「精悍……………?」
「どうかな……………?」
その案山子は、ゴブタに似た様なデザインとなった。
ある種の不安を抱きながら、俺たちは隠れる。
「これならあいつらもビビって、絶対に大丈夫っす」
俺たちが見ている中、その案山子は、動物達に攻撃されまくり、壊れてしまった。
ゴブタが、ムンクの叫びみたいな顔になった後、壊された事実に撃沈していた。
「あう……………あう……………あう……………」
「これ吊るしてみ」
「何です?これ?」
「これは何なの?」
「目玉君って言ってな。カラスよけのアイテムだ」
まあ、案山子よりもそっちの方が良いかもな。
その後、俺、リムル、紅丸、シズさんの4人で、稲を植えていく。
「ふぅ……………」
「良い感じじゃないか?」
「うん」
俺とリムルとシズさんがそう話す中、蒼影は、別の場所で、クナイを地面に刺していた。
それも、等間隔に。
「凄い……………」
「確かに……………」
「フッ。巡回警備の時間だ。行くぞ」
「はっ!」
蒼影はそう言って移動する。
そんな中、蒼華と蒼玉は、地面に突き刺さったクナイを一本ずつ取って、つぶやく。
「種まき…………したかったのかな…………?」
「そうかな……………?あっ」
そう呟く中、蒼影が二人が持っていたクナイを糸で回収する。
「遅れるな」
「はっ、はい!」
「分かりました!」
二人はそう返して、蒼影に向かう。
一方、朱菜達は、炊き出しの準備をしていた。
「朱菜様!鍋の準備ができました!」
「ありがとう」
「「ただいま」」
ハルナと朱菜がそう話す中、ガルムとドルドの二人が帰って来る。
「ガルムさん!ドルドさん!お帰りなさい!」
「おや、朱菜ちゃん達も畑に行くのかい?」
「ええ。仕事がひと段落したので、炊き出しに」
「頑張る皆さんの為に、お昼には温かな物を食べていただこうと思いまして」
「おお。そりゃ良い」
「あとは任せて行ってきな」
「ありがとうございます!」
「では、行ってきます!」
ハルナと朱菜は、畑の方に向かう。
それを見ていたガルムとドルドは。
「良い娘だなぁ。兄弟」
「そうだなぁ。兄弟」
「「んっ!」」
そう話すと、猛然と作業を始める。
「お尻と足首がキュッと!」
ガルムは板にデザインを書いて、それを積み重ねていき、ドルドはミシンを使う。
「いける!いけてる!」
二人が作業をする事しばらくして、作業は終わり、もんぺ服が出来上がった。
それを見ていた二人は。
「もんぺ姿いいなあ、兄弟」
「そうだな、兄弟。流行らそう」
二人は満足していた。
周囲は、布やら糸や裁縫道具で散乱する中、それを見ていたカイジンは。
「…………………お前ら、仕事熱心だな」
そう言うと、上から梁が落ちてきた。
一方、畑の方では、ゲルドとギルドは色んな人たちに呼ばれていた。
「ゲルドさ〜ん!」
「おう」
「ギルドさ〜ん!」
「待ってろ。すぐに行く」
ゲルドとギルドは、物を運搬していた。
そんな中、俺とリムルは、ゲルドとギルドに話しかける。
「お〜い、ゲルド、ギルド」
「ああ……………」
「折角だし、二人も植えてみろよ」
「いや……………俺たちは運搬役で………………」
「良いから、良いから」
「はっ、はぁ……………」
ギルドとゲルドは、俺たちの言葉に折れて、苗を植える事に。
「そうそう。等間隔に」
「苗を潰すなよ」
「ん…………う〜ん……………」
「これで良いですかね?」
「ああ。これで、夏には実が一杯食べれるぞ」
「実が………………」
俺がそう言うと、ギルドとゲルドはその苗を見ていた。
しばらくの静寂の末、口を開く。
「……………見にきても良いでしょうか?」
「時々……………」
「おう」
「皆で見に行こう」
俺たちはそう話す。
その後、昼飯になった。
「ずっと中腰は流石に堪えるのう…………」
「何言ってるだ。誰よりも正確で速かっただ」
「ヌホホホホ。年の功よ」
白老と黒兵衛は、そう話す。
そんな中、ゴブタは鍬を持ちながら言う。
「自分のご褒美って、本当にこれなんすかね?」
ゴブタは、若干不安になっていた。
一方、朱菜は皆にお昼ご飯を配っていた。
「はい!」
「ありがとうございます!」
「お兄様もお昼いかがですか?」
「うん」
朱菜の受け取った昼食を持ちながら、子供が移動するのを見ながら、朱菜は紅丸に尋ねる。
すると、子供達が紅丸に質問をする。
「紅丸様!」
「うん?」
「どうしたら、紅丸様みたいに強くなれるんですか?」
「うんうん!」
「そうだな……………」
子供達の質問に、紅丸は子供達に視線を合わせる。
「好き嫌いなんかせず、何でもよく食べる事かな。そして……………まずは…………」
「わっ!」
紅丸はそう言いながら、石を握り潰す。
「強い体を作るんだ。」
「うわ〜!分かりました!紅丸様!ありがとう!」
「おう!午後も頑張ろうな!」
「は〜い!」
「しっかり食って、強くなれよ!ちびっ子ども!」
子供達は駆け出して、紅丸はそう言う。
そんな中、朱菜が話しかける。
「お兄様もどうぞ」
「ああ」
朱菜はそう言って、お盆を渡す。
そんな中、スープの中に人参が入っている事に気づいて、紅丸は朱菜に言う。
「いや……………だからちょっと、人参避けてくれって……………!」
「あら?強くなれませんよ。はい」
朱菜は、紅丸に有無をいわせずに、お盆を渡す。
俺たちはおにぎりを食べながら周辺を見る。
春の空気がガツンとくる。
土の匂いは意外と強い。
空気を胸に、飯を腹に。
ただそれだけで、満たされる。
ただそれだけで、実感できる。
そんな中、シズさんが口を開く。
「懐かしいな……………」
「シズさん?」
「子供の頃、よくお母さんと一緒に、畑で作物を育ててたのを思い出すよ」
「そっか………………」
シズさんは思い出していた。
かつて、魔王レオン・クロムウェルによって召喚される前、よくお母さんと一緒に、作物を育ててた事を。
「寂しくないのか?」
「………………確かに、もうお母さんと会えないのは寂しい。でも、新しく出来た第二の故郷で、こんなにも楽しい。だから、寂しくないよ」
「そっか。じゃあ、俺たちも手伝わないとな!」
「ああ!」
「一緒に頑張ろう。」
俺たちは、作業を再開する。
そんな感じで作業をしたら、夕方になっていた。
俺たちは、口を開く。
「じゃあ、無事、植え付けの終了を祝って、乾杯!」
「お疲れさん!」
俺たちは、食事をする事にした。
「んぐ、んぐ……………プハーッ!美味しい〜!」
「おっ!ロールキャベツ!」
「秋には無事に稲がなると良いなぁ」
「お疲れ。良い働きぶりだったな」
「貴殿もな」
「お疲れ様です」
「我輩の水田の舞はいかがでしたかな?」
「ヤッハハ…………失敬。見ておりませんで」
「うーわっ!美味そうな匂い!たまんねぇ!」
「鍬さばきなら、自分に任せて欲しいっすね!」
「よっ!ゴブタ!」
そんな風に、皆が作業の疲れを労い、ご飯を食べていく。
そんな中、俺とリムル、シズさんはトレイニーさんと一緒にいた。
「皆さん、お疲れ様でしたね」
「まあ、本当に大変なのは、これからだろうな」
「そうですね。収穫までは色々……………でも、今年はきっと良い作物が取れますよ」
「うん。きっと良い作物が出来るよ」
「おお。お墨付き!トレイニーさんは植物の専門家だしな」
「ええ。ですから……………」
「「うん?」」
「待っていたんですよ、私。お、さ、そ、い……………」
トレイニーさんはそう言って、リムルの麦わら帽子を自分に被せながら、そう言う。
あ、やべ。
この人誘うのを忘れてた。
すると、トレイニーさんは涙を浮かべながら、スコップでその辺の土を掘る。
「
「ごめんなさい!収穫時にはちゃんと声をかけますので………………!」
「あー。泣かせた、泣かせた」
「機嫌なおして下さい。ほら、ポテチありますよ!」
「…………………ぐすん」
「アハハハハ…………………」
こうして、俺たちはトレイニーさんを宥めるのに、苦労した。
その後、トレイニーさんの事を知ってか知らずか、梅雨が始まった。
異世界にも、梅雨はあったのだ。
それを、俺、リムル、シズさん、ゴブタは外から見つめていた。
「今日も雨っすか。毎日これじゃあ、気が滅入るっすね」
「まあ、梅雨だしな」
「あらあら。そんな事を言わないで下さい。雨は必要なんです。天からの恵みを大地がたっぷりと受け止めて、緑は茂り、虫たちが増え、小動物が繁殖し、またそれが土に……………」
トレイニーさんはそう言うと、ポテチを食べて、口を開く。
「あら、新味。そうして、森は着々と大きくなっていくのですから」
「そうなんですね」
「へぇ……………だからちょっと太ったんすね。」
「おっ……………!?」
「ちょっ……………!?」
「あ」
すると、雷鳴が響き、雨足が強くなる。
俺はゴブタに言う。
「おい!早く窓を閉めろ!」
「はいっす!」
トレイニーさんを怒らせると、自然環境に影響を与えかねんな。
というより、ゴブタ、それはあまりにも失言だろ!
こうして、外は嵐となったのだった。
そして、中も。
シズさんは、黒笑を浮かべながら、ゴブタに近寄る。
「ゴブタ君。前にも言ったよね?そういうのは言っちゃいけないって」
「は、はいっす………………」
シズさんは、ゴブタに対して、説教をおこなった。
ゴブタは、白くなって撃沈した。
今回はここまでです。
今回は、農業の話です。
テンペストでは、ケミー達も自由に過ごしています。
そんな中で、農業をやっていく。
リムル達のドライバーに関しては、ベスターが来てからです。
次回は、夏の話になります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
閻魔のヒロインに、悪魔三人娘が入っていますが、どんな風に出会わせましょうか?
閻魔自体、人間なので、名付けも命懸けですし。
今後の展開などでリクエストがあれば、活動報告にて承っております。
ガッチャードの今日の話を見ると、ケミーを出しても大丈夫かなと不安になりますね。
閻魔の進化はどうするか
-
仙人から聖人
-
魔人になる
-
その他