弱虫ペダル Rainbow Ride (全話編集中) 作:サクータ
鏑木 「て、手嶋さん 後ろ 集団迫ってますよ!」
手嶋 「分かってる! 青八木、鏑木 前に出ろ」
手嶋 「後ろを振り切り 小野田達に合流する 絶対に6人そろえる! これはオーダーだ!」
青八木 「っ❗️」コクッ
鏑木 「はい❗️」
黒田 「真波、すまなかった 俺の読みが甘くて」
真波 「えっ?」
黒田 「オメェの活躍の場はまだ先だ! 銅橋、真波を連れていけ!」
銅橋 「ブハァ!?」
真波 「黒田さんは?」
黒田 「…集団ってのは 誰かを飲み込めば落ち着くもんだ そうなればコントロール出来る 一旦下がって…」
泉田 「下がる?」
泉田 「それはキャプテンとして この泉田塔一郎が許可しない❗️」
黒田 「塔一郎」
泉田 「去年荒北さんに言われたんだ 今年の勝敗は僕ら 3年の責任なんだと チームを築き、鍛え上げ ここまで引っ張り上げたのは3年なのだから」
泉田 「しっかりと見届けろ❗️黒田幸成❗️」
泉田 「これが君の責任のとり方だ! 山では君なしではチームが機能しない!」
黒田 「っ!」
泉田 「まだ残っているのだよ 仕事が こんな所で離脱してどうする?」
黒田 「…ハッ 分かったよ 塔一郎!」
泉田 「アッブ! 幸!」
鏑木 「ぐうううう❗️」
手嶋 「まさか 集団と一緒に上がって来るなんて」
鳴子 「そう言う事やったんか御堂筋!」
銅橋 「オレンジ!」
鏑木 「っ!」
銅橋 「後ろにつけ加速する! まだ協調は解けてねぇ!」
鏑木 「あざます! 銅橋さん!」
鳴子 「っ! 手嶋さん!」
手嶋 「っ⁉️」
集団に気を取られていてメンバーが加速しているのに気づかなかった手嶋 反応した時には鳴子との間約3メートル離れていた
手嶋 (反応が遅れた! 馬鹿野郎何やってんだ俺!)
鳴子 (アカン! この速度域でこの距離離れたら!)
手嶋 「うおおああ❗️」
鳴子 「ぐうっ!」
鳴子が必死に手を伸ばし
手嶋 (ダメだ、ダメだ! こんな所で落ちるのは いけ 追いつけ 手嶋純太)
手嶋 「うおおああ❗️」
鳴子の手に捕まろうと手を伸ばし鳴子の手を掴もうとしたが
ヒョイ
手嶋 「なっ⁉️」
鳴子 「てし…」
鳴子の手に届く事なく虹学キャプテン手嶋、集団に呑まれる
鳴子 「手嶋さああああん‼️」
泉田 (呑まれた…残念だが 優秀なリーダーを失ったな虹学)
彼方 「そんな…純くんが」
しずく 「集団に呑まれてしまいました」
果林 「チームが行ってしまったわ」
愛 「だ、大丈夫だよ! 昨日や一昨日みたいにまた戻れるよ!」
かすみ 「そ、そうですよ! 坂道先輩やはじめ先輩達が戻れたように また合流出来ますよ!」
せつ菜 「ですが、今度はどうやって…」
『・・・』
彼方 「・・・」
歩夢 「彼方さん?」
彼方 「そんな…彼方ちゃん嫌だよ このまま前に、純くんのかっこいい所を見られず終わってしまうなんて…これが最後になるなんて…嫌だよ」
歩夢 「彼方さん」
集団
「よっしゃ! 虹学ひとり呑み込んだぞ!」
「イケるぞ!」
「俺たちすげぇ!」
手嶋 (チームが行ってしまう 嘘だろ、何やってんだ俺 大事なところで)
「あれ? 御堂筋はどうした? 山口も」
手嶋 「っ!」
「なんだ? 京伏誰もいないぞ?」
「おい! あれ!」
手嶋 「!?」
集団の前に飛び出して加速していた京都伏見がいた
「アタックだと!?」
手嶋 (御堂筋、集団が浮ついた瞬間を狙ってカウンターを仕掛けたのか!)
「どういうことだよ!」
「俺たちと一緒に先頭目指すんじゃなかったのかよ京伏!」
御堂筋 「ブククッ ご苦労やったピラニアの諸君 君らの仕事はここでお終いや おかげで十分脚を休められたわ」
手嶋 (くそっ、離される ここで追いつかないと2度と合流出来ない)
手嶋 「おい誰でもいい! 協調に乗ってくれないか? 俺と一緒に前を追おう!」
「無理だ」
「ここまで必死に回してきたからもう脚がねぇ」
「もう追いつけねぇよ」
手嶋 (そんなわけあるか ここまで追いついてきた集団に前を追う力がないわけが…はっ! 京伏か! 指揮も統率も取れない集団は打開するしかない そこまで計算していた訳かよ御堂筋!)
御堂筋 (ピラニアが怖いのはまとまってる時だけや バラけてしまえば所詮1匹の魚やからねぇ)ニヤ
手嶋 「くっ! 頼む! 誰か一緒に前を! 協調に乗ってくれ! 誰か、誰か!」
手嶋 (俺にはまだやんなきゃいけねぇ事があるんだ)
***************
スタート前
手嶋 「小野田、今日の山も頼むぞ」
小野田 「はい!」
手嶋 「けど心配すんな 俺も虹学のクライマーだ、ちゃんとサポートするよ 全力で」
小野田 「はぁぁ(喜)」
手嶋 「まぁ、お前みたいなすごい登坂力ないから 出来る限り…だけどな」
小野田 「いえ、ありがとうございます!」
***************
手嶋 「おい誰でも良い 協調に乗ってくれ! 誰か! あっおいそこのお前、俺と!…っ?」
手嶋 (この虹色のジャージ、このゼッケン 誰だ? いや、よく知ってる顔だ)
青八木 「ああ、純太 後ろにつけ すぐさま加速する」
手嶋 「っ!・・・な、なんでここに 先頭に行かなきゃダメだろ なんで! 何しに…ここへ…」
青八木 「お前が集団に呑まれたから クライマーをチームに引き戻すためだ」
手嶋 「・・・」
手嶋 (青八木がいる これ以上の心強い協調の相手はいない へへっ)
青八木 「後ろに入れ純太」
手嶋 「ああ、分かった青八木…」
手嶋 (いや、待て けどお前は…)
青八木 「どうした純太心配そうな顔をして 昨日の表彰式の後に言っただろ 俺たちの最後のレースで「
手嶋 「・・・ふっ」
「虹学が飛び出した!」
「行かすな! 誰か追え!」
「誰かってお前が追え!」
「いや俺はもう脚が」
伊勢 「・・・」
岩崎 「伊勢さん!」
藤原 「良いんですか、あのふたりを行かせてしまって」
伊勢 「・・・岩崎、藤原」
岩崎・藤原 『はい!』
伊勢 「俺たちのインターハイは終わりばい」
岩崎 「え!?」
藤原 「伊勢さん!」
伊勢 「俺にはもう前を追う力は残っとらん それはお前らも同じやろ? けど俺は満足ばい やれることは全てやった ちと小さな事で笑うかも知れんけど、俺は胸を張って熊本に帰れるけん・・・来年は・・・頼むけんね(泣)」
岩崎・藤原 『・・・はい』
手嶋 (青八木、大丈夫なのか 痛いんじゃないのか お前はいつも表情に出さないから)
前を引いていた青八木、前を向いたまま右手を後ろの手嶋に向けて出してくる
青八木 「暑さのせいで喉が渇いた」
手嶋 (っな! まさか、
手嶋 「…ハハッ」
手嶋 (こいつは相手の力を知り、癖を知り 100%の信頼がねぇと出来ない代物だ)
キュイ! 前輪と後輪が触れる音
手嶋 (共に練習を積み 共に悩み進んで来た 俺たちの最良の形)
前後を走る手嶋と青八木が、タイヤがくっつきそうなぐらい接近して走り、1人分の空気抵抗で2人で走る。
そして互いに身体と車体が斜めになりながら前を引いている青八木にボトルを渡す
「凄ぇぞあのふたり」
「近すぎでしょ」
「ていうかボトルを!?」
手嶋 (これが俺たちにしか出来ない)
手嶋 (
璃奈 「あっ」
愛 「どうしたんりなりー?」
璃奈 「今、SNSでこれが」
果林 「えっ!? 純太くんと」
彼方 「はじめん!?」
しずく 「はじめ先輩も集団に呑まれていたなんて」
彼方 「はじめんまで…」
せつ菜 「はじめさんは昨日みたいに救出に向かったんでしょうね」
歩夢 「だけどこの写真と動画」
かすみ 「近くないですか!? よくこれで走れますね」
しずく 「しかも斜めになりながらボトルを渡してますよ」
せつ菜 「シンクロ…してます? 動きがお二人とも同じですね」
璃奈 「息ぴったり」
彼方 「・・・あっ チーム2人」
愛 「え? なにそれ?」
彼方 「純くんとはじめん、ふたりでよくレースに出ていたって話しをよく聞いてたんだぁ 「チーム2人」ってチーム名を付けてね」
愛 「そうなんだぁ」
果林 「ねぇ彼方?」
彼方 「ん?」
果林 「彼、はじめくん 大丈夫かしら」
彼方 「確かに心配だけど見てこの動画のはじめん 嬉しそうな顔してる」
果林 「そうね…無事に戻って来てほしいわ」
彼方 「うん」
エマ (はじめくん)
手嶋 (はじめ! お前って男は 心配すんなって 一緒に行こうって事かよ!)
青八木 「純太」
手嶋 「っ?」
青八木 「どれくらいの力で踏めば良い 聞かせてくれ、お前のプランを」
手嶋 「…まずは80%の力で引け 下り区間は60%ぐらいに落として休んで良い 敵が見えたら100%まで上げろ 勝負となれば120%だ! 敵を掻い潜り 本体までたどり着く」
青八木 「っ!」コクッ
手嶋 「イケる、イケるさ 俺たちふたりなら 俺は奇跡を信じる」
青八木 「分かった、純太」
手嶋 (人は1人で立っている 1人の力で歩いている だけど、誰かと歩んでいく道は 不思議と短く感じる ある日、ふと考えた それは力なんじゃないかって 歩くのは一人一人の力 だけど、その間には目には見えないけれど 確実に力が働いている たとえお互いに触れていなくても 人と人はそばにいるそのことだけで 共に同じ方向に歩いているという事実が 力になっていくんだろう)
手嶋 「変わる、後ろで2分休め」
青八木 「っ!」
手嶋 (やっぱ共に進むっていうのは力だ こんだけピンチだっていうのに 力湧いて来る あれだけ絶望を味わったのに 希望が湧いて来る! 見てるかよぉ、インターハイ! 今、3年になって俺はここにいる! 戦い、挫折し、克服してもがいて来てたどり着いたんだ! 来たぜインターハイ 青八木と共にこの最高の舞台まで 俺たちは この魂の
青八木 「2分だ 変わる!」
手嶋 「ああ、頼む!」
青八木 「震えているのか」
手嶋 「っあ、ピンチだっていうのにどうかしてるけど この状況に胸が高なってな」
青八木 「俺も同じだ 純太」
手嶋 「ああ、いくぜ青八木!」
手嶋・青八木
『この道を辿り このジャージを届けに❗️』