ウマ娘 ナイスネイチャの生涯   作:戦人

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偉大な競走馬、ナイスネイチャ号の誕生日前日に初投稿です。


はじまり

 アタシが生まれ育ったのは下町の商店街だった。華やかとは言えない商店街の一角でバーを営むウマ娘の母の下に産まれたアタシは、同じ商店街のおっちゃんおばちゃん達からとても可愛がられた。時代に伴い、活気が失われつつあるこの商店街では子供が産まれるだけでもお祝い事なのか、アタシが産まれた時は母と面識のあるヒト達総出で祝ってくれたことを憶えている。

 

 ん?何で産まれた時のことを憶えているかって?そりゃ、アタシ、ウマ娘だもの。ヒトと違って、産まれた時から言葉は解らずとも自我を持ってるし、1時間もあれば立ち上がって歩き出せる。此処まで聞けば想像がつくかも知れないけど、アタシ達ウマ娘は成長がとても早いのだ。たった4年程で殆ど成人の見た目まで成長する。アタシの母だって、アタシを産んだ時の見た目だけなら20代半ばくらいに見えるかもだが、実際はたったの()()なのだ。

 そんな、大人になるまでに20年近く掛かるヒトから見れば、羨ましいと思うかもしれないウマ娘の生態だが、実のところヒトよりも大きく劣っている部分がある。成長が早く、大人になるのも早いということは、それだけ寿()()()()()()()。平均して25歳がウマ娘の寿命だと言われている。30歳まで生きられたら大往生だと言われるくらいだ。そんなヒトからすれば早すぎる生涯を送るアタシ達は、文字通り、この脚で世界に自分が生きた蹄跡を刻みたいと必死に生きようとする。

 

 そういえば自己紹介がまだだったね。アタシの名前は、

“ナイスネイチャ”。『()()()()()()()』なんて大層な名前を付けられた、至ってどこにでも居るような平凡なウマ娘だよ。

 

 そんなアタシは気の良い彼らに少しでも感謝を返そうとお手伝いを始めた。生後1歳にすらなっていないアタシだが、先に説明した通り、ウマ娘の成長はヒトと違って段違いに早いので、既に見てくれは()()()()()並に大きくなり、無理なく店の手伝いが出来ている。ウマ娘としての膂力(りょりょく)があれば10kgもないようなものなど重さも感じない。そうやって店に貢献しながら、おっちゃんおばちゃん達に耳を傾け、共に談笑する。それだけでアタシは十分幸せだと思っていた。ウマ娘に産まれた以上、走りたい欲求はあったが、それよりも先に彼らからのアタシへの“愛情”に幼心ながら報いたかったんだ。

 

 

──しかし、人生の選択ってのは、突然訪れた。

 

 

 

「僕と一緒にレースを走らないかい?」

 

「はい?」

 

 これがアタシ──ナイスネイチャと“あのヒト”との始まりだった。




初投稿緊張しますね。短いスタートですが、これから頑張って投稿していきますので、感想などお待ちしています。
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