私がドアを開けたら、それと一緒にいつもなんかよりも全然大きな声でトゥルーディアが「おかえり」って言ってて。玄関から少しだけしか離れてないところで体を斜め横に向けて両方の手を開きながら下に向けるみたいにしてる。でも、それに対してこっちがドアを開ける勢いのままに部屋の中に入ってくるのもあって、それのせいでお互いの距離がすごい近い距離になっちゃって。私の方から斜め後ろの方を見ながら軽く謝ってドアを閉める方へと向けて細かく足を動かしながらそっちに下がる。
一度ため息をついてからもう1回相手がいる方に振り返りながら頭をちょっとだけ倒して、口を開きながら笑ってみた。でも、それも数秒間しか続かなくて、またもう1回だけため息を吐いてから小さく足を動かして部屋の中に入っていく。けっこう遅めの足取りだったけど、それでもトゥルーディアのすぐ横を通ることになった。
その間、向こうが少しだけ目を大きくしながら体をわずかに前のめりにしながら浮かんでるのに気づくけど、でも、私は何も言えずにベッドに横向きに寝っ転がって。でも、それがトゥルーディアに貸してる物だったって思いだしたら、体の前に出した手をシーツの上に突いて喉から声を出しながら無理やり立ち上がる。
頭が左右に揺れるのだけを感じながら、数秒間そこの縁に座ってるのと合わせてわずかな声を出す。それからまた立ち上がって玄関近くに放り投げてあったブランケットを手に取ると、それを仕事着のままの体の上にかける。続けて、床の上でさっきと同じポーズで寝込んだ。
その間、トゥルーディアは私の方に体の向きを変えるだけで、それ以外には同じポーズを取りながらただずっと上下に浮かんでるだけ。そこから聞こえてくる音なんか部屋の中では何もなくて、それがするのは壁の向こう側の籠ったやつだけだった。
のどに軽く力を入れながら握り締めたブランケットを自分のすぐそばに持ってきて、それだけじゃなくて頭も体に近い位置に出来るだけ寄せるような動きをする。その間、ずっと後ろ側にトゥルーディアがいる気配を感じて、そのたびに顔の所にしわをいっぱい作っちゃう。
でも、それでも私は体をじっと縮めたままにしていたのに、その気配がより私の方に近づいてるのに気づいて、ほんの少しだけ目を開けるような感じになって。でも、その瞬間、ベッドがある向こう側とは壁があるせいでほとんど光が入ってないこの場所に、私の後ろ側からピンク色の光が伸びて来てるのが見える。
ただ、それに対してこっちは何もしないで、ほんの少しだけ唇を尖らせるような動きをしながらいるけど、でも、しばらく私の体を通り過ぎて視線の前にまで来るそれは、細かい先端の方が揺らめいているの以外では何も変わらないままだった。一方で、その灯りに照らされてない箇所は、ほとんど家具や壁紙と同じのが薄暗くなってるのだけが見えてる。それに対して私は唇同士を内側へと寄せながら、力なく床の上に転がってるだけの自分の腕を見つめてた。
「どうしたの」
小さく、言葉をちょっとだけ言ったら一旦止まって、またそれに続いたのも最初と同じくらいゆっくりめに話してくる。それに対して私の視界に入って来てるのは、ほんのわずかだけ炎の光が奥へと入ってくるみたいになってるのと、色が濃くなるのだけ。
それを相変わらずの薄目で見つめ続けてたら、指の関節を少しだけ持ち上げるような動きをさせながら、お腹の部分だけを使って床を撫でる。それ以外の部分は手首以外みんな浮かんでる状態が続く。
「今日、帰り遅かったから」
またさっきと同じ話し方をしてるトゥルーディアだけど、そう思ったのはほんの一瞬だけで、語尾の方だけ伸ばしながらもだんだんと消えてくみたいな感じになってた。でも、それも完全になくなりそうになった瞬間に、外を誰かが歩くせいで、その足音に消えてなくなる。私も向こうも何もせずに、ただその場でとどまっているというよりも、何も動かない。
でも、外を歩いている人は当然のようにすぐに足音が消えてなくなり、またどこからも音がしなくなるだけ。そんな中で、私はもう床の上に頭を乗っけてるはずなのに、それを内側に寄せるように片方の目の半分くらいを床と沿わせるみたいになった。
「わかんない」
視界がぼやけてほんの少しだけ目を細めながら、片方の目で真っ暗な床をもう片方の目で腹だけがそこと触れてる指を見る。でも、その下側だけがトゥルーディアの光に照らされない様子をしばらく注目することになって。一度瞬きしてから今度は玄関の横に取り付けられてる窓の方を見つめる。
でも、そこには目隠しがしてあるせいで外の様子なんかもう暗くなってるくらいしかわからない。だけど、視線だけはしばらくそっちにとどめたままにしていた。
「そっか」
しばらく周りから何も聞こえない状態が続いた後に聞こえたその声。さっきのよりも少し大きめに出た上に、今度は伸ばしたりなんかせずにすぐその音を切るみたいに。続けて、音でも床が揺れる振動でも、トゥルーディアが私のすぐ横に座り込んだのに気づいて。いつの間にか視線が落っこちてた私は体を上半身だけ起こしてそっちの方を見る。
ちょっとだけ頬を持ち上げながら頭を横に傾けてるまま私を見て来てるそっちは、足を途中で曲げながらも両方ともこっちの方に投げ出して来てて。腕もそっちに上半身の体重を預けるみたいに床に付いてる。
でも、それほんの数秒だけ。すぐに自身の体の炎を消して、腕を枕にする体勢で床に寝転がりながら、最初は折り曲げてた足を延ばして、体を少しずつ滑らせながら私に近づいてくる。その低い音が私の方にも伝わってきた。
それから両方の手を自身の頭の下に入れたままこっちをじっと見て来てる方を顔も一緒にそっちへと向けて見下ろす。さらに、眉も力なく下ろしているのに対して、向こうもたださっきの言葉以外には何も言わずにずっとその場で寝ころんだまま口を横に伸ばしてるだけだった。一度瞬きをしてから持ち上げた肩を落っことして、口から息を吐く。続けて顔を横に向けてただ壁がある方を無意味に見てる数秒間。それが終わってからシャツの上に来てた作業着を脱いでからまたさっきと同じ体勢で寝る。
しばらくしてから片方の腕だけで体を持ち上げてからブランケットを開けて「入る」って一瞬だけ言う感じで聞いてみたら、向こうの方から「うん」って息と一緒に出るくらいのそんなに大きくない声で言ってきてて。私が体を横にずらして壁に近づいてトゥルーディアが入るスペースを作った。
体の向きを元に戻してから数秒間経った後に私の後ろにトゥルーディアが入ってくるのを感じた。
次の日、私の目が覚めたのは玄関のポストの中に封筒が一通入ったからだった。でも、すぐにそれで体を起こすわけでもなくて、ただ言葉に全くなってない声を喉から出すみたいにしながら自分の体をほんの少しだけ後ろに動かすと、そっちにまだ寝てるトゥルーディアとぶつかっちゃって。相手の方にすぐ起こして体を向ける。
でも、それに対してまだそっちは寝てるだけみたい。唯一動いてるのは呼吸に合わせてお腹が膨らんだりへこんだりを繰り返しているだけ。鼻も同じくしてる。数秒間そっちの方を見てる間、最初は起きたままの姿でそっちを見つめてたけど、気づいたら鼻から少しだけ息を出しながら、頬をちょっとだけ持ち上げてた。
寝癖もそのままで頭を掻くとその塊の硬さに気づいて少しずつ溶かしてく。それから床の上に落っこちたまま他の場所の暗さに交じり合ってる手紙を引っ張ってその中身を確認。私のベッドの上に何も考えずにお尻を乗っけて、そこがへこんでしわになった段差を感じながら封筒をその上に投げ捨てて中身を確認した。
すぐ横に体の気配を感じで振り返ったらトゥルーディアが手紙を覗いて来てて、小さな口を開けながらそこから少しだけ息を吸うみたいにしてる。一方で、私は眉間の辺りにほとんど力は入れてないけど、しわを少しだけ作ってる。その状態のまま顔を横に向けてるのに気づいて、すぐに私の方から相手に軽く謝った。
ただ、それに対して向こうはただ「大丈夫」って答えるだけ。それから私と同じようにベッドの縁に座って体を伸ばしながらほんのちょっとの声を出してる。そのまま上半身だけを倒してベッドの上に転がってると思ったら私の方を見つめて来てて。それに対してこっちは首だけを曲げて相手の方を見つめる。
「今日の派遣先、夜勤なの」
そっちの方を見たまま手癖だけで紙を折って明後日の方へと放り投げた。それからさっきそっちがした時と同じように私もベッドの上に体を倒して相手を見つめる。それから両方の腕を肘の所で折り曲げたまま頭の奥の所で重ねて、相手にシャツ越しだけど右側の脇を見せつけるみたいな体勢になる。
ただ、それに対してそっちは自分の胸の辺りで両手を横に重ねるみたいにしてた。脇を締めたまま体に肘をくっつけたまま、顔を倒して私の方を見つめてる。その様子に対して、こっちは一旦目線で見てたのを外してまた天井の方を見つめる。まだ今日は電気を付けてないせいでこの部屋の灯りは目隠しの加工がされてる窓だけ。それもあって、こっちの方にはほとんど灯りが届いてない。
そのせいで、私でも天井の染みの様子だけでもほとんど見極めることなんかできなくて、それでもずっと下の唇を上のに押し付けるみたいにしたままずっとそっちを見続けてる。でも、急に私の横から声がして、それと一緒に体を起こしながらそっちを見て、顔はずっと向けたままにしてたけど、でも視線は合わせられなくて、それが勝手に左右に動いちゃう。それから口が開けっ放しになってたのに気づいて閉じる。
一方で、トゥルーディアが最初に出したの以降は全く出さなくなっちゃった上に、さっきのもほんの少しの時間しか出てない。でも出てる間は最初のちょっとだけ声がおっきい後にそれがだいぶ小さくなってくみたいになってたのに今更気づいた。
「じゃあ、今日は1日家にいる?」
相手がその声を出す瞬間、ほんの少しだけ体を持ち上げてるけど、それでも座ってるこっちの方には全然届かなくて、でも、肘を立てた方の腕で上半身だけを斜めにさせてる。一方私は、そっちから視線を自分の膝の上に乗っけてた手の方に向けた。
指同士を組み合わせてはいるけど、それがくっついているかと言えばそうでもなく自分の目でも見えるくらいの隙間が空いてるし、手の平もくっついていない状態が続く。ただ、それでも指の先端が数秒に1回くらいのペースで小さく動いているのが自分の視界でも確認できるほど。両方の唇を潰すほどじゃないけど、内側同士に力を入れるようになってた。
気づいたら体がわずかに猫背になってたのに気づいて、一旦トゥルーディアの方から顔を反らして、そこで表情筋を一旦動かす。それからまた相手の方を見つめ直した。
「そうする」
それだけ言うと、向こうは顔を下に向けながら頬を持ち上げてて、ベッドの縁から落っこちてる両方の足を垂れ下げているままそれを上下に動かし続けてる。でも、私が立ち上がるとそれについて来る感じで体を起こして浮いたまま飛んできてて。それを台所にまで来るまで変えない。
「手洗ってるだけ」
「わかってる」
読了ありがとうございました