転移したら暗黒の破壊者に変身出来る様になった件   作:仮面大佐

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第5話 オークロード

 ひょんな誤解から、大鬼族と戦闘になってしまった俺たちだが、誤解も解け、大鬼族を連れて、村へと戻る。

 宴が行われているが、現在、緊張感が凄まじかった。

 何せ、リムルに全員の視線が向けられていたからだ。

 

「はむっ」

 

 リムルが肉を口に入れると、全員が固唾を飲んで待っている。

 すると、リムルが震え出す。

 

「リ、リムル様………?」

「お口に、合いませんでした……?」

 

 リグルドとリグルが不安そうにそう聞いてくる。

 でも、この反応なら。

 

「うんっっっまぁぁい!」

 

 リムルがそう言うと、周囲から歓声が上がる。

 リムルは、人間の姿を得て、やっと味覚を得たのだ。

 それは美味いだろう。

 そこから、本当の意味で宴会ムードになっていた。

 みんな酒を飲んだり、食べ物を食べたりして大いに盛り上がる。

 俺も、焼き串を食べている。

 結構美味いからな。

 そんな中、俺は、カイジン、リグルド、リグル、シズさんと一緒に、大鬼族のリーダーから話を聞いていた。

 大鬼族のリーダーの言葉を聞いたカイジンは、酒を吹き出す。

 

「ぶっ〜!豚頭族(オーク)が、大鬼族(オーガ)に仕掛けてきただって?そんな馬鹿な!」「事実だ」

「あり得るのか?そんな事?」

「分かりません」

「分かんないけど、異常なのは確かだな」

「ええ」

「そんなにおかしい事なんすか?」

 

 カイジンがそう言うと、リーダーはそう答える。

 カイジン、リグルド、俺、シズさんがそう話してる中、ゴブタが肉を食べながらこちらに来る。

 

「ゴブタ」

「当然だ。大鬼族と豚頭族じゃあ、強さの桁が違う。格下の豚頭族が仕掛ける事自体、あり得ない」

 

 確かに、俺が知るゲームだと、オークとオーガでは、オーガの方が強いというのが、お約束とも言えるのだから。

 すると、リーダーは、忌々しそうに言う。

 

「だが、奴らは来た。いきなり俺たちの里を襲撃してきた。武装し、鎧を身につけ、森を埋め尽くす程の圧倒的な戦力。あの忌まわしい豚どもに………里は蹂躙され尽くしたのだ!」

「豚頭族が鎧を?」

「ああ。人間の着用する様な、フルプレートメイルだ」

 

 それを聞いた俺たちは、つぶやく。

 

「だとすると……」

「やはり、オークだけで動いているとは思えませんな」

「オークたちがそんな高価なものを大量に用意できるわけがない。不自然だ」

「その通りだ。軍勢の中に、仮面をつけた魔人がいた」

「仮面の魔人………」

「あれは上位魔人だ。間違いない。」

 

 俺、リグルド、カイジンがそう言う中、リーダーは忌々しそうにそう語った。

 なるほどな。

 

「そいつとリムル様を間違え、戦いを挑んだという訳ですな?」

「ああ」

「………………つまりどういうことっすか?」

「豚頭族が誰か魔王の勢力のいずれかに与した…………ということではないか?」

「なるほど……っす?」

 

 ゴブタは、リグルの説明を聞いても、いまいちピンと来ていない様だった。

 魔王と聞くと、シズさんが言ってた事を思い出す。

 シズさんは、魔王、レオン・クロムウェルによってこの世界に召喚された。

 無論、そいつとは限らないが。

 

「魔王か………」

「しかし魔王が何故?」

「分からぬ。はっきりしているのは、300人ほどいた同胞は、たった6人しか残ってないということだ」

「…………少なくとも、レオン・クロムウェルでは無さそうね」

「なるほどな。そりゃあ、悔しいわけだ」

「リムル」

「リムルさん」

 

 それを聞いたカイジンとリグルドがそう話す中、リーダー格は悔しそうにそう言う。

 リムルは、そう言いながらこちらに来る。

 

「肉はもう良いのか?リムル殿」

「ちょっと食休み。………お前の妹、凄いな」

「うん?」

 

 そう言うリムルの視線の先には、ホブゴブリン達に囲まれたリーダーの妹さんだった。

 

「薬草や香草に詳しくて、あっという間にゴブリン達と仲良くなった」

「箱入りだったからな。頼られるのが嬉しいんだろう」

「………で、お前ら、これからどうすんの?」

「どう………とは?」

「今後の方針だよ」

「確かにな。再起を図るにせよ、他の地に移り住むにせよ、仲間の命運は、君の采配にかかってるはずだろ?」

 

 ちなみに、紫色の髪の大鬼族は、ゴブリンたちと一緒に踊っていて、黒の大鬼族は、肉を豪快に食べていた。

 

「知れた事。力を蓄え、再度挑むまで」

「当てはあるのか?」

「うっ………」

 

 リーダーは、何も考えていないのか、リムルの問いには答えず、酒を飲む。

 思念伝達で、リムルと話し合う。

 

『これ、完全にノープランだよな?』

『だな………。ちょっと、提案してみるか』

『何を?』

『まあ、見てろって』

 

 リムルがそう言うと、リーダーに提案する。

 

「…………提案なんだけどさ、お前たち全員、俺の部下になる気はあるか?」

「なっ………部下?」

「まっ、俺が支払うのは、衣食住の保障のみだけどな」

「確かに。拠点があるのと無いのとだと、大分違うだろ?」

「しかし………それでは、この街を俺たちの復讐に巻き込む事に………」

「まあ、別に、お前たちの為だけって訳じゃ無い」

「数千の武装した豚頭族が攻めてきたんだろ?誰か魔王が糸を引いているかも知れないしな」

 

 俺がそう言うと、リグルドが口を開く。

 

「豚頭族どもは、このジュラの大森林の支配権を狙っているやもしれませんな」

「うん。この街だって、決して安全とは言えないだろうな」

「そんな訳で、こちらとしても、戦力は多いに越したことはない」

「それに、もし、お前たちに何かあったら、俺たちも一緒に戦う。俺たちは、仲間を見捨てない」

「ああ」

「なるほど………。少し、考えさせてくれ」

「そうだな」

「さてと、俺はもう少し、肉を貰ってこようかな」

「俺も」

 

 俺とリムルは、肉を貰いに行く。

 そんな中、リーダーは森の中を歩いていて、青色の髪の大鬼族がリーダーに話しかける。

 

「悪い話では無い。だけど、決めるのは、お前自身だ。我らは、貴方と姫様に従う。」

 

 二人の大鬼族は、リーダーにそう声をかけて、リーダーは奥に向かっていく。

 しばらくすると。

 

「ちっ!くうっ……………!!」

 

 若はそんな風に言うと、近くの木を殴る。

 

「俺にもっと、力があれば……………!」

 

 若はそんな風に呟く。

 その翌日、俺とリムルが居る天幕に、リーダーがやって来る。

 

「………決めたのか?」

「大鬼族の一族は戦闘種族だ。人に仕え、戦場を駆ける事に抵抗はない。主達が強者なら、尚の事喜んで仕えよう」

「おう」

「契約は、豚頭族の首魁を討ち滅ぼすまでで良いか?」

「その後は、自由にしてもらって構わない」

「リムルに協力して国を作るのも良いし、旅立つのも選択肢にあるな」

 

 俺とリムルの言葉を聞いたリーダーは、息を吐いて、その場に跪く。

 

「昨夜の申し出、承りました。あなた様の配下に、加わらせて頂きます」

「うむ」

 

 何だか、弱味に付け込む様な形になってるな。

 とはいえ、この決断は、自分の不甲斐なさを飲んだ、一族の頭としての物だろう。

 するとリムルは、人間態になる。

 

「顔を上げろ。君達を受け入れる。皆をここに呼んでくれ」

「はっ」

 

 そう言って、リーダーは、残りの大鬼族達を呼びに行った。

 俺とリムルは。

 

「リムル」

「ああ。俺に出来る事は、あの頭の決断を、悔いなき物にしてやるだけだ」

「だな」

 

 俺とリムルはそんな風に話す。

 しばらくすると、残りの大鬼族達がやって来る。

 ちなみに、名付けに関しては、リムルが行う事に。

 名付けというのは、リムルから聞いたが、本来は命を削る行いだそうだ。

 その為、人間の俺がそんな事をしたら、魔物の強さにもよるが、生命活動に支障が出るそうだ。

 すると、リムルが口を開く。

 

「俺の配下になった証に、名をやろう」

「あっ………」

「俺たち、全員に………?」

「名前がないと不便だろ?」

「しかし………」

「お待ちください。名付けとは本来、大変な危険を伴う物。それこそ、高位の………」

「大丈夫だ、リムルなら」

「ですが………」

 

 おそらく、姫様が言いたいのは、低位活動状態(スリープモード)の事だろう。

 まあ、大丈夫じゃねぇの?

 

「それとも、俺達に名前を付けられるのは嫌か?」

「そういう事では………」

「異論などない」

「お兄様………」

「ありがたく頂戴する」

「若がそう言うのなら」

「うん。じゃあ、始めよう。君は…………」

 

 リムルは、大鬼族達に名付けをすると、リムルは気を失ってしまう。

 リムルはリーダーを紅丸、妹さんを朱菜、紫の髪の大鬼族を紫苑、青髪の大鬼族を蒼影、黒髪の大鬼族を黒兵衛、爺さんを白老と名付けた。

 その翌日、大鬼族全員が進化したそうだ。

 そして、リムルが寝ている間、俺は色々な事をやっていた。

 

「閻魔君、何してるの?」

「ちょっとな。豚頭族が迫ってるから、レプリケミーの組み合わせを考えてたんだ」

 

 シズさんがそう聞くと、俺はそう答える。

 豚頭族の集団は、ジュラの大森林の覇権を狙っていると、リグルドは言っていた。

 そして何より、フルプレートメイルを着用している豚頭族など、おかしいとしか言いようがない。

 という訳で、戦闘に備えて、レプリケミーの組み合わせを考えていた。

 相手がどんな技を使うのかは分からないが、備えていて損はないはずだ。

 パワーで行くとなると、レスラーGやゴリラセンセイ、エックスレックスがいいだろう。

 ただ、レプリケミーとはいえ、レベルナンバー10だ。

 それ相応の負荷があってもおかしくない。

 そして、他にはというと。

 

「どうしたんですか?」

「いや……………やっぱり、鍛えて欲しいと思ったからさ。今の俺は、ドレッドに変身出来てたから勝てたと思う。豚頭族を相手に上手くいくか分からないから、鍛えて欲しい!」

「ほう……………」

 

 紅丸がそう聞く中、俺はそう言う。

 現状、ドレッドに頼り切りになっている上、ドレッドの負荷も改善されていない。

 俺が鍛えないと、ドレッドの負荷には耐えられないだろう。

 それを聞いた白老は。

 

「うむ。確かにお主は、戦闘のセンスは良いが、ドレッドとやらに頼り切りじゃな。ここは一つ、お主を鍛えてみせよう!」

「ありがとうございます!」

「おお……………」

 

 白老はそう言うと、俺はそう叫ぶ。

 強くなれるのなら、強くなった方が良いからな。

 それを見ていた紅丸は、感心していた。

 こうして、俺は鍛えてもらう事になった。

 白老の指導は厳しいが、これも俺が強くなる為だ。

 そのための努力は決して惜しまない。

 ドレッドの力を使いこなす為に。

 もし、この村に襲ってくる奴が居るのなら、容赦なく叩き潰す。

 そんな決意のもと、特訓を続けている。

 そんな中、紅丸が口を開く。

 

「閻魔殿、少しよろしいか?」

「紅丸か。どうしたんだ?」

「いや、朱菜の姿が見えなくてな……………少し探してきてくれないか?」

「分かった」

 

 紅丸がそう言ってくるので、俺は朱菜を探しに行く。

 しばらく探す中、丘の上に朱菜の姿を見つけた。

 声をかけようとしたら、朱菜は涙を流していた。

 気まずいと思いながらも、俺は朱菜に声をかける。

 

「朱菜」

「え、閻魔さん!?」

「紅丸が、朱菜の事を心配してたから、探しに来たんだよ」

「そうですか……………。すいません。すぐに戻ります」

 

 俺がそう言うと、朱菜は戻ろうとする。

 だが、どこか無理がある様に感じた。

 俺は朱菜を引き止める。

 

「待ってくれ」

「えっ………………?」

「無理して、気丈に振る舞わなくて良いぞ」

「えっ…………!?わ、私は無理なんて…………」

「してるだろ?泣いてたからな」

「そ、それは……………。」

 

 俺がそう言うと、朱菜はしどろもどろになる。

 まあ、里が滅ぼされたんだ。

 無理もないな。

 俺がしてやれる事は、これくらいだ。

 俺はそう思って、朱菜を抱きしめる。

 無理をする人は、そんな風にした方が良いみたいな話を聞いたからな。

 

「え、閻魔さん………………!?」

「……………無理して振る舞って、潰れるなんて、ダメだからな。俺以外には誰も居ないから、泣いても良いんだぞ」

「閻魔さん……………うっ、ううっ…………!うわぁぁぁぁぁん!」

 

 俺がそう言うと、朱菜は声高く泣き出す。

 大切な里が滅ぼされ、同胞たちも、紅丸達を除いた皆が死んでしまったのだ。

 無理もない。

 朱菜が泣くのは、しばらく続いた。

 泣き続ける朱菜の頭を撫でながら、俺はある決意をした。

 仲間を守る為なら、俺はなんだってやる。

 例え、非人道的だと罵られる事になろうとな。

 しばらくすると、朱菜が泣くのはやめて、俺の方を恥ずかしそうに見る。

 

「………………ありがとうございます。すいません、服を濡らしてしまって」

「大丈夫だよ。……………さて、街に戻ろう。紅丸達も心配してるだろうし」

「ですね」

 

 俺たちはそう話して、街へと戻っていく。

 朱菜は顔を赤くしていたが。

 一方、それを見ていた蒼影は、紅丸に伝えていた。

 

「……………そうか。朱菜が」

「ああ。朱菜様も、我らと同じ悲しみを抱えていた。それを、閻魔殿は受け入れた」

「そうだな。……………閻魔殿なら、朱菜を任せられるな」

「ふっ」

 

 紅丸と蒼影は、そのように話していた。

 俺たちがそうしている中、ジュラの大森林に起こった異変は、確実に侵食を続けていた。

 一方、ジュラの大森林の中央に広がるシス湖。

 その周辺には、湿地帯が広がっていて、蜥蜴人族(リザードマン)が支配する領域となっている。

 

「ほ、報告します!シス湖南方にて、豚頭族の軍勢を確認!我ら、蜥蜴人族の領域への侵攻と思われます」

「豚頭族だと?戦の準備をせよ。豚ごとき、蹴散らしてくれるわ」

「数はどのくらいなのだ?」

「それが…………」

 

 蜥蜴人族の長が居る所に、蜥蜴人族の人が入ってくる。

 そう聞くと、長の隣にいた親衛隊長がそう聞く。

 だが、歯切れが悪かった。

 

「どうした?歯切れが悪いぞ。早く言え」

「それが………豚頭族の軍勢、その数………およそ20万………」

 

 副隊長がそう聞くと、斥候はそう答える。

 その言葉に、親衛隊長と副隊長が叫ぶ。

 

「バ………バカな!?我々の20倍もの軍勢だと?」

「ちゃんと確認したのか?」

「魔力感知と熱源感知で、何度も確認しました。この命に賭けて、真実であります」

「………ご苦労。下がって休むが良い」

「はっ」

 

 親衛隊長と副隊長がそう聞くと、偵察はそう答える。

 首領がそう言うと、偵察部隊は、下がっていく。

 首領は呟いた。

 

「20万だと………?そのバカげた数の豚どもの胃袋をどうやって、満足させる事が出来ると言うのだ?」

「そもそも奴らは、勝手気ままで、協調性のない連中」

「20万などと言う途方もない数を、統率出来ようはずもない」

「噂ですが、豚頭族の軍勢が、大鬼族の里を滅ぼしたとか」

「「何だって!?」」

 

 側近達が、その噂に驚く。

 そんな中、首領がポツリと呟く。

 

豚頭帝(オークロード)

「あっ………」

「20万もの軍勢をまとめ上げている豚頭族が居るのならば……伝説のユニークモンスター、豚頭帝の存在を疑わねばなるまい」

「ん………」

「豚頭帝………」

 

 首領の言葉に、側近達が騒めく。

 豚頭帝の存在に驚いているのだ。

 

「オ………豚頭帝」

「いや………しかし………」

「だが、万が一そうであるなら、豚頭族どもが、大軍をまとめ上げる事ができた理由の説明はつきますな」

「しかし、その目的は………?」

「そんな事はどうでもよろしい!問題は勝てるかどうかですぞ!」

 

 側近達がそう言う中、首領が口を開く。

 

「本当に豚頭帝が生まれたのだとすれば、勝利は厳しいだろう。」

 

 その言葉に、部下達が騒めく。

 首領は、言葉を紡ぐ。

 

「豚頭帝は、味方の恐怖の感情すらも食らう、正真正銘の化け物なのだからな。………可能性の話だ。………だが、打てる手は全て打つべきだ」

「打てる手………」

「と言いますと?」

「援軍を頼むべきだろうな。………息子よ!我が息子はおるか?」

 

 首領の言葉に、親衛隊長と副隊長が反応する。

 首領がそう叫ぶと、その息子が現れる。

 

「ここにおりますよ。………ですが、親父殿。その呼び方は、些か不粋ではありませぬか?我輩には、ガビルというゲルミュッド様から頂いた名前があるのですから」

 

 そう、ゲルミュッドはこの蜥蜴人族にも、ガビルという名前を付けていたのだ。

 

「呼び方など、どうでも良かろう」

 

 首領がそう言う中、ガビルの妹である親衛隊長とガビルが目を合わせる。

 副隊長は、ガビルの幼馴染だ。

 

「お前にやってもらいたい事がある」

「………伺いましょう」

 

 一方、俺たちは、白老とシズさんがゴブタ達をしごいているのを見ていた。

 理由は、ゴブタがお気楽に剣術を習いたいと言ったからだ。

 

「ほらほら!打ち返してこんか!」

「皆!かかってきなさい!」

 

 そう言って、ゴブタ達を滅多打ちにする。

 まさに鬼コーチだな。

 ていうか、シズさんって、意外とスパルタなのかな。

 すると、紅丸がある話をする。

 

「豚頭帝?」

「何だそれ?」

「まあ、簡単に言うと………化け物です」

「本当に簡単だな」

 

 紅丸は、豚頭帝の話をした。

 紅丸はそう話すと、リムルはそう言う。

 紅丸は、話を続ける。

 

「数百年に一度、豚頭族の中に生まれると言われている、ユニークモンスターです」

「ユニークね………」

「何でも、味方の恐怖の感情すらも食う為、異常に高い統率能力を持つんだとか」

「うへぇ………」

「里を襲った豚頭族どもは、仲間の死にまるで怯む事が無かった。あるいは………と思いまして」

「なるほど………」

 

 恐怖の感情すらも食うって、やばいな。

 つまり、死という恐怖に怯まない無敵の軍隊が出来るわけだ。

 それはやばいな。

 

「まあ、可能性で言えば、非常に低い話です」

「ふ〜ん?」

「他に、里が襲われる理由に心当たりはないか?」

「そうですね。関係あるかは分かりませんが、襲撃の少し前に、ある魔人が里にやってきて、『名をやろう。』………と言ってきたんですが、あまりに胡散臭かったので、追い返しました所、悪態をつきながら帰っていきましたね。」

 

 魔人か………。

 襲撃の際にも、魔人が居たという事は、関係ありそうだな。

 そいつが豚頭族達を、大鬼族の里に誘導したという可能性もありそうだよな。

 

「魔人ね………」

「そいつから、恨みを買っているかもしれないって事か」

「仕方ありませんよ。主に見合わなけりゃ、こっちだってごめんだ。名を付けてもらうのも、誰でも良いってわけじゃありませんからね」

 

 紅丸のその言葉に、嵐牙も頷いていた。

 リムルは、主として認められているみたいだな。

 すると、紅丸が何かを思い出そうとする。

 

「なんて名前だったかな?確か………ゲラ、ゲリ、ゲレ、ゲロ?」

「フッ!」

「ん?」

 

 嵐牙と紅丸が背後に視線を向ける。

 すると、木の影から、蒼影が現れる。

 

「ゲルミュッドだ」

「そう、それだ」

「ゲルミュッド………。何か、どっかで聞いた事がある名前だな」

「確か、リグルの兄貴に、名前を付けた奴だよな?」

「あちこちで名前を付けてんのか?なぜ?」

「分からん」

 

 どうやら、色んな場所で、ゲルミュッドという奴が暗躍しているみたいだな。

 ちなみに、それもリムルやリグルから話を聞いていた。

 すると、蒼影が報告する。

 

「報告がございます。リムル様」

「ああ」

「蜥蜴人族の一行を目撃しました」

「蜥蜴人族?豚頭族じゃなくて?」

「はい。湿地帯を拠点とする彼らが、こんな所まで出向くのは異常ですので、取り急ぎ、ご報告をと」

「ふ〜ん」

「何やら、近くのゴブリン村で、交渉に及んでいる様でした。ここにも、いずれ来るかもしれません」

「ここに来るのか…………」

 

 蜥蜴人族も、豚頭族の襲撃に備えようとしているのか?

 俺は、白老とシズさんにコテンパンにされたゴブタ達を見ながらそう思った。

 一方、ガビル達は。

 

「全く、親父殿と来たら………。『ゴブリン村を巡り、協力を取り付けてこい。』……だと?豚頭族に恐れをなすなど、誇り高き蜥蜴人族の振る舞いとは思えぬ。昔は、あんなにも大きく偉大な男だったというのに」

「ねぇねぇ、ガビル様は、いつ首領になるの?」

「む?」

 

 ガビルは、長から言われた事に対して、不満を抱いていた。

 部下の質問に対して、ガビルが止まって答える。

 

「いやいや。少々不遜なことを言ってしまったが、我輩など、親父殿には遠く及ばんよ」

「そうかな?今のガビル様なら、きっと全盛期の首領にも劣らねぇぜ」

「然り」

「いや………そんな事は………」

「だって、ガビル様、名持ち(ネームド)だし」

「うん。その槍捌きにおいて、右に出る者なし」

「あんた、今立たないで、いつ立つんだよ?」

ガビル「えっ!?」

 

 部下達の言葉に、ガビルは満更でもない表情を浮かべる。

 

(うん………う〜ん………。えっ、何?ひょっとして………我輩ってば、結構いけてる?)

 

 そう思うガビルだった。

 ガビルは、咳払いをする。

 

「ううん!そうだな………親父殿も年だ。少々強引なやり方でも、我輩が支配者に足る力を持っている所を、お見せしよう」

「おお〜!」

「それでこそ、安心して引退していただけるという物」

「じゃあ!」

「フフッ……!うむ!豚頭族の軍勢の撃退を持って、蜥蜴人族の首領の座を、受け継ぐ事にしよう!」

「さっすが、ガビル様だぜ!」

「ヒュ〜ヒュ〜!」

「かっくいい〜!」

「至極、当然!」

 

 部下達は、ガビルを煽てて、ガビルコールを始める。

 それを見て、ガビルは満更でもなさそうだった。

 

「フフフッ……。ふ〜ん。行くぞ!ふ〜ん!我輩に着いてこい!お前達の未来は明るい………ゲホッ!ゲホッ!」

「おお〜!」

 

 ガビルはかっこつけた余り、咳き込んでしまうが、移動を再開する。




今回はここまでです。
今回は、ガビルが登場するまでの話です。
大鬼族に名付けを行い、鬼人に進化しました。
閻魔も、豚頭族との戦いに備え、レプリケミーの組み合わせを考えたり、白老達によって、鍛えられていました。
そんな中、朱菜は閻魔に慰められました。
ヒロインアンケートは、次回で受付終了しようと思います。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
閻魔のヒロインは、現状、朱菜、ヒナタ、悪魔三人娘のハーレムになる予定です。
コリウスの夢では、閻魔は紅丸と蒼影と共に合流する感じにして、ヴィオレと遭遇する感じにする予定です。
閻魔もまた、聖人になる予定です。
転スラの家庭用ゲームが発売される様で、楽しみです。
色んなオリキャラやオリジナルの国家も登場するみたいで。
今後の展開などでリクエストがあれば、活動報告にて承っております。

閻魔のヒロインは誰にするか

  • 朱菜
  • ミリム
  • ヒナタ
  • ルミナス
  • ヴェルザード
  • 悪魔三人娘
  • ヴィオレ
  • ブラン
  • ジョーヌ
  • その他
  • いらない
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