転移したら暗黒の破壊者に変身出来る様になった件   作:仮面大佐

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第3話 想いの再錬成

 シズさんから、暴走したイフリートを分離してから、1週間が経過した。

 だが、シズさんは、未だに目を覚まさない。

 俺とリムルは、シズさんのそばに居た。

 

「まだ目を覚まさないな」

「そうだな………。それはそうと、閻魔」

「ん?」

「お前は言ったよな?シズさんを助ける方法があるって」

「ああ。…………丁度いい。話すよ。イフリートを分離したシズさんをどうやって助けるのか」

 

 俺とリムルは、お互いに向き合う。

 さて、何から話すかな。

 俺はリムルに対して、ある事実を言う。

 

「まず………一つ言っておくと、現在、シズさんの命は、風前の灯だ」

「どういう事だよ………!?」

「イフリートが、シズさんの命を延命していたんだ。シズさんが長い間生きていたのは、イフリートのおかげだ」

「それじゃあ………助ける方法は無いって言うのかよ………!?」

 

 やはり、そういう反応になるよな。

 でも、助けられないことはない。

 

「いや、方法はある」

「えっ!?本当か!?」

「ああ。ファンタスティック属性のレベルナンバー5、インフェニックスの力を使えばな」

「インフェニックス……………?」

 

 俺がそう言うと、リムルはそう聞いてくる。

 俺はそう答えると、リムルは首を傾げた。

 インフェニックス。

 ファンタスティック属性のレベルナンバー5であり、その能力には、どんな物をも完全に再生させる神秘的な紅蓮の炎を使える。

 その力を使えば、シズさんの体を治す事が可能だ。

 外見年齢相応に。

 

「それを使えば、助けられるんだな!?」

「ああ」

 

 リムルの問いに、俺はそう答える。

 まあ、本人次第なんだがな。

 すると。

 

「………スライムさん、閻魔君」

「シズさん!」

「目が覚めたんだな」

 

 シズさんが目を覚ました事に、リムルは安堵の表情を浮かべる。

 シズさんは、微笑を浮かべる。

 

「さっきの話、全部聞かせて貰ったよ」

「……………聞いてたのか」

 

 聞いてたんだな。

 シズさんは、口を開く。

 

「ありがとう。でも、もう大丈夫だよ。最後に二人に出会う事が出来て……………」

「…………シズさん。あなたは、心残りがあるんじゃないか?」

「………………え?」

「リムルから聞いた。ドワルゴンでの占いで、あなたは5人の子供達に囲まれていた。その子供達は、あなたにとって、大切な人なんじゃないのか?」

「………………」

 

 この一週間、リムルから聞けるだけの情報は聞いた。

 リムルが見たドワルゴンでの占いでは、シズさんの周りに、5人の子供がいたらしい。

 こんなに優しい人が、未練なんて無いとは思えない。

 

「……………出会ってそこまで経っていないが、俺はあなたを救いたいと思っている。俺やリムルよりも辛い境遇で生きてきたあなたを」

「……………シズさん。俺も、シズさんを救いたい。少しでも可能性があるなら、それに賭けてみようぜ」

「二人とも……………うん。お願いしても良いかな?」

「ああ」

 

 俺はそんなふうに言う。

 シズさんは幸せになって欲しいと感じた。

 いきなりこの世界にやってきた俺と違い、シズさんはこの世界に召喚された。

 少しでも、幸せは掴んで欲しいと思ったのだ。

 リムルがそう言う中、シズさんはそう言う。

 俺は、インフェニックスのカードを取り出す。

 この一週間、インフェニックスに力を貸してくれる様に頼み込んだのだ。

 ちなみに、普通のケミーのカードも生み出している。

 

「頼むぞ、インフェニックス」

「フェニックス!」

 

 俺がそう言うと、インフェニックスはそう答え、カードから出てくる。

 インフェニックスは、神秘的な炎をシズさんに向かって出す。

 

「なあ、本当に大丈夫なんだよな?」

「黙って見てろ」

 

 リムルの不安げな問いに、俺はそう答える。

 すると、弱々しい雰囲気のシズさんが、徐々に回復していく。

 上手く行ったみたいだな。

 炎が消えると、弱々しい雰囲気が消えていた。

 すると、シズさんの体から炎が出てくる。

 

「っ!?」

「何だ!?」

 

 俺とリムルが驚く中、その炎は100枚のカードとなり、シズさんの近くに落ちる。

 

「カードか?」

「……………まさか!?」

 

 リムルがそう言う中、俺はそのカードの束を手に取る。

 それらは、前の世界で見た事がある物だった。

 

「これは……………デイブレイクケミーか!?」

「えっ!?」

 

 俺はそう叫ぶ。

 デイブレイクケミー。

 仮面ライダーガッチャードデイブレイクが、変身などに用いるライドケミーカードだ。

 しかも、全てのカードがある。

 どういう事だ?

 すると、リムルが口を開く。

 

「……………大賢者によると、シズさんの体に残ってたイフリートの残滓が、デイブレイクケミーに再錬成されたらしい。インフェニックスの力に触れた結果、起こったそうだ」

「……………そうか」

 

 リムルがそう言うと、俺はそう言う。

 そんな奇跡が起こるのかと一瞬思ったが、ケミーが自らを再錬成するのは、あり得るからな。

 そんな感じだと思っておくか。

 すると、シズさんが起き上がり、リムルがシズさんに聞く。

 

「シズさん……………大丈夫なのか?」

「うん。まるで、全盛期の頃みたい。ありがとうね、閻魔君」

「いや、助かって良かった」

 

 俺はシズさんが助かって、ホッとする。

 助けられて良かった。

 俺は、ある提案をする。

 

「なあ、リムル。シズさんの体をコピーして貰えば?」

「ええっ!?いや、流石にそんな事は…………」

「うん。リムルさんも、もしかしたら、人間の街に行くかもしれないから、その時に便利だよ」

 

 リムルは渋るが、俺とシズさんの説得を受けて、シズさんを捕食して、すぐに吐き出す。

 その際、2人は若干照れ臭そうにしていた。

 そして、リムルが人間の姿になる。

 リムルは、幼いシズさんの様な姿になった。

 すると、外から声が聞こえてくる。

 

「おや、これは皆さんお揃いで。皆さんもお見舞いですかな?」

「ええ、リグルドさんもっすか」

「はい、シズ殿の着替えをお持ちしたところです。リムル様失礼します」

 

 そう言って、リグルドが入ってくる。

 どうやら、エレン達も居るみたいだな。

 すると、皆が驚く。

 それはまあ、当然の反応だな。

 すると、嵐牙が現れる。

 

「我が主………!」

「「「え?」」」

「その姿は………!?」

「「「えぇぇぇぇ!?」」」

「そっちの小さい女の子が………リムルの旦那ぁ!?」

「やぁ。………その通りだよ。そこに居るのは、リムルだ」

 

 嵐牙にリグルド、エレン達が驚く中、俺はそう言う。

 俺たちは、事情を話す事に。

 すると。

 

「み、見ないでぇぇぇ!!」

「うわっ!?」

 

 シズさんはそう叫んで、リムルに布団を投げつける。

 まあ、裸だったからな。

 間接的に、自分の裸を見られたようなものだし、流石に恥ずかしいよな。

 ちなみに、俺は視線を逸らしていた。

 流石に、そんな事をしたら、変態のレッテルを貼られてしまうからな。

 そんな中、ギドが口を開く。

 

「本当に………リムルの旦那でやんすか?」

「間違いありません!」

「見くびるな!姿形が変わったくらいで、分からないと思うか!!」

 

 ギドがそんな声を出すと、リグルド達はそんな風に叫ぶ。

 まあ、気持ちは分かるがな。

 それを聞いて、カバルはたじろぎながら口を開く。

 

「ああ、いや………。そういう事じゃ無くて………何か、ちっこいシズさんぽいっつーか………」

「本当だよ、リムル」

「ああ、ホレ」

 

 リムルがそう言うと、人間としての姿から、スライムとしての姿に戻る。

 すると、カバルとギドが驚いた様な表情を浮かべる。

 

「ふへ〜………」

「見事なもんでやんすね………」

 

 カバルとギドがそう言う中、エレンさんは、シズさんの方に向かう。

 

「良かったよ〜!シズさんが助かって!」

「うん。閻魔君のおかげで、助かったよ」

 

 シズさんは、泣くエレンを宥めていた。

 シズさんを心配してくれていたんだもんな。

 本当に良い奴らだってのがよく分かる。

 すると、エレンが口を開く。

 

「閻魔さん!シズさんを救ってくれて、ありがとう!」

「俺も死んでほしくなかったからな。ただ、体内年齢が若返ったから、しばらくは様子を見る為に、この村に留まる感じになるけどな」

 

 エレンがそう言う中、俺はそう言う。

 いきなり体内年齢が戻ったから、しばらくは慣れる必要性があるからな。

 俺がそう言うと。

 

「まぁそれは仕方ないぜ」

「慣れないのに無理はいきやせんからね」

「シズさんと別れるのは辛いけど仕方ないね」

「私も皆と旅ができて楽しかったよ。ただ…………ちょっと危なっかしいから心配かな」

 

 それを聞いたカバル達はそう言う。

 シズさんが苦笑気味にそう言うと、エレンとギドは、カバルを見る。

 確かに、遭遇した際に、蟻の巣に剣を突き刺したとか言ってたな。

 

「ん?あ!おいこら!なんだその目は!」

「だって……………ねぇ?」

「ああ」

「お前だって、この前落とし穴にハマってたじゃねーか!盗賊(シーフ)のくせに!シズさんだって呆れてたぞ!」

「あっ、あれは姉さんが急に押すからでやす!」

「ちょっとぉ私のせいにしないでよぅ。あの時は突然蜘蛛が落ちてきて…………あの時はシズさんが蜘蛛を取ってくれたのよねぇ」

「あれ以来シズさんが罠探し手伝ってくれやした」

「ホレみろ!俺だけじゃないじゃん!」

 

 カバル達はそんな風に言い争う。

 あまり長くはないが、これがこいつらなのだと分かった。

 

「……………こいつら、シズさんに頼ってばかりじゃなかったのか?」

「確かに」

「あははは………………」

「「うん!うん!」」

 

 俺がそう言うと、リムルも同意し、シズさんが苦笑する中、リグルドと嵐牙も頷いていた。

 その日は、夕方になってしまったので、エレン達は村に泊まった。

 その翌日。

 

「色々と世話になったな。じゃあ、そろそろお暇するわ」

「国に帰るのか?」

「ああ、ギルマスにこの森の調査報告とシズさんのことも、報告しないといけないからな。ここの事は、悪い様には言わない」

「リムルさん達のことも、伝えておくね。」

「旦那達も何かあったら頼るといいでやすよ」

「ああ、そうさせてもらうよ」

 

 カバルがそう言う中、俺がそう聞くと、カバル達はそう答える。

 ブルムンドという国があるらしい。

 本当に異世界に来たんだなと感じるよな。

 シズさんは、エレン達に話しかける。

 

「皆、元気でね」

「シズさんも」

「閻魔の旦那。シズさんを助けてくれて、ありがとうございます」

「だから、気にすんな。俺が助けたいと思って、助けたんだから。」

 

 カバル達はそう言って立ち去ろうとするが、何かを思い出したのか、立ち止まる。

 

「あっ………と、最後にもう一つ。シズさんに、話があります」

「どうしたの?」

 

 カバルがそう言うと、シズさんは首を傾げて、3人はシズさんを見る。

 すると、三人は頭を下げる。

 

「「「シズさん!ありがとうございました!」」」

「三人とも………」

「俺、あなた達に心配されない様なリーダーになります!」

「あなた達と冒険できた事、一生の宝にしやす!」

 

 カバルとギドはそんな風に言う。

 そしてエレンは、シズさんを抱きしめる。

 

「ありがとう………。シズさんの事、お姉ちゃんみたいって、思ってました」

「三人も、元気でやってね。それと、いつでも会いに来て良いよ」

 

 やっぱり、三人は良い人たちだ。

 この三人が、シズさんの仲間で、本当に良かった。

 すると、リムルが声をかける。

 

「ところで、お前らの装備、ボロッボロだな」

「「「ひどっ!」」」

 

 リムルがそう言うと、三人は装備を隠す様にして、俺は笑い、シズさんは苦笑した。

 外に出て、鍛治工房と思われる場所に移動する。

 リムルは、防具とかを渡す。

 

「おおっ!憧れのスケイルメイル!」

「スゴい!なにコレ!?軽い上に頑丈、ていうかめっちゃキレイ!」

「いっ、良いんでやすか、あっしにはもったいない代物で!?牙狼の毛皮まで使用されってやっせ!?」

「餞別だよ。ウチの職人の力作さ」

「職人?」

「おーい」

 

 受け取った防具とかを見て、カバル達はそう言う。

 リムルが呼ぶと、カイジン達が出てくる。

 カイジンとは、リムルが行った武装国家ドワルゴンで出会ったドワーフだそうだ。

 

「まっ、力作つっても、試作品だけどな」

「着心地はどうだい?」

「細工は隆々ってね」

「うん、うん」

「喋れよ!」

 

 カイジンが他の3人を連れて現れる。

 残りの3人は、ガルム、ドルド、ミルドだそうだ。

 気を取り直したリムルは、彼らを紹介する事に。

 

「紹介するよ。右から、カイジン、ガルム、ドルドにミルドだ」

「カイジン!?マジで!?」

「腕利きで超有名な鍛治職人の!?」

「ガルムにドルド、ミルドってあのドワーフ三兄弟!?」

「ありがとうございます!これ、家宝にします!」

「嬉しいです!」

「夢の様でやんす!」

 

 そんな風に、三人は喜んでいた。

 やっぱり、カイジンは相当有名な鍛治職人なのだろう。

 三人は、今までのことを吹き飛ばす大はしゃぎしたのち、帰って行った。

 その後、俺とリムルは、シズさんと一緒に話をするべく、テントへと向かっていた。

 だが、この時の俺は、知らなかった。

 俺とリムルを中心として、世界が激動の時代になっていく事を。

 そして…………。

 干上がった荒野に、一体の豚頭族(オーク)が歩いていたが、限界が来たのか、倒れる。

 すると、そこに一体の鳥のようなマスク…………俗に言うペストマスクをし、白い紳士服を着ており、杖を持った者が近づいていく。

 その者が、豚頭族を見つめると。

 

「お前に名前と食事をやろう」

 

 その者がそう言う。

 豚頭族は、その者を見つめると、問う。

 

「…………あなたは?」

「ゲルミュッド。俺の事は、父だと思うがいい」

 

 そう言うと、豚頭族は、訝しげな表情を浮かべる。

 それを見たゲルミュッドは。

 

「………このまま死ぬか?」

 

 そう問う。

 それに対する豚頭族の答えは。

 

「………名前を………そして、食事を……」

「お前の名は、ゲルド」

「ゲルド…………」

「やがて、ジュラの大森林を手中に収め、豚頭魔王(オークディザスター)となる者だ。」

 

 そう言って、ゲルミュッドは、ゲルドに肉を与え、ゲルドはその肉を食べる。

 これが、やがて大きな出来事に繋がってくる事は、誰も知らない。




今回はここまでです。
今回は、シズさんが救われる話です。
インフェニックスの力で救われたシズさんですが、イフリートの残滓がデイブレイクケミーに再錬成される。
その為、シズさんはガッチャードデイブレイクに変身します。
そして、暗躍するゲルミュッド。
ここから物語は加速していきます。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
アンケートを始めました。
閻魔のヒロインに関してです。
これまでに集まった案を元に、アンケートにしました。
次回は、大鬼族との戦いです。
閻魔は、テンペストの盟主にはならない方針で考えています。
流石に、人間がなるのはおかしいかなと思い、リムルの左腕として動く予定です。
壱式はカリュブディス、弐式はファルムスとの戦闘、参式はワルプルギスで投入します。
リクエストがあれば、活動報告にて承っております。

閻魔のヒロインは誰にするか

  • 朱菜
  • ミリム
  • ヒナタ
  • ルミナス
  • ヴェルザード
  • 悪魔三人娘
  • ヴィオレ
  • ブラン
  • ジョーヌ
  • その他
  • いらない
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