転移したら暗黒の破壊者に変身出来る様になった件 作:仮面大佐
ユーラザニアからの使者が到着してすぐに、紫苑とスフィア、俺とアルビス、ヨウムとグルーシスで戦いが始まった。
3組共に、激しい戦いを繰り広げていた。
本当に凄まじい。
ヨウムも、グルーシスという魔人と互角に戦えていた。
俺はというと。
「人間にしては、なかなかやりますね」
「そりゃどうも!」
アルビスは錫杖を、俺はブラッディーUCをぶつけ合う。
流石は獣人だな。
強い。
俺も白老にしごかれていたというのもあって、互角に戦えていた。
一方、紫苑とスフィアの方は、二人は少し離れる。
「鬼人の力はそんな物か!?もっともっと俺を楽しませろ!」
「元よりそのつもりです。」
紫苑がそう言うと、魔力を貯め始める。
あれ、なんか、嫌な予感が…………。
「覚悟せよ!」
「ぬっ、あれは!」
「極大魔力弾!?おい、待て!紫苑!ここら辺一帯を吹っ飛ばすつもりか!?」
「ウフフフフフッ…………!」
リムルがそう言うが、当の紫苑は、やばい笑みを浮かべていた。
ダメだ、こっちの話が聞こえてない!
「おおっ…………!いいぞ、来やがれ!」
っていうか、あのスフィアも受ける気満々だけど、あんな物を食らったら、ただじゃ済まないだろ!
俺は戦闘しながら、ちらりと見てそう思う。
「食らえ…………!」
「それまで!」
すると、俺と戦っていた筈のアルビスが、紫苑とスフィアの間に入って、動きを止める。
ただ、アルビスの下半身が蛇の様になっていた。
「もう十分です」
(あれが噂の獣身化って奴か)
それを見て、俺はそう思った。
というより、俺たちは試されてたのか。
「この辺りに致しましょう」
「ふぅ……………」
「それで、俺たちは合格なのか?」
「ええ」
「ここまでだ」
「え?……………って、旦那方、これって……………」
「どうやら、俺たちは試されていたみたいだな」
グルーシスとヨウムの方も戦闘を終え、俺は変身解除する。
すると、スフィアが口を開く。
「フッ。不満はない。大した強さだ。我らが対等に付き合うべき価値は十分にある。そう確信したぜ。ジュラ・テンペスト連邦国の盟主、リムル=テンペストとその友人を軽んじる事は、カリオン様に対する不敬と思え。分かったな?」
「ハハッ!」
「スフィア様の言うとおりだ。この俺とこれだけやり合える人間なんざ、滅多に居ない」
「フッ…………。嬉しいね」
グルーシスとヨウムは、そう言って握手をする。
まあ、結果オーライだな。
「到着早々どうなる事か思ったが…………」
「丸く収まって良かったですね」
「ああ。……………だが、なんかとんでもない事を忘れてる様な…………」
「紫苑、お前も分かったな」
俺がそう言う中、リムルは紫苑に声をかける。
だが、紫苑は涙目だった。
「……………紫苑?」
「あの……………これ、どうしましょう?」
「あ!」
そうだ!
紫苑は極大魔力弾を撃とうとして、止められたから……………!
極大魔力弾は、かなり大きくなっていた。
「うおお〜!!爆発寸前!!」
「それ、消せないのか!?」
「無理です!気力が限界です!!」
「うう……………」
「リムル様、避難を」
アルビスさん、ドン引きしないで!
仕方ないとはいえ、アンタが無理矢理止めたんだから!
スフィアは、慌てながら紫苑に話しかける。
「お…………落ち着け!そっとだ!そ〜っとそれを上に向けるんだ…………!」
「うっ…………上…………!?うう………!」
「気合いだ!気合いで何とか…………!」
「ああ!無理かも!!」
やばい!
このままじゃいつ爆発してもおかしくない!
「全く…………。しょうがねえな、紫苑は」
「あっ…………!?」
すると、リムルは朱菜の腕から飛び出して、人間態になり、紫苑に話しかける。
「紫苑、撃て!」
「リムル!?」
「大丈夫だ」
「ですが…………」
「俺を信じろ!」
「はっ、はい!行きます!」
そう言って、紫苑は極大魔力弾をリムルに向けて発射する。
だが、リムルは慌てていなかった。
「
リムルは、暴食者を発動して、極大魔力弾を取り込んでいく。
すぐに、極大魔力弾は無くなった。
「ほい、おしまい。」
「ふぅ……………」
「何と…………!?」
「マジかよ…………!?」
「これくらい、我が主人には当然の事だ。」
まあ、リムルならやると思ったが、流石にヒヤヒヤしたな。
紫苑は、その場に座り込む。
「はぁ……………」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫か?」
「おう」
俺たちがそう話していると、アルビスが話しかける。
「流石はカリオン様の認めし御方」
「ん?」
「あなたとあなたの国と縁が出来た事に感謝を」
「ああ。ようこそ。テンペストへ」
こうして、一悶着あったが、ユーラザニアからの使者を受け入れた。
その夜、完成したばかりの迎賓館で、歓迎会が開かれた。
色んな和食のメニューが振舞われた。
それを食べた獣人達は。
「これは美味い…………!」
「素晴らしい味付けですな」
「塩加減もいい」
「これならいくらでもいけるぜ。美味い」
と、かなり好評だった。
一方、アルビスとスフィアの方は、アルビスが酒樽ごと蒸留酒を飲んでいた。
「うう…………」
「あははは……………」
「はぁ……………幸せ」
「豪快ですね…………」
「酒樽ごとか…………」
「誰だよ、酒樽ごと渡したの…………。こっちはこっちで…………」
俺の視線の先には、白い虎が酒を飲んでいた。
スフィアだ。
わざわざ獣身化しなくても…………。
すると、リムルが質問をする。
「なあ。その姿、他人に見せていい物なのか?」
「特に秘密という訳でもありません」
「そうなんだ……………」
「ですが……………心を許した相手にしか見せませんのよ」
なるほどな。
でも…………酒樽がどんどん空になっていくな……………。
「あるだけ全部飲まれちまうな、リンゴのブランデー」
「あるだけ?あまり量は作れませんの?」
「ああ、すまない。気にしないでくれ。元々そちらに振る舞うために作ったんだから。だが…………果物は森の恵みに依存してるから、あまり量が採れないのが難点で…………」
そう。
いくらトレイニーさん達と協力関係にあるとはいえ、あまり取りすぎると怒られそうな気がするからな。
それを聞いたアルビスは、何かを思案する様な表情を浮かべ、笑みを浮かべる。
「…………では、良い考えがございます」
「ん?」
「我がユーラザニアは、果物が豊富に採れます。こちらに回す様、手配いたしましょう」
「えっ、良いのか?」
「はい」
「良かったですね、リムル様」
「ああ!」
「おい、リムル。アルビス達の方を見ろ。」
「ん?」
リムルと朱菜がそう話す中、俺はリムルを、アルビス達の方に向ける。
そう。
こちらをじーっと見てるのだ。
言いたい事は分かる。
「分かってるさ。勿論、こちらからも酒を提供しよう」
「「ウフッ…………」」
「割合は?」
「細かい事は任せる。俺は美味い酒が飲めればそれで良い。ユーラザニアの果実は品質が良いから、そこは期待しても良いぜ。ニャハハハハッ!」
そう言って、二人は酒を再び飲み始める。
かなり好評だな、蒸留酒。
「雑務はこっちに任せるか…………」
「物々交換となると、どれくらいが妥当なんだ?」
「まあ…………それに関しては、専門家に頼るとしよう。朱菜」
「はい」
「コビーを呼んできてくれ」
「分かりました。」
朱菜は、そう言って出ていき、連れてきた。
彼はコビー。
だが、コビーは震えていた。
まあ、そりゃなぁ…………。
「リ…………リムル様、閻魔殿。これは一体…………?」
「我が国の商人代表、コビーちゃんだ。魔王の領土でも行商していたそうだし、今後の取り引きを一任しようと思う」
「ええっ!?」
「こちらは、獣王国の方々だ。酒以外にも気になる品があれば、交渉しておいてくれ」
「いやいやいや!獣王国には弱い種族は立ち入り禁止で…………!」
「ニャハハハハッ!許可証を発行しておく。遠慮するな」
「カリオン様にも報告しておきますわ」
「コビーちゃんも獣人と似た様なもんだし、気が合うだろ」
「えええええええ!?」
コビーは、そんな風に驚いていた。
なんか、すまん。
「そんな訳で、よろしく頼むな」
「え〜っと、あの………はい」
「じゃあ、あとは若い人たちにお任せして」
「では、失礼します」
「えっ?ちょっ…………あの…………リムル様〜!閻魔殿〜!」
そんなコビーの呼ぶ声を聞きながら、俺たちは退出する。
すまんな。
行商に関しては、俺たちは素人だから。
コビーに任せておけば、大丈夫だろ。
その数日後、アルビスとスフィアは、ユーラザニアへと引き返していった。
技術交流も増やす予定で、黒衛兵とカイジンの元で鍛治、朱菜の元で機織りの技術を学んでいる。
獣人達が蛇口を捻ると、お湯が出てくる。
「この蛇口というのからお湯が出るのは、どういう仕組みなんだろう?」
「どこかで、沸かしている様でもないが…………?」
「刻印魔法って奴さ」
「刻印魔法?」
「どこに刻印が?」
獣人達の疑問に、ドルドがそう答える。
ドルドは、蛇口のハンドルを取って見せる。
「蛇口のハンドルに、熱の魔法を刻印した魔晶石を内蔵してある」
「なるほど…………。魔力を持つ者が捻れば、水がお湯になるという事ですか」
「流石、ドワーフの職人!」
「いや…………これぐらい、大した事じゃない。(本当は、リムルと閻魔の旦那方の発案だしな)」
ドルドは、そう思う。
ちなみに、厳密には、リムルの大賢者の発案だ。
一方、ヨウムはグルーシスに話しかけていた。
「お前さん、他の奴らみたく見学したりしなくて良いのか?」
「俺は良いんだよ。謹慎中の黒豹牙フォビオ様に、リムル様と閻魔殿のお役に立つ様にって命令されているからな」
「それで、街の警備に混ざってんのか」
「そういう事だ」
二人がそう話していると、ゴブタが話しかけてくる。
「グルーシスさ〜ん」
「「ん?」」
「見回り行くっすよ〜」
「おう。じゃあ」
そう言って、グルーシスはゴブタ達と共に、警備に向かう。
「そんじゃ、俺は風呂にでも…………」
ヨウムがそう言いながら風呂に向かおうとすると、白老がヨウムの肩に手を置く。
「うっ…………!?」
「お主は剣の修行じゃ」
「……………はい」
白老の言葉に、ヨウムは素直に応じる。
そんな日々を過ごす中、俺とリムルは、定期的にイングラシアの方に向かう。
シズさん曰く、後任のティス先生は、上手くやれているから、引き継ぎは問題ないそうだ。
ちなみに、ドワルゴンに向かう際には、ある物を持っていく予定だ。
それから数日が経ち、ヨウム達は旅立って、紅丸達が帰国した。
それで、報告を聞く事に。
「ユーラザニアの騎士団は、流石の一言です。一兵士に至るまで、魔王カリオンに徹底的に鍛え上げられていました」
「流石は、
「他にはどうだ?」
「はい。向こうの建築物は、テンペストに比べれば、粗末な物でした。しかし、王宮には贅が凝らされ、富の一極集中が顕著の様です」
なるほどね。
すると、リグルドが号泣しだす。
「うぐっ…………!リグルが、こんな立派に…………!」
それを見て、俺たちは苦笑を浮かべる。
気持ちは分かるけどな。
そう思っていると、苦笑を浮かべていたリグルが、口を開く。
「え〜っと…………。ですが、悪い意味ではありません。住人がそれを望んでいるのです」
「なるほど…………」
「建築だけでなく、工芸その他も、今の我が国の技術力が上回っております」
「カイジン達が来てくれた上に、黒兵衛に朱菜も居るからな」
そうなるよな。
すると、リグルが言葉を続ける。
「しかし、一つだけ、目を見張る程に素晴らしい物がございました」
「それは?」
「農業です」
「ほう」
「我が国とは比べ物にならぬ程、広大な田畑が広がり、農作物が彩り豊かに実っておりました」
なるほどな。
確かに、スフィアも、ユーラザニアの果実は品質が良いって言ってたしな。
「その技術は、俺たちでも習得出来そうなのか?」
リムルは、リグルにそう質問する。
リグルは、少し考えて、口を開く。
「…………恐らくは、可能かと。」
「なら、次の使節団の派遣の際には、農業面を重点的に視察してもらおうべきじゃないか?」
「ああ!そうだな!」
「今では、食料事情はかなり改善されておりますが、未だに試行錯誤を続けている物もあります。そうした状況の改善に、何か役立つかもしれません…………ああっ!リグルがこんなに立派に…………!」
「じゃあ、俺たちはドワーフ王国へ行く準備があるから」
「あとは任せた。頼んだ!」
「はい!」
俺とリムルはそう言って、会議室から退出して、移動する。
「使節団、上手くいって良かったな。」
「ああ」
「リムル様」
「ん?」
「どうした、紅丸?」
俺とリムルがそう話していると、紅丸がやって来て、話しかける。
俺とリムルが振り返ると、紅丸は跪いて、口を開く。
「お許しいただけるならば、次回からはリグル殿を使節団の団長に指名してやって下さいませんか?」
「どういう事だ?」
「魔王カリオンは、信用できる人物だと判断しました。使者を無碍に扱ったりする心配はありません。ならば、俺は国の守りとして、ここに残る方が得策かと」
「なるほどね…………良いよな、リムル?」
「ああ。それと、リグルになら任せても大丈夫…………そういう事だな?」
「はい」
「分かった。良いだろう」
「ありがとうございます」
リグルも、成長したもんだな。
まあ、紅丸に街の防衛に残ってもらうのも、ありかもな。
そろそろ、あれのロールアウトも近いだろうし。
「しかし、紅丸がそこまで信用するとはな」
「カリオンは、力だけの王じゃないって事だな」
「そうですね。実は喧嘩を売ってみたのですが、笑っていなされましたし」
「「っ!?」」
紅丸の発言に、俺たちは驚く。
こいつ、魔王に喧嘩を売りやがった!
嫌な予感がしたが…………。
「おっ、おまっ、それ…………!」
「
「お前……………」
「あっ、ですが、フォビオには勝ちましたよ」
「あっ、そう…………」
フォビオに勝ったのは凄いが…………。
だめだ。
紅丸は、絶対に外交向けじゃない!
外交に出したら、絶対に喧嘩を売りそうな気がする!
俺とリムルは、紅丸は外交には選出しないと決めたのだった。
そんな事があったが、翌日、今度は俺たちがドワルゴンに向けて出発した。
「ちょっ、嵐牙、速すぎ!」
「はっ!承知!」
「あわわわわ!」
「嵐牙、落ち着け〜!!」
張り切った嵐牙が速度を上げ、俺たちは悲鳴を上げる。
今回のドワルゴン訪問に来てもらうのは、ゴブタ、ゴブゾウら六人の
ちなみに、リムルは紫苑に抱えられていた。
「久々にドワルゴンでゆっくりさせてもらえるなんて…………。ありがてえ話で」
「本当ですよ。なあ、お前達」
「全くでさぁ」
「うんうん」
「そう言ってもらえると、俺達も嬉しいよ」
「この国は、カイジン達が居たから、ここまで立派になった」
「へへっ。そう言ってもらえると、職人冥利に尽きるってもんでさあ」
「ああ」
「お前達に会えて、本当に良かったよ」
「ありがとうな」
「旦那方…………」
俺たちがそう言うと、カイジン達は泣き出す。
まあ、俺はシズさんと同タイミングなんだけどな。
ちなみに、後ろの2台の馬車には、ガゼル王への土産が積んである。
リムルの胃袋や、俺の無限収納にしまった方が楽だと言ったら。
「こういうのは、形も大切なんです」
そう諭された。
流石、
最近では、ベスターから色んな事を学んでいるらしく、マナー面でも頼りになる。
ちなみに、紅丸と同じくらいに外交向けじゃなさそうな紫苑を連れていくのには、理由がある。
それは…………。
「えっ?朱菜様が閻魔殿とリムル様と旅行?」
「いや、旅行じゃなくて仕事…………」
「ずるいです!ずるいのです!朱菜様だけ、閻魔殿とリムル様と遊びに行くだなんて!」
「だから、外交だよ、外交…………」
「うわぁぁぁん!!」
紫苑は、泣きながら周囲にオーラを放出する。
「紫苑様、ご乱心!!」
「落ち着いて下され!紫苑さ…………ぐわっ!?」
と、こんな風に泣くわ、喚くわ、暴れるわで……………。
結局、残していたらリグルド達の負担が増えるという事で、連れていく事になった。
というより、大惨事を引き起こすなよ?
すると、紫苑が俺たちに話しかける。
「リムル様、見て下さい。」
「ん?」
「
「そうだな。仕事が早いよ。流石は、ギルドとゲルド達だな」
そんな風に話していた。
ボア達にも、感謝しないとな。
一方、ギルド達は、作業をしていた。
「うむ。計画通りだな。」
「そうですな」
「ギルド様、ゲルド様。石畳の追加発注をお願いします」
「分かった。ゲルド、採石場に連絡しておいてくれ」
「分かりました」
「お、あれは…………」
「「ん?」」
ゲルド達が作業をする中、俺たちが到着して、ゲルド達に話しかける。
「今日が、ドワーフ王国への出発の日でしたか」
「ああ。道が整っているから、揺れも少なくて快適だよ」
「ありがとうございます。ドワーフ王国方面より折り返して作業してきたので、ここから先は、全て完成してますよ」
「さらに快適に行けそうだな。ありがとうな」
「ありがとうございます」
「エース」
「ああ。それでだな…………」
俺たちは、樽を出して、ギルドとゲルドの部下達に渡す。
「これは?」
「ビールだ」
「ビール!」
ビールと聞いたゲルド達の部下は、喜んでいた。
そして、俺たちは出発する。
「あんまり飲みすぎるなよ〜」
「はっ!」
そう言い残して。
俺たちの旅は順調に進んでいき、出発から4日目、ドワルゴンに到着した。
カイドウが門を開けて、俺たちは進んでいく。
周囲が話している。
すると、カイジンにカイドウが声をかける。
ちなみに、カイドウの事は、カイジンやリムルから話を聞いている。
「よっ、兄貴」
「ん?」
「元気そうで何よりだ」
「カイドウか!久しぶりだな!元気か?俺はリムルの旦那の元で、楽しくやってたぜ」
「だろうな。顔を見りゃ分かるよ。ガルム達も元気だったか?」
「おかげさまでな」
「おう」
「うん」
「……………で、リムル殿はどこだ?」
「え…………」
「あの方は今や国賓だからな。まずは挨拶をしなきゃならんのだが…………」
カイドウはそう言って、リムルを探す。
リムルが人間の姿を手に入れたのは、俺やシズさんと出会った後だからな。
知らないのも無理はない。
すると、カイジン達が俺たちを紹介する。
「リムルの旦那だ」
「え?」
「リムルの旦那だ」
「…………えっ?」
「旦那だ」
「えっ?」
「うん」
「ええ〜!?」
リムルの人間としての姿を見たカイドウは、驚愕していた。
「まあ、色々あってな」
「リムル…………殿も、お元気そうで何よりです。え〜と、じゃあ、こちらへ……………」
まあ、そうなるのも無理はない。
こうして、俺たちはドワルゴンへと入国して、早速、ガゼル王に面会する事になった。
ドルフさんの案内の元、ガゼル王の元へと向かう、俺、リムル、朱菜、紫苑。
すると、ドルフさんが話しかけてくる。
「ご健勝そうで何よりです。リムル殿、閻魔殿」
「ドルフ殿もお元気そうで」
「ハハハハッ。私に敬語は不要です。さあ、我が王がお待ちですぞ」
「ああ」
ペガサスナイツは、王直属の極秘部隊なので、普段は、文官を装っているそうだ。
しばらく歩くと、大きな扉の前に立ち、ドルフさんが近くの兵士に頷く。
「ジュラ・テンペスト連邦国盟主、リムル陛下のお成りでございます!」
そう言うと、扉が開く。
「どうぞ、中へ」
「はい」
そう言われて、俺たちは中へと入る。
一番奥には、ドワーフの英雄王、ガゼル・ドワルゴが居た。
「久しいな。リムル、閻魔よ」
ガゼル王は、俺たちにそう話しかける。
一方、とある場所では、
クレイマンという魔王だ。
「なるほど…………」
クレイマンがそう言うと、水晶に映し出された映像が消え、クレイマンの目の前に居る女性に話しかける。
「ご苦労様。とても興味深い報告でした。ありがとう。あなたの心臓、そろそろ返して差し上げても良いのですが…………」
クレイマンがそう言うと、女性は胸元の服の装飾を掴む。
「あともう少しだけ、働いていただけると、こちらとしても助かるのですよ」
「……………何をすればよろしいのでしょう?クレイマン様」
「何。簡単な事ですよ。とっても簡単な…………ね。ミュウラン」
クレイマンは、ミュウランという女性にそう言う。
暗躍していた悪意が、俺たちに迫ろうとしていた事に、この時は気づいていなかった。
今回はここまでです。
今回は、ドワルゴンに向かうまでです。
閻魔も、アルビスと互角に戦いました。
技量が上がっているので。
壱式になっているので。
そんな中、暗躍するクレイマン。
悪意はすぐそこまで迫っている。
次回は、ドレットルーパーの設計図をガゼル王に見せようかなと思っています。
まあ、頭を抱えそうですが。
終式は、紅蓮の絆編で出します。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
いよいよ、コリウスの夢やファルムス王国戦が近いので、それらでリクエストがあれば、受け付けています。