ゆっくりと息を吸って、その音を自分でも聞いてる頃に、私の歩いてる足が近づいたことでようやく外が朝焼けの光に照らされ始めたのに気づく、一度足を止めて体や足はまっすぐ進行方向に向けたまま顔をそっちの方に向けると、窓の所に自分の顔が影になっている状態で写ってるのが見える。
そして、そっちをじっと見てる間、口に力を入れずにギリギリくっついている状態で見つめてる私の顔に表情なんかなくて、今日は徹夜で仕事をしたからだと思うけど、目元が少し黒くなってるのが見えるし、肌も荒れてる。ずっとそっちの方を見てたかったけど、すぐ後ろからトゥルーディアが来たこともあって、すぐに視線がそっち側に吸い込まれる。
体を地面と垂直に近いくらいの角度で立ち上がらせてるけど、足はほんの少しだけ肘の所で折り曲げてるみたい。顔の傾きはほんの少しだけにしてるみたいなのに、目線はかなり下を向いてて、丸まってる指で腕の中のウサギとじゃれ合ってる。
一方で、私が立ったまま何もしないでいるのに気づかなかったみたいで、ぶつかるって程じゃないけどかなり近づいた所でハッと顔を上へと上げながら「ごめんなさい」って言ってて。背中を折り曲げながら肩をウサギ側に近づけてるまま後ろに少し下がった。
ただ、私も私でとりあえず片方の手だけを振るみたいにしながら早口目の小さな声で「ううん大丈夫」と言うだけで終わらせちゃって。顔も完全にはトゥルーディアの方へと向けない上に、すぐにガラスに写ってるその子の方に移す。
顔を斜め下に向けながら目線を少しだけ持ち上げたり顔と同じ方へと持って行ったりを繰り返してるみたいで。それから上の瞼を使って目を細めてた。それに合わせて自分の胸元にウサギをより近づける感じで腕の開いてる範囲を狭める。でも、それに対してそこにいるはずの動物は光の反射のせいで私の方には見えない。その上、トゥルーディア自身も外の風景の一部に混じるみたいになってる。
そっちの方ではもうすでにコロシアムから出ていたサーチライトの姿とっくの昔になくなってて、私の方から見えるのはこの建物の道を挟んだ向こう側に並んでる汚れた建物の様子くらい。それらは赤色に染まってる太陽の光に背中側一方向だけを照らしている。その一方で、私の体が向かってる方でもある他の箇所は真っ暗な闇に染まってその中にわずかに青色が入ってるようにも見えなくもないくらいだった。
私が両方の手を落っことしたまま足を一歩ずつ等間隔で動かしていく感じで階段を降りていくのに対して、周囲で聞こえている音も私の足音以外には外でたまに聞こえている動物が鳴いている声くらい。見えてる様子は壁に出来てる傷や汚れの様子以外にはほとんど見えている様子が変わることもない。
唯一変わってるのは私の司会の端っこの方、近い側の壁がほんの少しだけピンク色の炎に照らされてるみたいに見えるのだけ。でも、それすらも貼ってある紙の影に消えてしまいそうになっていたりまたそれが戻るみたいに急に明るくなったと思ったらその範囲がしばらく動かずにいる。
でも、それに対して私は顎を自分の体に近づけるみたいにしたままの姿勢でほんの少しだけ上の瞼を落っことしてるだけにしてるのを一切変えないままにいて。それのせいもあって、壁の光が外のまだ薄い朝焼けに交じり合って見えなくなったのに気づいたところで顔を上に上げて、ガラス張りになってるドアがもう直前に来てるのに気づく。
数秒間そのままいたけど、後ろからトゥルーディアの声を聞いたのですぐに体を動かす。そっちに軽く「ごめん」とだけ言うと、いくつかが束になってる鍵の方へと視線を戻してその中で正解を当てるまで少し苦戦。それから建物の外に出ると、その眩しさでほんの少しだけ声を出しながら目を瞑る。
まだ完全に建物同士の影から出きっていない太陽の光に肘を向けるみたいにして視界を狭くしてる間にも関わらず、それがない方から私のことを呼ぶ声がして。何度か慌てて瞬きをした。
「お疲れ様です」
スーツを着てる白髪まみれの男の人がこっちに向けて頭を下げてきたのに対して私も小さく「どうも」って言いながら頭を下げる。視界を相手の人へと向ける間にまだ玄関からでたばっかりだったトゥルーディアの方を見ることに。相手は今も自分の胸の所に握った両方の手を当てながら下の唇を上のに軽く当てながら視線をあっちやこっちやしてた。
その姿が発してるあわいピンク色の光が薄暗い建物の中を照らしてて。本人もそっちの方へとまれに視線を向けたりしてる。それと一緒に体は私たちの方へと向けてるはずなのに、浮いたまま後ろにほんの少しだけ下がってた。
光が薄まることで、ドアの周りの透明な羽目殺しのガラスが受けていた光の色が消えて、そこが私たちの向こう側にある建物やコロシアムの様子を反射して映してるのが少しずつ濃くなってるみたいだった。でも、私の様子はちょうどドアが開きっぱなしになってるせいで写ってない。
しばらくそっちの方を見てるだけにしてたけど、いきなり派遣元の人が私のことを呼んできたのもあって、軽く謝りながらそっちへと視線を向ける。それから何も言わずに鍵を差し出して、それからまたさっきと同じ感じで声を出しながらトゥルーディアの方へと振り返る。
一緒に「帰ろ」って声だけ出して、そっちの方を見るけど、でも、私の目の前にあるのはほぼほぼ真っ暗になった建物の階段が伸びてる様子とそこの前にあるガラスの羽目殺しだけがあるだけ。開けっ放しになってるドアが今もそのままで。それが何も動かなくなってるのしか見えない。
1回小さく相手の名前を呼びながら息を吸って。その口が開けっ放しになってるのを構わず視線を左右に向けてそっちの建物の方に近づく。それからドア枠に両方の手を当てながら体を前に乗り出してもう1回大きな声で名前を呼ぶ。でも、その声が反響するのを聞くだけで、それ以外に周囲で聞こえる音なんかなくて。私はただ視線を階段と平行に伸ばすみたいな感じの角度で顔を上げてることしか出来ない。その状態で何度か口から呼吸を数回繰り返す。
それから、そのまま階段を一段飛ばしで登っていく。そしたら、数秒間もしないうちに上りきって、さっきと同じ感じで廊下と接続してる場所の枠に両手を当てたまま視線を左右に向ける。ただ、窓の向こうのコロシアムがある方から降り注いでる太陽の光だけが見えるのだけを眺めているのに対して、辺りからは何も聞こえない状況が続く。
唯一聞こえているのは、近くのお店が開店準備をしてるのかシャッターを開けてる音と一緒に誰かと挨拶しあってるみたいな声くらい。外から来る光以外でこの場所を照らすのなんかなくて。この場所の多くの壁や床が薄暗くなってて。段ボールの影なんかもたくさんできてるのが見える。両手を振りながら早歩きで道を進み、近くにあったドアノブを回そうとするけど、でも、想像通りの結果が得られるだけ。
数秒間だけそこを片手で握ったまま肩で何度か息をするだけにしてる。でも、すぐに横のドアの方へとスライドして、そこでもう一度同じ動きをする後に顔を一度だけ左右に振って。それからドアノブ。
歯の置き場所を見つけられなくてその場所を探すみたいにそこを何度も動かしながら唇を強く済め付けてその両端をへこませてる。さらに、両方の目の端っこ同士を落っことしたままに。ただ、そうしてられたのもほんのちょっとの間だけ。後ろから階段を登って来てた派遣元のおじさんの足音が聞こえてきた。
「どうか、しましたか」
ドアノブから手を放しながら体を勢いよく回して相手の方を見る。そっちの人が階段とこの廊下同士をつなぎとめている枠から体をほんの少しだけ前に出すみたいにしてて。私はそっちの方へと体を向きなして。自分の口から言葉になってない声を出しながら数秒間いた後に、ほんの少しだけ謝る。
一旦息を出しながらほんの少しだけ上の瞼を下げて唇をふさぎながらいたら、ほんのわずかに視線を落として。喉を締め付けながらさっきと変わんないくらいの駆け足で後ろに振り返ってからそっちに進む。
両方の腕を手事まっすぐに落っことしながらそれを前後に振ってる私に対して、建物内の辺りから聞こえてくる音は派遣元の人が階段を降りる音くらいで、太陽の光が入る窓を横にしながら歩いてる。そのせいもあって、窓枠の影が来るたびその眩しい光が入ったり消えたりを繰り返すけど、でも、反対側のドアの所に付いてる私の姿は暗い影に染まりきってた。
それが終わった後、突き当りの所にあったドアの所に来たら、一度だけ深呼吸してからそこにあったドアを開けた。最初の数秒間だけ休憩室だと思うその部屋の中を見渡すみたいにしてから呼吸を数回繰り返すのに対して、周囲からは何も聞こえないのだけが続いてる。
ただ、部屋の角の所にまで両方の手を振りながら進んで行ったら、そっちでうずくまるみたいにしてるトゥルーディアの姿があって、すぐに片方の肩を掴んでその姿をひっくり返した。そしたら、向こうは瞬きしながら視線を左右にずっと動かしながら、両方の手をお腹の少し前の辺りで折り曲げた指の関節同士をくっつけてる。
「何やってるの! 勝手なことしないでよ!」
私は体を前のめりにしながら両方の手で相手の肩を掴んで大きな声を出す。しばらく周囲が沈黙に包まれたままになってたけど、1回だけ私の方から視線を逸らした後に、トゥルーディアの方から声を出した。
「ごめんなさい……」
部屋の一番端っこの角の所に背中を預けるみたいな体勢をしたままその声を出した相手は、咄嗟の反応で前のめりになった体勢から手を放した私と同じ感じで体をまっすぐにしてた。結果として、しばらく私も向こうもどっちも同じ体勢のままその場所にとどまってることになってた。
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