たぶん過去2作と尺はそんなに変わんないと思います。
両方の手を胸の少し前くらいで握り締めるみたいにするけど、その中に入れてる力は親指を押しこまないくらいのちょっとだけになってた。それと同じ感じで首も一緒なくらいにしながら背中を少しだけ前に伸ばす感じに。でも、その先には私なんかよりも全然大きな体をしてる大人の人がいるせいで、その人同士の間を上手く視線を通り抜けさせるために体を斜めに傾けることになっちゃってる。
でも、そうしようとして顎をほんの少しだけ角度を変えようとしたら、私の横にいた人とぶつかっちゃったみたいで、そっちに目線だけを向けながら謝る。同じタイミングで両方の手をそれぞれの側の膝に押し付けながら、そこにある私のズボンがしわを作って盛り上がるのを見つめて。そこが自分の影で暗くなってるのがわかる。
特に意識した時じゃないけど、自然と肩が両方とも持ち上がるみたいにしながら脇も限界まで締めてたけど、視線だけを使って相手の方を見つめる。でも、そっちの人はもうすでに顔の向きを変える動きすら終わってたみたい。もう隣の人と話してるけど、その内容までこっちには聞こえてこない。
そっちの様子をまた顔を伏せた状態のまま横目に見つめながら口を小さく開けた状態でいるのは数秒間。今度はゆっくりと少しずつ持ち上げてくみたいにしながら背中を反って、だんだん角度を付けてくみたいに顔を持ち上げる。でも、そうしたいのに体がちょっとだけ震えるみたいになっちゃって。でも、さっきみたいにまた肩を使って脇を締め付けてそれを抑え込んだ。
何度も左右を微調整しながら顔を上に持ってったおかげで、気づけばいつの間にか雲の間から出てた太陽の光が私の元にもまっすぐ突き刺すくらいの感じで降り注いできて。それのせいで一瞬目を細めながら体を縮めちゃう。
ただ、それでもこのコロシアムを外周みたいに私たちが座ってる観客席が一周してるのはちゃんと見えてた。こっちも向こう側も、全部真っ黒な石で出来上がってるみたいで。その色を砂ぼこり以外には惜しみなく私の方に見せてくる。こっちだけじゃなくて向こう側もたくさんのお客さんでいっぱいなはずなのに、それでもちゃんと見えてた。
一方で、目が眩しくなっちゃって一瞬だけ顔を下に向けるみたいな動きをしてたら、その瞬間どっから始まったのか全然わかんないくらいの勢いですごくおっきな歓声が聞こえだして。一緒に私も一気に背中をぴんと伸ばしながら目を出来るだけ左右に移動するみたいにするけど、でもそれでもこのコロシアムのステージが見えてるのはわずかな一瞬で、人同士の隙間から向こうの様子が見えるのを何度も繰り返している時だけ。そうじゃない時は、私の前で両方の手の握りこぶしを何度も上へと掲げたり戻したりを繰り返してる人だったり頭の上で拍手をしている人だったりの背中しか見えない。
出来るだけ肩の動いている範囲を縮めるために背中を敢えて屈ませてみたり、それを辞めて今度は上に限界まで伸ばしたりとかだけにしてたはずなのに、それでもまた左隣の人とぶつかっちゃって。さっきと一緒に小さく謝ろうと早口目に声を出そうとするけど、そっちにいる人はこっちの咄嗟の振り向きにもかかわらずそっちはもうすでに私の方なんか見てなくて。まっすぐに前の方を見ながらすごいおっきな声を出してるだけだった。
ちょっとだけ両方の唇を押し込むみたいにしながらいた私だけど、それも数秒間だけにしておく。体を前のめりにしながら人同士の隙間からステージの方を見ると、髭の男の人が敢えてその筋肉と脇だったリお腹だったりの毛を見せつけるみたいな鎧を身に着けてる体で、何度も色んな方向に決めポーズを披露。その中にはこっちの方まで含まれてた。
さらに、それだけじゃなくて、ステージの床に突き立ててあった斧を担ぐとそれを何度も頭の上で振り回し、そのたびにほとんど同じ声みたいなくらいのを何度も色んな場所に向けて飛ばしてた。それだけで、私はちょっとだけ口を小さく開けながらいつの間にかそこから息を吸ったり吐いたりを何度も繰り返してた。
ただ、それも数秒間の間だけで、喉を締め付けるみたいにして眉を持ち上げて、自分の胸の少し下の辺りに左手で力ない握りこぶしを作る。さらに、それをもう方の手のひらで包み込んだ。今までずっと聞こえてた歓声が一瞬だけほんのちょっとだけ小さくなったのに気づいて、今まで視線だけを通してた隙間に自分の体を通した。
両手を自分の体の前で重ねながら前に出して、それを軸にして蛇みたいに前に進んでく。そのつもりだったけど、気づけば左側ばっかりに進んでて、段差を降りる時に思った以上に体が前のめりになっちゃう。でも、それもギリギリのところで観客席の先端の柵に体を押し付けて、体を曲げる状態に。それでも、すぐに顔だけは持ち上げて正面を見ると、お母さんが自分の槍を肩に担ぐまままっすぐに歩いてきてるのが見えた。
大きく上に持ち上がってる観客席からずいぶん遠くに見えるせいで自分の指なんかよりも小さく見えるお母さん。もう片方の手を腰の上に突くポーズのまま肩幅に足を開いて立ち止まる。それに前にいる、相手の男の人も一度自分の体よりも大きそうな斧を地面にたたきつけると、それでそこがわずかに崩れたみたいで細かい石が周囲に飛び散る。それと一緒に起きた大きな音で周囲の人たちの声が止まるのに気づいた。
そのせいもあって、私自身も自分の心臓が音を立ててるのを勝手に感じさせられて、喉が強く締まりながら手を前側に滑らせながら手すりの上でわずかに回る。ただ、それでも自分の呼吸が前後に動いているのを感じちゃったけど、でも、銅鑼が数回叩かれる音がしたのがすっごく大きくて腰を抜かしそうになっちゃった。
一瞬だけ瞬きしちゃう後に数回視線を動かしてお母さんが大きく外側を回るようにしながら、腰を落として走りだす。でも、その前に相手の人が床のひびの所から細かいがれきを吹き飛ばしながら持ち上げた斧を取り出すと、それを勢いよく進んでく道筋で薙ぎ払うみたいになって。その突風が私と同じ色をしてる金髪を吹き飛ばすみたいになって、そのおでこの白いのがはっきりと見えた瞬間、気づけば一気に息を吸い込む。
一緒に私も両方の眉毛を持ち上げながら小さく口を開く。しかも、脇も締めながら、手すりの上に乗っかってる手を内側に滑らせるみたいになって。そのせいで肘同士の硬い所が体を引き締めるみたいになって。気づけば今度は歯を強く締め付けてた。
でも、そんな間にもう向こうは地面に突いた手を軸にして限界まで伸ばした足を滑らせてそこから大きく砂煙を起こし、私たちの方からもその様子が見えにくくなって。気づけばそこから大きく飛び上がってたけど、それは相手の背後側からの勢い。
そのまま急降下するスピードのままに相手の兜に持っていた槍を叩きつけてて。私が息をするのを忘れてたのに気づいたのは、それで起きた高い音と真っ二つになった兜がそれぞれのペースで地面に落っこちた音がした後。脇に入れてた力が少しだけ弱まって、手すりに乗っけた手から下に向けて伸びてた腕の向こうにある肘がだんだん自分の体に近づくみたいな動きをする。
お母さんの駆けずり回った音をかき消すくらいの歓声が周囲から聞こえてくる中で、私は手すりに手を置いたまま、それの下の壁になってる所の隅の方に視線を向けて、ただただ自分の胸が呼吸と一緒に動いているのだけを感じながら、ずっと目を開けたままにしてた。
「お待たせ」
語尾を他の場所よりもちょっとだけ大きくするみたいな話し方をしてるのが聞こえて、それで勢いよく私はそっちへと振り返るのと一緒に大きな声をあげちゃう。そしたら、お母さんが両方の前腕を重ねた状態で私の方に前のめりな感じでいる。それから、こっちに向けて片方の腕を持ち上げてそれでほっぺの横にピースサインを作ってた。
しばらく私は体を動かせずにいたけど、それから早口で自分でもわかんないくらいの言葉を出してから、お母さんが軽く笑いながら「大丈夫大丈夫」って言ってて。それからこっちは小さく謝りながら顔を下に向けて、お腹の少し前の辺りで両手を重ねる。さらに、歩幅をだいぶ小さくしながらその横に座る。
それからも、唇の居場所を探すみたいに色んな場所で力を入れたり抜いたりを繰り返す。基本顔をまっすぐ出来るだけ下に向けるみたいにしながら両方の肩を上に持ち上げながら脇を締める。そこで小さく瞬きするのを繰り返す。
その間もお母さんは肘を膝の上に突きながら、そこから上に伸ばした両手に顎を乗っけてる。その前のめりの状態でいる中、私がちらちらと向こうの方を見てると、それに気づいたみたいで顔も含めて頭をちょっとだけ傾けるみたいにしてくれた。
でも、こっちはそれに対して口を小さくしながらまた視線を元々と同じ方に向ける。
「あっ、あのね、お母さん……」
最初に出そうとした声がどもっちゃって。続けて出たのは少しだけ大きくなってたけど、それはすぐに小さくなっちゃってて。私はまたまっすぐ元の方向を見るだけに戻っちゃう。いつの間にか観戦客が1人もいなくなっちゃったせいで、広いコロシアムの中はただただ静かなだけになってた。でも、私のもお母さんのも声がどこかに反響することもなく、一瞬だけ聞こえた後はただ静かな状態だけが続く。
「ん? なに?」
こっちの顔を覗き込んでくるみたいにしてるお母さん。向こうは唇の両端をちょっとだけ伸ばしながら上に持ち上げてる。それに対してこっちはほんのちょっとだけ声を出したり出さなかったりを繰り返すだけで。出せた時もただ、何とかつなごうとしてるだけで。それに何か意味がある訳じゃなかった。
「まだ、いい」
1回だけため息を突きながらさらっというだけにしながら、両方の瞼を落っことす感じにして。唇を力なく紡ぐ。それからしばらく辺りに誰も人がいないのもあって静かなだけの時間が続いたけど、でも、それを最初に崩したのはお母さんの方だった。
「やっぱプリメラは私の子だ」
その言葉を出すのと同じくらいのタイミングで、お母さんは私の髪の毛をくしゃくしゃにするみたいに何度も色んな場所に動かすみたいにしちゃって。私も視界が全然捉えられないままにそれに従う時もあれば反発するみたいな動きを体にさせてた。
ただ、それでも細くなってる目で向こうも開いてる方の手で私の体を抱きかかえてて。それのおかげで私たちはずっとくっついたままになった。
読了ありがとうございました。