瞼が重くて少し開いてる範囲を狭くした目でたくさんの人が歩いてる様子を見ながら歩いてる。私はすぐに体の向きを変えて公園の中に入っていくと、入り口の所で1回足を止めて左右を見渡す。木々が要所要所に立っているおかげでその敷地の中のほとんどが影になっているけど、ほんのわずかな木漏れ日だけは地面の上を照らしている。そして、その場所が規則的に揺れ続けていた。
それ以外には砂場でしゃがんでる親に眺められてる子供が砂場で山を作ってたり、ブランコを夢中で漕いでる子供だったり。それらを一瞬だけ見るも、顔や体の向きは変えないで目線だけをまっすぐに向けたまま進む。そのはしゃいでる音のせいで、木々が風で揺れてる音はほとんど聞こえない。ジャングルジムに上ってる子供たちやベンチに座って井戸端会議をしてる人たちの横を通り過ぎた辺りで、一旦背中に背負ってた荷物を置いたら、一番背の高い鉄棒の様子を顔を上に向けて見つめる。
反動をつける感じで手を前後に小さく振りながら眺めているのもそこそこに、一気のジャンプしてそれを掴む。でも、その間に、私は空で葉っぱの間から見えてる太陽の様子を数秒間だけ眺めることにしてた。
鉄棒を掴んでからはただひたすらに体を上下に動かし続けるようにし続けてるのに合わせて、何度も息を吸ったり吐いたりを繰り返してて。体を持ち上げると一緒に喉から苦しい音を出してしまう。一度持ち上がったところから戻った後に顔を下に向けながら目を力もなく閉じて何度も息を繰り返す。でも、それもすぐに終わらせると、また同じ動きを繰り返す。その時は、体全身に力を入れるみたいになっちゃうせいで、喉も引き締まって呼吸も出来ないほど。
私が腕を降ろしたタイミングで息を強く吐き出してるのが、その音が外なのにかなり響いてるのに気づいたら、数秒後に顔を下へと下げている状態のまま目だけを開けて視線を持ち上げる。
公園で遊んでた子供たちも、雑談で盛り上がってた人たちも、みんながみんな声を出さないどころか体の動きも静止させて。そのまま全員がただ一点を見つめてる。私も肩でする息と体中で掻いてる汗をそのままにした状態で、口も開けたままそっちの方から歩いてくるおばさんとその後ろにいる赤い精霊の様子を見ることになった。
でも、それも数秒間の間だけにして。今度はまず喉を締め付けるみたいにさせてから今までと同じように懸垂をやり直す。でも、私の息と向こうの足が砂を擦る音だけがこの公園から聞こえるせいで、無理やり呼吸の勢いを強くする。
「久しぶり」
おばさんが私に向けて最初に出した声は思った以上にさらっと出てきて、それに対して私はしばらく鉄棒にぶら下がったまま腕を伸ばした状態でいる。それで何かをするわけでもなく、ただ少しだけうつむき気味に顔を斜め下に向けてるだけにしてた。
でも、向こうも私もその状態でしばらく何も話さないままでいるし、相手は自分の括れた腰の下の骨の所に手を当てたままただ私の方をまっすぐに見てるだけにしてるせいで、こっちがいる鉄棒から降りて相手の所にまで数歩歩いて行った。
「よく、見つけましたね」
「いつもここにいるって聞いたから」
一度顔を下へと下げてからまた持ち上げる感じの動きをさせて相手のことを見る私。最初は少しだけ上げるような話し方をするも、それの音を数秒間伸ばした後は、一度声を止めてから出来るだけ自然な形で伝える。ただ、顔はまっすぐではなく、ほんの少しだけ斜め横に向けるみたいに。
最初はその位置で固定させるつもりだったけど、でも、おばさんの後ろにいる精霊と目が合ったせいで反対側に向けることにした。
一方で、その間に私の言葉に対して返事をしてた相手は、少しだけ頭を傾けながらそれに合わせて背中を反る感じに。ほんのわずかだけど、こっちのことを見下ろす感じの目線をしてた。
でも、それもほんの数秒の間だけ。すぐに私の顔が向かってない方の斜め後ろに顔を向けたら、そっちに合図する感じで顎を動かしてた。それに気づくや否や、こっちも今度は顔だけじゃなくて、体も使ってそっちの方にいる、自分の胸の辺りに両方の手を握った状態で重ね合わせてる精霊の様子を見た。
その精霊の子は、薄いピンク色みたいな髪の毛がすごく大きくて、肩だったり胸よりも大きく左右に広がってる上、お尻の辺りまで来てるから、その後ろ側がどうなってるのか、こっちからだと全然わかんない。でも、その髪の毛も足元も魔法で出来た炎なせいもあって、木漏れ日で薄暗いこの公園の中では確かに光輝いてた。
「こんにちは」
顔をあげたままお辞儀する感じで挨拶してくるその子は、一瞬だけ声を出す直前にその音がどもってしまうような話し方をする。それに、そんなに大きくない上に、背中の動きも途中で止まることはないにしてもだいぶゆっくりだった。
でも、それに対してこっちも話しかけられた瞬間にはっと目を少しだけ大きくしながら相手の姿を見たせいもあって、同じように何度か最初の声を出しながら返事をした。
ただ、私の声が出し終わった瞬間におばさんの方から「あなたたち息ぴったりね」とだけ、私の方だけを見て言ってくる。それに対してこっちは、唇に力を入れずに両方をくっつけるみたいにしながら視線だけをそっちに向けて声を聞いてた。
「これから忙しいから、この子を預かって欲しいの」
言葉が終わるよりも先に、途中で呼吸を入れ替えてるタイミングで足をスライドさせて体をわずかに斜めに傾けるおばさんは、顔の角度を少しだけ上に向けて私を見下ろす。
一方で、こっちは数秒間だけ相手のことを見ていた物の、それが終わると一度瞬きしてから顔のパーツの位置はほとんど変えずにその後ろにいる精霊の様子を見た。
ただ、向こうは私と視界がぶつかり合う瞬間に、自分の胸の辺りで両方の手を重ねながらそれを自身の体に押し付けるみたいにし、前のめり気味な姿勢から背中をまっすぐにするような体勢になる。そうしながらもずっとふよふよと上下に動き続けてる姿をこっちが見てる間、横目にしているだけになっている。
向こうの方から自分の名前を早口目に名乗りながら、それと同じくらいの勢いのまま頭を下げてる。こっちもそれに少し遅れてから返事をするように目線を相手に合わせたまま一度頭を下げ、それとと共に、ほんの一瞬で消えそうなほどの小さな声、ギリギリ相手に聞こえてるくらいの大きさで返事をした。
「必要でしょ? あなたには」
その言葉を少しだけ笑う表情を作りながら話すおばさんの声が終わってから、精霊の方を見ると、また自分の名前を言いながらもう一度私に向けて頭を下げる。今度はさっきとは打って変わった相当に早い勢いだった。しばらく深々と頭を下げたまま動かない様子を見ることになった。
ただ、私は一瞬だけ言葉に全くなってない、自分でも何がしたいのかわからない声を出しながら視線を左右に向けて、顎を体に近づけながらおでこを前に出すような形に。その状態で鼻から一度だけ息を吐いた。
「あの……」
私が何も言わないせいだと思うけど、その子の方から私に上目遣いの視線を投げかけてくる。それと一緒に出てきた声は、ほんの一瞬の物で。私はもう一度トゥルーディアの様子を見た。腕側と腰側で別れた装甲が宙に浮いて、彼女の動きに合わせて動いている様子や、鋭く伸びた角のような額当て。
それらすべてを身に着けたまま、ちらちらと私の方を見つめてくる。こっちは、肩を後ろに下げながらほんの少しだけ開けてた口を、上の唇から落っことすことで閉じながら瞼にも似たような動きをさせる。以降、何もせずに自分の指で髪の毛の先端でもない場所で、手悪さするような動きだけを繰り返してた。
ただ、それに対しておばさんはさっきブランコで遊んでた子供たちが近くに来たみたいで、そっちに振り返りながらかがんで両方の手を振りながらハイタッチをしてる。それから片方の子が何かのポーズを決めてる様子を見ては、おばさんもいつもよりも少しだけ穏やかな声で返事をしてるみたい。
そっちの方をまた目線だけで見てた私は、一度逆方向の木漏れ日の薄い光とトゥルーディアの炎から漏れた光にだけ照らされている地面の方を数秒間見てからまたその子の方を見る。向こうは、今も重ねた手の中の人差し指だけを少しだけ伸ばすみたいにしてもう片方のの上に乗っけてる。そして、そこを音もなく全く等間隔ともいえないようなペースで叩いてるみたいだった。ほんの少しだけ顔を伏せがちにしてるまま目線を何度もこっちに向けたりそこから反らしたりを繰り返す。
「いいよ、来て」
そう言いながら一度しゃがんで鉄棒の根元に置いておいた荷物をまとめる。肩にかけておいたタオルを中に入れたり、その中身に入ってる水筒だったりなんだりがちゃんと全部入ってるのを手で動かしながら、軽く持ち上げたり元に戻したりを繰り返す。
一度軽くため息を突きながら両方の手を膝に突いて立ち上がって、同じく手にしておいたカバンを片方の肩にだけ背負うとそのまま数歩歩いて、おばさんとトゥルーディアの横を歩いてく。その間、私は地面の方を見つめるだけにしてた。
もう一度だけため息を吐いてからもう一度相手に向けて振り返った。最初は顔が下の方を見てたから、それに気づいてまたその向きを整えるみたいに持ち上げる。そしたら、そっちではトゥルーディアの方が両手を内側に寄せつつ自身の体の前で重ねて頭を下げてて。そう思ってたらもうすぐにそれを元に戻していた。
その間もずっと体で見に纏ってる炎が不規則な動きをずっと繰り返してるのを見つめてたら、意識して自分の下唇を押し込んでそれらの先端を横へと伸ばした。
「おばさん、いつもこんな感じだから」
体の向きを戻しながら歩いていくと、私の後ろを飛んでくる精霊の様子を地面がわずかに照らされるので気づいて、自分の足音と周囲の人の話し声が後ろの方から聞こえてくるのだけを味わいながら進んで行ってた。
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