転移したら暗黒の破壊者に変身出来る様になった件 作:仮面大佐
俺たちは、ラミリスに話を聞くついでに、休憩を取る事にした。
子供達が駆け回る中、ラミリスは、チョコチップクッキーを食べていた。
「美味しい!うん!美味し〜い!」
ラミリスは、美味しいと言いながら、チョコチップクッキーを食べていた。
ていうより、よく食べるな。
そんな小さな体で、どこに行くんだ?
そう思う中、ラミリスは口を開く。
「殺すつもりも、怪我させるつもりもなかったのよさ」
「本当かよ?」
「本当だって。ビビらせて、ちょっと楽しんで、その後、颯爽と助けて、尊敬される予定だったの!」
「何だそれ?完全なマッチポンプじゃねぇか」
「自作自演って奴?なのに、
「それは、仕方ないんじゃないかな………」
「やらなきゃやられると思ったんだから」
まあ、状況的には仕方ないだろ。
というより、尊敬されるためにマッチポンプを行うなよ。
ラミリスは、言葉を続ける。
「大体ね…………アレはすっごい高性能だったんだよ!」
「うっ…………」
「地の精霊で重量を操作して、水の精霊で関節を動かし、火の精霊で動力を発生させ、風の精霊で熱を調整する元素の集大成!精霊工学の粋を集めて作ったのに!」
「精霊工学?」
その単語には、聞き覚えがある。
そう。
カイジンとベスターが言っていたのだ。
功を焦ったベスターが進めていた、エルフとドワーフが共同で作成していた魔装兵計画という物がある。
それを使えば、ドレッドの量産も出来るのではと。
「それって…………ドワルゴンでエルフとドワーフが共同開発しようとしてた魔装兵って奴だよな?」
「ん……………ピンポン!ピンポ〜ン!よく知ってるね」
「そうなの?」
「ドワルゴンで、そんな事をしていたのを聞いたんだよ。ていうか、閻魔も知ってたんだな」
「まあ、ベスターとカイジンから話を聞いてたんだ」
「あの計画は、精霊魔導核っていう心臓部を作れなくて失敗したんだよ。そもそもね、通常の鋼材で作ったって、精霊力に耐えられるはずないのにね。暴走して壊れちゃった外殻が捨ててあったから、持って帰って復元したの!もしかして、あたしって天才?すごく無い?すごく無〜い?」
そう言って、ラミリスは俺たちにドヤ顔を向けてくる。
うざいが、ベスター達が失敗した研究を、自己流で完成させたのだ。
凄いと思わざるを得ない。
それを使えば、ドレッドの量産が出来るな。
「よし、凄いのは分かった」
「ん?」
「そんな凄いキミを見込んで頼みがある」
「はあ………頼み?何であたしがあんた達の言う事を…………」
リムルがそう言うと、ラミリスはそう言う。
すると、リムルは手から
「聞く聞く!聞いてあげても良い気がしてきたのでありま〜す!!」
「素直なのは良い事だ」
「あんまり、脅迫はしないほうが良いんじゃないのかな……………?」
「魔王を脅迫するなよ…………」
リムルに対して、俺とシズさんはそう言う。
「もちろん、無料とは言わない」
「あ?」
「精霊の守護像を壊したお詫びと言っちゃあ何だが、俺とリムルで、1体ずつ、新しい
「………………早く話しなさいよ」
俺とリムルの言葉に、ラミリスは顔を輝かせる。
まあ、壊したの、俺たちだしな。
それくらいはしてやらないと。
俺たちは、子供達の事情を、何も隠す事なく、全てを説明した。
体内のエネルギーを制御する為に、上位精霊を宿らせたい事。
だから、精霊の棲家に行きたいのだと。
それを聞いたラミリスは。
「なるほどね…………皆、苦労してるんだね」
「という訳で…………精霊女王に紹介して欲しいの」
「ん?あ〜言ってなかったっけ。あたしだよ」
「えっ?」
「だから、精霊女王、あたしの事だよ」
シズさんの言葉に反応したラミリスは、そう言う。
マジで?
すると、リムルが声を出す。
「冗談言ってる場合じゃ………」
「ブブ〜!冗談じゃありませ〜ん!本当です〜!」
「あのね、君。なんで魔王が精霊の女王やってるんだよ」
リムルがそう言うと、ラミリスは手に持っていたチョコチップクッキーを、リムルに投げつける。
「また、ブブ〜!逆で〜す!」
「逆?」
「というと?」
「精霊の女王が堕落して、魔王になっちゃったんです」
「自分で堕落したって言うか?」
「だって、堕落しちゃったんだもん。堕ちるのって…………簡単よね。ふっ」
「何格好つけてんだ」
なるほどな。
精霊女王も、堕落するんだな。
すると、ラミリスはとんでもない事を言う。
「あっ、そういえば。あいつも堕落したんだった」
「あいつ?」
「レオンちゃん」
「……………ッ!?」
その名前を聞いた途端、シズさんは、顔を顰めた。
そう。
魔王、レオン・クロムウェルの事だろう。
ラミリスは、話し続ける。
「あいつさ、何か調べ物があったみたいで、大昔の上位精霊を呼び寄せてさ、契約結んだんだよね。びっくりだよね。で、仕方ないから、精霊女王のあたしは、レオンちゃんを勇者と認定して、精霊の加護を授けたって訳」
「ちょっと待て。何で勇者に認定した奴が、魔王になってんだ?」
「だから、堕落したんじゃないの?もしかして、あたしを真似たのかもよ?」
魔王って、堕落してなる物なのか?
まあ、立場にもよるか。
シズさんの方をチラリと見るが、何とか落ち着いている様だった。
リムルは、シズさんに話しかける。
「シズさん?」
「…………大丈夫。魔王レオンの事も気になるけど、まずは子供達だよね」
「ああ」
どうやら、大丈夫そうだな。
レオンへの憎しみがまだあるのか?
すると、ラミリスが思い出したかの様に言う。
「…………そういや、レオンちゃん。無茶な事も言ってたな」
「ん?」
「異世界から、特定の人物を召喚してくれって」
「そんな事出来るのか?」
「無理に決まってんのにね。バッカじゃん!泣きそうな顔してたね。いや、あれは泣いてた。そう…………泣いてたと言っても過言では無い!泣き虫のくせに生意気なんだよ!バ〜カ!ワンパンだよ、ワンパン!!」
そう言って、ラミリスはシャドーボクシングをする。
どうやら、魔王レオンは、俺たちの予想以上に厄介そうだ。
ラミリスって、ミリムと知り合いみたいだし、結構古い魔王なのか?
見た目はちんちくりんだが。
「んっ…………ちょっとあんた達、今、とっても失礼な事考えてない?」
「いや、全く」
「考えてないぞ」
「アハハハ……………」
ラミリスは、俺とリムルが思った事に勘付いたのか、そう言ってきて、俺たちは惚ける。
それを見ていたシズさんは、苦笑する。
だが、シズさんはすぐに真面目な表情になって、ラミリスに聞く。
「それで…………精霊の棲家に案内してくれるの?」
「ん…………ああ…………」
シズさんの言葉を聞いたラミリスは、宙に浮く。
そして、真面目な顔で言ってくる。
「……………あたしはね、魔王であると同時に、聖なる者の導き手。迷宮妖精であり、精霊女王でもあったの。レオンちゃんにそうしたように、勇者に精霊の加護を授ける役目も担ってるんだよ。だから、安心するが良いさ。公平だからね、あたしは。あたしが…………あたしこそが、世界のバランスを保つ者なのだよ」
すると、周囲に様々な妖精が現れ、笑う。
俺たちは、頷く。
「良いよ。召喚に協力してあげる。凄い精霊を呼び出すと良いさ」
こうして、ラミリスが協力してくれる事になった。
俺たちは、子供達を起こして、移動する。
その間、トレイニーの事が話題になった。
「トレイニー?へぇ〜あの子達も元気にしてるんだ。昔は小さくて可愛い精霊だったんだよ」
「あれ?トレイニーさんは、今の精霊女王とは接点ないって…………」
「あ〜それね。あたしは死んで生まれ変わっても、前世の記憶を残してるからね」
「ん?」
「あの子達、その事知らないんじゃ無いかな…………。ずっと昔に逸れて、それっきりだったし…………。また今度、遊びに来てって伝えてよ」
「分かった」
「楽しみだな〜」
そんな風に話していた。
ていうより、トレイニー達とラミリスって、接点があったんだな。
しばらく歩き続けると、目的地に到着した様だ。
「ああ…………!」
「ここが…………」
「迷宮の最深部。精霊の棲家」
ここが、精霊の棲家か。
少し、ヴェルドラが居た封印の洞窟に環境が似てるよな。
自然エネルギーが満ち溢れているな。
シズさんは、ラミリスに聞く。
「ここに、上位精霊が居るんだよね?」
「居るけど、上位精霊には自我があってね。呼び出しに応じてくれるかは、気分次第だよ」
「来てくれなかったらどうするの?」
「エネルギーを切り取って、新たな上位精霊を生み出せば良いんだよ」
「生み出す?」
「なるほど………呼んでも応じてくれないのなら、新しく生み出せって事か」
「そっ」
なるほどね…………。
それじゃあ、俺は難しいな。
俺は、そんな事を出来る技量は持ってないし。
悪いが、リムルに任せるとしよう。
「皆」
「う…………うん」
「大丈夫です」
「先生」
「へ…………平気に決まってるじゃない」
「頑張ります!」
「ガウッ!その意気だ!」
「リムルさん。お願い」
「ああ。ケンヤ!リョウタ!ゲイル!アリス!クロエ!やるぞ!」
「はい!」
それを見たラミリスは、先に頂上へと先行していく。
俺たちは、頂上へと向かっていく。
頂上付近に着くと、ラミリスが口を開く。
「良いわね?あそこで、精霊に対して呼びかけるのよ」
「何を?」
「何でも良いのよ。助けて〜でも、遊ぼうでもね」
「そんな大雑把で良いのか…………?」
「それで良いのよ。興味を持った精霊がやって来てくれたら、成功なの」
そんなもんで良いのか。
ラミリスがそう言うと、リョウタは不安そうな声を出す。
「来てくれるかな…………。おっ!?」
「来てくれるさ!」
「う…………うん」
「シズ先生!来てくれるよね?」
「来てくれる?」
「大丈夫だよ。きっと来てくれる」
「大丈夫だ。最悪の場合…………悪魔でもなんでも従えてやる」
「ちょっとあんた、邪悪な顔してるわよ」
「リムルさん…………」
「リムル………………」
リムルが、邪悪な笑みを浮かべながらそう言うと、ラミリスが突っ込み、俺とシズさんは呆れ声を出す。
気を取り直して、リムルが口を開く。
「さあ、誰から行く?」
リムルがそう言う中、ゲイルが行くと言った。
リムル、ゲイル、ラミリス、ついでに俺とシズさんは、頂上部分の円形の床の方に行く。
「先生…………自分に何かあったら、あいつらを頼みます」
ゲイルの言葉に、リムルはゲイルの肩に手を置く。
ラミリスが前に出て、口を開く。
「さあ、どんなのが呼ばれてくるか、楽しみだね」
ラミリスはそう言う。
ゲイルは、前に出て。
「じゃあ、祈ります」
そう言って、ゲイルは跪いて、祈りだす。
ゲイルが祈りだして暫くすると、周囲に光が出てくる。
あれが、精霊なのだろう。
だが……………。
(あれは…………上位精霊じゃなくて、下位の精霊だな)
恐らく、この下位精霊達は、ゲイルの祈りが切り取った大精霊の欠片なのだろう。
すると、リムルが口を開く。
「ゲイル。そのまま祈ってろ」
そう言うと、リムルは周囲を漂っている精霊に向かって、手を伸ばす。
すると、
「ちょ、ちょっと…………食べた?あんた、なんて事すんのよ!」
「黙って見ててくれ。考えはある」
「リムルさん…………?」
一体、何をしようとしているんだ?
まあ、あいつを信じるか。
リムルは、ゲイルの頭に手を置き、光が出てくる。
解析鑑定してみると、ゲイルのエネルギーの暴走が止まり、制御出来ている。
つまり、成功だな。
「おし。もう良いぞ。よく頑張ったな」
「え…………」
「大丈夫だ。崩壊は止まっているよ」
「閻魔の言うとおりだ。俺が保証してやる」
「はっ………リ、リムル先生………!ありがとうございます!」
「リムルさん。ありがとうね」
「気にすんな。生徒を守るのは、当然だからな」
「バンザ〜イ!」
「おめでとう!」
「やったわね!」
「まだ喜ぶのは早いぞ」
「全員が成功してから、喜ぼう」
まずは、ゲイルが救われたな。
そうして、子供達に精霊を宿らせる作業は、続いていく。
次は、アリスの番だ。
アリスが祈ると、精霊が現れ、リムルが取り込む。
それを、ラミリスは複雑そうな表情で見ていた。
まあ、当然だよな。
リムルは、アリスと擬似上位精霊を統合させた。
そして、リムルはアリスをお姫様抱っこする。
「アリス、頑張ったな。もう大丈夫だぞ」
「フフッ」
アリスは、微笑んだと思ったら、リムルの頬にキスをする。
大胆っすね。
後ろの子供達をチラリと見ると、クロエが頬を膨らませていた。
おやおや……………。
次は、ケンヤの番だ。
「う〜し!次は俺の番だ!」
ケンヤはそう言って、前に出る。
すると、周囲に光が出てくる。
「「あ?」」
「え?」
「もう祈ったのか?」
「いや……………まだ祈ってないのに…………」
え?
俺たちが戸惑う中、周囲を漂っていた光は、一箇所に集まっていく。
「何か、来る?」
「みたいだな…………」
すると、一箇所に集まった光は、人間の形になる。
それは、黄色い髪の人物だった。
「あ?」
「よお〜元気かい?おいらは元気さ」
「あっ、あ〜!あんた、何しに人の家にやって来てんのよ!?」
「ちょっとした気まぐれだよ」
「そちらさんは?」
「こいつは…………」
「オッス!おいら、光の精霊。初めまして。そこの魔物に堕ちた邪悪な妖精と違って、純粋な光の精霊様だよ」
「誰が邪悪よ!」
邪悪って……………。
まあ、堕天して魔王になったから、あながち間違いではない…………のか?
リムルは、呆然としているケンヤに話しかける。
「ケンヤ。お前、光の上位精霊を召喚したみたいだぞ」
「えっ、ええ〜!?」
「ケンヤって言うのかい。じゃ、ケンちゃんだな」
「親しむの早すぎだろ…………」
「なんか、ケンちゃんに光る物を感じたんだよ。光だけに!」
「うっ…………」
唐突にギャグをぶっこむなよ。
それを聞いたケンヤとシズさんは。
「面白くねえよ」
「アハハハ……………」
ケンヤはそう言って、シズさんは苦笑する。
そんなケンヤのつっこみに、光の精霊は、機嫌を悪くせずに言う。
「…………ってな訳で、おいらがケンちゃんを助けてやるのだ。ケンちゃんが成長するまでは、おいらが保護するよ。もしかしたら、ケンちゃんも勇者になれるかもしれないからね」
「勇者!?」
「ケンちゃんが勇者…………」
「おお〜」
光の精霊の言葉に、子ども達は驚く。
尤も、クロエはアリスに詰め寄っていたが。
それを聞いたケンヤは、固まっていた。
「うええ……………」
「それはまた凄いな…………」
「そうだね」
俺たちも驚く中、光の上位精霊は、ケンヤの中に入って行った。
「あっ」
「宿った」
「えっ?」
「なんか…………あっさりすぎないか?」
「リムル先生…………?」
「あ?ああ、大丈夫!計画通りだ!ハハハハハ!」
「良かったね」
「あっ…………えっと………うん!」
リムルとシズさんの言葉に、ケンヤは最初は戸惑ったが、すぐに頷く。
次は、リョウタの番だ。
リョウタが祈ると、青と緑の光が現れる。
リムルはそれを取り込み、擬似上位精霊として統合して、リョウタとも統合させる。
(あと1人か…………)
そう。
あとは、クロエ・オベールだけだ。
だが、クロエは顔を赤くして、もじもじしていた。
「リムル先生………あのね…………リムル先生………」
「あ?ん?」
「あのね、リムル先生…………あのね…………大好き」
「俺も好きだよ」
「フフッ」
「おやおやリムルさん。随分とモテモテだな。アハハハハハハ!…………ぷげっ!?」
クロエの告白にそう答えたリムルに、俺は揶揄った。
すると、不意打ちのストレートをお腹にもらう。
「不意打ちは無いだろ…………!?」
「大丈夫?」
「お前が変な事を言うからだ。さ、祈って」
「うん」
クロエは、祈りだす。
それを見ていると、とんでもないプレッシャーが、上空から来る。
「あっ…………!?」
「何!?」
「これって…………!?」
「凄まじいプレッシャー…………!?」
俺たちが戸惑う中、目の前の地面が光る。
「うわ!」
ラミリスが怯むなんて、相当だぞ。
すると、目の前に、1人の女性が現れる。
(あれは…………精霊じゃない?)
パッと見、精霊じゃないな。
これまでの精霊とは違う気配を感じる。
俺たちが戸惑う中、その女性は、俺たちの方……………というよりは、リムルの方に向かって行って、キスをする。
俺たちが、後ろに行った奴を見ると、そこには、違う女性の姿が映っていた。
「あの人は……………!?」
シズさんは、かなり驚愕していた。
というより、アイツは何なんだ!?
俺は念の為に、ドレッドライバーを腰に装着する。
その精霊ではない存在は、クロエの方に向かっていく。
「待て!させないよ!あんたの好きにはさせない!!」
「おい!突然何を…………!?」
「うるさい!そいつはヤバいんだよ!見て分からないの?」
「分かる訳ないだろ!」
「何がヤバいんだよ!?」
「話はあと………ああっ!?」
俺とリムル、ラミリスがそう話す中、そいつは、かなりの至近距離までに近づいており、突然、光となって、クロエに吸い込まれていく。
「宿っちゃった!もう手遅れだ………!やめやめ…………あたしは知らないからね?」
一応、念の為に、クロエを解析鑑定する。
膨大だったエネルギーは、綺麗さっぱりに消え失せていた。
シズさんは、未だに呆然としていた。
「シズさん?」
「今のは…………あの人?」
「あの人?」
「うん…………私を救ってくれた勇者の姿が見えて…………」
「えっ?」
それには、俺も驚いた。
どうなってんだ?
あのクロエ・オベールとは、一体、何者なんだ?
「さっきのは何なんだ?」
「分っかんないわよ!詳しくは分からない!でもね…………あれは多分、未来で生まれたのよ」
「は?」
「未来からやって来た、精霊に似た何か!とても信じられないけど、その子に宿った事で、自分を生み出す土壌を作った?」
「あっ?」
未来からやって来た、精霊に似た何かか…………。
だが、あのシズさんを救った勇者とやらの姿が映ったのは、どういう事だ?
それに、ラミリスも分からないとは…………。
そんなラミリスは、気になる事を言った。
「何言ってんだ?
「ああ〜!本当に分からない!!でも、あれは大きな力を持ってた!未来であれが生まれたら、大変な事になる気がする!もしかしてあれは、時の大精霊の加護を受けて…………」
時の大精霊か…………。
さっぱり分からないな。
でも、過去のシズさんを救った勇者が、未来からやって来た精霊に似た何かに重なって見えるなんてな…………。
どうやら、この世界は単純ではなく、色々と複雑なようだな。
そう考える中、リムルはラミリスに話しかける。
「良いじゃ無いか。全員成功したんだからさ。ありがとな。お前のおかげで、子ども達も助かったよ」
「ありがとう」
「ありがとうございます」
「ありがとうございました!」
「感謝する!」
「そ…………そんなの良いってば〜!」
ラミリスは照れながらそう言う。
まあ、色々と謎が出来ちまったが、これで良しとするか。
その後、俺とリムルは、壊してしまった精霊の守護像に代わる魔人形を用意したり、その魔人形にリムルは悪魔を、俺は精霊を召喚して憑依させた。
リムルはベレッタ、俺はイングラムと名付けた。
それで、その魔人形達で、一悶着あった訳だが、それはまた、別の話。
ちなみに、ラミリスと交渉して、ゴーレムの設計図を受け取った。
これなら、ドレッドの量産計画を本格的に進められそうだ。
その後、俺たちは、イングラシア王国へと向かった。
そして、リムルに連れられて、
「おっす。」
「ああ、リムルさん。そちらは…………?」
「俺は黒輝閻魔だ。よろしく頼む」
「貴方が…………!どうも、神楽坂優樹です」
俺と優樹は、握手をする。
すると、優樹は頭を下げる。
「本当に…………ありがとうございました。閻魔さんには、シズさんを救ってもらって、リムルさんには、子供達を救ってもらって」
「いやいや。良いってことよ、良いってことよ」
「これで、子ども達はもう大丈夫だ。これで、普通の生活を送れるよな?」
「ええ。一度捨てた子を各国が再び攫う事は無いでしょうし、それは、国際法に抵触しますし。我々自由組合を敵に回す事にもなりますから」
それなら良かった。
少し、不安だったのだ。
状態が安定化した子供達を、召喚した国が攫うのでは無いかと。
まあ、大丈夫だな。
とはいえ、若干怪しい部分があるな。
少し警戒するか。
俺は、ユウキに話題を振る。
「子供達にも身分証を発行して、組合員にするのか?」
「そうですね…………あの子達がそれを望むなら、それも良いかもしれないですね。しばらくは、自由学園でのびのびと勉強させて、未来を選べるようにしたいと思います」
「ああ、頼むよ。」
「ご心配なく。ところで…………やっぱり、教えてくれないんですか?どうやって解決したのか」
「フフフン。それは秘密だ。知らなくても良い事もあるよ。教えない代わり…………という訳でも無いが、これで勘弁して欲しい〜」
リムルはそう言って力むと、リムルの体から、大量のシリウスが出てくる。
なるほど、これを神楽坂優樹に渡してたのか。
それを見た神楽坂優樹は。
「分かりました!ありがとうございます!師匠!!」
「アハハハ…………。」
そう言って、神楽坂優樹は、頭を下げまくった。
仮にもグランドマスターがそれで良いのか?
まあ、気持ちは分からんでもないが。
前の世界の産物を読む事ができるんだからな。
俺たちは、自由学園へと向かった。
子供達の方へと向かい、子ども達が遊ぶのを見ている。
そんな中、俺はこれまでの出来事を振り返っていた。
いつの間にか、この世界に転移したと思ったら、リムルの運命の人であるシズさんや、エレン、カバル、ギドの3人、そしてリムル達とも出会った。
シズさんの中に居たイフリートが暴走して、俺がイフリートを怯ませ、リムルが取り込んだ。
シズさんを救う為に、インフェニックスの力を使ったな。
その後、大鬼族達にリムルが名前をつけた。
しばらくして、
そして、トレイニーさんの宣誓の下、ジュラの森大同盟が結ばれ、リムルが盟主となった。
それを聞いた武装国家ドワルゴンの王、ガゼル・ドワルゴがやって来て、戦い、認めてもらった。
更に、俺たちが魔王ゲルドを倒した事で、興味を持った魔王ミリムがやって来て、マブダチとなった。
その後、獣王国ユーラザニア、ブルムンド王国、ファルムス王国からやって来たフォビオ、フューズ、ヨウムと出会った。
テンペストにフォビオを核としたカリュブディスが現れ、ミリムの手によって倒された後、魔王カリオンと出会った。
カリュブディスとの戦いの後、ギロリさんも生み出した。
精霊の棲家で、クロエ達やラミリスと出会った。
そして、つい先ほど、神楽坂優樹とも出会った。
前世の俺に、こんな話をしても、信じてくれないだろうな。
これほど濃い人生を送る事ができるとは、思わなかった。
とはいえ、全てが順風満帆とは言えないだろう。
まだ、きな臭い気配を感じるのだ。
豚頭帝や暴風大妖渦の一件の裏で暗躍する中庸道化連。
そして、イングラシアやブルムンド、ドワルゴン以外の国家。
まだ不安要素がある。
(…………俺は、リムル達と共に、この世界を生き抜いていく。なんか、この世界でも絵を描こうかな)
俺はそう決意したのだった。
やっぱり、この世界でも絵を描いてみよう。
一方、とある場所では、黒い服を着た何者かが、水晶でリムルの事を見ていた。
「一生の不覚………。折角呼んで頂けたのに、自分の眷属に先を越されるとは………。次こそ…………次こそは必ずや…………!あなた様方なら、私を、世界の真理へと導いてくれる筈…………。クフフ…………クフフフフ…………!」
その人物は、何を考えているのか。
そして、また別の場所では。
「ふ〜ん……………なかなかに興味深いね。この人間」
その人物は、紫のサイドテールの少女で、紅茶を飲みながら水晶を見ていた。
その水晶には、俺が居た。
???「それにしても、黒輝閻魔か。興味深いね。ふふふ…………。」
その人は、何を考えているのか。
今回はここまでです。
今回は、精霊の棲家での話です。
クロエに宿った存在の正体とは。
そして、閻魔はしれっと、ラミリスからゴーレムの設計図を受け取っていた。
ゴーレム関連の話は、次回の話でやります。
そして、閻魔を見つめるある女の子。
その正体は。
いよいよ、運命の時が近づいていた。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今後の展開でリクエストがあれば、活動報告から承っております。
ファイナルステージで終式が登場しましたが、紅蓮の絆編で出そうかなと思っています。