転移したら暗黒の破壊者に変身出来る様になった件   作:仮面大佐

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第26話 暴風大妖渦(カリュブディス)

 厄災、暴風大妖渦(カリュブディス)が復活した。

 そいつは、空泳巨大鮫(メガロドン)という鮫型の魔物を連れて、中央都市リムルへと向かっていた。

 こちらの戦力は、紅丸達鬼人勢、ゴブタ達 狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)、ギルドとゲルド率いる猪人族(ハイオーク)部隊、ガビル率いる龍人族(ドラゴニュート)達、シズさんだ。

 更に、ドワルゴンから援軍として、ペガサスナイツ100騎が派遣された。

 ペガサスナイツを率いていたドルフさん曰く、ガゼル王はこう言ったそうだ。

 

「弟弟子達が困っているのなら、助けるのは当然であろう」

 

 との事。

 あの人、兄弟子風を吹かせてくるよな。

 まあ、心強い援軍なのは、間違いないが。

 

「さて…………」

「行くぞ」

「おう!」

 

 こうして、俺たちとカリュブディスが激突する。

 紅丸は、一体のメガロドンへと向かっていく。

 紅丸は、仮面ライダーヴァルバラドに変身していた。

 

「食らえ!黒炎獄(ヘルフレア)!」

 

 紅丸の黒炎獄が、メガロドンに命中して、こんがり焦げた状態で、メガロドンが落ちていく。

 

「流石、紅丸。こんがりと良く焼けた」

「だけど…………」

「お兄様の攻撃でも消滅しないとは、驚きです」

 

 そう。

 紅丸の黒炎獄を喰らった敵は、大抵消滅しているのにも関わらず、メガロドンは焦げただけだった。

 どういう事かと首を傾げていると。

 

「大賢者によると、カリュブディスには、エクストラスキル、魔力妨害があって、半径300メートルの範囲内は、魔素の動きが乱されて、魔法の効果が低下するんだってさ」

「なるほどな………。だとすると、かなり厄介だな」

 

 リムルがそう言うと、俺はそう呟く。

 皆、頑張ってくれ。

 一方、ゲルド達は。

 ギルドはヴァルバラドに変身していた。

 

「くっ………!俺と父王が動きを止める!お前達は、攻撃しろ!」

「ゲルド様!ギルド様!」

「行くぞ!」

 

 ボアとゲルドの2人が、メガロドンの動きを止める。

 2人はメガロドンを抑えると。

 

「やれ〜!!」

「うわぁぁぁぁ!!」

 

 ゲルドがメガロドンの動きを止めて、部下達が攻撃するが、メガロドンに吹き飛ばされる。

 

(さて、どうする!仲間は動けない。コイツを攻撃するには………)

「助太刀いたしますぞ!」

「ガビル殿!」

渦槍水流撃(ボルテックスクラッシュ)!」

 

 ゲルドとギルドがメガロドンを抑える中、ガビルがやって来て、メガロドンを倒す。

 

「ガビル様、かっこいい!」

「然り!」

「怪我人の手当てを!」

「任せとけ!」

 

 ガビルの指示のもと、負傷者にフル・ポーションを使う。

 ギルドとゲルドの二人が、仲間に回復薬をかけている中。

 

「ゲルド殿とギルド殿が動きを止めて下さったおかげで、楽に仕留める事が出来ましたぞ」

「助太刀感謝する、ガビル殿」

「助かった」

 

 ガビル達がそう話す中、メガロドンが更に一体迫ってくる。

 

「我輩達が落とす。あとは、ゲルド殿!」

「うん!今度は、仕留めてみせる!」

「うむ!」

「はあ!」

「ガビル様、かっこいい!」

 

 ガビルはそう言って、メガロドンの一体へと向かっていく。

 一方、ペガサスナイツは。

 

「我がペガサスナイツの誇りに賭け、ここで阻止するのだ!」

「おお!!」

 

 ドルフさんのその声と共に、メガロドンに突っ込んでいく。

 一方、ゴブタ達、 狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)は。

 

「でやぁぁぁ!!」

 

 叫び声を出しながら、メガロドンに突っ込んでいくが、すぐに退却行動を取る。

 

「一旦、退却っす!」

 

 メガロドンが地面に落ちると、他のゴブリン達が、メガロドンに攻撃していく。

 それを見ていた白老は。

 

「ほっほう。囮役と攻撃役。きちんと、自らの役割を見極めよ。死ぬ気でな」

 

 そう言った。

 それを見ていた俺たちは。

 

「白老の采配、見事なもんだ。」

「なんか、死ぬ気でなって、聞こえた気がするんだが………」

「若返って、鬼教官ぶりに、磨きがかかったからな…………」

 

 確かに、あれは本当に鬼教官と言えるだろうな。

 すると。

 

「なあ、私も一緒に遊びたい」

「あ!」

「ミリム!?街で待ってた筈じゃあ………!?」

「け………見学ぐらい、良いであろう?街に居ても暇なのだ」

 

 やっぱり。

 ミリムの性格上、絶対、街で待ってる筈が無いからな。

 カリュブディスとメガロドンを見たミリムは。

 

「なあなあ!やはり私が………!」

「ダメ」

「うぅ………」

「そんな目で見るな」

 

 リムルにダメと言われたミリムは、目をウルウルさせながら、こちらを見てくる。

 そんな感じに見られると、罪悪感が強くなるからやめてくれ。

 一方、メガロドンの上に来た蒼華と蒼玉は。

 

「蒼影様!」

「今です!」

「うむ!」

 

 蒼華の影から、蒼影が現れる。

 影移動を使ったのだろう。

 すると。

 

「操妖傀儡糸!」

 

 蒼影が糸を出すと、蒼影が乗っているメガロドンが突然、他のメガロドンに攻撃する。

 恐らく、操っているのだろう。

 

「おお〜!メガロドンを操って、同士討ちにさせているのだ!」

「もう、何でもありだな、あのイケメン…………」

「凄いな…………」

 

 蒼影って、本当に凄いよな。

 何でもありかよ。

 優秀な仕置人みたいだよな。

 

「頃合いを見て、始末しろ」

「心得ました」

「あとは、お任せ下さい」

 

 蒼影は、蒼華と蒼樹に指示を出して、他の龍人族(ドラゴニュート)達と共に移動する。

 蒼影は、メガロドンを操って、カリュブディスに向かい、紫苑は、嵐牙の上に乗って、他のメガロドンに向かっていた。

 しかも、嵐牙は、空を飛んでいた。

 シズさんはファイヤーガッチャードデイブレイクに変身していた。

 

「空を?」

「嵐牙の奴、いつの間にあんな技を覚えたのか?」

「…………というか、いつ紫苑と組んだんだ?」

 

 俺、リムル、紅丸がそんなふうに声を出す中、紫苑達も口を開く。

 

「今回は何としても活躍し、目立たねばなりません」

「うん。我も、その意見には賛成だ」

「行くよ、皆!」

 

 2体のメガロドンに迫る中、シズさんは必殺技を発動させる。

 シズさんは、デイブレイクアッパレブシドーを、ガッチャートルネードに装填する。

 

ケミーセット!

 

 その音声が鳴る中、シズさんは炎を纏ったガッチャートルネードのトリガーを引く。

 

ケミースラッシュ!

 

「はぁぁぁ!断頭鬼刃!!」

「はぁぁ!」

 

 紫苑の斬撃とシズさんの炎を纏った斬撃によって、2体のメガロドンが真っ二つに斬れたり、炎に貫かれたりしていく。

 

「ワオーン!!」

 

 嵐牙は黒い雷を出して、メガロドンを黒焦げにする。

 それを見ていたミリムは、俺とリムルの腕を引っ張る。

 

「私も!私も!」

「ダメだって言ってるだろ」

「大丈夫だから」

「う〜…………」

 

 ミリムが、頬を膨らませながら、カリュブディスが居る方を向くと、メガロドンは粗方片付けられていた。

 

「はぁ…………。さて、残るは…………カリュブディスのみ」

「そうだね」

「どの程度の強さなのか、見極めてやろうでは無いか」

「それでこそ、嵐牙」

 

 紫苑、嵐牙、シズさんはそう話す。

 一方、 狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)は、メガロドンに追い詰められ、白老の眼前に迫っていた。

 白老は、目を赤く光らせ、刀を抜刀して、メガロドンを細切れにする。

 そんな白老は、ゴブタに声をかける。

 

「不甲斐ないのう。それなりに成長しておるが、たった一匹も仕留められぬとは。修行をますます厳しくせねばならんわい」

「ちょっ………!これ以上厳しくされると、死んじゃうっすよ!じじい!!」

「じじいじゃと?」

 

 白老がそう言う中、ゴブタは白老をじじい呼ばわりして、白老は目を赤く光らせる。

 自分の失言に気づいたが、もう時既に遅し。

 

「ええ………!ああ〜!!」

「ん?何だ?」

「どうせ、ゴブタ辺りが、白老をじじい呼ばわりしたんだろ?」

「リムル様、閻魔殿」

「ああ」

 

 俺たちは、カリュブディスを見つめる。

 そんな中、蒼影は、自分が乗っていたメガロドンを始末し、カリュブディスに乗る。

 

「後は、カリュブディスだけか………」

「ああ」

「あいつらの実力なら、大丈夫でしょう。それに…………」

 

 そう。

 カリュブディスの上には、蒼影だけでなく、紫苑、嵐牙、シズさんも居て、その周囲を、飛行可能な者たちが取り囲む。

 そこから、一斉攻撃をする。

 だが…………。

 

「全然、効いてないみたいだな」

「カリュブディスがデカすぎるから、ダメージがそこまで通ってないんだろうな」

「…………ですね」

 

 俺たちがそう話す中、カリュブディスの気配が変わる。

 何かを仕掛けてくるな。

 俺たちは、思念伝達で、警戒を呼びかける。

 

『何か仕掛けてくるかもしれない』

『全員、油断するな』

「了解です」

「承知」

「心得ました、我が主たちよ!」

「ええ!」

 

 俺たちの声にそう答える。

 すると、カリュブディスが唸り声を出す。

 真眼達が警戒していると、ドルフさんが、何かに気付いたのか、大声を出す。

 

「回避!距離を取れ!!」

 

 ドルフさんの声と共に、ペガサスナイツは、少し下がる。

 すると、カリュブディスの鱗が剥がれ、銀姫達を襲う。

 

「ああ!」

「うわ!」

「くっ…………ふん!」

「くっ…………!」

 

 3人と一匹は、カリュブディスから振り落とされる。

 何とか着地するが、そこに、鱗が襲いかかってくる。

 やばいな、あれ。

 すると、リムルが声をかけてくる。

 

「行くぞ、閻魔」

「ああ」

 

 俺とリムルはそう話して、俺達は、ドライバーを装着する。

 

「いくぞ、ホッパー1、スチームライナー、ユーフォーエックス!」

「ホッパー!」

「スチーム!」

「ユーフォー!」

「俺もいくか」

 

 俺たちはそう言うと、変身を準備する。

 

HOPPER(ホッパー)1!

STEAMLINER(スチームライナー)

クロスオン!

マーベラスオカルト!

STEAMLINER(スチームライナー)

UNICON(ユニコン)

 

 それぞれのカードをドライバーやエクスガッチャリバーに装填して、俺たちは叫ぶ。

 

「「変身!」」

 

ガッチャンコ!X!

UFO-X!スーパー!

ドレッド・壱式

 

 リムルはスーパーガッチャード・クロスユーフォーエックス、俺はドレッド壱式に変身する。

 俺たちは、蒼影達の居る場所に向かって行く。

 一方、蒼影達は、鱗に苦戦していた。

 

「うう………避けられぬ………!」

「避ける?何を甘えた事を!」

「アオーン!」

「ハアッ!」

 

 嵐牙の雷、シズさんの斬撃で鱗は一旦離れたが、全員が疲弊していた。

 そんな中、嵐牙が蒼影に話しかける。

 

「蒼影よ。主は、影移動で逃げるが良い。我が紫苑の盾となろう」

「バカな………!」

「死ぬ気ですか!?」

「フフフ…………リムル様と閻魔殿ならば、生き残る確率が高い方を選択されるだろう。」

「生き残る確率か………。ならば、俺も残ろう。ああ、勘違いするなよ。死ぬ前に本体は撤退するから、気にするな」

「フフッ………蒼影らしいな」

「そうだな」

「………なら、全員で生き残りましょう!」

 

 そう言って、蒼影達は、鱗へと向かっていく。

 だが。

 

「ほんと、お前らって、バカだよな」

「こういう時は、俺たちを頼ってくれよ」

「リムル様!」

「閻魔君!」

「行くぞ、リムル!」

「ああ!食らいつくせ、暴食者(グラトニー)!」

 

 リムルのこのスキルは、魔王ゲルド戦以降に進化した物だ。

 そのスキルによって、鱗があっという間に吸い込まれる。

 俺は、レプリテンフォートレスのカードをスキャンする。

 

X(テン) FORTRESS(フォートレス)

 

 レプリテンフォートレスをスキャンした後、コンススティラーに装填する。

 

ドレイン

 

 その音声が鳴ると、俺の背後にレプリテンフォートレスの幻影が現れて、砲撃を行い、鱗を破壊したり叩き落としたりする。

 

「あ、あぁ………」

「あれだけの鱗が、一瞬で………」

「あとは、俺たちに任せろ。お前達は、一旦下がって、少し休むと良い」

「我々は、まだお役に………」

「慌てるな。それに………あれを見ろ」

 

 そう言って、カリュブディスに指差す。

 すると、鱗が、凄まじい速度で再生していたのだった。

 

「鱗が再生を始めている。次にあれを使われた時、また守ってやれるかは分からないからな」

「しばらく、俺とリムルで相手をするから、紅丸の指示で攻撃してくれ」

「…………ご武運を」

「お気をつけて、リムル様」

「我が主達よ。すぐに応援に戻ります!」

「2人とも、気をつけて」

「ああ」

「行くぞ!」

 

 俺たちがそう説明すると、蒼影も納得した様だ。

 俺はレプリエクシードファイターを取り出して、ヴェヴェルセッターにスキャンする。

 

EXCEEDFIGHTER(エクシードファイター)

 

 レプリエクシードファイターをスキャンした後、コンススティラーに装填する。

 

ドレイン

 

 その音声が鳴ると、背中に飛行機の翼が錬成されて、それを使って飛ぶ。

 俺とリムルは、カリュブディスに向かっていく。

 すると、鱗が飛んでくる。

 

「さてと。やるだけやってみるか」

「だな」

 

 俺たちは、遠距離攻撃手段を用いて、カリュブディスに攻撃していく。

 俺の場合は、ブラッディーUCから破壊エネルギーを凝縮した突き技を行う感じだが。

 すると、カリュブディスが、目から光線を放つ。

 俺たちは躱すが、躱した先の森から、火が出てくる。

 

「あ〜あ………」

「くそっ!」

 

 俺たちは毒付く中、再び鱗が襲ってくる。

 だが、気になる事がある。

 

「う〜ん………少しは痛がってる……か?」

「悪いけど、どういうわけか、俺に鱗が集中するんだけど!?」

「確かに、何で閻魔に?というより、こいつ、もしかして、超速再生を持ってるんじゃ無いか?」

 

 リムルの疑問に納得する。

 パッと見た感じ、3分で再生が完了している気がする。

 カップラーメンを作る感覚で、あの鱗の大量射出が出来るようになると考えると、かなり厳しいな。

 それに、本当に、俺に攻撃が集中するな。

 さてと。

 俺はレプリリクシオンを取り出して、ヴェヴェルセッターにスキャンする。

 

LIXION(リクシオン)

 

 レプリリクシオンをスキャンした後、コンススティラーに装填する。

 

ドレイン

 

 その音声が鳴ると、ブラッディーUCに雷が付与されて、それを使って攻撃していく。

 すると、更に、俺の方に攻撃が集中する。

 一方、紅丸達は。

 

「全員!持てる手段を尽くして、カリュブディスを攻撃しろ!効きが悪くても良い!奴に回復の暇を与えるな!!」

「おおお!!」

 

 紅丸の指示と同時に、地上部隊は、カリュブディスに攻撃を集中させる。

 空からも、ペガサスナイツが攻撃する。

 戦力としては、十分以上。

 総攻撃で、一気に撃墜と思ったのだが。

 戦いは、夕方まで続いていた。

 

「ふう…………」

「カリュブディスに与えられたダメージは、5割程度って所だな」

「総力戦で5割か………」

「皆もかなり損耗してる。このままじゃ、ジリ貧だぞ」

 

 そう。

 やっぱり、抵抗が激しく、仲間達もかなり損耗していた。

 それに、俺も結構レプリのレベルナンバー10を使ったので、厳しい。

 どうしたものか………。

 そう思っていると。

 

「グ………グエ、グア………!」

「「ん?」」

「お…………おのれ、ミ………ミ…………ミリムと閻魔め…………!」

「ミリムに閻魔?そう言ったよな?」

「あ…………俺、カリュブディスの依代になった奴が分かったかもしれん」

 

 まさか、アイツか!?

 それなら、やけにリムルより俺に攻撃が集中したのも、納得がいく。

 そいつの名前を告げると。

 

「………え?じゃあ、何?俺の中にヴェルドラが居るのを察知したとかじゃないの?」

「じゃない」

「じゃあ、ミリムに頼って良いんじゃね?」

「…………というより、その肝心のミリムは、ぐっすり寝ているけどな」

 

 俺がミリムの方に向かうと、ミリムはぐっすり寝ていた。

 

「ミリム!」

「うわ〜!寝てないのだ!起きていたのだ!」「どう見ても寝てたろ?」

「瞑想していただけだ。ちゃんと、お前達を応援していたのだぞ!」

「…………まあ、良いや」

「こいつ、どうやら、お前に用事があるみたいなんだけど………」

「何!?むむ!アイツは、この前来たフォビオとやらを依代にしている様だな」

「「やっぱりか……………」」

 

 やっぱり、フォビオを依代にしてたか。

 俺にパンチを受け止められたのが、余程気に入らなかったのか?

 そう考える中、ミリムはこっちに来る。 

 

「では、私が相手をして良いんだな!?」

「ああ。遠慮なくやってくれ。俺は、少し疲れた」

「それにしても、俺たちが邪魔したみたいで、悪かったな」

「良いのだ、気にするな、なのだ!やるのだ!」

 

 ミリムがそう聞いてくると、俺とリムルはそう言い、ミリムはやる気を出していた。

 すると、リムルが釘を刺す様に口を開く。

 

「あ、それと………」

「はい?」

「フォビオって、魔王カリオンの配下だろ?生かして、助けたいんだけど………」

「ワッハハハ!その程度、造作もない!最近学んだ、手加減を見せてやるのだ!」

「手加減ね…………」

 

 若干、不安だが、任せるとしよう。

 ドルフさん達には、退避してもらった。

 すると、カリュブディスが再び呻き声を出す。

 

「ぐっ………!グガァァァ!ミリ…………ミリムめ!」

 

 カリュブディスは、ミリムに向かって、鱗を射出する。

 だが、ミリムは慌てていなかった。

 

「その技は、もう見たのだ。今度は、私が見せてやろう」

 

 ミリムがそう言って、手を空に掲げると、鱗の動きが止まる。

 そして、手を下げると、鱗は落ちていく。

 

「これが………手加減という物だァァ!!竜星拡散爆(ドラゴ・バスター)!!」

 

 ミリムの攻撃が、カリュブディスに着弾すると、爆発する。

 それを見ていた俺たちは。

 

「「手加減って、一体…………」」

 

 そう呟いた。

 リムルが、フォビオを回収した。

 まあ、フォビオが無事な時点で、手加減と言えるだろうな。

 リムルは、カリュブディスの魔核を、フォビオから除去する作業をしていた。

 しばらくすると、リムルが腰を下ろす。

 

「ふぅ…………」

「疲れた………。頼む」

「はい」

 

 紅丸は、フォビオに回復薬をぶっかける。

 すると、ドルフさんが話しかける。

 

「リムル殿、閻魔殿」

「ドルフさん。助力を感謝する」

「おかげで、カリュブディスを倒す事が出来ました」

「いえ。カリュブディスを倒したのは、我々ではなく…………」

 

 ドルフさんがそう言うと、ミリムの方を見る。

 

「ん?」

「説明してもらえるでしょうか?」

 

 まあ、そうなるわな。

 

「いや…………その…………」

「実は、この少女は、魔王ミリムといって………ね」

「ん?………うん」

「フフン!」

 

 俺とリムルがそう言うと、ミリムは誇らしげにする。

 すると、ドルフさんが笑い出す。

 

「ハッハッハッ!リムル殿と閻魔殿は、冗談がお好きな様だ」

「む!」

「あの様な高出力の魔法兵器を所持していたのなら、最初にそう申して欲しかったですぞ」

 

 あ、信じてないな。

 いや、信じたらまずいもんな………。

 すると、ミリムが叫ぶ。

 

「冗談ではない!私は魔王なのだ!!私がカリュブディスをやったのだ!」

「なるほど。兵器については秘密………っと。分かりますぞ。奥の手は、隠しておくに限りますからなぁ」

「魔王だと言っておるだろう!」

「人類にとっても、災禍となりうるカリュブディスを始末できたのは、行幸でした。私も、王への報告がありますれば、今回は、これにて失礼致します」

「おい、こら〜!!」

 

 ドルフさんがそう言うと、ミリムはそう叫ぶ。

 まあ、無理もないが。

 

「本当に助かりました。」

「ガゼル王に、よろしくお伝えください」

 

 俺とリムルがそう言うと、ドルフ達ペガサスナイツは去っていった。

 そんな中、リムルはフォビオに話しかける。

 

「よ、目覚めたか?」

「ん………ぐっ………。こ………こは、どこだ?俺は………俺は一体………」

「自分が何をしたのか、覚えているか?」

 

 俺がそう声をかけると、フォビオは、すぐに土下座をした。

 

「すみませんでした!俺は、ミリム様にとんでもない事を………。あなた方にも、迷惑をかけてしまった様で………」

「まあ、それに関しては良いけど」

「何でこんな事をした?」

「なぜ、カリュブディスの封印場所を知っていたのですか?」

「偶然見つけた、などとは言わせませんよ?」

「…………だってさ」

「ああ………はい。それは………」

 

 フォビオは話した。

 太った男の道化師のフットマン、小さい女の道化師のティアと名乗る者達が、接触してきた事を。

 

「ティアと、フットマンと名乗る仮面の道化。…………こんな仮面でしたか?」

 

 そう言って、トレイニーは、笑った顔の仮面を地面に描く。

 それを見たフォビオは。

 

「いや………。俺の前に現れたのは、涙目の仮面の少女と、怒った仮面の太った男だった。」

「あ…………」

 

 紅丸は、その怒った仮面の太った男という単語に反応していた。

 恐らく、大鬼族の里を豚頭族が襲撃した際に居た魔人だろう。

 そんな中、ガビルが口を開く。

 

「あの〜………。そのラプラス殿も………」

「ラプラス?何か知ってるのか?」

「ああ、はい。ラプラス殿は、ゲルミュッドの使いとして、我輩の前に現れた者なのですが………。今、トレイニー殿が仰った仮面を被っておりましたぞ」

「ん!」

「それに、中庸道化連(ちゅうようどうけれん)という、何でも屋の副会長だと名乗っておりましたなぁ」

 

 中庸道化連か。

 どうやら、魔王ゲルドの一件に、今回のカリュブディスの一件。

 暗躍している奴が居るみたいだな。

 

「点と点が繋がったな」

「なるほど。あの者の名は、ラプラスというのですね」

「フットマンね…………。その名、覚えておくとしよう」

「ええ。お兄様」

「その中庸道化連は、協力する体を装って、自分達の手を汚さずに、相手を利用して、目的を達成するのか………」

「厄介そうな相手だなぁ………」

 

 リムルがそう言うと、ミリムの方を見る。

 すると、ミリムは反応する。

 

「むむ………?私は何も知らないのだ。寧ろ、そんな面白そうな奴らが居るなら、是非とも会ってみたかったのだ」

「そうか………」

「もしかすると、ゲルミュッドではなく、クレイマンの奴が、何か企んでいたのかもしれないな。内緒で………」

「クレイマン?」

「確か、魔王の一人だったか?」

「そうだぞ。奴は、そういう企みが大好きなのだ」

 

 どうやら、クレイマンって奴が、黒幕の可能性が高いな。

 すると、フォビオが話しかける。

 

「…………誰の企みに乗せられたといえど、今回の一件は、俺の責任だ。魔王カリオン様は関係ない。だから、俺の命一つで許して欲しい」

 

 そう言って、フォビオは頭を下げる。

 だが、俺たちの答えは決まっている。

 

「…………次からは、もっと用心して、騙されないようにしろよ」

「は?」

「動けるなら、行っていいぞ」

「いや………俺は、許されないだろう。特に、貴方には…………」

「別に、お前の命は要らない」

「なあ、ミリム?」

「うむ!当然なのだ!軽く1発くらい殴ってやろうかと思っていたが、私も大人になったものだなぁ」

「…………殴るつもりだったんだ」

 

 それは、まあ、進歩したな。

 来た時と比べれば。

 

「全然腹が立っていないから、許してやるぞ」

「という事だ。気にするなよ」

「そうだぞ。…………カリオンもそれで良いだろ?」

「え?」

 

 すると、ミリムが後ろを向きながらそう言ったので、振り返ると、ガタイが良い男がやって来た。

 

「カ………カリオン様!」

「フン。気づいていたのか、ミリム」

「当然なのだ」

 

 どうやら、コイツが魔王カリオンか。

 すると、俺とリムルに話しかける。

 

「よう。そいつを殺さずに助けてくれた事、礼を言うぜ」

 

 カリオンはそう言うと、目を細める。

 どうやら、俺とリムルを見極めているのだろう。

 

「…………お前達が、ゲルミュッドをやった仮面の魔人なんだろ?」

「ああ、その通りだ」

「何だ?俺たちに仕返しでもしに来たのか?」

 

 それを聞いた真眼達は、身構える。

 カリオンは、少し呆けた表情をしたが、すぐに笑みを浮かべる。

 

「フッ。いや。立て」

「あ…………はい」

 

 カリオンの命令に、フォビオは立つ。

 そして、徐にフォビオに近寄ったカリオンは、フォビオを思い切り地面に叩きつける。

 カリオンは、俺たちに声をかける。

 

「…………悪かったな」

「え?」

「部下が暴走しちまった様だ。俺の監督不行き届きって事で、許してやって欲しい」

「あ、ああ…………」

「今回の件、借りにしておく。何かあれば、俺様を頼ってくれて良い」

 

 カリオンはそんな風に謝る。

 それを聞いたリムルが口を開く。

「それなら、俺たちの国との不可侵協定を結んでくれると、嬉しいんだが………」

「そんな事で良いのか?」

「ああ」

「良かろう。魔王の………いや。獣王国ユーラザニア、獅子王(ビーストマスター)カリオンの名にかけて、貴様達に刃を向けぬと誓ってやる」

「ああ」

 

 どうやら、何とかなりそうだな。

 すると、カリオンはフォビオを抱える。

 それも、血だらけの。

 

「おら、帰んぞ」

「「一杯血、出てますけど!?」」

「では、また会おう。リムル、閻魔とやら!」

 

 カリオンが何気なくそう言う中、俺とリムルはそう突っ込む。

 カリオンはそう言って、フォビオと部下一人と共に魔法で転送された。

 

「さてと、終わったな」

「俺たちも帰ろう。俺たちの街に!」

「はい!」

 

 こうして、カリュブディスとの戦いは無事に終わり、獣王国ユーラザニアとの国交を結べそうだった。




今回はここまでです。
今回は、カリュブディスとの戦いです。
今回の話で、壱式を出す事が出来ました。
カリュブディスも撃破しましたが、それはあくまで序章に過ぎなかった。
悪意は確実に迫っていた。
その時、閻魔はどうなるのか。
次回は、カリュブディス討伐後の話になります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
閻魔がドラドになるのか、ドレッド終式になるのか、リクエストがあれば受け付けています。
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