転移したら暗黒の破壊者に変身出来る様になった件 作:仮面大佐
「紅丸ー!蒼影ー!」
「待たせたな!」
紅丸達が戦闘をしている中、俺たちはゼノビア姫を連れて現れる。
俺たちが着地すると、アスラン殿下が反応する。
「ゼノビア!貴様ら、ゼノビアに何をした!?」
アスラン殿下がそう叫ぶ中、俺たちはゼノビア姫を見る。
すると、リムルが俺に話しかける。
『閻魔。ゼノビア姫の解析鑑定が終わった。状態は、”
『分かった。リムル、頼んだぞ』
『ああ』
俺はリムルに頼んで、暴食者で除去してもらった。
俺にはリムルみたいな芸当は不可能だからな。
すると、ゼノビア姫が咳き込む。
「げほっ、げほっ!……………流石はおじさま達ですね。まさかこんな簡単に目覚めさせていただけるとは。」
「お、おじさまじゃなくて、サトルでお願いします」
「俺も今は、カイトでお願いします。」
「そうでしたわね。大怪盗サトル様とカイト様」
「あははは………………」
「大怪盗……………?」
ゼノビア姫が咳き込む中、起き上がりそう言うと、俺とリムルはそう答える。
紅丸が首を傾げる中、ゼノビア姫が立ち上がると。
「はい!サトル様とカイト様がそう名乗られたのです!私を城から攫う手筈も、見事でしたもの!まさに大怪盗と称されるのも相応しいお方達です!」
「あははは………………」
ゼノビア姫がそう言うと、リムルは照れる。
恥ずかしくなってくるな。
すると、アスラン殿下が口を開く。
「貴様ら!俺たちにも分かる様に説明せよ!」
「サウザー王太子は
「なっ………………!?」
「何っ!?それでは、なぜ妹が苦しむ必要があったのだ!?」
アスラン殿下がそう叫ぶ中、リムルはそう説明する。
それを聞いたアスラン殿下がそう叫ぶと、ゼノビア姫が説明する。
「大兄様はアスラン兄様と同じく、私を案じてくれていたのですわ!」
「それでは、誰がお前が倒れる様に仕向けたのだ!?」
「グスタフ侍医長だ」
「それは真か?」
ゼノビア姫がそう言うと、アスラン殿下はそう叫ぶ。
俺がそう答えると、別の声が聞こえてくる。
その方を向くと、そこにはサウザー王太子の姿があった。
横には、従者を2人連れていた。
「「はっ!?」」
(タイミングばっちり。蒼影から報告を受けていたからな)
アスラン殿下とバラクさんが驚く中、俺はそう思う。
すると、サウザー王太子が口を開く。
「その反応……………演技ではないな。では、本当にグスタフめが黒幕だと?」
「兄上こそ!俺はずっと、兄上がグスタフの手に落ちたとばかり……………」
「みくびるでないわ。……………だが、グスタフがゼノビアに手をかけていたのだとすれば、私も偉そうな事は言えぬがな」
「サトル様とカイト様は、お兄様方の仲を取り持ってくださろうとしているのです!私を苛むものは、グスタフなのですわ!」
サウザー王太子がそう言うと、アスラン殿下はそう言う。
それにそう言うが、後の言葉は自嘲の言葉だった。
ゼノビア姫がそう言うと、サウザー王太子が口を開く。
「……………そうだな。私も直接お前の口から聞くべきだったやもしれん。カールめにアスランに叛意ありと聞かされて…………」
「っ!?カールですと!?我が友が兄上に……………?っ!俺もカールから兄上が
サウザー王太子がそう言うと、アスラン殿下がそう言う。
カールが犯人か。
すると、サウザー王太子は苦笑気味に口を開く。
「……………ふっ。笑えんな。兄弟揃って、あの男に踊らされていたとは…………」
「カールはどこだ!?」
「探せ!探し出して奴の身柄を捕らえよ!」
「ハッハッハッハッ!!」
サウザー王太子が自嘲気味にそう言うと、アスラン殿下とバラクさんがそう叫ぶ。
すると、笑い声が聞こえてくる。
「あっ、あれは!?」
そんな高笑いが聞こえてきて、周囲を見回すと、1人の冒険者が上を指差す。
そこには、カールの姿があった。
「ハッハッハッハッ!残念、残念。もう少しで愚かな者どもによる最高の争いが楽しめたものを」
「カール!!」
「抜け抜けと姿を現しおって!」
「……………もしや、ルベリオスから来たというあの男も、お前の差し金か!」
カールはそんな風に言う中、アスラン殿下とサウザー王太子はそう叫ぶ。
アスラン殿下がそう言う中、カールは地面に降り立った。
「御名答。用も済んだので、さっさと消えてもらったがな」
「おのれ…………!無事で済むと思うな!」
「……………ふっ。雑魚どもが。私の舞台で踊るだけの価値しかない癖に、大言壮語を吐くものだ!」
「貴様!ハァァァァァ!!」
カールがそう答えると、2人はカールを睨む。
カールがそう吐き捨てると、サウザー王太子は大きくジャンプをしながら攻撃する。
サウザー王太子の攻撃は、カールの顔面に命中する。
「な……………何っ!?」
それを見たバラクは唖然となる。
その理由は、めり込んでいたカールの顔が、あっという間に元に戻ったからだ。
「なっ……………!?」
「こいつはヤバい相手だな」
「確かにな……………」
カール「グスタフー!こいつを殺すが、計画に支障はあるか!?」
サウザー王太子が唖然となる中、俺とリムルはそう呟く。
人間じゃないのは確かだな。
カールがそう叫ぶと、空からグスタフが現れる。
「やれやれ。御方は目立たぬ様にとの仰せなのじゃぞ。それを事もあろうに、我ら自身が動かねばならぬとはのう。さっさと終わらせて、証拠を隠滅するとしようぞ」
「グスタフ……………!やはり貴様も!」
「ふん。わしの手駒として優秀だったが、その力、返してもらうぞ」
「ぐぅぅぅぅぅ!?」
グスタフはそう言いながら現れた。
御方って事は、こいつらのボスが居るってことか。
そのボスって何者だ?
すると、グスタフがサウザー王太子に手を向けると、エネルギーがグスタフに向かっていく。
すると、サウザー王太子は弱っていく。
やっぱり、力を与えられていたってわけか。
『2人とも、同種族って事だよな?リムル』
『ああ。該当する種族を大賢者が確認したところ、
俺がそう呟くと、リムルはそう答える。
かなり厄介だな。
「
「面倒な事になったな……………」
「
「逃げろーー!!」
俺とリムルがそう呟くと、それが聞こえたのか、冒険者達は逃げていく。
まあ、当然だわな。
これで、変身しても大丈夫なのかもしれない。
冒険者が居ると、噂で広められる危険性もあるしな。
すると、ゼノビア姫が口を開く。
「サトル様…………カイト様…………」
「大丈夫だ。約束は守るさ」
「待ってろ」
ゼノビア姫がそう言うと、俺たちはそう答える。
俺とリムルは、思念伝達で話し合う。
『とはいえ、二体の
『そうだな。変身する事も考慮に入れるか?』
『それは考えておくよ』
俺とリムルがそう言うと、グスタフが口を開く。
「この虫ケラどもだが……………貴様1人で皆殺しに出来るな?」
「当然だ」
「要となる大切な玉体を傷つけられては敵わぬ故、わしが戦いの場を用意するとしようぞ」
(玉体…………?)
グスタフとカールがそう話すと、俺は首を傾げる。
すると、グスタフが瞬間移動をして、ゼノビア姫を捕まえる。
俺たちが駆け寄ろうとすると、結界が張られる。
玉体って、ゼノビア姫の事か!
「ゼノビア!」
『物理世界への影響を遮断する隔絶結界だ。ドレッドの力で破壊出来るだろうけど、変身するのか?』
『……………ひとまず様子を見る。グスタフはゼノビア姫の事を玉体と言っていた。危害を加える可能性は低い。場合によっては、ドレッドになる事を検討する』
アスラン殿下がそう叫ぶ中、俺はリムルの問いにそう答える。
まずは、カールを倒してからだな。
「おのれ、グスタフ……………!」
「お前は用済みってわけだ。死ねぇ!!」
「兄上!!」
サウザー王太子がそう言う中、カールはそう言って、サウザー王太子に向かって攻撃しようとする。
だが、アスラン殿下が庇った事で、サウザー王太子は無事だった。
「ぐはっ!?」
「アスラン!?」
アスラン殿下が吹っ飛ぶ中、サウザー王太子はアスラン殿下の元に向かう。
「なぜだ!?なぜ私を庇った!?」
「ふふふ。弱者が嘆く姿を見るのは、いつ見ても愉悦であるぞ…………!」
「もっともっと私を喜ばせてくれ!」
「……………俺は……………あなたを守る盾であり、あなたの敵を討つ剣でもありたいと、幼き頃よりずっと願っていた…………」
「ああ、アスラン…………私はお前を……………」
「はいはい、邪魔だよ」
「ほれ」
サウザーがそう叫ぶと、
そう話す中、リムルがサウザー王太子を離すと、俺はフルポーションをぶっかける。
すると、あっという間に傷が治る。
「ん?」
「えっ!?」
「「はあっ!?」」
「き、貴様ら、なんなんだ!?そのふざけた効能の回復薬は!?」
あっという間に傷が治って、サウザー王太子とアスラン殿下が呆気に取られる中、カールはそう叫ぶ。
うちの名産のフルポーションですが?
「邪魔だから、これ飲んで引っ込んでてよ」
『2人とも、用意は良いか?』
『待ってましたよ』
『万端です』
「こいつは俺たちで倒す!」
「お前達は、邪魔にならない様に、避難してくれ!」
「ふっ!小賢しい!」
リムルが蜂蜜をサウザー王太子に渡すと、俺たちはカールと対峙する。
カールが魔力弾を放つ中、俺たちは回避する。
俺たちが戦闘を始めた頃、隔絶結界の外に居たパウロは。
(勝てるわけねぇだろ……………。相手は
パウロはそんな風に思っていた。
すると、ある事を思い出す。
それは、俺がフルポーションを渡した事だ。
パウロはチラリとグスタフの方を見ると。
(俺……………英雄になりたかったんだよな…………。気づいてたよ。あの人たちは、俺なんかが逆立ちしたって勝てない実力者だって……………。あの棍棒だって、ユニーク武器に違いない。そんな貴重な物を……………俺を信用して渡してくれたんだよな。今は不当に逮捕されて、城にいるって話だが……………あの人たちなら、悪魔を倒す事だって…………)
『人の言う事を聞け!無茶をするな!出来る事を確実にやれ!』
『あと、相手を見ろ。素手が通用する相手ばかりじゃないんだ』
(やってやるぜ……………!俺は、俺が出来る事をやる!!結果が失敗に終わろうとも、胸を張って生きれる様にな!!)
パウロはそんな風に思う中、俺とリムルの言葉を思い出し、何かを決断する。
ちなみに、俺たちは牢屋に居るのは間違い無いが、リムルは分身体で、俺は本体だ。
それは、パウロには気づく事はなかった。
一方、俺たちは。
「ハァァァァァ!」
「ふんっ!」
カールは魔力弾を放つが、リムルは暴食者で、俺は錬金術を少しだけ使って、無力化する。
それを見たグスタフは。
(バカな!?カールの魔法を打ち消しただと!?)
グスタフはそんな風に驚いていた。
「ふっ」
「ぐっ!?」
「ハァァァァァ!」
「がぁぁぁぁぁ!?」
すると、蒼影は糸を使ってカールを拘束する。
紅丸は思い切り斬撃をして、カールがダメージを受ける。
俺たちを見たグスタフは。
(奴らは人間ではなく、魔人!?まずい、まずいまずいまずいまずいぞ!何としても、この依代だけは守らねば!我らが神を顕現させる為にも!)
グスタフは俺たちが人間ではないと気づいた。
厳密に言えば、俺は魔人ではないが。
ゼノビア姫を近くの木に寄りかからせると、グスタフは何かをし始める。
「闇夜の帷よ!降りよ!根源たる負の感情よ!来たれ!」
グスタフはそう言うと、隔絶結界を厚くすると、そう言う。
すると、コリウス王国に住む人たちから、負の感情がグスタフに向かってくる。
「同胞たるカールよ、我が糧となれ!」
「ぐっ!?うわぁぁぁぁぁ!?」
グスタフがそう言うと、カールから何かが抜けて、そのまま倒れ伏す。
グスタフの周囲に魔力が漂う中、グスタフは口を開く。
「ぬっふふふ!この体では力を完全に御せぬが、あの魔人どもを屠るには十分であろうて。それでは、始めるとしようか!」
グスタフはそう言う。
まずいな、もうやるしかない!
「サトル!ここは任せた!」
「おっ、おい!?」
俺はそう言うと、ドレッドライバーにレプリスチームライナーとレプリダイオーニを装填する。
『
『
カードを装填して、待機音が流れてくる中、俺は叫んだ。
「変身!」
そう言って、変身する。
『ドレッド・弐式』
俺はドレッド弐式へと変身する。
俺は結界に向かってパンチをする。
現状、パワーが一番あるのは、ドレッド弐式だ。
参式はまだ変身できないからな。
攻撃すると同時に、錬金術で解除しようとする。
そんな中、グスタフは瓶が転がる音に気付き、その方を向くと、ゼノビア姫の姿がなかった。
ゼノビア姫は、パウロが連れ出していた。
「愚か者が。わしから逃れられるものか!暗黒魔法、フォビドゥン!」
グスタフはそう言うと、パウロの後を追う。
俺は、結界を破壊しようとする。
グスタフの魔法がパウロに当たる直前、誰かが防御する。
「っ!?」
「そこで大人しゅう見ておれ。その娘を助けようとした心意気に免じて、妾が貴様を守ってやろうぞ」
「おっ、おう!」
グスタフが驚く中、そのフードを被った女性はそう言い、パウロは離れる。
グスタフが口を開く。
「何者だ」
「貴様の様な小物に教える気など無いわ」
「何っ……………!?」
「やれやれ……………今のあの者達では、貴様の相手は荷が重いやもしれん。妾が遊んでやる故、光栄に思うが良かろう」
グスタフがそう聞くと、その女性はそう吐き捨てる。
すると、女性は外套を外すと、銀髪の腰まである長い髪と黒いリボンをつけた風貌で、目を開けると赤と青のオッドアイだった。
「魔人か。小娘の癖に生意気な!」
グスタフはそう言いながら、その女性に攻撃する。
グスタフは笑っていると、すぐに唖然となる。
なぜなら……………。
「ぬるい」
「ばっ、バカな!?わしの全力が!?」
「知らぬわ」
あっさり受け止められていたからだ。
それに驚く中、その女性は左手でグスタフの腕を攻撃して怯ませると、蹴りを入れる。
グスタフが吹っ飛ばされると、女性は笑みを浮かべる。
その女性の口には、犬歯が目立っていた。
「まっ、まさか、
「……………貴様が知る必要などあるまいよ」
グスタフはその女性が
グスタフはそう聞くが、その女性はゴミを見る様な目でそう吐き捨てる。
(まっ、まずい…………!このままでは、何も成せずに滅んでしまう!そ、そんな事になれば、わしは……………!!)
グスタフはこの事態をどう打開するかを考える。
すると、ゼノビア姫の方を見る。
「ぐぅぅ!」
グスタフは魔力弾を爆発させて、煙幕を出す。
そして、煙に紛れる様に、壁を蹴ってゼノビア姫の方へと向かう。
「くっ!」
「邪魔だ!!」
パウロは守ろうとするが、あっさり背後を取られ、蹴られてしまう。
パウロは倒れると、グスタフは結界を施す。
すると、別の魔法を発動する。
「我らが原初たる神よ!この者に宿りて、わしに力をお貸しくださいませ!!」
グスタフはそう叫ぶと、魔法陣が光を強くする。
女性は、パウロの容体を確認していた。
「息はある様な。バカな奴じゃ」
女性はそう言う。
すると、結界が張られていた場所から強い光が出る。
それは、結界を破ろうとしていた俺にも見えた。
よく分からないが、急いだ方がいいか。
一方、女性の方では、その光の中心にいたゼノビア姫が起き上がると、ゼノビア姫を魔力が包み込む。
グスタフが固唾を飲んで見ていると、それは割れる。
そこから出てきたのは、ゼノビア姫ではなく、別の女の子だった。
フードを被っていた。
それを見たグスタフは。
「おお……………成功だ!貴様は終わりだ!何者かは知らんが、我らに楯突いた事を後悔するがいい!」
グスタフはそんな風に言う。
すると、紫の髪で金色の瞳の女の子が口を開く。
「やあ、ルミナス。せっかくだから挨拶だけでもと思って、僕の方からわざわざ来てあげたよ」
「ん?ヴィオレ様、この者をご存知なのですか?………いや、待てよ?ルミナス……………ルミナスじゃと!?ではこの者が、滅んだとされる先代魔王、”
ヴィオレと呼ばれたその少女がそう言うと、グスタフはそう叫ぶ。
銀髪の女性の正体は、魔王だったのだ。
ルミナスは舌打ちしながら口を開く。
「ちっ!やはり貴様か。ヴィオレよ。何度も言うが妾に迷惑をかけるのはやめよ」
「アッハハハハ!嫌だよ、だって僕は、人が嫌がる事をするのが大好きなんだもん!特に君の様に抜け目のない相手は、出し抜くのが大変だもんね。どうせ一緒に遊ぶのなら、僕も楽しみたいし!これからもよろしくね!」
「抜け抜けと……………!!」
「ふっ!」
ルミナスはそう言うと、ヴィオレは笑いながらそう言う。
すると、ヴィオレは魔力弾を放ちながらルミナスへと向かい、ルミナスも宙に浮く。
ヴィオレの魔力弾をルミナスが躱したり、障壁で防ぐと、お返しに魔力弾を放つ。
2人の戦いは、苛烈さを増していた。
その頃、俺は。
「よし、なんとか突破出来たな!それで……………!?」
俺は隔絶結界を突破出来て、向かおうとする。
すると、凄まじい二つのオーラがせめぎ合っているのに気づく。
しかも、その片方の気配が、あのノワールに似ていた。
原初の悪魔が現れたって言うのか?
ということは、グスタフとカールの親玉。
弐式でも勝てるかどうかは分からないな。
すると、ぶつかり合っていたその2人が降り立つ。
「うん!腕は落ちてない様だね!感心、感心」
「やかましいわ。それよりも貴様、この落とし前はどうつけるつもりなのじゃ?」
「う〜ん……………そうだね」
その2人がそう話すと、グスタフが紫の髪の女の子に話しかける。
「か、神よ!わしは、わしは…………!」
「そうだね。僕の僕の癖して、こんな簡単なお仕事もこなせないなんて、残念、残念」
「お待ちを!次こそは必ず成功させてごらんに入れます!今回とて、あなた様を受肉させたという功績を……………」
グスタフがそう言うと、その女の子はそう言う。
尚もグスタフがそう言い募る中、俺は正体におおよその見当をつけていた。
恐らく、原初の悪魔のうちの1人、
色々と資料を読み漁っていたのだ。
この世界の事を知る為に。
そう思う中、ヴィオレはゴミを見る目でグスタフを見る。
「は?これは無理矢理この子の体に、僕の力で顕現しただけなんだけど?」
「えっ!?」
「君の功績なんて皆無なのに、笑わせないでよね。僕失望しちゃった。証拠を残すくらいなら、僕の手で始末しなければならないんだもん」
「し、始末……………?はっ!」
ヴィオレはそんな風に言う。
すると、グスタフは銀髪の女性と俺の事を見る。
「お、おお!そうですとも!貴方様なら必ずや、ルミナスとその魔人の首を…………!」
「ちっ!ば〜か」
「えっ?」
「ゴミは消えちゃえ!」
グスタフは、ヴィオレが俺と銀髪の女性…………ルミナスを始末すると思ったのか、そう言う。
俺が身構える中、ヴィオレは舌打ちして、そんな風に言いながら、グスタフに手を向ける。
すると、グスタフが燃え、体が倒れると、何かが出てくる。
「ぐっ!?ぐわぁぁぁぁぁ!?そ、そんな!?うわぁぁぁぁぁ!?」
グスタフの中に居たであろう悪魔が出てくると、ヴィオレは手を握る。
すると、その悪魔は消える。
俺が呆然と見ていると。
「お前の他にも、種は蒔いてあるからね。それに……………」
「っ!?」
ヴィオレはそう呟くと、俺の目の前に現れた。
俺が驚いていると。
「君が
「っ!?なんで俺の名前を!?」
「君には興味があるからね。君とは、またどこかで会えるかもね。それじゃあ、僕は帰るね。バイバ〜イ!」
ヴィオレは俺をじっと見るとそう言う。
ヴィオレはそう言い残すと、消えて、ゼノビア姫の姿に戻った。
俺は変身解除して、ゼノビア姫を抱える。
グスタフが消えた事で、結界も解除されるだろう。
さて、どうしたものか……………。
あの銀髪の女性の名前は、ルミナスという名前で間違いないだろう。
というより、ルミナス教と関係があるのか?
すると、パウロに何か話しかけていたルミナスは、俺の方へとやってくる。
「さて、貴様。近う寄れ」
「な、なんだ……………?」
「貴様は、あの男の口裏に合わせておけ。良いな?」
「………………良いけど、あんたの名前を出した場合は?」
「………………命はないと思え」
「分かった」
「素直じゃな」
ルミナスは俺に近寄る様に言うと、俺は近寄る。
何事かと思うと、パウロの口裏に合わせろと言う。
俺がそう聞くと、不機嫌な表情になり、すぐに答える。
そりゃあ、原初の悪魔とタイマン張れる奴と敵対したくないし。
すると、ルミナスは消えて、リムル達がやってくる。
「……………まさか、お前が倒したのか?」
「はい!俺がやりました!」
「カイト、本当なのか?」
「ああ、本当だ。」
リムルがそう聞くと、パウロは若干棒読み気味にそう言う。
なんで棒読みなんだよ。
俺が心の中でそう突っ込む中、リムルと俺はゼノビア姫の方へと向かう。
「ゼノビア!大丈夫なのか?」
「兄上、落ち着いてください!ここは、サトル殿とカイト殿を信じましょう」
サウザー王太子がそう言うと、アスラン殿下はそう言う。
リムルは口を開く。
「肉体的には問題なし。この様子だと、まもなく目覚めると思うよ」
「だから、大丈夫だ」
「感謝する!」
「それで、大怪盗殿達。大事な質問があるんだが、良いかな?」
「ああ〜!わ、悪いが俺たちも忙しい身でね!紅丸、蒼影!」
「それじゃあな」
リムルと俺がそう言うと、アスラン殿下は頭を下げ、サウザー王太子はそう言う。
俺たちは誤魔化しながら、そのまま去っていく。
俺とリムルは牢屋の方へと戻る。
「ご苦労さん」
「お疲れさん」
俺とリムルは、身代わりの分身体を吸収したり、証拠隠滅の為にホムンクルスを崩して、元の姿に戻る。
すると、タイミングよく兵士がやってくる。
「来い!サウザー王太子がお呼びだ」
そんな風に言われて、俺たちは牢屋から外に出て、サウザー王太子達の元に向かう。
「おお、待っていたぞ!リムル殿、閻魔殿!」
「アスラン殿下?」
「どうされたんですか?」
「すまないが、妹がまたも衰弱してしまったのだ。出来れば、貴殿が持つ秘薬を分けて欲しいのだが……………頼めるだろうか?」
俺たちに気づいたアスラン殿下はそう言う。
俺たちがそう聞くと、アスラン殿下はそんな風に言う。
これ、鎌かけてるよな?
俺たちとあの大怪盗コンビが同一人物である事を確かめる為に。
バレてるのならしょうがないが。
すると、リムルが口を開く。
「もちろん、良いですよ」
リムルはそう言って、蜂蜜を差し出す。
すると、サウザー王太子が口を開く。
「ふむ。やはりな。私が貰った物と同じだ」
「やはりそうでしたか」
「えっ?……………あっ!?」
それを見たサウザー王太子がそう言うと、アスラン殿下もそう言う。
やっぱり、鎌かけてた。
すると、リムルもやった気づいた。
サウザー王太子とアスラン殿下が俺たちを見てくる。
言い逃れは無理だな。
その後、部屋へと通される。
そこには、普通に起きてたゼノビア姫が居た。
サウザー王太子達の背後には、バラクさんとパウロが居た。
「リムル様と閻魔様のおかげで、私、自由の身になれました」
「貴殿らには、何から何まで世話になった。感謝する」
「我らは貴殿らには恩義を感じている。その事をどうか、忘れずに、何かあったら頼って欲しい」
「は、はぁ……………」
「ああ」
ゼノビア姫達は、そんな風に言う。
どうやら、この場にいる全員にバレているみたいだな。
「こちらこそ、微力ながらお役に立てた様で何よりです」
「もしも、また薬が必要になれば、ミョルマイルという商人をお尋ねください」
「ふっ。最近、台頭したという魔物の国と取引のある商人か」
「そういえば、その国の盟主の名前も、リムル=テンペストだと言うらしい。奇遇な事もある事です」
俺とリムルがそう言うと、アスラン殿下はそう言う。
すると、バラクさんはそう言う。
やっぱりバレたか。
まあ、ドレッドに変身した時点で、バレてもしょうがないと思ったのだが。
「やっぱりすげぇお人たちだった……………」
パウロはそんな風に呟く。
俺たちは気になる事があり、口を開く。
「ところで、貴方達兄弟を争う様に仕向けていたのは、やっぱり、この国の王様だったのかな?」
「確かにな。そこら辺はどうなんですかね?」
「それについてなのですが……………実は、兵士が拘束しようと向かった時には、既に父王は身罷られていたのです」
俺とリムルがそう聞くと、ゼノビア姫はそう答える。
つまり、何者かによって始末されていたのか。
一体誰なのやら。
まあ、薄々分かるのだが。
アスラン殿下達も説明する。
「残されていた資料から、父が
「結果として良かったのであろうよ。罪状からすれば、死罪以外にはあり得なかっただろうからな」
アスラン殿下とサウザー王太子はそんな風に言う。
そんな風に企んでいたとはな。
最低な父親だ。
そう思いながらも、俺は口を開く。
「本当に全て解決したんだな」
「はい。ありがとうございました、リムル様、閻魔様……………いいえ。大怪盗サトル様とカイト様」
「だからそれは、やめてくれって」
俺がそう言うと、ゼノビア姫はそんな風に言う。
リムルがそう言うと、その場には笑いが満ちた。
一方その頃、ルミナスはというと。
「多少の面倒はあったが、片付けてきたぞ」
ルミナスは、氷の棺の中で眠る女性を見ながらそう言う。
遡る事少し前、王の間では。
「しくじりおったか、クソが!こうなれば、余自らの肉体に、悪魔を受肉させてみせようぞ!!」
アスラン殿下達の父親であるテドロンは、グスタフ達が失敗した事に対して、苛立ちながらそう言う。
すると。
「バカめ」
「あっ!?…………あ?」
「そのような愚かな行為に手を染めるから、ヴィオレの暗躍を許すのじゃ。この国は凶王への備えでもある故、大人しくこの地を守っていたのならば、死の間際に褒美をくれてやったものを……………」
そんな声が聞こえてきて、テドロンは前に視線を向ける。
そこにはソファーがあり、そのソファーにはルミナスが寝転がっていた。
「なっ!?貴様、何者だ!?」
「貴様こそ、妾を誰じゃと思うておる」
それを見たテドロンがそう言うと、ルミナスは起き上がりながらそう言う。
それを見たテドロンは。
「あっ!?あなたは…………四方の守護神……………!?」
「慈悲はやらぬ。禁忌に触れた事、地獄で反省するがよかろう」
テドロンは、ルミナスの正体に気づいたが、ルミナスは食い気味にそう言うと、魔法を発動する。
すると、テドロンの周囲から薔薇の蔦が伸びてくる。
「ぐわぁぁぁ……………!?」
テドロンはそんな呻き声を上げる。
その光景は、ある意味で美しく、残酷な物だった。
蔦から薔薇が咲いたのだが、すぐに散った。
その理由は、その薔薇は、テドロンの命を吸って咲いたのだから。
残り少ない命を薔薇に吸われ、その薔薇と共に命が散っていく。
テドロンを始末したのは、ルミナスだったのだ。
ルミナスは、氷の棺を見ながら再び口を開く。
「安心して、眠っておるが良い」
ルミナスはそんな風に呟く。
そんな事が起こっていたと気づいていない俺たちは、コリウス王国から離れる事に。
サウザー王太子は近く戴冠する事に決まり、アスラン殿下は、軍務卿として、サウザー王太子を支える事になった。
病が完治したゼノビア姫は、何故かユニークスキルが失われていたとのこと。
見送りには、サウザー王太子、アスラン殿下、ゼノビア姫、バラクさん、シフォンさん、パウロが居た。
パウロが見送る側にいる理由は…………。
「パウロ、本当に残るのか?」
「騎士団長にスカウトされたからな!」
「期待しているぞ」
「はっ!」
そう。
パウロは、グスタフからゼノビア姫を助けた勇気を認められ、アスラン殿下にスカウトされたのだ。
本人もやる気みたいだし、大丈夫そうだな。
「まあ、せいぜい頑張れよ」
「皆、元気でね」
「またいつか、必ず会いましょう」
俺とリムルはそう言い、コリウス王国から出発する。
リムルはユウキに報告しに行き、俺はテンペストに戻った。
まだまだやるべき事があるからな。
そうして、日常へと戻っていく。
だが、この時の俺は気づいていなかった。
あのヴィオレという原初の悪魔と、ルミナスとそう遠くない未来で、再会する事になるという事、覚悟を決める時と悲劇が近づいているという事を。
少し先の未来の話になる。
コリウス王国では。
「新しい魔王が誕生しただと?」
「その名は、リムル=テンペスト」
アスラン殿下がそう聞くと、サウザー王太子はそう答える。
それを聞いたアスラン殿下とゼノビア姫は。
「まあ!」
「ほう。あの強さなら、魔王というのも納得よな」
「これでは、嫁げそうにもありませんわね。残念です」
「何にせよ、めでたい事よ。我が国としても、是非とも国交を結ばせてもらおう」
それを聞いたゼノビア姫とアスラン殿下がそう言うと、ゼノビア姫はしれっとそんな事を言う。
どうやら、嫁ぐ気で居たらしい。
サウザー王太子がそう言う中、パウロは。
(やべぇ……………俺、魔王様を相手に生意気な口を聞いちゃったし、金を借りたまま返してないぞ……………。どうしよう…………!?)
パウロは内心、冷や汗をかいていた。
生意気な口を聞いたり、金を借りたまま返していない事を気にしていたのだ。
その後、泣く子も黙ると恐れられるコリウス王国のパウロ騎士団長は、魔王から借りパクした男として、名を馳せる事になるのだった。
時系列は戻り、ある空間では、瓦礫などが浮いている空間の一部が開き、夕陽に照らされたある国が見える。
周囲に突き刺さっている柱の内の一つに腰掛けている黄色の髪の女性は魔力を集めながら、口を開く。
「はぁぁん……………懲りない奴だな、ヴィオレは」
そんな風に言いながら、魔法をその国に向けて放ち、大爆発を起こす。
彼女は、
原初の悪魔のうちの1人だ。
また別の場所では、ユニコーンを模った肘掛けがついた豪華な椅子に座りながら、ワインを飲む白い髪に赤い瞳の女性が居て、その傍らには、2人の従者が控えていた。
従者は片方は少年みたいな風貌で、もう片方は青年の様な風貌だった。
「また失敗したのね、あの子」
その女性はワインを飲むと、そう言う。
彼女は、
彼女もまた、原初の悪魔の1人だ。
そして、ヴィオレはというと。
「……………さて。次の芽はどこから出るかな?」
ヴィオレはそう言いながら、たくさんの水晶が並ぶ場所に降り立つ。
その水晶の一つには、男女が映っており、片方は赤い髪で右側が黒、左側が小さい白い角の大鬼族で、もう1人は、黒髪で胸の方に下げている髪は緑色で赤いティアラを頭の上に乗せている女性だった。
ヴィオレの言葉の意味とは……………。
今回はここまでです。
今回で、コリウスの夢の話は終わります。
ヴィオレは、閻魔に興味を抱いている模様。
果たして、その意味とは。
次回はどうなるのかは未定です。
ただ、ファルムス王国の侵略が始まる。
果たして、閻魔はどうなるのか。
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転スラの漫画の最新話が来ましたね。
古代都市アムリタに向かうリムル達。
だが、混沌竜が現れ、ミリムが対応する。
都市の防衛機構が働き、ゴーレムが襲いかかる中、リムルの前にマリアベル・ロッゾが現れる。
カガリも、リムルに対する見方が変わりそうですね。
遺跡をなるべく保存したいというリムルの考えを聞いて。
マリアベルは何を目的にして、リムルの前に姿を現したのか。
リムルとマリアベルの対決の結末がどうなるのか、楽しみです。